アメリカの入国審査は他の国に比べて厳しいと言われることが多くあります。
日本から、海外旅行や留学で訪れる人が多いアメリカですが、アメリカの入国審査はなぜ厳しいのでしょうか?
この記事では、アメリカの入国審査が厳しい理由や、実際に入国する際に必要な手続きについて紹介します。
英語が苦手な人に向けた入国審査を乗り切る方法についても解説しています。 スマートに、スムーズに入国審査を乗り切るためにぜひ参考にしてください。
アメリカの入国審査が厳しい理由とは?
アメリカは、2001年の同時多発テロ事件から入国審査が厳しくなっています。
また、不法に入国する外国人も多く、アメリカをテロの脅威から守り、治安を維持するために厳格な審査が行われています。
アメリカは「人種のサラダボウル」と呼ばれているほど、さまざまな人種の人が共存し、多様な文化が交差している国です。
ひとりひとり国籍が違えば文化や言語が違い、その思想も異なります。
そのため、アメリカの入国審査では、ただパスポートやビザ情報をチェックするだけでなく、不法入国の可能性やテロリズムとの関連がないかなど、厳格にチェックする必要があるのです。
アメリカ入国に必要な書類・手続き
アメリカに入国する際、必要な書類は以下の通りです。
有効期限内のパスポート
日本のパスポートを所持している人がアメリカに入国する場合、
パスポートは有効期限内のものであること、 残存期間が少なくとも90日以上残っていることが求められます。
また、パスポートは機械読み取り式のものを用意してください。
機械で読み取れないパスポートの場合は新規パスポートへの切り替え申請をする必要があります。
ビザ(観光·学生·就労ビザなど)
アメリカへの入国は目的に応じたビザが必要です。ビザの種類の例として、ESTA、学生ビザ、就労ビザなどがあります。
主に90日以内の短期商用や観光目的で使用するESTAは、少なくとも出発の72時間前までに申請を完了しておきましょう。
申請料金は変動することがあるため、最新の情報を公式のウェブサイトで確認しておきましょう。
税関申告書
アメリカの税関申告書は、正式にはCBP Form 6059Bと呼ばれています。
税関申告書は飛行機の機内、または事前にオンラインで入手できるようになりました。
機内ではフライトアテンダントが手渡しで配布しているので、気が付いたら手を挙げて受け取ってください。
その際、ボールペンを持参するとスムーズに税関申告書への記入ができますので、事前に準備しておくと安心です。なお、自動入国審査端末を利用する場合は不要です。
ESTAを利用して入国する場合、空港によってはKIOSK端末で申告内容を入力します。必要事項を埋めて質問内容に沿って回答し、申告を完了させましょう。
すべての項目において正直に答える必要があります!質問内容はしっかり確認した上で記入または入力するようにしましょう。
アメリカ入国の流れ
必要書類が揃ったらいよいよ渡航です。日本を出国し、飛行機がアメリカに到着したあとの流れについて解説します。
特に初めて入国する方は緊張することもあると思いますが、流れをつかんでおくことでスムーズに入国審査を済ませることができるでしょう。
1.飛行機から降機する
飛行機を降りたら、空港の案内にしたがって、入国審査(Immigration)のエリアに向かいます。
英語や他の言語で表示されていますので、見逃さないようにしておきます。
2.入国審査(Immigration)
入国審査場では、外国人レーンに並びます。係員に案内されるまで並んで待ちます。
写真撮影が禁止されているエリアなので、スマホやカメラの取り扱いに注意してください。
係員から指定されたブースに向かい、パスポートなどの必要書類を提出します。
入国審査官がパスポートの内容をチェックするので、マスクを着用している方は外しておきましょう。
アメリカの入国審査では指紋を採取されます。入国審査官はジェスチャーで伝えてくれることもあるので、指示されたとおりに機械に指をのせましょう。
また、顔写真を撮影することもあります。
いくつかの質問に答えて、「行ってOK」と言われれば入国審査完了です。
3.荷物の受け取り(Baggage Claim)
荷物の受け取りは「Baggage Claim(バゲージクレーム)」と書いてあるエリアで行います。
飛行機の便名とモニターを照らし合わせて、ターンテーブルの場所を確認しましょう。
自分の荷物がターンテーブルから出てきたら、荷物に付いているタグとチェックイン時に受け取った半券の番号を確認して自分のものかを確認します。
間違って人の荷物を持っていってしまわないよう、荷物に大きめの目印(ステッカーなど)をつけておくとわかりやすいでしょう。
4.税関(Customs)
受け取った荷物を持ち、税関に向かいます。ここで、機内で記入または事前に入力しておいた税関申告書を提出します。
稀に別室で荷物の中身を確認されることもありますが、違法なものを持ち込んでいなければ、内容の確認だけで終わるでしょう。
全ての手続きが完了したら空港を出ることができます。
スムーズに次の目的地に移動するために、滞在先の情報がわかるものを手元に用意しておきましょう。
アメリカ入国審査でよく聞かれる質問と回答例
アメリカの入国審査では、審査官から滞在に関連する質問がいくつかあります。
入国審査官は、これらの質問をすることにより、入国者が合法的にアメリカに入国するのかを確認します。そのため、入国審査官からの質問には、嘘偽りなく真実を答えることが非常に重要です。
しかし、入国審査は全て英語で行われるため、緊張する方も多いでしょう。
ここでは、英語で入国審査を受けるのに不安がある人に向けて、便利な英語フレーズを紹介します。
①渡航の目的
入国審査官:
What is the purpose of your visit to the United States?
(米国に来た目的は何ですか?)
入国者:
I’m here for business. I have meetings with clients in San Francisco.
(仕事で来ました。サンフランシスコでミーティングがあります。)
入国審査官:
Are you here for tourism?
(観光で来たのですか?)
入国者:
I am here for tourism.
(観光で来ました)
②滞在中について
入国審査官:
What is your address during your stay?
(滞在中の住所はどこですか?)
Where are you going to stay?
(どこに滞在する予定ですか?)
入国者:
(住所の書いた紙を見せながら)I am visiting my family. They live in California.
(家族を訪ねてきました。彼らはカリフォルニアに住んでいます)
I’m planning to stay in the University of 〇〇 dormitory.
(〇〇大学の寮に入る予定です)
入国審査官:
How long do you plan to stay?
(どのくらい滞在する予定ですか?)
入国者:
I plan to stay for 10 days.(10日間滞在予定です)
For 5 days.(5日間です)
入国審査官:
Do you plan to work in the United States?
(アメリカで働く予定はありますか)
入国者:
No, I don’t. (いいえ、ありません)
③その他
入国審査官:
Do you have a return ticket?
(帰りの航空券は持っていますか?)
入国者:Yes, I do.
入国審査官:
Do you have any friends or family in the United States?
(アメリカに友人や家族がいますか?)
入国者:
Yes, I have a friend. Her name is 〇〇.
(はい、〇〇さんという友人がいます。)
これらはあくまでも一例です。
審査官によってはアクセントが強くて聞き取りにくい英語を話したり、突拍子もない質問を投げかけてくる人もいます。
まずは、基本的な質問内容に答える必要がありますので、これらのフレーズを頭に入れておくと安心できるでしょう。
英語が話せない人がアメリカ入国審査を乗り切るコツ
アメリカの主要な言語は英語です。そのため、入国審査でも通常は英語が使用されます。
アメリカでは英語やスペイン語で話す入国審査官がほとんどで、入国審査官とのやりとりは日本語で行うことができません。
英語がわからず、あわてて変な行動をとってしまったり、質問内容がよくわからないのに「Yes·No」などと返事をしたりすると、別室で調査を受けることになる場合や、入国を拒否されることもあります。
英語が聞き取れない場合は、ゆっくり話してもらう、紙に書くことをリクエストするなど、質問を理解するまでは適当に答えないようにしましょう。
英語での質疑応答に不安がある人に向けたフレーズを紹介します。
Could you say that again?
(もう一度言っていただけますか?)
Could you please speak slowly?
(ゆっくり話していただけますか?)
Sorry, I don’t understand.
(すみません、わかりません)
Sorry, I didn’t catch that.
(すみません、聞き取れませんでした)
I don’t understand that word. Could you explain/tell me what that means?
(その単語がわかりません。説明していただけますか?)
英語を話せない人が入国審査を乗り切るコツは、わからないことには「わからない」と伝え、わかるまで説明してもらう根気強さを持つことです。
勇気が必要な入国審査ですが、落ち着いてゆっくりと、誠実に対応すれば問題ありません。
事前準備をしっかりしておくことも重要です。
まとめ
アメリカの入国審査は厳しいですが、冷静に対応すれば問題なく通過することができます。
そのためには、必要書類に加えてホテルの予約情報やツアーのバウチャーなどをプリントアウトして準備し、滞在目的や計画をしっかりと説明できるようにしておくことが重要です。
入国審査をスムーズに通過するためのポイントを押さえ、アメリカ滞在を楽しいものにしましょう!英語に不安のある方は、オンライン英会話No.1のネイティブキャンプで、さまざまなバックグラウンドを持つ講師陣とシミュレーションをしましょう。
渡航前に「英語耳」にしておくことで、入国審査で聞かれる質問も聞き取ることができるかもしれません。
ぜひこの機会にお試しください。

◇経歴(英語を使用した経歴)
・オーストラリアのカフェで半年間勤務
・国内/国際線客室乗務員として5年間勤務
◇英語に関する資格(資格、点数など)
TOEIC、英検受験経験有り
アメリカのコミュニティカレッジにてEarly Childhood Educatorコース修了
◇留学経験
・オーストラリア シドニーへ1か月間の短期留学。
→週5日で語学学校へ通う。
・ワーホリでオーストラリア・ゴールドコーストに1年間滞在。
→Gold Coast Institute of TAFEの語学コースで学ぶ。
・2020年から4年間、家族の仕事でアメリカに滞在。
→州立のコミュニティカレッジでEarly Childhood Educationコース及びアカデミック英語コースを学ぶ。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
仕事→韓国、中国、台湾、香港などアジアを中心とした国
旅行→アメリカ(ハワイ、グアム、サイパン含む)、カナダ、
シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ドイツ、イタリア、
ギリシャ、クロアチア、ベトナム、タイ、バハマ、オランダ領セント・マーティン島など
◇自己紹介
旅行、海外生活関連のwebライター。
最初の短期留学の経験のおかげで、人生が変わったと言っても過言ではないと感じています。海外に滞在することがきっかけで、人生の選択肢が大きく広がり、成長を続けていきたいと思うようになりました。海外での長期滞在・留学経験者の視点から、皆さまにわかりやすい記事を書いていきたいと思っています。