「留学と
ワーキングホリデー、どっちが自分に合っているんだろう？」と悩んでいませんか。
ビザの種類や滞在期間、活動内容の違いを知らないと、後悔する選択をしてしまうかもしれません。
この記事では、留学とワーキングホリデーそれぞれの特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
自分にピッタリの海外経験の方法を選んで、安心して一歩を踏み出しましょう！
留学とワーキングホリデーの基本概要
ワーキングホリデーとは
ワーキングホリデーとは、二国間の協定に基づいて、若者が一定期間海外で生活しながら、就労や観光を自由に行える制度です。
主に18〜30歳の若者が対象となります。
この制度を使えば、現地での勉強・仕事・旅行を柔軟に経験することができます。
略して「ワーホリ」とも呼ばれます。
留学とワーキングホリデー それぞれの目的
留学とワーホリの大きな違いは何でしょうか。
簡単にお伝えすると「滞在先で働きたいか・学びたいか、の違い」です。
留学の主な目的は学業です。語学学校やカレッジなどで学びます。専門分野を深く学び、学位取得を目指すこともできます。
一方ワーホリは、異文化体験を主な目的として、海外で働きながら現地で生活できる制度です。滞在期間中、語学学校に通い勉強するのも可能です。
どちらも海外生活を通して語学を学んだり異文化を体験できますが、目的と活動する内容は大きく異なります。
「あなたが海外に行きたい目的は何なのか？」「どちらが自分のキャリアアップに繋がるのか」をよく検討して決めることが重要です。
カナダのCo-op（コープ）プログラム
「Co-op留学」や「Co-opプログラム」という言葉を聞いたことがありますか。
カナダには、実はワーホリ以外にも「Co-op（コープ）プログラム」という就労可能な留学方法があります。
Co-op留学もワーホリも就労できるという点では同じですが、違いは何でしょうか。
カナダのCo-opプログラムとは、就学と就労を組み合わせた教育制度です。
カレッジや専門学校のコースに組み込まれ、授業で学んだ知識を実際の職場で活かす実習（インターンシップ）が含まれます。
この実習は有給です。
専門知識を勉強しながら、有給で就労経験ができる点がCo-opプログラムのメリット。現地での就労経験が積めるため、卒業後の就職にも有利です。
Co-opプログラムでの留学の場合、学生ビザと就労ビザが一緒に発行されます。
ワーホリビザと違い、年齢や期間の制限はありません。
ビザの種類と取得条件の違い
留学で必要なビザと取得条件
留学に必要なビザは、基本的に「学生ビザ」です。
ただし短期であれば、観光ビザで入国できる国もあります。
例えばカナダの場合、6ヶ月以内の就学であれば観光ビザで可能。
6ヶ月を超える就学の場合は、学生ビザが必要です。
オーストラリアやニュージーランドの場合は、3ヶ月以内の就学であれば観光ビザ、3ヶ月を超える就学の場合は学生ビザが必要となります。
対象年齢の決まりはなく、中学・高校生でも30〜40歳でも留学することができます。
渡航先についても決まりはありません。
※ビザの情報は変更される可能性があります。
最新の情報を各国の大使館や移民局のウェブサイト上でご確認ください。
ワーキングホリデーで必要なビザと取得条件
ワーホリには、「ワーキングホリデービザ」が必要です。
取得するための条件が色々と決まっているため、該当しない場合はワーキングホリデービザの申請はできません。
【年齢制限】
各国の若者のためにつくられた制度のため、ビザの申請ができる年齢は「18歳以上30歳以下（一部の国を除く）」という決まりがあります。
【ワーホリ制度の目的】
・主として休暇を過ごすことを目的としている
・就労はあくまで休暇中の資金を補うための付随的なものである
【渡航先】
渡航先は、協定を結んでいる国に限られています。
令和7年1月1日現在での情報では、30ヶ国・地域とのワーホリを導入。
原則、1つの国に対してワーホリで渡航できるのは一度のみです。
しかし最近では再取得を可能にして、国内の人材確保を目指している国も出てきています。
引用：
令和6（2024）年12月1日以降、5か国（カナダ、英国、ニュージーランド、デンマーク及びオーストリア）については、一生涯2回若しくは2年連続、又は、一生涯2回の参加が可能となりました（国によって条件が一部異なります）。
令和7年（2025）年1月1日以降、3か国（ドイツ、アイルランド及びスロバキア）については、一生涯2回の参加が可能となりました（国によって条件が一部異なります）。
引用先：外務省 ワーキング・ホリデー制度https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/working_h.html
滞在期間と活動内容の違い
滞在期間の違い
語学留学の滞在期間は自分で決めることができます。
一方、ワーホリビザは滞在期間が決まっているのが特徴です。
国によって異なり、基本的に1〜2年となっています。
下記、主なワーホリ協定国と滞在可能期間の一覧です。
※下記の期間は最長で利用できる期間を記載しています。
| 国名 | 滞在可能期間 |
| オーストラリア | 3年 |
| ニュージーランド | 18ヶ月（1年3ヶ月） |
| カナダ | 1年 |
| 韓国 | 1年 |
| フランス | 1年 |
| ドイツ | 1年 |
| イギリス | 2年 |
| アイルランド | 1年 |
| 台湾 | 360日 |
| 香港 | 1年 |
多くの国で1年ほどですが、イギリスは2年間と他国よりも長く滞在できます。
台湾の滞在日数は180 日ですが、現地で1回延長が可能で、最大で180日の延長ができます。
そのため最大で360日滞在ができる仕組みになっています。
就労期間・就学期間の違い
【留学の場合】
留学の場合、就学期間は自分で決めることができます。
就労については、ビザなしの渡航の場合は現地で働くことはできません。
学生ビザの場合は就労できる可能性もありますが、「週〇時間まで」など労働時間に制限があったり、条件を満たさないと働けないことが多いです。
【ワーホリの場合】
ワーホリビザを持っていれば就労できます。また労働時間の制限はありません。
ただし、同一雇用主のもとで働ける期間に制限のある国もあるので注意が必要です。
（オーストラリアでは同一雇用主のもとでは6ヶ月まで）
労働時間に制限がないワーホリですが、就学期間については「最大6か月」などの制限が設けられているケースがあります。
| 国名 | 最長就学期間 |
| オーストラリア | 4ヶ月 |
| ニュージーランド | 6ヶ月 |
| カナダ | 6ヶ月 |
| 香港 | 6ヶ月以内 |
| ノルウェー | 3ヶ月未満 |
費用面での比較
語学留学の費用
語学留学は、語学学校などに通い、学業第一で語学力を向上させることが目的です。
そのため学費が主な費用となり、収入を得られるワーホリと比べ費用が高くなる傾向があります。
語学留学の1年間の費用相場は300万円から450万円ほどです。
ただし学費や生活費、滞在先の都市、住居費（シェアハウス・ホームステイなど）によって必要な費用は大きく変わります。
また為替レートによっても違いが出るため、上記の金額は参考程度にお考えください。
費用面では高く感じますが、留学することで専門的な知識やスキルを得ることもできます。
また帰国後の就職や進学のためのスキルアップ・キャリアアップなど目的がはっきりしているならば、集中して勉強できる留学は最適です。
ワーキングホリデーの費用
収入を得ながら海外生活ができるのがワーホリ最大のメリット。
現地で働いて自分の生活費を稼ぎながら滞在できるため、比較的費用を抑えられます。
頑張って働いて留学費用を100万円程度にできる国も多く、学費を抑えつつ長期間滞在したい場合は、ワーホリを検討してみてください。
学費は少なく、さらに収入を得られるため、生活費をどう抑えるかは自分の工夫次第です。
シェアハウスで家賃を抑えたり、自炊して食費を節約するなど、滞在費用を捻出していくことが大事です。
目的別の選択ガイド
さて、さまざまな視点から留学とワーキングホリデーの違いを説明してきました。
ここでは、留学とワーキングホリデー、それぞれどんな人に向いているか？をご紹介します。
留学が向いている人
・学位や資格を取得したい・キャリアアップを目指したい人
・ワーホリ協定国以外の国に留学したい人
腰をすえてじっくり勉強をしたい方には留学が向いています。
海外の大学や大学院で学位を取得することも可能です。
現地の学生に混じって大学の授業を理解するためには語学力が必須となるため、否が応でも高い英語力が身に付くでしょう。
またワーホリの場合は、滞在先はワーキングホリデー協定締結国の中からしか選べません。
しかし留学であれば、自分の好きな国を滞在先として選べますよ。
ワーホリが向いている人
・海外滞在費用をなるべく抑えたい人
・海外で働く経験をしてみたい人
・就労や旅行など、主体的にいろんなことに挑戦して自由な生活を楽しみたい人
「海外で働いてみたいし、語学学校にも通いたい、それに滞在中に旅行もしたい」などやりたいことがたくさんある方は、自由度の高いワーホリを選べば充実した海外生活を送れるでしょう。
また現地で働いて収入を得ながら滞在ができるため、費用を抑えて海外生活を経験したい方にもおすすめです。
留学とワーキングホリデーのメリット・デメリット
留学とワーキングホリデーは、どちらも海外経験を積める魅力的な選択肢ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
留学のメリット・デメリット
【メリット】
・効率よく短期間で英語を学べる
語学学校や大学で集中的に学習するため、頑張り次第では短期間で語学力を向上させることができます。
ただし、日本人といつも一緒にいて日本語に触れる時間が多い、家で日本語の動画ばかり見ている、といった状況で上達するのはなかなか難しいです。
留学の目的を忘れずに学んでいくことが大切です。
・さまざまな国の友人・人脈ができる
語学学校には世界各国からの留学生、大学には現地の学生や海外からの留学生がいます。
さまざまな国の人たちとの交流を通じて、国際的な人間関係を築くこともできるでしょう。
【デメリット】
・費用が高い
学費や滞在費が高額になるため、十分な資金を準備しておくことが必要です。
・就労の制限
学生ビザでは就労が制限される場合が多いです。
「海外での就労も経験したい、費用をできるだけ抑えたい」という方は、ワーホリを検討してみた方がいいでしょう。
・ネイティブと交流する機会が少ない
語学学校に通っているのは自分と同じく海外から英語を学びに来ている留学生です。
そのため、ネイティブと交流を持てる機会がなかなかありません。
地域のワークショップやアクティビティに参加するなど、自ら動いてみることも必要です。
ワーキングホリデーのメリット・デメリット
【メリット】
・海外での就労経験
海外で働く経験を通して、実践的な語学力や異文化に対する理解を深めることができます。
・費用を抑えられる
現地で収入を得られるため、留学よりも費用を抑えることができます。
【デメリット】
・語学力の向上は自分次第
ワーホリの場合、語学学校に通う留学以上に語学力向上は自分自身の努力が必要となります。
働ける場所がどうしても日本食レストランになってしまうのはワーホリによくあることです。
同僚も日本人で日本語を多く使うアルバイトでは、なかなか語学力の上達が見込めません。
語学学校に一定期間通ってから仕事を始める、仕事が休みの日に勉強をする機会を設けるなど、工夫が必要です。
・不安定な収入
現地ですぐに仕事が見つかる保証はありません。
収入が不安定になることもあるため、資金は100万円ほど準備しておくと安心です。
すぐに働く場所が見つからなくても、ぜいたくをしなければ半年ほどは暮らしていけるお金を用意しておくと心に余裕が持てますね。
まとめ
留学とワーキングホリデーは、どちらを選んでも海外での貴重な経験を得られますが、目的や活動内容が大きく異なります。
留学は学業を重視し、語学や専門知識の習得を目的とします。
一方、ワーキングホリデーは就労や旅行を通じた異文化体験がメインで、費用を抑えながら海外生活を楽しめるのが魅力です。
あなたの目的に合わせて、最適な海外経験の選択ができるといいですね。
