ビザ申請や、資金の調達等、やることがたくさんのワーホリ準備ですが、多くの方々が気になる税金事情。
日本国内外の税務は複雑ですが、居住者としての基本知識を押さえれば安心してワーホリや留学を楽しむことができます。
税理士の助言や必要な書類、源泉徴収票などもしっかり確認し、海外転出届や保険手続きも忘れずに。
この記事では、ワーキングホリデー中の手続きや支払い義務、帰国後の対応まで幅広く解説します。
- ワーキングホリデーとは?
- 確定申告手続き(Tax Return)について
- ワーホリ中、日本の税金はどうする?
- ワーホリ中で得た所得に確定申告が必要となる!?
- ワーホリの扶養控除
- ワーホリに行く前に確認したい日本の健康保険・年金・住民税
- まとめ
ワーキングホリデーとは?
ワーキングホリデーは、若い世代が海外で働きながら滞在する制度です。
各国の制度や必要な手続き、保険や年金の加入条件も異なり、事前の情報収集が重要です。
ここでは、ワーキングホリデーの概要と注意点を詳しく解説します。
ワーキングホリデーの基本概要
ワーキングホリデーは、日本の若い人が一定期間、海外で就労・留学を行う制度です。制度の対象は20代前半の人が中心となり、各国との協定により手続きが簡素化されています。
日本国内の住民票の登録状態や納税者としての義務も変わるため、申告や所得の管理が必要です。
渡航前の準備と書類
渡航前にはパスポート、ビザ、海外転出届、健康保険の加入状況確認、さらには必要な保険料の支払いなど、細かい書類の準備が求められます。
税務手続きでは、源泉徴収票や納税管理人の指定書類が必要となる場合もあり、計画的な準備が不可欠です。
現地での生活と働き方
海外での生活は、日本と異なる文化や労働環境が広がっています。
現地では所得の発生、所得税の計算、保険の加入など、各国独自の制度が適用され、外国人としての対応が求められます。
滞在中は、現地の保険や海外健康保険に加入することで安心して働くことができます。
国ごとの制度の違い
ワーキングホリデー先では、国ごとに申告方法や税率、さらには年金制度が異なります。
オーストラリアやニュージーランド、カナダなどは、各国の納税地や支払い義務が細かく規定されており、手続きの違いを事前に確認することが成功の鍵となります。
確定申告手続き(Tax Return)について
ワーホリ中の確定申告は、各国での所得や税金の取り扱いが異なるため、注意が必要です。
ここでは、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの具体的な手続きと共通の注意点について詳しく説明します。
オーストラリアの確定申告手続き
オーストラリアでは、現地税務局(ATO)が提供するオンラインシステム「myTax」を利用して、確定申告を行います。
ワーホリ参加者の場合、税法上の居住者か非居住者かの判定が非常に重要となります。居住者とみなされると、全世界所得が課税対象となる一方、非居住者の場合はオーストラリア国内で得た所得のみが対象です。
具体的には、給与明細やPayment Summary、Income Statementなどの書類をもとに、所得の種類ごとに税率や控除の計算が行われます。
また、源泉徴収制度により、勤務先が自動的に税金を差し引いているため、還付申告や追加納税が発生する場合があります。
さらに、海外健康保険や保険料の支払い状況、Superannuation(年金)拠出額についても確認し、必要に応じて申告書に反映させることが求められます。
加えて、ワーホリ中の短期滞在者は、帰国前に現地の税務担当者や税理士に相談し、正確な申告方法や控除対象を把握することが安心して申告を行うためのポイントとなります。
ニュージーランドの税務申告
ニュージーランドでは、まずTax File Number(TFN)の取得が必須で、これにより個々の納税者が管理されます。
年間所得に基づき、段階的な累進課税が適用されるため、各所得帯ごとに異なる税率が計算されます。
現地では、PayslipやIncome Statementが基本的な証明書類となり、これらをもとにオンラインで確定申告を行います。
さらに、ニュージーランドの申告システムはシンプルながらも、控除や免税の適用に関しては詳細な情報入力が求められます。
例えば、特定の経費控除や扶養者に関する情報、または海外で得た所得との調整が必要な場合は、各書類の正確な整理が必須です。
申告書の提出期限や、申告内容の確認プロセスにおいて、誤りを防ぐために税理士の助言を受けることも推奨されます。
さらに、現地独自の税制ルールや、納税地の設定についても事前にしっかりと確認することが、申告ミスを防ぐための重要なポイントです。
カナダの所得申告方法
カナダでは、各州ごとに税率や控除額が異なり、累進課税制度が適用されます。
ワーホリ参加者は、勤務先から発行されるT4(源泉徴収票)を基に、オンラインまたは郵送で確定申告を行います。
申告にあたっては、給与所得だけでなく、ボーナスやその他の手当、さらには海外で得た所得と国内源泉所得の区分が重要な役割を果たします。
また、カナダでは扶養者の状況や健康保険料、年金拠出金などの控除対象項目も多岐にわたります。これらの項目については、正確な記録を残し、申告時に詳細な情報を入力することが求められます。
納税者は、各州の申告期限や提出書類のリストを事前にチェックし、必要な書類(T4、支払い証明書、その他関連書類)を漏れなく準備することが、正確な申告と二重課税の回避に繋がります。
専門の税理士に相談しながら、最新の税制情報を把握することも、安心して申告手続きを進めるために非常に有効です。
共通の注意点と手続き
どの国においても、正確な所得の把握と必要書類の準備が鍵となります。
各国の確定申告では、現地の税務ルールに基づいた申告が必要であり、万が一不明点があれば税理士などの専門家に相談するのが賢明です。
また、海外で働く外国人としての申告義務や、帰国後の手続きも忘れてはなりません。
ワーホリ中、日本の税金はどうする?
海外でワーホリを楽しむ一方で、日本の税金に関しても注意が必要です。
日本の居住者としての義務が残る場合、所得税や住民税、健康保険、年金などに関する支払い義務や免除方法が適用されます。以下、各税目ごとに詳しく解説します。
所得税の支払い義務と免除方法
ワーホリ中でも、日本で発生する所得がある場合は確定申告が必要です。
特に国内源泉所得や会社から発行される源泉徴収票をもとに、所得税の申告手続きを行います。
海外での所得がある場合、外国税額控除や、支払い義務の調整を行う必要があるため、税理士のサポートを受けると安心です。
住民税の納税地と支払いパターン
住民税は、前年の所得に基づいて課税され、納税地が日本国内にある場合、たとえ海外滞在中でも支払い義務が発生します。
住民票の変更や海外転出届の提出が求められる場合もあり、手続き次第で免除措置が適用されるケースもあります。扶養者の状況も影響するため、しっかり確認が必要です。
健康保険・国民健康保険の手続き
海外に長期滞在する場合、現地の保険に加入するケースが多いですが、日本の国民健康保険との二重加入を避けるため、住民票の移動や保険の切り替えが必要です。
保険料の支払い状況や、国内と海外の保険制度の違いを正しく理解し、適切な手続きが求められます。
年金・国民年金の取り扱いと扶養控除
年金制度もまた、ワーホリ中の大きなポイントです。
国内における国民年金の納付義務や、扶養者としての取り扱いが変わる場合があります。
海外で得た所得が影響するケースもあり、納税地や支払い義務の確認、さらには税務署への申告で免除措置を受ける方法を検討することが必要です。
ワーホリ中で得た所得に確定申告が必要となる!?
海外で働いて得た所得については、帰国後に日本で改めて確定申告を行う必要がある場合があります。
帰国後の手続きは、国内源泉所得との合算や、海外での納税実績を反映させる点がポイントです。
正確な申告をするため、必要な書類や保険、年金、扶養者の情報を整理しましょう。
必要書類の整理と提出のコツ
帰国後の申告では、海外での給与明細、源泉徴収票、納税証明書、海外転出届の控えなどを整理し、一元管理することが大切です。
チェックリストを作成して、オンライン申告時の入力ミスや提出期限の見落としを防ぎましょう。
二重課税回避と控除の適用
海外で支払った所得税の証明書類を提出することで、外国税額控除が適用され、二重課税を回避できます。
さらに、扶養控除や健康保険料控除など国内の控除も合わせ、正確な課税所得を計算しましょう。
ワーホリの扶養控除
ワーホリ中でも扶養控除の適用条件や手続きが変わる場合があります。
扶養者として登録している家族の状況や、海外での所得との関係を明確にし、正しい申告を行うことが求められます。
申告書類や住民票の確認、さらには税理士のアドバイスを活用することで、無用なトラブルを防ぐことができます。
扶養控除の基本とその影響
扶養控除は、納税者の所得計算において重要な項目です。
ワーホリ中は、国内と海外の両方で扶養者の条件が異なる場合があり、正しい書類の提出が必要です。
扶養者として認められる条件や、控除対象となる所得の範囲を理解し、適切な手続きで申告することが大切です。
扶養者の条件と申告書類
扶養者として申告する場合、家族構成や住民票の状況、国内源泉所得の有無など、さまざまな条件が影響します。
必要な書類を整え、申告時に正確な情報を提供することで、無駄な課税を回避できます。税理士のサポートを得るのも一つの方法です。
ワーホリに行く前に確認したい日本の健康保険・年金・住民税
ワーホリ出発前には、日本国内の健康保険(国民健康保険)や年金(国民年金)、住民税の状況を必ず確認しましょう。
海外での生活が始まる前に、国内の保険料や支払い義務、納税地の変更手続きなどを済ませておくことで、帰国後のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
ワーホリ中は、海外での所得・申告手続きに加え、日本国内の所得税、住民税、健康保険、年金といった税務・社会保険の管理が欠かせません。
正確な確定申告と必要書類の整備を行い、帰国後もスムーズに手続きできるよう備えましょう。
海外での挑戦を楽しむために、誰に頼るべきかを見極めて、事前の準備を進めていきましょう。

◇経歴
・新卒で入社した貿易商社にて韓国語英語を使い貿易業務に従事。
・現在は大手総合情報サイトのカスタマーサクセス職に携わる傍ら、副業で韓国語・英語を使用しマーケティングチームの一員として奮闘中。
◇留学経験
・カナダに姉妹校をもつ国際的な高校に入学し、交換留学を経験。
・大学では国際学部を専攻し、国際情勢を英語で毎日学び、卒業論文も
英語で執筆。
・大学在学中に韓国外国語大学という韓国一外国人留学生の多い大学に
留学し、英語と韓国語を同時に学ぶ。
◇海外渡航経験
旅行:タイ、バリ、カナダ、韓国
◇自己紹介
小学生の時に、ナルニア国物語に出会い、英語に目覚めました。
英語が話せたら、色んな人と話せるだろうなぁ、自分の知らない世界を知ることができるんだろうなぁという幼い時に芽生えた純粋な心を今日まで忘れず、”語学”と共に生きてきました!
私は日本生まれ日本育ちですが、在日コリアンのルーツを持っています。第一言語は日本語ですが、母国語にも興味を持ち、小学5年生から独学で勉強をして韓国語検定6級を取得した過去もあります。
語学は人生を豊かにしてくれるものだと心から信じていますし、楽しさを自分のものだけにせず、誰かと分かち合いたい気持ちからライターとして活動を始めました!
今年からオーストラリアに拠点を移し、再度勉学に励みつつ、『自由に働く』ことを夢に掲げていますので、現地の最新情報なども発信できたら嬉しいです。