
海外留学やワーホリ、長期の滞在を考えているときに出てくるのが、「住民票って抜いた方がいいの?」という悩み。
税金や保険のことも絡んでくるから、なんとなく気になるけど、正直よくわからない…という人も多いはずです。
実は、住民票を抜くことで、日本国内での税金や国民健康保険、年金の支払いを止められる可能性があります。経済的な負担を軽くできる一方で、日本の住所が証明できなくなったり、帰国後に手続きが増えたりと、不便な面もあるんです。
この記事では、「そもそも住民票を抜くってどういうこと?」「どんな人が抜いた方がいいの?」といった基本から、メリット・デメリット、必要書類、判断の目安まで、わかりやすくまとめました。
これから海外に行く予定のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 短期留学なら住民票は抜かない方がおすすめ!
- 留学期間中に住民票を抜くとどうなる?留学中の影響をチェック!
- 住民票を抜くメリット
- 住民票を抜くデメリット
- 住民票を抜く・残すかどうかの判断基準
- 住民票を抜く方法・必要書類
- まとめ
短期留学なら住民票は抜かない方がおすすめ!
数ヶ月程度の短期留学であれば、住民票を抜かずに出国する人が多く、実際その方が手続きもスムーズなため、抜かないのがおすすめです。
海外に長期滞在する場合には、役所に「海外転出届」を提出して住民票を抜く手続きが必要になりますが、この手続きは原則として1年以上の滞在を前提にしています。
実際、中野区や北区などの自治体では、1年未満の短期滞在であれば転出届は不要と明記されており、3ヶ月〜半年程度の留学であれば、そもそも受理されないケースもあるのが現状です。
さらに、住民票を抜いてしまうと、日本の住所が証明できなくなることで、思わぬ不便が出てくることもあります。
たしかに、住民票を抜くことで国民健康保険や年金の支払い義務が外れるというメリットもありますが、短期滞在の場合は、その手続きの手間や帰国後の再加入の負担の方が大きく感じるかもしれません。
そのため、3ヶ月〜半年程度の短期留学であれば、住民票は抜かずにそのまま残しておくのがスムーズ。
どうしても抜きたい場合は、役所で「滞在期間が未定で1年以上になる可能性もある」と伝えると、柔軟に対応してくれる場合もあります。
もし迷ったら、事前にお住まいの自治体のサイトを確認したり、窓口で相談してみるとよいでしょう。
参考:https://www.city.kita.lg.jp/living/registration/1001564/1001568.html
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kurashi/koseki/jyuminhyo/kokugaitenkyo.html
https://www.city.koto.lg.jp/060301/kurashi/jumin/idotodoke/5021.html
留学期間中に住民票を抜くとどうなる?留学中の影響をチェック!
住民票を抜くと、日本では「その地域に住んでいない人」として扱われます。つまり、いろんな制度や手続きが変わってくるということ。
たとえば、国民健康保険は自動的に失効します。保険料を払わなくていいのはラクですが、無保険になるとケガや病気のときに医療費が全額自己負担することになります。
留学する際には民間の海外旅行保険などには加入しておくとよいでしょう。
住民税については、「その年の1月1日時点でどこに住んでいたか」がカギ。たとえ2月に出国しても、年初に国内にいたなら、その年の住民税はかかってきます。
また、住民票を抜くと国民年金も支払い義務がなくなりますが、将来もらえる年金額に影響するので、気になる人は任意加入を考えても◎。
それからマイナンバーカード。住民票を抜くと返却が必要になり、コンビニでの証明書取得など一部サービスが使えなくなります。ただ、マイナンバーそのものは残るので、帰国後に同じマイナンバーを使うことはできます。
知らずに手続きしてしまうと、「そんな仕組みだったの!?」とあとから驚くこともあるかもしれません。
思わぬところで不便を感じることもあるので、事前に確認しておくのが大切ですね。
住民票を抜くメリット
住民票って、留学やワーホリのときに「抜いた方がいいのかな?」と悩む人が多いポイント。実はちゃんと手続きをして住民票を抜いておくと、税金や社会保険の支払いが免除されたり、日本の通知が届かなくなったりと、メリットもいろいろあります。ここでは、住民票を抜くことで得られるメリットについて、わかりやすく紹介していきます。
1. 税金の負担が軽くなる
住民票を抜いて「海外転出届」を出すと、自治体には「日本に住所がない=住んでいない」と判断されます。
その結果、日本国内での住民税の課税対象から外れ、税金の負担が軽くなります。
留学やワーホリの場合、滞在中は現地の税制のもとで生活することになりますが、住民票を残したままだと、日本国内に住んでいると見なされ、住民税の請求が来る可能性も。
特にアルバイトなどで日本での所得がある場合、知らないうちに二重課税になるケースもあるので注意が必要です。
住民票をしっかり抜いておけば、日本と海外のどちらにも税金を支払う…という事態を避けられるので、経済的な負担を大きく減らせます。
2. 社会保険料・年金の免除
海外届を出すことで、国民健康保険や国民年金といった、日本の社会保険制度への加入義務がなくなります。
留学中やワーホリ中は、現地の保険制度に加入することが一般的なので、日本の保険料を払い続ける必要はありません。
たとえば、国民健康保険を抜ければ、毎月の保険料がゼロに。使えない保険にお金を払い続ける……というムダを防げるということです。
また、国民年金についても同様で、海外転出後は加入義務がなくなります。
ただし、年金を払わなかった期間は将来の受給額に影響するため、納付期間や金額については、あらかじめチェックしておくのがおすすめです。
3. 日本での行政手続きがシンプルになる
住民票を抜いておけば、日本側の行政手続きがぐっとシンプルになります。住民票を残したままだと、健康保険料や住民税の請求が継続したり、通知が送られてきたりと、対応が必要になる場面が出てきます。
そのまま放置すると「滞納」扱いになってしまうことも。一方、きちんと転出届を出していれば、海外滞在中は「非居住者」として扱われ、日本側での請求や義務が一時的に止まります。
日本の制度と一度きっぱり線引きしておくことで、煩わしい手続きを回避できるのは大きなメリットです。
4. 滞納のリスクを回避できる
住民票を日本に残したまま海外に行くと、たとえば住民税や健康保険料の請求が届いても、それに気づかないことがあります。支払いが遅れると延滞金が発生したり、将来的に公的手続きで支障が出ることも。
特に年金や保険は「払っていない=滞納」と見なされるため、帰国後にまとめて支払うよう求められることもあります。住民票を抜いておけば、そもそも支払い義務が発生しない状態になるため、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。
5. 住所変更の手間が減る
長期留学する場合、住民票を抜いておくことで住所変更の手続きが不要になります。例えば、住民票を抜かずに出国した場合、留学先で引っ越したときや、帰国して再度住民登録を行うときなどに、日本での住所変更手続きが必要になります。
でも、住民票を抜いておけば、これらの手続きが不要に。留学先での生活に集中しやすくなります。また、帰国後に再び日本で住民票を入れることで、新しい生活拠点をスムーズにスタートさせることができます。
住民票を抜くデメリット
住民票を抜くことで得られるメリットはたくさんありますが、その反面、気をつけておきたいポイントもあります。
特に、日本で何かしらの手続きをしたり、住所を証明する必要が出てきたときには、「あれ、ちょっと不便かも…」と感じることも。
ここでは、住民票を抜いたときに起こりうるデメリットについて、もう少し詳しく見ていきます。
1. 日本の住所が必要なときに不便になる
住民票を抜いてしまうと、日本国内で使える住所証明(住民票・運転免許証・マイナンバーカードなど)が使えなくなります。たとえば帰国後、もう一度住民登録をしなければならず、役所での手続きに時間がかかることもあります。
例えば、こんなときに不便を感じやすいです。
2. 社会保険や年金に入り直す必要がある
住民票を抜くと「海外転出届」が出されたことになり、日本の社会保険や年金制度から外れます。保険料や年金の支払いが免除される一方で、帰国後には以下の手続きをしなければなりません。
3. 一時帰国でも住民登録が必要になることがある
一時的に日本へ帰ってくる場合でも、住民票がないと面倒なことがあります。特に、役所での手続きや証明書の取得が必要なときは注意が必要です。
4. 日本の身分証が更新できなくなることも
住民票がないと、日本国内での身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)の更新が難しくなります。
住民票を抜く・残すかどうかの判断基準
住民票を抜く際のメリット・デメリットについて説明しましたが、実際にどのようなケースで海外届を提出すべきかについての判断基準を見ていきましょう。
1. 留学期間
留学期間がどのくらいかによって、住民票を抜くかどうかの判断が変わってきます。3ヶ月〜半年くらいの短期・中期留学なら、基本的には住民票を抜かなくてもOK。実際、多くの人がそのまま残して出国しています。
ただし、自治体によっては「1年未満でも海外転出届が必要」としているところもあるので、事前に確認しておくのがおすすめです。
一方で、1年以上の長期留学や移住になる場合は、出国の14日前から役所で海外転出届を出す必要があります。
2. 留学時の状況
住民票を抜くかどうかは、留学中の状況によっても変わってきます。
自分がどのパターンに当てはまるかを確認して、住民票を残すかどうかを考えてみてくださいね。
住民票を抜く方法・必要書類
住民票を抜くには、出発前に「海外転出届(海外届)」を出す必要があります。これは、お住まいの市区町村の役所で手続きできます。
提出できるのは本人のほか、家族などの代理人でもOK。ただし、誰が出すかによって必要な書類が変わることもあるので、事前に確認しておくのがおすすめです。
1. 必要な書類
2. 手続きのタイミング
海外転出届は、出国予定日の14日前から前日までに出す必要があります。
出発の日が決まったら、できるだけ早めに手続きしておくと安心です。
まとめ
住民票を抜くことは、長期留学や海外滞在中の負担を軽くするためのひとつの方法です。たとえば、住民税や健康保険、年金などの支払いが免除されることで、経済的な負担を減らし、現地での生活に集中しやすくなります。ただその一方で、日本の住所が証明できなくなったり、帰国後に保険や年金の手続きをやり直す必要が出てきたりと、少し手間がかかることもあります。住民票を抜くかどうかは、留学の期間や自分の状況に合わせて判断するのがポイント。あとから困らないように、出発前にしっかり確認しておくようにしましょう。