
ヨーロッパ旅行といえば、美しい街並みや歴史ある建築、そして各国ならではのグルメを楽しめる憧れの旅行先ですよね。しかし、観光客を狙ったスリや詐欺などの軽犯罪が起こりやすいという情報を見て、渡航に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、旅行初心者の方でも安心して訪れられる、ヨーロッパの安全な国を中心に治安事情や旅先での具体的な安全対策をわかりやすく解説します。安全に気を配りながらも、ヨーロッパの魅力を最大限に楽しむためのポイントを押さえていきましょう。
世界の治安は「世界平和度指数」がひとつの目安に
世界各国の治安を客観的に知りたいとき、役立つ指標のひとつが「世界平和度指数」です。国ごとの安全性を総合的に評価しているため、旅行先選びの参考として多くの人に利用されています。ここでは、世界平和度指数の特徴、そして特に高い評価を受けているヨーロッパの国々をご紹介していきます。
海外旅行の治安を知りたいとき、参考にされることが多いのが 「世界平和度指数(Global Peace Index:GPI)」 です。これは、経済平和研究所(IEP)が毎年発表している国際的な指標で、世界163か国を対象にどれだけ平和で、安全に暮らせる環境が整っているかを数値化したものです。
単にスリが多い・少ないといった部分的な話ではなく、政府の安定性、犯罪発生率、軍事力、国際関係など、幅広いデータを基に評価されているため、単純な治安ランキング以上の信頼性があります。
例えば、政治的に安定している国はデモや暴動のリスクが低く、公共交通機関もより安心して利用できる傾向があります。また、犯罪率が低い国では、観光客が街を歩く際のプレッシャーが少なく、治安面でストレスの少ない旅行を楽しみやすいのも特徴です。
ヨーロッパで比較的安全とされる国

ヨーロッパは、GPIで毎年上位にランクインする国が多い地域としても知られています。北欧や西欧を中心に、平和度指数の高い国が多く、初めての海外旅行や女性のひとり旅でも選ばれやすい傾向があります。ここからは、ヨーロッパ旅行で安全な国について見ていきましょう。
アイスランド
アイスランドは、世界でもトップクラスの治安の良さを誇る国として知られています。世界平和度指数でも長年1位を維持しており、安心して旅行できる国として多くの旅行者から高い評価を受けています。犯罪発生率が極めて低く、暴力事件や観光客を狙った犯罪も少ないため、初めての海外旅行や女性ひとり旅にも向いている国とも言えます。
治安の良さの背景には、国全体の人口が少なくコミュニティが強固であること、さらに社会福祉制度や教育水準が高く、国内の格差が比較的少ないことが挙げられます。街中では人々が穏やかで親切な印象があり、旅行者にとって心地よい空気が流れています。首都レイキャビクでも夜遅くでも安全に歩くことができ、海外特有のピリピリした感じがほとんどありません。
また、アイスランドは自然観光が中心の国で、都市部よりも郊外へ出かける機会が多くなります。雄大な絶景が魅力の一方で、自然環境が厳しいエリアもあるため、治安というより自然へのリスクには注意が必要です。
突然の天候変化、強風、冬季の道路凍結など、観光客が思わぬ危険に遭うケースもあるため、公式サイトで気象情報をチェックしながら行動することが大切です。
また、観光スポット自体は整備されており、レンタカー旅行も人気ですが、道路事情やルールは事前に確認しておくと安心です。
アイルランド
アイルランドは、ヨーロッパの中でも特に穏やかで過ごしやすい国として知られ、治安面でも安定した評価を受けています。世界平和度指数でも常に上位にランクインしており、政治的に安定していることから、大規模なデモや暴動のリスクが低い点も旅行者にとって安心材料のひとつです。
観光客を狙った犯罪も比較的少なく、私が首都ダブリンに滞在した際も街中を歩いていても過度な緊張を感じることは全くありませんでした。
また、アイルランドの魅力としてよく挙げられるのが、人々のフレンドリーさです。困っている観光客に気軽に話しかけてくれたり、道に迷っていると声をかけて案内してくれたりと、親切な方が他のヨーロッパの国々に比べて多い印象を受けました。英語が公用語であることも、初めての海外旅行でもコミュニケーションに困りにくく、安心感につながります。
一方、アイルランドらしい自然や郊外を巡る旅行では、アイスランドと同じく治安というより自然環境への注意が大切になります。モハーの断崖やキルケニー周辺などでは、風が強い日や足場の悪い場所もあるため、立ち入り禁止区域を守るなど慎重な行動が重要です。
また、レンタカー旅行をする場合は、アイルランドは日本と同じ左側通行ですが、細い田舎道では速度を控えめにするなど無理のない運転を心がけましょう。
オーストリア
オーストリアは、中欧の中で特に治安が良い国として知られています。世界平和度指数でも常に上位に位置しており、政治的にも安定しているため、大規模なトラブルや暴動などのリスクが低い点が特徴です。観光客が多いウィーンやザルツブルクでも、犯罪発生率は比較的低く、街中を歩いていても緊張感を覚える場面が少ないため、初めてのヨーロッパ旅行にも向いている国といえます。
特に首都ウィーンは、世界で最も住みやすい都市ランキングで毎年上位に選ばれるほど、安全性・生活環境の質が高く保たれている地域です。街並みは整然としており、公共交通機関も発達しているため、観光客でも安心して移動できます。地下鉄やトラムの利用時も他の大都市に比べてトラブルが少なく、女性のひとり旅でも比較的安心して観光できる雰囲気がありました。
ただし、治安が良いとはいえ観光地特有の注意点はあります。観光客が集中するオペラ座周辺、シュテファン大聖堂、シェーンブルン宮殿などでは、スリや詐欺が発生することがあるため、貴重品の管理だけはしっかり行いましょう。荷物を開けっ放しにしない、バッグを体の前に持つなど基本的な対策で十分防げるレベルです。さらに、同エリアは観光客を狙った詐欺が頻発する地域でもあります。特に多いのは 「偽のコンサートチケット売り」です。
オペラ座周辺やシュテファン大聖堂付近で、クラシックコンサートのチケットを街頭で販売する人がいますが、実際の会場が小さな別会場だったり、正規価格よりかなり高額だったりするケースがあります。クラシック音楽の本場だからこそ起こる旅行者を狙った販売ですが、コンサートやオペラ鑑賞をしたい場合は、公式サイトか正規のチケット売り場で購入するのがおすすめです。
また、郊外やアルプス地方を訪れる場合は、治安より自然環境への注意が必要になります。冬季は雪による道路凍結や天候の急変が起きやすいため、レンタカーの際は事前に道路状況を確認するのがおすすめです。ハイキングコースも整備されていますが、時間帯とルートを把握して無理のない計画で進みましょう。
スイス
スイスも、ヨーロッパの中でも特に治安が良い国として高い評価を受けています。世界平和度指数でも毎年上位にランクインし、政治の安定性、犯罪率の低さ、社会秩序の高さがバランスよく保たれている点が特徴です。街中を歩いていても落ち着いた空気が流れ、無用な緊張を感じる場面がほとんどありません。
スイスの治安の良さを支えているのは、高い生活水準と教育レベル、そして地域社会の強いつながりです。国民のモラル意識が高く、公共の場が常にきれいに保たれています。特に、チューリッヒやジュネーブ、バーゼルといった主要都市は、世界的にも住みやすい都市として評価が高く、観光客が迷いやすい複雑なエリアも少ないため、初めての訪問でも行動しやすいのが魅力です。
ただし、治安が良いスイスでも観光地では基本的な注意は必要です。特に中央駅や旧市街周辺は人が多く集まるため、観光客を狙ったスリが発生するケースもあります。バッグを開けっ放しにしない、貴重品をポケットに入れないなど、一般的な対策を守っていれば過度に心配する必要はありません。
また、スイス旅行では都市だけでなく自然観光が大きな魅力となります。アルプス山脈や湖畔の絶景スポットなど、雄大な自然を満喫できる一方、山岳エリアでは天候が急変しやすい点には注意が必要です。ハイキングコースは整備されていますが、初心者でも登れるルートから本格的なトレッキングまで幅広いため、自分の体力に合ったコース選びが大切です。山に入る前は気象情報をチェックし、必要に応じて防寒具を持つなどの準備をしておきましょう。
ポルトガル
ポルトガルは、のんびりとして穏やかな国という印象そのままに、ヨーロッパの中でも治安が良い国として知られています。世界平和度指数でも上位にランクインしており、大規模な犯罪や暴動のリスクが低く、政治的にも安定しているため、旅行初心者でも訪れやすい環境が整っています。
さらに、ポルトガルは物価は上記4カ国よりも圧倒的に安く、外食や交通費も手頃です。治安の良さと合わせて、コスパの良いヨーロッパ旅行ができる点も旅行先としておすすめのポイントです。
首都リスボンやポルトは観光客が多い都市ですが、他のヨーロッパの観光都市に比べるとスリや強盗などの犯罪件数は低めです。ただし、観光スポット周辺や路面電車の車内など、人が多く集まるエリアではスリが発生しやすいため、基本的な防犯意識は持っておく必要があります。特に路面電車28番は観光客に人気のルートですが、その分スリも紛れ込みやすいため、バッグを体の前に持つなどの対策を心がけましょう。
郊外や地方都市も治安が良く、ゆったりとした雰囲気で楽しめます。ただし、海岸エリアは風が強かったり、波が高くなる日があるため、ビーチアクティビティを楽しむ際は現地の注意案内をしっかり確認するようにしましょう。
ヨーロッパで特に気をつけたいトラブル・犯罪
どんなに治安が良い国でも、旅行者が狙われやすいトラブルは存在します。特にヨーロッパでは、地域特有のパターンや観光地でよくある手口が見られるため、知っておくだけで旅の安心度が大きく上がります。ここでは、ヨーロッパでよくあるトラブルや犯罪パターンを解説していきます。
まず、スリや置き引きは最も多く報告されるトラブルのひとつです。特に駅や地下鉄、観光名所の周辺では、混雑に紛れて財布やスマートフォンが盗まれるケースがあります。また、路面電車やバスなどの公共交通でも、荷物から目を離した隙に被害に遭うことがあります。
観光詐欺やぼったくりも注意が必要です。タクシー、露店、観光ツアーの勧誘などで、料金を過剰請求されたり、法外な商品やサービスを押し付けられたりする事例が報告されています。こうしたトラブルは都市部だけでなく、観光客が集まる地方の観光地でも起こることがあります。
そして、夜間や人気の少ないエリアでの犯罪リスクも忘れてはいけません。治安の良い国でも、暗い路地や公園、無人の駅周辺では窃盗や嫌がらせなどのトラブルが発生する可能性があります。また、観光地ではスマートフォンやカメラを手に夢中で歩いている旅行者が標的になるケースもあります。
最後に、イベントやお祭りが行われる時期には、人混みに紛れて小規模な犯罪が起こりやすくなります。大規模なデモや暴動は稀ですが、混雑による押し合いやトラブルに巻き込まれる可能性はあるため、注意が必要です。
安全対策・緊急時の連絡先
旅先で万が一トラブルに遭ったとき、事前にどう動けばいいかを知っているだけで対応力が大きく変わります。このセクションでは、覚えておきたい安全対策や、緊急時に頼れる連絡先などをまとめてご紹介します。
旅行中の身の回りの安全対策として、貴重品の管理や荷物の扱いに注意することが基本です。財布やスマートフォンはバッグの前側に持つ、複数に分けて保管するなどの工夫で、被害リスクを大きく減らせます。また、夜間の移動や人気の少ないエリアは避ける、知らない人からの誘いや勧誘には応じないなど、行動面での注意も重要です。
次に、パスポートや航空券、クレジットカードなどの重要書類はコピーや写真を残しておくと、紛失や盗難時に役立ちます。旅行保険への加入も、万が一の医療費やトラブルに備える手段として有効です。特にヨーロッパでは医療費が高額になる国もあるため、海外旅行保険の確認は忘れずに行いましょう。
さらに、スマートフォンの位置情報機能や緊急連絡アプリを活用すると、迷子や事故時にも速やかに連絡が取れる体制を整えられます。複数人で旅行する場合は、互いに連絡手段を共有しておくことを忘れないようにしましょう。
最後に、緊急時の連絡先も事前に把握しておくことが安心につながります。各国共通の警察番号(EU圏内は「112」)や、現地大使館・領事館の連絡先を控えておくと、犯罪被害や事故、パスポート紛失などの際に迅速に対応してもらえます。また、旅行中は現地の緊急サービスの利用方法や、宿泊先から近い警察署や交番の位置を地図で確認しておきましょう。
まとめ
ヨーロッパは国によって治安の傾向が大きく異なるほか、観光客狙いの軽犯罪も存在しますが、基本的な注意点を押さえれば必要以上に怖がる必要はありません。また、安全に旅を楽しめる国を旅先に選ぶことで、旅の快適さと安心感はぐっと高まります。本記事でご紹介した治安情報や安全対策を意識して、トラブルを未然に防ぎつつ、ヨーロッパならではの美しい景色や文化、グルメを心ゆくまで楽しんでくださいね。
◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。