皆さんは、英語の名詞構文と言われてピンと来ますか?人に説明しようとした時、自信をもって教えられれば完璧です!
しかし、英語において文法は重要視されるものの、実はあまり学校では習わないものもあります。今回は、そんな名詞構文について解説していきます!TOEICや英検などの受験予定がある方にもおすすめです。
「名詞構文」ってどんなもの?
名詞構文とは何か簡単に説明すると、動詞や形容詞が名詞となり文中に組み込まれたものです。
難しいように聞こえるかもしれませんが、ある程度英語を学習していれば自然と使っています。文法の名前を知らないだけで、実は解説不要という方もいるかもしれませんね。
では、以下でより詳しく見ていきます。
名詞構文の基本的な形
名詞構文には、動詞が名詞として使われているものがあると言いましたね。
その中には、そもそも動詞が名詞になった派生形を持っているものもあります。見ればわかると思うので、以下の例文をチェックしてみてください。
動詞の名詞形を使った名詞構文
例えば、decide「決める」の名詞形はdecisionですよね。Arrive「到着する」の名詞形はarrivalですし、invent「発明する」の名詞形はinventionです。
動詞が名詞の派生形として使われる場合、名詞の語尾が-tionになっている単語を多く見かけないでしょうか。
ある程度ルールがありますが、私たちはそれを自然に暗記していますし、ルールを覚えるより単語をそのまま暗記した方が例外を意識しなくて良いので手っ取り早いです。
Have you made a decision yet?
もう決めましたか?
Do you know when her arrival is?
彼女が到着するのはいつか知ってる?
His inventions are highly respected.
彼の発明はとても尊敬されている
動詞の形と名詞の形がまったく同じで、発音も同じパターンもあります。Visit「訪ねる」の名詞形はvisitで、あまり意識せず使いこなせている方も多いです。
以下に、名詞と動詞の関係性の例を一部載せておきます。
recognition → recognize ※イギリス英語のスペルはrecogniseです。
=認識する
protection → protect
=守る
observation → observe
=観察する
consideration → consider
=考える
これらは全部-tionパターンですね。知らないうちにたくさん身に付いていると思うので、同じ意味の単語を品詞別に整理してみるのも面白いと思います。
では、動詞に名詞形がない場合はどうしたらいいのでしょうか。この場合は、to不定詞や動名詞を使います。中学校で習いましたね。
She really loves eating.
彼女は食べることが本当に好きだ
上記のように、eat「食べる」には名詞形がないので、to不定詞や動名詞を使います。
To不定詞と動名詞、どちらを使うかは動詞によって決まっています。これらは暗記しなければならないのですが、基本的にはto不定詞は未来のこと、動名詞は過去のことに関連づいていることが多いです。
例えば、want to~「~がほしい」やhope to~「~を望む」は、ほしいものは将来待っていますし、望むのは未来のことです。対してfinish ~ing「~を終える」は、終えたことが過去になります。
絶対的なルールではありませんしどちらも使える動詞があることから「なんとなくそういった意味合いがあるのだな」くらいに思っておいてくださいね。
以下の動詞にはto不定詞を使います。
desire(~することを強く望む)
wish(~することを願う)
plan(~する計画である)
expect(~するつもりである)
agree(~することに同意する)
refuse(~することを拒絶する)
以下の動詞には動名詞を使います。
enjoy(楽しむ)
practice(練習する)
consider(よく考える)
mind(気にする)
miss(~し損なう)
give up / stop(やめる)
形容詞の名詞形を使った名詞構文
形容詞の名詞形も、きっと例文を見ればすぐにどんなものかわかるでしょう。
I watched “The Beauty and The Beast,” and fell in love with Emma Watson!
美女と野獣を見てエマ・ワトソンのファンになっちゃった!
この例文の中で使われている形容詞の名詞形はbeautyです。形容詞の形はbeautiful「美しい」なので、「美しさ」という訳になります。ただ、例文の場合は作品名ですし、冠詞のtheが付いているため「美しいもの」、つまり「美女」と訳されています。
名詞構文の使い方
名詞構文の使い方として覚えておきたいのは、ofの使い方です。
「A of B」とすると、「BのA」と訳します。日本語と英語が逆になるので訳し方に注意しなければなりませんが、中学校の頃からかなり頻繁に出てくる言い回しです。動詞の名詞形を使って表してみましょう。
I like to see the growth of puppies.
子犬の成長を見るのが好きです
ここでは、動詞が名詞化している箇所が2つあります。
ひとつは、to see「見ること」で、
もうひとつはgrowth「成長」です。Growthの動詞形はgrow「成長する」です。
ここではofが使われているので、the growth of puppiesを「A of B」とするならば、「BのA」と訳すため「子犬の成長」と和訳します。
あとは、動詞や形容詞を名詞化できるかひとつずつチェックしていく地道な方法になります。すでに語彙力がある程度ある方ならば特に考えず口をついてサッと言いたいことが出てくると思います。
そうではない場合は、先ほど出てきたようなgrowを覚える際に、名詞のgrowthも意味やスペルが似ているので一緒に覚える暗記法をおすすめします。単語帳によっては関連語がセットになって記載されているものもあるので、本屋さんなどで類語まで覚えられる単語帳をチェックしてみてください。
名詞構文の書き換え
動詞や形容詞が名詞化するのなら、名詞構文の書き換えについても意識しておくと良いでしょう。
社会人になってからの英会話であればそこまで文法を意識しなくてもいい場合がありますが、学生なら書き換え問題は頻出ですからね。
他にも、先に述べたように正しい文法でないとバツを食らうTOEICや英検などの受験予定がある方ならマスターしておきたいところです。以下に例文を載せるので、2つ目の文を隠して書き換えにチャレンジしてみてください!
コツは、動詞と形容詞に着目し名詞化できないか、逆に、名詞に着目して動詞や形容詞に変換できないか考えることです。
Everybody loves Ms Taylor’s warm smile.
皆、テイラー先生の温かい笑顔が大好きです
この文には名詞のsmileがありますが、動詞でも同じ形で「笑う」という意味になると気づけるかどうかがポイントです。言い換えると…
She smiles warmly. などとなります。完全に文を言い換えると、She smiles warmly, so everybody loves her smile. となり、smileが被ってしまうため最初の例文の方が使いやすいです。
Her smile部分を代名詞のitに置き換えようにも、それまでに出てくる名詞がSheしかなく、その場合itではなくherになります。そうすると彼女の笑顔が好きなのではなく彼女のことを好きな状態になってしまうため、やはり書き換えとしては不合格です。
では、こちらはどうでしょうか。
His failure made them angry.
彼の失敗で彼らは怒った
ここで使われている名詞のfailureは、動詞にするとfailです。ですから、He failed.と書き換えられれば良いわけです。意味を変えずに全文を言い換えるなら、They got angry because he failed.などが正解です。
次の問題です。
I finally succeeded and got an award!
私、ついに成功して受賞したわ!
今までは名詞を動詞にしてきましたが、今回は逆です。Succeed「成功する」の名詞形はsuccess「成功」なので、これを使って書き換えを考えます。
すると、My success brought me an award! などとなります。ちょっと無理やり感がありますが、主語を「私の成功」にし、それが私に賞をもたらしたと変換します。
He died suddenly, so people were shocked.
彼の急死で人々はショックを受けた
こちらも動詞のdieを名詞化にするパターンで、death「死」と言い換えられます。His sudden death shocked people. などにすると良いでしょう。Suddenly「急に」は副詞ですが、名詞の前に持ってこられるよう形容詞のsudden「急な」にするとキレイな書き換えになります。
まとめ
名詞構文は高校英語になると中学以上にたくさん出てきますし、改めて習わなくても基本やパターンは既に理解している方も多いのではないでしょうか。
コツがつかめれば言い換えはできるようになるので、名詞、形容詞、動詞をひとつひとつチェックし、他の品詞に言い換えできないか考えてみてくださいね。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.