カナダ留学中のお子さんへの荷物や、スーツケースに入りきらなかった荷物を後から送りたい方も多いでしょう。
一方で、「カナダに荷物を送るのは難しそう」「配送料が高くなりそう」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、実際にはカナダに荷物を送るのはそれほど難しいことではなく、適切な配送サービスを選べば配送料を抑えながらスムーズに荷物を届けることも可能です。
本記事では、日本からカナダに荷物を送る方法をわかりやすく解説します。
また、国際郵便の宛名の書き方やカナダの関税制度、食品を送る際の注意点についても詳しく紹介するので、カナダへの荷物の送り方に迷っている方はぜひ参考にしてくださいね!
カナダに荷物を送る方法
カナダに荷物を送る方法にはさまざまな選択肢があり、利用する配送業者によってサービス内容や特徴が異なります。
以下に、主な配送業者とその提供する配送方法をまとめました。
配送業者 | 配送方法 | サービス名 |
日本郵便(郵便局) | 航空便 | 国際スピード郵便(EMS) |
航空便 | 国際小包 | |
エコノミー航空便(SAL便) | ||
船便 | ||
ヤマト運輸 | 航空便 | 国際宅急便 |
FedEx | 航空便(スピード重視) | International Priority |
航空便(コスト重視) | International Economy | |
DHL | 航空便 | DHL Express |
UPS | 航空便(スピード重視) | UPS Worldwide Express |
航空便(コスト重視) | UPS Worldwide Expedited |
ここでは、カナダに荷物を送る方法について、それぞれの配送業者ごとに詳しく解説します。
※配送方法や料金は、2025年1月時点の情報を基にしています。 最新のサービス内容や料金については、各配送業者の公式サイトをご確認ください。
日本郵便(郵便局)
日本郵便の国際郵便サービスは、スピードを重視した航空便から、費用を抑えたい方向けの船便まで、幅広いオプションが選べます。
特に船便は配送料が他社と比べてリーズナブルなため、急ぎでない荷物を送りたい場合に最適です。
日本郵便を利用してカナダへ送った荷物は、現地到着後にカナダポスト(カナダ国営の郵便事業)が荷物を引き受けて配達します。
以下、日本郵便が提供する主な国際郵便サービスについて詳しく解説します。
国際スピード郵便(EMS)
配送日数目安 | 約3〜5日 |
費用 | 23,500円(10kg) |
国際スピード郵便(EMS)は、日本郵便が提供するサービスの中で最もスピーディーにカナダまで届けられる配送方法です。
リアルタイムで配達状況を確認できる追跡サービスが付いており、安心して利用できます。
EMSは損害賠償制度が付帯されており、配送中に破損や紛失が発生した場合でも、最高200万円を限度とする実損額を賠償してくれます。
さらに、損害要償額が2万円までは無料です。
航空便
配送日数目安 | 約6〜10日 |
費用 | 23,200円(10kg) |
日本郵便の国際小包(航空便)は、EMS同様に飛行機を利用して比較的速く現地まで届ける配送方法です。
ただし、EMSとは異なる特徴があり、用途に応じて選ぶことが重要です。
以下にその違いをまとめました。
項目 | 航空便(国際小包) | 国際スピード郵便(EMS) |
適している対象物 | 重量やサイズの大きい荷物 | 小型の荷物や書類など |
料金 | EMSより安価 | スピード重視のため高め |
追跡サービス | 追跡可能だがEMSより詳細ではない | リアルタイムで詳細に追跡可能 |
損害賠償制度 | 別途オプション(追加料金が必要) | 付帯(最高200万円まで補償) |
利用目的 | コストを抑えて迅速に送りたい場合 | 緊急度が高く確実に届けたい場合 |
特に高価な品物を送る場合は、万が一のトラブルに備えて補償制度が付帯されているEMSを選ぶのがおすすめです。
エコノミー航空便(SAL便)
配送日数目安 | 約2〜3週間 |
費用 | 12,600円(10kg) |
エコノミー航空便(SAL便)は、日本国内と到着国内では船便として扱い、両国間の輸送のみ航空機を使用する配送方法です。
そのため船便より速く、航空便より安いという特徴があります。
ただし、SAL便は飛行機の空きスペースを活用して輸送するため、配送日数がかかる場合があります。
また、2025年1月現在、SAL便は取り扱いを一時停止しています。
船便
配送日数目安 | 約1〜3ヶ月 |
費用 | 7,900円(10kg) |
船便は最も経済的な配送方法で、特に重量やサイズの大きい荷物を安価に送りたい方にぴったりです。
ただし、配送に時間がかかるのが特徴で、カナダの地域によって配送日数に差があります。
日本に近い西海岸側の都市(例:バンクーバーなど)へは比較的早く届きますが、内陸部や東部の都市(例:トロントやモントリオール)へはさらに日数がかかることがあります。
ヤマト運輸
配送日数目安 | 約3〜7日 |
費用 | 11,950円(10kg) |
ヤマト運輸の国際宅急便は、ドアツードアで荷物を届けてくれる便利なサービスです。
カナダ宛ての個人利用の場合、書類以外の荷物の取り扱いが不可であるため注意が必要です。
ヤマト運輸では梱包資材の提供や関税手続きのサポートも行っており、初めて海外発送をする方も安心して利用できます。
FedEx
配送日数目安 | 約2〜7日 |
費用 | 31,060円(サービスやエリアによる) |
FedEx(フェデックス)は、アメリカ発祥の国際配送業者です。
北米に強いネットワークを持っているため、カナダへの配送においても優れたサービスを提供します。
配送のスピードが早く、急ぎの荷物に適した選択肢の1つです。
DHL
配送日数目安 | 約2〜8日 |
費用 | 30,664円(サービスやエリアによる) |
DHL(ディーエイチエル)はヨーロッパ発祥の国際配送業者ですが、全世界にある配送ネットワークが強みです。
他社に比べて料金がリーズナブルな傾向があり、コストを抑えながら迅速に届けたい方におすすめです。
UPS
配送日数目安 | 約2〜10日 |
費用 | 32,210円(サービスやエリアによる) |
UPS(ユナイテッドパーセルサービス)はアメリカ発祥の配送業者であり、配送オプションが豊富で予算に応じて選択可能です。
追跡サービスの信頼性が高く、細かい配送状況の確認ができるため安心して利用できます。
宛名の書き方と送り状の作成
海外向けの荷物には独自の宛名の書き方があるため、初めて発送する方にとっては難易度が高く感じるかもしれません。
しかし、一度慣れてしまえばそこまで難しいものではなく、スムーズに対応できるようになります。ここでは、カナダに荷物を送る際に一般的に利用される郵便局での発送方法について、宛名の書き方や送り状の作成手順を詳しく解説します。
国際郵便マイページサービスを利用する
郵便局の国際郵便サービスを利用するには、まず「国際郵便マイページサービス」に登録する必要があります。
国際郵便マイページサービスとは、送り状や税関審査のための必要な書類をまとめて作成できる無料ツールです。
スマートフォンからでも利用可能なので、パソコンがなくても簡単に書類作成ができます。
国際郵便物の宛名の書き方
国際郵便物の宛名は、受取国の言語で書くのが一般的です。
カナダ宛ての荷物には、英語(フランス語圏の場合はフランス語)で書きましょう。
宛名の書き方には順序があるため、以下ご参考ください。
①受取人名:名前→苗字の順番でフルネームを書きます。
必要に応じて名前の前に「Mr.」や「Ms.」を付けても構いません。
②受取人の住所:住所は通常、以下の順番で書きます。
・番地、アパート名、部屋番号(必要な場合)
・通りの名前(Street, Avenueなど)
・市区町村名(City)
・州・地域名(Province)
・郵便番号(Postal Code)
・国名(Country)
※カナダでは同じ地名や通りの名前が複数の都市で使われる場合があります。 そのため、郵便番号の記載を忘れないようにしてください。
差出人の名前と住所も同様の形式で記載します。
送り状を作成する
国際郵便マイページサービスを利用すると、以下の3種類の書類を作成できます。
・送り状
・税関告知書
・インボイス
作成した書類ラベルは印刷後、専用のパウチに入れて梱包した荷物に貼り付けてください。
カナダに送れないものリスト
カナダ宛ての郵便物には、送ってはいけない禁制品が定められています。ここでは、カナダに送ることが禁止されている品目のリストについて詳しく解説します。
なお、禁制品の内容は配送業者ごとに異なる場合があるため、利用する業者の規定を事前に確認するようにしましょう。
全世界共通で送れないもの
カナダだけではなく、海外に送れない代表的な品目のリストは以下の通りです。
・スプレー缶
・香水
・花火やクラッカー
・日焼け止め、ヘアトニック、アルコール飲料(アルコール濃度24%を超えるもの)
・マニキュア
・電子タバコ
・モバイルバッテリー
その他の具体的な郵送禁止品については、以下リンクをご参照ください。
カナダに送れないもの(禁制品)
カナダ宛ての荷物で送ることが禁止されている主な品目は、以下の通りです。
・羽毛
・肉、肉製品
・茶
・貴重品
・酒精飲料
その他のカナダ宛て郵送禁止品については、以下リンクをご参照ください。
カナダの関税と税制について
国をまたぐ輸出入には「関税」がかかるため、免税枠や税関申告時の注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
ここでは、カナダの関税と税制についてわかりやすく解説します。
カナダでの関税と免税枠
カナダに輸入される品物には、0%~20%以上の関税が課せられる場合があります。
ただし、商品の種類や価値に応じて課税されない場合もあります。
特に、衣類、食品、化粧品などは関税がかかりやすい品目のため注意が必要です。
さらに、カナダでは関税に加えて消費税(GST/HST)がかかる場合があります。
一方、個人使用目的で申告価値が20カナダドル以下の荷物には、関税および税金が免除されます。
税関申告時の注意点
税関告知書には、内容品とその価格を正確に記載する必要があります。
内容品の価格を正確に申告しない場合、税関で差し止めや追加徴税が行われる可能性があるため注意が必要です。
また、別送品として送る場合、入国時に税関申告書に記載することで関税および消費税が免除されることがあります。
関税がかかった場合どうなる?
万が一関税が発生した場合は、配達時に受取人(送り先)が支払いを求められることが一般的です。
関税がかかるかどうかは、荷物がカナダに到着してから判断されるケースが多いため、事前に受取人に関税が発生する可能性を伝えておくことをおすすめします。
食品を送る際の注意点
個人使用目的でカナダに食品を送る場合は、
輸入規制や税関のルールを守る必要があります。
利用する配送業者の規定や、カナダ食品検査庁 (CFIA) のウェブサイトで最新の規制を確認するのもおすすめです。
ここでは、カナダに送付可能で比較的トラブルが少ない食品の例を紹介します。
・真空パックの乾燥食品(例: 即席味噌汁、海苔など)
・市販のスナック菓子(例: ポテトチップス、クッキーなど)
・個別包装されたお菓子(例: チョコレート、キャンディーなど)
・缶詰食品(例: ツナ缶、サバ缶など)
食品が漏れたり破損したりすると通関できなくなることもあるため、頑丈な梱包材や緩衝材を使用するといいでしょう。
また、大量に食品を送ると商用利用と見なされるケースもあるので、個人で消費できる量に調整するのがおすすめです。
まとめ
本記事では、日本からカナダに荷物を送る方法について詳しく紹介しました。
海外に荷物を送る際には注意すべきポイントが多くありますが、1つ1つ確認して準備すれば問題なく対応できます。
日本からカナダは地理的な距離があるため、配送料が高くなる場合もありますが、目的や状況に応じて適切な配送方法を選ぶことが大切です。
早く届けたい場合は航空便を、急ぎでない場合は配送料を抑えられる船便を活用するのがおすすめです。
カナダへ荷物を送る予定の方はぜひ本記事を参考にして、自分に合った配送サービスを選んでくださいね!
◇経歴
・英米文学科卒業
・George Brown College卒業(カナダ・トロント)
・カナダ現地のパティスリーにてパティシエとして働く
・現在はWebライターのほか、SNS運用やコンテンツクリエイターとして活動しています。
◇資格
IELTS General 6.0
◇留学経験
・ニュージーランド(2週間)
→高校留学でホームステイ体験
・カナダ(13年)
→ワーキングホリデー→カレッジ留学→現地就職→永住権取得
◇海外渡航経験
長期滞在:カナダ、韓国(3ヶ月)
旅行:ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、
イタリア、タイ、インドネシア、シンガポールなど
◇自己紹介
英語学習や留学に関する記事を書いているWebライターです。
幼少期から英語や海外に興味があり、子ども英会話教室に通ったり、ニュージーランドへ短期留学したり、大学は英米文学を専攻したりと英語に関わる人生を過ごしてきました。
現在はカナダ在住13年め、海外で子育て奮闘中です。
英語学習や海外生活に興味のある方に、役立つ情報をお届けできたらと思っています。どうぞよろしくお願いします!