ワーホリ保険とは、ワーキングホリデーに特化した保険のことです。
旅行とは違って長期滞在となるワーホリの内容に特化した補償内容となっています。
この記事ではワーホリ保険の概要や主な補償内容、加入するべき理由などについて解説しています。
また、実際に海外滞在中に起こった事故事例やワーホリ保険を選ぶ際のポイントなどについても取り上げているため、これからワーホリをしようと検討している方はぜひ参考にしてください。
ワーホリ保険とは?
ワーホリ保険とは、ワーキングホリデー中に利用する保険のことです。
「ワーホリ」という名称がついているように、ワーホリ制度に沿った補償内容を備えている点が特徴です。
そもそもワーホリとは休暇目的の入国や滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための就労を認める制度のことです。
日本とワーキングホリデー制度の締結をしている国に対して利用できる制度で、原則としては30歳までの人が利用可能となっています。
現地で仕事ができるほか、現地の学校に入って勉強に取り組むこともできるなど自由度の高いビザです。
ワーホリは海外での滞在となるため、現地滞在中の怪我やトラブル発生時に対応するためにも保険の加入が必要不可欠であり、そのためにワーホリ保険を利用します。
ワーホリ保険と聞いて中には「通常の保険と何が違うの」と思う人もいるかもしれませんが、ワーホリ保険はワーホリに特化している保険商品です。
海外旅行の場合、現地への滞在は比較的短期間ですが、ワーホリは1年の長期滞在となるため、その期間に発生する恐れのあるトラブルを手厚く補償してくれます。
主な補償内容
ワーホリ保険でカバーされる補償内容としては、傷害死亡や傷害後遺障害などさまざまです。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
傷害死亡 | ケガや事故などによって亡くなった場合に保険金が支払われる |
傷害後遺障害 | ケガや事故などによって後遺障害が残った時に等級によって保険金が支払われる |
傷害治療費・疾病治療費・救援者費用 | ケガや病気の治療費のほか、治療により帰国や他国に移動することになった際に発生する費用をカバーする。 また、被保険者の死亡や入院に伴い家族が現地に渡航する費用も保証される |
疾病死亡 | 病気で死亡した際に支払われる補償 |
歯科治療 | 現地で歯科治療を受ける際の治療費をカバー |
賠償責任 | 日常生活を送る中で他人を怪我させたり、ものを壊して損害賠償責任を負ったりしたときの補償 |
携行品、生活動産 | 持参したものの盗難や破損、損害を補償してくれる |
航空機寄託手荷物遅延 | 飛行機搭乗時に手荷物が届かなかった場合に購入した生活必需品の費用をカバー |
航空機遅延 | 飛行機が遅延した時にかかる宿泊費や交通費をカバー |
緊急一時帰国 | 家族の死亡や危篤などに伴い緊急で帰国することとなった際の交通費や滞在費をカバー |
このようにワーホリ保険のカバーする内容はさまざまです。
種類によってはこれ以外の補償もあります。
ワーホリ保険への加入をおすすめする理由
ここではなぜワーホリ保険への加入をおすすめするのか、その理由について解説します。
ワーホリを検討中で保険をどうするか迷っている人はぜひ参考にしてください。
海外でのトラブルは費用がかかる
海外滞在中に発生するトラブルは費用がかかるケースが多いため、ワーホリ保険に加入しておくことをおすすめします。
例えば病気になったり歯が痛くなったりして病院・歯科医院を受診することとなった場合、日本であれば3割負担となるため支払う金額は少なめですが、海外だと治療だけで数十万円かかるケースもあります。
現地滞在中に病気や怪我にならない可能性はゼロではありません。
そのため、万が一に備えてワーホリ保険に加入しておくべきだといえるでしょう。
ビザ申請時に必要になる
ワーホリビザを申請すると、保険の加入証明書の提出を求められるケースがあるため、ワーホリ保険に加入しておくべきだといえます。
詳しくは後述しますが、国によってはワーホリで滞在する人に保険への加入をビザ発行の条件としている国もあるため注意してください。
仕事で必要になる
ワーホリで現地に滞在している間に仕事をしようとしている場合、職場で保険への加入が必須となっているケースがあるため注意してください。
仕事中に怪我をする可能性や職場のものを壊して賠償責任を負うことになる可能性はゼロではありません。
そういったトラブル発生時にスムーズに対応できるようにするためにもワーホリ保険に加入しておきましょう。
ワーホリ保険への加入が必須の国
先ほども説明しているように、国によってはワーホリ保険への加入が必須となっているケースもあります。
このような国で保険未加入の状態で入国しようとすると入国審査の段階で引っかかる可能性があるため注意してください。
具体的には、カナダやフランス、ドイツ、アイルランドなどが保険への加入が必須とされています。
ワーホリ中の事故事例
ワーホリ中にはさまざまな事故が発生する恐れがあります。 その事故に伴い高額な費用負担が発生する恐れもあるでしょう。
ここではワーホリ中の事故事例を紹介します。
オーストラリア | ・ホームステイ中に精神不安定となり救急車で搬送された ・統合失調症と診断されて入院となり、家族が駆けつける ・316万円 |
オーストラリア | ・ホームステイ先で遊んでいて落下し骨折 ・入院と手術が必要になり、家族が駆けつける ・610万円 |
ニュージーランド | ・現地滞在中に発熱し、21日間の入院をすることになる ・家族が駆けつける ・893万円 |
カナダ | ・ホームステイ先で倒れる ・脳炎と診断されて19日間入院となり、家族が駆けつける ・チャーター機での医療搬送を行う ・3,890万円 |
カナダ | ・ホームステイ先で頭痛・嘔吐・腹痛を訴え病院を受診 ・腹膜炎と診断され10日間の入院および手術となり、家族が駆けつける ・535万円 |
フランス | ・屋外で転倒し大腿骨を骨折 ・20日間の入院と手術 ・家族が駆けつける ・707万円 |
スペイン | ・バスの中で滑って転倒し背中を強打 ・救急車で搬送され、腰椎骨折と診断される ・家族が駆けつける ・526万円 |
韓国 | ・トイレで転倒して救急車で搬送される ・蜘蛛膜下出血と診断され55日間の入院と手術を伴う ・家族が駆けつける ・1,461万円 |
このように、現地滞在中にはどのようなトラブルが起こるかわかりません。
また、滞在先の地域に適切な医療機関がない場合、チャーター機等での搬送を伴うこととなるため、費用が高額になります。
さらに家族が心配して駆けつけるとなるとさらに費用負担は大きくなるでしょう。
これらの費用を自己資金でカバーするのは現実的ではありません。 このような理由からワーホリ保険への加入は必須だといえます。
ワーホリ保険の選び方
ここではワーホリ保険を選ぶ際のポイントを紹介します。
ワーホリ保険といっても、各社から展開されているため、どれを選べばいいか迷ってしまう人もいるでしょう。 どういった点を意識しながら選ぶべきなのか、ぜひ参考にしてください。
補償してくれる費用から選ぶ
先ほども説明しているように、ケガや病気に伴い病院を受診する、入院する、手術するとなると高額な費用が必要となります。
そのため、治療費をいくらまで補償してくれるのかという点を考慮することが大切です。
プランによって、無制限となっているものや歯の治療にも対応しているものなどもあります。
補償金額によって保険料も変わってくるため、必ずしも補償金額が一番高いものを選ぶのがベストとは言えませんが、自分の予算を考慮しながらできるだけ補償金額が高いものを選ぶと安心です。
賠償責任補償に対応しているか
現地で生活中に滞在先の部屋を破損してしまう、仕事の機材を壊してしまうといったトラブルが起こる可能性は十分にあり得ます。
そのため、賠償責任補償が付いている保険を選ぶようにしましょう。
海外では、日本では考えられないような事態が起こり得ます。
例えば、簡単にものが壊れてしまう、部屋を退去する時に予想外の理由で賠償請求されるといったこともあり得るでしょう。
そのような事態が起こった時に備えるためにも、賠償責任補償付きの保険を選ぶ必要があります。
キャッシュレス対応の可否
病院を急に受診することとなった場合など、手持ちの現金がない時でもキャッシュレスで対応できるかどうかは非常に重要です。
いくら高額補償のプランでも、キャッシュレス対応していないとなると、一時的とはいえ自身で立て替えなければなりません。
また、言葉の壁から病院での支払い手続きをするだけでも大きなハードルとなります。
このような点を考えると、保険会社が病院に対して直接支払いを行ってくれるキャッシュレス決済に対応しているプランが理想的だといえます。
通訳サービスの有無
海外で生活する上での大きな課題が言語です。
うまく話せないために希望するサービスを受けられない、病院で自分の状態を伝えられないといった事態になる可能性はゼロではありません。
そのような時に、現地での通訳サービス付きのワーホリ保険に加入していれば自分の希望や状態を正確に伝えることができます。
保険期間を考慮する
ワーホリは原則として1年間となっているため、滞在期間をカバーしてくれる保険を選ぶ必要があります。
先ほども説明しているように、国によってはビザの発行や入国時に保険の加入証明書の提出を求められることもあるため、必ず滞在期間をカバーする保険に加入してください。
そして、ワーホリ保険の場合、出発日から帰国日までを通算して設定する必要があるため、いつ出発していつ帰ってくるのか具体的に決めておく必要があります。
ワーホリ後に別のビザに切り替えて現地に滞在しようとしている人は、あらかじめ長めに契約しておくのも1つの方法です。
いずれにしても、海外に滞在している間に保険に加入していない期間が発生しないようにすることがポイントとなります。
滞在方法を考慮する
ワーホリ保険の場合、滞在方法によって補償内容が異なるケースがあるため注意してください。
例えばホームステイで滞在する場合、旅行タイプの保険となります。
一方で、ルームシェアで滞在する場合は、生活タイプでの保険となります。
なぜこのような違いがあるのかというと、部屋のタイプによって発生しうるトラブルの種類が異なるためです。
これから保険に加入しようとしている人は、自分が現地でどのような滞在方法をしようとしているのかを伝えることでより最適な保険プランを選べるかもしれません。
まとめ
今回はワーホリ保険の概要や加入するべき理由、海外での自己事例などについて解説しました。
ワーホリ保険とはその名の通り、ワーホリに特化した保険のことです。
海外旅行とは異なり長期滞在となるワーホリの場合、それに応じた補償が必要となります。
現地で生活を送る中でものを壊したり、怪我をしたり、病気をしたりする可能性はゼロではありません。
万が一トラブルが発生したとしても、保険に加入していれば高額な費用を自分で支払う必要がなくなるため安心できます。
これからワーホリを利用しようとしている方は、ぜひワーホリ保険への加入を検討してみてください。

◇経歴
・イギリスに半年間留学
・イギリスでサッカーの指導者ライセンスを取得(指導の試験などは全て英語)
◇資格
・特になし
◇留学経験
・イギリス:2013年4月〜9月、The English Studio
・ドイツ:2019年9月〜、大学院留学(英語ではなくドイツ語です)
◇海外渡航経験
イギリスにはサッカーの指導を勉強するために留学しました。半年間現地の日系チームに所属し、指導者として活動しながらイギリスの指導者ライセンス取得に向けてコースにも参加していました。また、平日は語学学校に通い、英語の勉強をしていました。
◇自己紹介
ドイツの大学院に留学中のライターです。イギリスに半年間の留学経験があるほか、ドイツには現在も留学中で6年目を迎えています。現在はドイツ語学習がメインですが、英語も勉強しなおしており、語学力をさらに伸ばすことを目標にしています。