「whereas」の使い方を徹底解説!英語の対比表現をマスターしよう!

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今回は“whereas”(ホウェアアズ)の単語を特集します。この英単語は、もしかすると日常的に使っている方は少ないかもしれませんね。しかし、同じ意味でも複数の英単語を習得することで、あなたの英語力アップにつながります。

今回の記事では、そんな“whereas”の基本的な使い方や表現方法、類似する英語表現について学んでいきましょう。この記事で“whereas”を始めてみた方は、単語の幅を広げるチャンスです!一緒に類似単語と共に覚えていきましょう。

「whereas」の基本的な意味

“Whereas”は大きく分けて2つの意味があります。1つ目は、2つの事柄を比較して大きな差がある時の接続詞として使われ、「~であるのに対して」、「~である一方で」、「~だけれども」という意味を表します。2つ目は、英文契約書など、公的文書の中で文章の最初に置き、「~という事実があるため」の意味を表します。

ちなみに、英英辞書では“Whereas”について以下のような意味が掲載されています。

Oxford Dictionary:
➀used to compare or contrast two facts
→2つの事実を比較、対象するために使われる

② (Legal) used at the beginning of a sentence in an official document to mean ‘because of the fact that…’
→(法律上)公式文書の文頭で「~という事実のために」という意味で使われる。

公文書の前文には、whereas条項といって、内容・背景・目的などを説明する箇所があります。

当該箇所で、whereas「~という事実のために」、「~の背景から」という意味で使用されます。

例えば、

This agreement was made and entered on this 3rd day of December 20×× between 〇〇〇 Co., Ltd. and ▲▲▲ company.
(本契約は20××年9月8日に〇〇〇 Co., Ltd.と▲▲▲ companyの間で考案され締結された。)

Witnesseth (以下、証明)
Whereas, 〇〇〇 Co., Ltd. has a legal license to manufacture the product;
(〇〇〇 Co., Ltd.は製品を生産する公式のライセンスを有するため、)

Whereas, 〇〇〇 Co., Ltd. and ▲▲▲ company has a long history of trading;
(〇〇〇 Co., Ltd.と▲▲▲ companyは長く取引を続けてきた間柄という背景から、)
・・・

このように、公文書や契約書の前文では“whereas”が使われます。
それでは、私たちが日常的に使う、「2つのものを対比する際に使う」“whereas”の対比表現の作り方についてみていきましょう。

「whereas」を使った対比表現の作り方

“Whereas”主語が異なるものを比較する場合や、事実・意見を対比させる時に使います。

“Whereas”は、2つのものを比較する時に使用する接続詞で、以下のように文頭や文中に使うことができます。

1: whereas主語A+動詞, 主語B+動詞
2: 主語C+動詞, whereas 主語D+動詞

1ではwhereasがつく文が主文であり、2では副文になります。1、2のいずれにおいても、主文と副文の間に「カンマ」を打つことを忘れないようにしてくださいね。また、whereasを使うと、相手に少し固い印象を与えます。この事実についても、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。

「whereas」を使った例文

それでは、“whereas”を使った例文について一緒にみていきましょう。

【例文】

I love Western culture, whereas my wife prefers the Japanese one.
私は西洋文化が好きです。一方で、私の妻は日本文化の方が好みです。
I like to go swimming, whereas Sheila likes to go sailing.
私は泳ぎに行くことが好きだが、彼女はヨットに乗るのが好きだ
He was always on the move, whereas my mother liked to be in the same place.
彼はいつも動き回っていたが、母は同じ場所にいるのが好きだった

上記のどの例文を見ても、“whereas“を伴う文ともう一方の文では主語が異なっていますね。2つの文では異なった主語が使われることを覚えておきましょう。

その他の対比表現

2つのものを対比する時に使うことができる英単語は“whereas”以外にも多く存在します。そこで、以下では対比する際に使うことができる単語やイディオムを一緒に見ていきましょう。

「but」

中学英語で出てくる“but““But”「しかし」という意味の接続詞として使われます。

“but”を使う際は、“whereas”と同様に、前後の文が反対の意味になっていなければいけません。

【例文】

This car is expensive, but the other one is affordable.
この車は高いけれど、もう一方のものは手頃ですね
The cake you made yesterday was so big, but this one is small.
あなたが昨日作ったケーキはとっても大きかったですね。でも、これは小さいです。

接続詞として使う“but”は前後の文で反対の意味になっていなければいけませんが、必ずしも異なった主語を使う必要はありません。この点は“whereas”と違いますね。また、“but”2つの明確に異なるものを対象とする時に使われます(例:「大きいー小さい」、「高いー安い」)。一方で、“whereas”を使う時は、必ずしも正反対でない場合にも使うことができます。そのため、“whereas”の方がより自由に使うことができます。

しかし、実際には英語ネイティブスピーカーの人たちも明確にこれらを使い分けているわけではなく、境界線はあいまいなようです。また、同じ文章で“whereas”“but”を入れ替えたとしても、極端に変な文章になるわけではありません。

「while」

接続詞として使われる”While”には、「~する間」、「一方で」と2つの意味があります。

“While”「一方で」「だけれども」の意味を表し、2つの対比する文章をつなげるときには、文頭にくることが一般的です。

【例文】

While I prefer dogs, my younger sister likes cats.
私は犬を好むが、妹は猫が好きだ

”While”の意味や使い方を見ると、“whereas”と非常によく似ており、ほとんど同じように見えますね。それでは、“while”“whereas”の違いは何でしょうか? その違いは、“while”2つのものが「並列」する時に使われ、“whereas”「相反」する時に使われるところにあります。

【例文➀】

While he prefers sweeter treats, his brother likes spicy food.
彼は甘いお菓子を好む一方で、彼の弟は辛い食べ物が好きだ

この例文の場合、登場人物「彼」「彼の弟」はそれぞれ好きな食べ物が異なり、「彼」は甘いものが好きで「彼の弟」は辛い食べ物が好きという事実が存在します。そして、これら事実は同時進行しており、並列の関係をしています。(※違いが分かりやすいように、whileを「一方で」と訳しています)

【例文②】

Whereas he prefers sweeter treats, his brother likes spicy food.
彼は甘いお菓子を好むのに対して、彼の弟は辛い食べ物が好きだ

先ほどの例文のwhilewhereasに変更した場合では、2つの事象が相反の関係になります。つまり、「彼は甘いお菓子が好きである」という事象と「彼の弟は辛い食べ物が好きだ」という事象が相反する関係になっているということです。

“Whereas”“while”は「敢えて言うなればこうした違いがある」というくらいなので、あまり深く意識して使い分ける必要はありません。

「on the other hand」

続いての、“on the other hand”「その一方で」「他方(では)」という意味を表します。この熟語は、前半に話したり、書いたりした内容とは別の視点で後半に見解を述べる際に使われます。

【例文】

The Internet is very convenient. On the other hand, there is a risk of personal information, such as bank accounts, being leaked.
インターネットはとても便利である一方で、口座番号のような個人情報流出の危険性がある

この文章では、「インターネット」という主題について、前半部分では「便利である」という主張をする一方で、後半では「個人情報流出の危険性」について言及していますね。このように、“on the other hand“は一つの主題に対して2つの反する意見を述べるときに使うことができます。

ちなみに余談ですが、“on the other hand”と言って「他方では」と第二の局面を示した後、第三の局面を表すインフォーマルな表現として、「on the other other hand」(そのまた一方で)と言うことがあります。あなたも、お友達にぜひ使ってみてください!

「on the contrary」

“On the contrary”は直前に発言した内容などに対して、強い否定・拒絶を表す際に使われ、「それどころか」という意味を表します。さらに、予想に反した状況に遭遇した際に使われることが多く、「逆に」「かえって」と訳される場合もあります。

【例文➀】

The economic regulation is not effective. On the contrary, the cost of living is dramatically increasing.
経済政策は功を奏していない。それどころか、物価は急激に上昇している

【例文②】

The rate of serious accident figures this year was not so large; on the contrary, it decreased.
今年における重大事故割合はあまり大きくなかった。かえって、その割合は減少した

「in contrast」

“In contrast”「対比的に」「逆に」という意味を表すフレーズで、日常的な会話ではなく、英語論文などで使われる傾向にあります。なお、in contrastの後に“to”もしくは”with”を追加し、in contrast with (to)~ (~とは対照的に、~とは大違いで)として使われます。

【例文】

In contrast to women, men are less likely to enjoy shopping.
(女性とは対照的に、男性はあまり買い物を楽しまない傾向にある)

「by contrast」

“By contrast”は二つのものを対比したい時に使う「それとは対照的に」という意味をもつ熟語です。“By contrast”は文頭もしくは、主語の後に置かれます。文頭に置かれる場合は、by contrastの直後にカンマをつけ、主語の後(文中)に置かれる場合は、by contrastをカンマで挟むようにします。

【例文➀:文頭に置かれる場合】

By contrast, she was much smarter.
それとは対照的に、彼女はより賢かった

【例文②:主語の後に置かれる場合】

The girls, by contrast, never shut up.
それに対して、少女は決して黙っていない

実際のメディア記事での使われ方

“Whereas”は実際のメディア記事ではどのように使われているのでしょうか?ここでは、新聞やニュースなどで“whereas”がどのような場面で使われているかを見ていきましょう。

【abc NEWSより一部引用】

“Scholten is currently forecasted to win 58 out of 100 scenarios, whereas her Trump-endorsed competitor, John Gibbs, has 42 out of 100 likely paths.”
ショルテンは現在、100のシナリオのうち58で勝利すると予測されているのに対し、トランプ支持者で競争相手のジョン・ギブスは、100の可能性のうち42で勝利すると予測されている。

【The New York Timesより一部引用】

“The Italian Mafia, they’re all in the media, they’re glamorized and they have their underworld legends, whereas the Black underworld is very villainized as predators,”
イタリアンマフィアはメディアで美化され、裏社会の伝説があるとされているのに対し、黒人の裏社会は略奪者として悪者扱いされている

まとめ

今回は、“whereas”の意味や使い方についてご紹介しました。さらに、“whereas”と同じように、物事を対比する時に使われる類似の英語表現も一緒にみてきましたね。

物事を対比する場合に、英語では様々な表現があります。しかし、私たちが英語を使う際、とっさに出てくるのは、“but”“while”のような同じ表現になりがちではないでしょうか。

言語は何度も使うことによって、あなた自身のものになっていきます。そのため、今回覚えた“whereas”をどんどん使ってみてください。最初は意識的に使おう!と思わないと口から出てこないかもしれませんが、何度も使ううちに、無意識的に口から出てくることになります。

同じ意味で複数の単語やフレーズを習得すると、あなたの英語の幅が広がってきます。

今回覚えた“whereas”をまずは意識的に使ってみてくださいね。

 

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