
イギリスの大学は、世界的にも教育と研究のレベルが高く、QS世界大学ランキングでも常に上位校をしめています。
イギリスの大学に留学をしたいと考えている方には、以下のような疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。
「イギリスの大学ではどのような教育が受けられるの?」
「イギリスの大学の費用は高い?」
「イギリスへの留学には費用がいくら必要?」
「高い留学費用を抑えるコツはある? 」
この記事では、イギリスの大学制度の特徴から、平均的な学費、生活費の目安、さらに留学費用を押さえるためのコツまでを詳しく解説します。是非最後までお読みください。
イギリスの大学の特徴
イギリスの大学は、教育の質の高さと伝統ある制度が特徴です。
ここでは、大学制度の仕組みや分類、授業スタイルなど、基本的な特徴を順に見ていきましょう。
イギリスの大学制度の基本情報
イギリスには約160校の大学があり、そのおよそ9割近くが公立大学になります。
学期は日本と異なり、秋から始まる2学期制になっており、大学生は、通常3年間で修了をします(スコットランドは4年間)。大学院課程は1年制が主流で、効率的に専門分野が深められます。
すべての大学の教育・研究の質は、外部の独立審査機関によって定期的に監査され、授業や成績評価も外部の目が入る仕組みが整っております。
これにより、大学の成績も教授の一存だけで決まるのではなく、点数や評価の仕方が外部機関によって公正な教育が維持されています。
大学の種類と特徴
イギリスの大学は、歴史や設立目的によって以下のように分類されます。
さらに、上記とは別にラッセル・グループという24大学から構成されている、研究重視の大学連盟があり、イギリス国家の研究予算の多くがこのグループに割り当てられています。
世界的に研究実績が高い大学が名を連ねており、学問の中心的存在です。
授業形式と評価方法
イギリスの大学の授業では入学初年度から専門科目の学習が始まり、日本やアメリカなどの教養課程を経てから専門科目に進むことが多い大学制度とは異なります。
イギリスの授業は、講義、セミナー(少人数制のゼミ)、チュートリアルと呼ばれる指導教官との個別指導の方式があります。
| 授業形式 | 内容 |
| 講義(Lecture) | 大人数向けの座学形式。理論や知識を体系的に学びます。 |
| セミナー(Seminar) | 少人数向けの討論型授業。学生の発言や意見交換が重視されます。 |
| チュートリアル(Tutorial) | 教員による個別または少人数指導。学習進度の確認や課題の指導を行います。 |
成績の評価の仕方には、筆記試験、エッセイなどの課題、クラス内でのプレゼンテーション、グループワーク、理系の場合は実験や実習なども評価の対象となります。
科目自体は、生徒が学びを深められやすいように構成がされていますが、基本的に図書館やオンラインリサーチなど、自ら情報を収集し、主体的に学ぶ姿勢が求められます。
日本の高校卒業からの進学する場合
日本の高校卒業からイギリス大学への留学には注意があります。
イギリスの高校生は大学に入った時点で、専攻科目の基礎力を既に学んでいます。
理由は、イギリスでは高校卒業時点でAレベルという全国共通試験を受験し、大学に出願する際にその成績の提出が必須となっているためです。
そのため、日本の高校を卒業しただけでは、直接イギリスの大学に出願できないケースが多いので、イギリスの大学に入る前に、Aレベルの取得または、ファウンデーションコース(大学準備過程)を経て進学するのが一般的です。
ファウンデーションコースでは、英語力の向上に加え、専門分野に必要な基礎学力を学ぶことができます。
イギリスの大学の平均年間学費
イギリスの大学に留学する際、最も気になるのが学費です。
ここでは、イギリス国内学生と留学生の違いや学費相場を具体的に紹介します。
イギリスの大学の授業料の目安
イギリスの大学では、イギリス国内の学生と留学生では学費が異なり、留学生の方が高く設定されています。
イギリス国内の学生に対しては、学生の最大の年間学費の上限が決まっており、2025年秋から2026年春にかけてのイングランド学生の年間の学費の上限は£9,250 (約180万円)に設定されています。
スコットランドでは、スコットランド出身の学生およびイギリスのEU離脱以前から居住資格を持つEU出身者のみ授業料が無料です。
新たにEUから留学する学生は、イギリス国外の国際学生として授業料が発生します。
一方で、海外からの留学生は大学ごとに金額が定められ、£15,000〜£60,000(約300万円〜1,220万円) 程度が一般的となっております。
これらは学部によって差がありますが、傾向としては、文系よりも理系専攻の方が学費が高く、理系よりも医学専攻の方が更に学費が高い傾向があります。
また、世界大学ランキングやイギリス国内の大学ランキングでランキングが高い大学ほど学費が高い傾向があります。
大学別の学費例
では、次に具体的な学費についてみていきたいと思います。
まず、イギリスでもトップを争うオックスフォード大学の年間学費は、海外留学生の歴史専攻の年間学費が、£41,430(約840万円)、化学専攻が£59,260(約1,200万円)、医学専攻で臨床授業前が£46,600(約950万円)、臨床授業の場合£61,560(約1,255万円)です。
赤レンガ大学に属する、名門のマンチェスター大学の年間学費は、海外留学生の年間学費が、歴史専攻で£26,500(約540万円)、化学専攻で、£36,000(約730万円)、医学専攻で臨床なしが£38,000(約775万円)、臨床授業が£58,000(約1,180万円)です。
イギリス国内で上位50位前後に位置する、ケント大学の海外留学生の年間学費は、歴史専攻で£19,300(約393万円)、化学専攻で£23,500(約480万円)、医学専攻で£49,700(約1013万円)です。
イギリス国内で100位程度に位置する、イースト・ロンドン大学の海外留学生の年間学費は、映画専攻で£15,560(約317万円)、化学専攻で£15,560(約317万円)となっています。
前項で説明をした、イギリス大学のファウンデーションコースの授業料は、£10,000〜£15,000(約200万円〜300万円)となります。
参考までに日本の大学に関しては、国立大学は平均81万円、公立大学は平均93万円、私立大学の平均は、文系で116万円、理系154万円、医歯系で482万円となっております。
以上のように、日本国内の大学と比較しても、イギリス留学には高額な費用がかかることがわかります。
イギリス大学留学に必要な費用の目安
イギリス大学へ支払う授業料のほかに、イギリスで暮らすための滞在費が必要になります。
以下、滞在費の内訳と各項目の費用の目安について説明します。
寮、住居費
留学生の留学中の住居として、多くの留学生は学生寮で生活します。
学生寮は、大学が運営している所が多く、在学中の学生が希望をすれば入ることができます。
学生寮は大学の敷地内または近郊に建物があり、管理人が常駐していることが多いので安全面でも安心です。
学生寮のタイプは大学により様々です。
自室にキッチン、トイレ、シャワー、洗面台完備の部屋、シャワーとトイレは自室にあり、キッチンやリビングが共有の部屋、トイレ、シャワーが共有の部屋などがあります。
男女混合の場合もあれば、男女が別れている寮もあり、共有する人数も4人〜20人など様々です。
学生寮の1週間の費用の目安は、£100〜£300(約2万円〜6万円) が目安です。夏の長期休暇を除いて、学期中の滞在は39週間が目安です。
したがって年間で換算すると、£3,800〜£11,700(77万円〜238万円)となります。
ただし、ロンドンなどの都市部の学生寮は地方より高額になる傾向があり、1年しか利用できないといった条件の大学もあるので注意が必要です。
生活費
食事は、学生寮で提供される場合もありますが、自炊を中心にすると月3〜4万円ほどが目安です。
学生寮では、光熱費・水道代・wi-Fi利用料があらかじめ含まれていることが多く、追加費用を気にせず生活できます。
また、寮の共用スペースにランドリーが設けられている場合が多く、洗濯と乾燥機をそれぞれ£3、£2程度で利用できます。
交際費
人によりますが、交際費としてレストランに行く方もいるでしょう。
イギリスでは、レストランのランチはおおよそ£10£〜£15(約2,000円〜3,000円)が一般的です。
また、パブで1杯ドリンクを頼む場合は£4〜£10(約800円~2,000円)程度です。
なお、こちらもロンドンは他地域と比べて物価が高いため、同じ食事内容でも費用がやや高額になる傾向があります。
交通費
滞在先と大学との距離によって交通費は異なります。
地下鉄は1回£3.5(約700円)程度、バスが£1.75(約350円)程度です。
現金で支払うと割高になるため、オイスターカード(ロンドン公共交通機関のプリペイドカード)やコンタクトレス決済を利用するのがおすすめです。
ビザ費用
イギリスの大学に留学をする場合、学生ビザ(Student Visa)の取得が必要です。
学生ビザの申請には£490 (約10万円)と、イギリスの健康保険加入のための£776(約15.5万円)が必要になります。
学生ビザを取得すると、長期滞在が可能なうえ、週20時間以内のイギリス国内での就労も認められます。
渡航費
イギリス留学には、渡航のための航空券代がかかります。
航空券は、航空会社や渡航時期、購入時期により価格が変動しますが、イギリスの新学期が始まる9月前後は、観光シーズンが落ち着くためおおよそ15万円前後が目安です。
また、イギリスからはヨーロッパ各国への移動が容易なため、休暇中にヨーロッパ旅行をする場合はその分の費用も考慮しておくと良いでしょう。
留学の費用を抑えるコツ
上記で解説したとおり、イギリスの大学留学には多額の費用がかかります。
ここでは、イギリス留学の費用を少しでも抑えるための具体的な工夫を紹介します。
奨学金の利用を考える
まず検討したいのが奨学金の活用です。奨学金には、一般的に貸与型と給付型があります。
貸与型は低金利でお金を借りた資金を卒業後に返済していくタイプの奨学金で、給付型は返済不要の奨学金です。
奨学金の申請先としては、日本の政府系機関や民間財団、イギリス政府が提供する制度、留学先の大学、国際機関が運営するものなど多岐にわたります。
日本国内の奨学金で有名なものは、日本学生支援機構(JASSO)、柳井正財団、ロータリー財団などがあります。イギリス政府のチーヴニング奨学金も広く知られています。
ただし、給付型の奨学金は倍率が非常に高く、審査基準も厳しいため、奨学金だけに頼るのは難しいのが現状です。
複数の制度を組み合わせて検討すると良いでしょう。
アルバイト収入を得る
大学留学に必要な学生ビザ(Student Visa)は、週20時間に限りイギリス国内でアルバイトをすることが可能です。
主な職種はカフェやレストランなどの接客業です。
イギリスの最低賃金は、18歳〜20歳で時給 £8.6(約1,750円)、21歳以上が£11.44 (約2,330円)です。ただし、最低時給は変動する場合があります。
たとえば20歳の場合、週に£172(約35,000円)ほどの収入を得ることができ、生活費の一部に充てることが可能です。
生活の工夫で節約する
スーパーマーケットのセールを活用して自炊する、共用スペースのある学生寮を選ぶ、学割定期券を利用するなど、日々の工夫で大きく節約できます。
また、外食を控え、計画的に支出を管理することで留学生活を無理なく続けることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。イギリス大学への留学には高額な費用がかかりますが、その分、質の高い教育と国際的なキャリア形成のチャンスが得られます。
奨学金やアルバイト制度を活用し、生活の工夫を取り入れることで、費用を抑えながらも充実した学びが可能です。
この記事を参考にして、事前に学費・生活費の全体像を把握するなど、イギリスの大学への留学について考える一助となれば幸いです。
◇経歴
・国際教養学部卒業
・外資系企業に勤務経験があり、アドミや会計分野で、インド人、カナダ人、オーストリア人、フランス人など様々な国の出身の同僚と働いた経験があります。
◇資格
英検1級、TOEIC 900点、IELTS 7.5 など
◇留学経験
大学時代に交換留学プログラムでイギリスの大学へ1年間留学し、リサーチの基礎や英語学について学びました。
◇海外渡航経験
・高校時代にシンガポールで3週間ホームステイをし、現地の高校で授業を受講した経験があります。
・大学留学中は休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行し、多様な文化に触れました。
◇自己紹介
英語が好きで、子どもの頃から自ら進んで勉強してきましたが、日本式の文法やリーディング中心の学習方法では、なかなか話せるようにならず、苦労した経験があります。ネイティブキャンプでの英会話に助けられました。
英語学習に役立つ情報をまとめたブログも運営しておりますので、よろしければご覧ください。
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