カナダに渡航する際、どのようなビザで入国するのが良いか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
カナダのビザはいくつかの種類があり、申請の際の条件も異なります。
この記事では、
カナダのビザについて解説します。
申請方法や滞在期間を延長する方法も解説するので、ぜひ内容を確認してみてください。
カナダのビザの種類と基本情報を確認しよう
カナダのビザには、以下の6種類があります。
1.eTA(電子渡航認証)
2.学生ビザ
3.ワーキングホリデービザ
4.ワーキングビザ
5.起業家ビザ
6.訪問者ビザ
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
eTA(電子渡航認証)
eTA(電子渡航認証)は、観光や短期のビジネスでカナダに渡航する人が使える認証システムです。
カナダでは、日本をはじめとする多くの国からの旅行客のために、観光ビザを不要にするかわりにeTAの申請を必須にしています。
厳密に言うとビザではありませんが、観光目的で滞在する場合はeTAを申請することで最長6ヶ月カナダに滞在することが可能です。
eTAの有効期限は、5年間もしくはパスポートの有効期限までで、その期間内であれば何度でもカナダに入国できます。
eTAはあくまで観光や短期ビジネスのための認証システムなので、就労や就学には別のビザが必要です。
申請費用は7カナダドルで、日本円で約750円(1カナダドル=107円で計算)です。
学生ビザ
学生ビザは就学許可証とも言われ、カナダで6ヶ月以上就学する人が取得しなければならないビザです。
就学に加え、週20時間までアルバイトができます。
学生ビザの申請には、カナダで通う学校への入学許可書が必要です。
その他にも、資金証明や健康診断の結果などが必要なため、数ヶ月前から準備しておく必要があります。
申請手続きが複雑なので、留学会社などのサポートを受けるのもおすすめです。
ワーキングホリデービザ
ワーキングホリデービザは、正式にはインターナショナル・エクスペリエンス・カナダと呼ばれるビザです。
1年間カナダで働いたり勉強したりできるので、近年人気が高まっているビザです。
ワーキングホリデービザを申請するには、申請時に18歳以上30歳以下であることや高卒以上の学歴を有していること、滞在初期費用を持っていることなどが条件として挙げられます。
申請希望者が多いため毎年抽選が行われており、当選しないとビザを取得できません。
ワーキングホリデービザを取得すれば、1年間の滞在と、そのうちの6ヶ月間就学することが可能です。
学生ビザのように労働時間の制限がないので、学費を稼ぎながら留学できます。
ワーキングビザ
ワーキングビザは、就学せずにカナダで働く際に必要なビザです。
ワーキングホリデービザとは違い、年齢制限がない上、働いている企業からのオファーがあれば1年を超えて働けます。
ワーキングビザには、以下の3つの種類があります。
ビザの種類 | 特徴 |
雇用主からのオファーに基づく ワーキングビザ | カナダの企業で具体的に働くことが決まっている場合に申請できる。 |
州ノミネーションプログラム (PNP) | カナダの各州が、特定のスキルを持った人を募集してビザを与えるプログラム。 |
国際的な卒業生プログラム | カナダの大学や大学院を卒業した留学生が、卒業後も一定期間カナダで働けるプログラム。 |
学生ビザ同様、申請に必要な書類が多いので数ヶ月前から準備することが必要です。
カナダで働くためのビザなので、英語力も相当必要になるでしょう。
起業家ビザ
起業家ビザは、カナダで新しくビジネスを立ち上げて、カナダの経済に貢献しようとする外国人のためのビザです。
カナダは移民が多い多文化社会なので、外国人起業家の受け入れを積極的に行っています。
起業家ビザで最も一般的なのは、スタートアップビザです。
スタートアップビザを取得した起業家は1年の有効期間内に事業を軌道にのせ、永住権の取得を目指します。
スーパービザ
訪問者ビザは、カナダに住んでいる家族に呼び寄せてもらう際に申請できるビザです。
カナダの永住権か市民権を持っている人の、両親と祖父母が申請できます。
スーパービザは最長10年間、何度でも繰り返しカナダに入国できるので、ビザを何度も頻繁に申請する必要がありません。
また、1回の入国で最長5年間滞在することが可能です。
その分、財産証明や健康診断の結果などの書類が必要なので、数ヶ月前から準備する必要があります。
カナダのビザ申請:オンラインでの手続き
近年、カナダのビザ申請はオンラインで行われています。
オンラインでビザを申請する際の手順は、以下のとおりです。
1.IRCCのアカウントを作成する
2.申請フォームを入力する
3.必要書類を準備する
4.指紋と顔写真を登録する
5.申請書を提出して申請料を支払う
それぞれの手順について、詳しく解説していきます。
【手順①】IRCCのアカウントを作成する
カナダのビザ申請には、IRCCのアカウントが必要です。
IRCCとは、カナダ移民・難民・市民権局のことで、ウェブサイト上でビザの申請や申請状況の確認ができます。
IRCCのアカウントは「MyCIC」 と呼ばれ、無料で作成することができます。
カナダ政府の公式ウェブサイトからアクセスすることができ、パスポート番号などの個人情報を入力すればアカウントの作成は完了です。
【手順②】申請フォームを入力する
IRCCのアカウント作成が完了したら、ビザの申請フォームにパスポート情報や連絡先、旅行の目的、滞在期間などの情報を入力します。
虚偽の申告をせず、パスポートなどの書類と一致するように情報を入力しましょう。
入力は数分程度で完了します。
【手順③】必要書類を準備する
フォームの入力が終われば、必要書類を準備してアップロードしましょう。
必要な書類は申請するビザによって異なるので、早めに確認して準備しておく必要があります。
オンライン上でファイルをアップロードして申請しますが、書類の原本も保管しておきましょう。
【手順④】指紋と顔写真を登録する
申請するビザの種類によっては、バイオメトリクス登録と呼ばれる指紋と顔写真の登録が必要です。
2019年に、多くのビザ申請でバイオメトリクス登録が義務づけられました。
バイオメトリクス登録が必要かどうかは、ビザ申請時に指示されます。
必要な場合は、世界各地にあるビザ申請センターの中から指定されたセンターで、指紋採取と顔写真の撮影を行います。
バイオメトリクス登録は、事前に予約しなければならない場合がほとんどです。
また、ビザ申請とは別に85カナダドル、日本円だと約9,000円(1カナダドル=107円で計算)かかります。
【手順⑤】申請書を提出して申請料を支払う
申請に必要なことが全て完了すれば、申請書をオンラインで提出して申請料を支払います。
申請料はビザの種類によって異なりますが、基本的にオンライン決済です。
申請料の支払いも完了すれば、あとは審査結果を待つだけです。
結果はメールやIRCCのアカウント上の通知で見れます。
ビザの延長:滞在期間を延ばす方法
カナダのビザは、種類によって延長できるかが異なります。
延長やカナダに滞在したまま連続して取得できるのは、以下の4つです。
1.学生ビザ
2.ワーキングビザ
3.起業家ビザ
4.スーパービザ
ビザを延長しなくても、複数のビザを組み合わせることで実質的に滞在期間を延ばすこともできます。
滞在期間を延ばす方法について、それぞれ詳細を確認していきましょう。
学生ビザを延長する方法
学生ビザは、有効期限が切れる前に申請することで延長が可能です。
引き続き就学する必要があるので、延長する期間分の入学許可証を提出しなければなりません。
審査には数ヶ月かかる場合もあるので、最初に取得した学生ビザが切れる約4ヶ月前から、計画的に延長手続きを行いましょう。
ワーキングビザを延長する方法
ワーキングビザは、カナダでの雇用が継続している間は取得し続けることができます。
転職して雇用主が変わった場合は、新たにワーキングビザを申請する必要があります。
国際的な卒業生プログラムでワーキングビザを取得した場合も、条件によって延長が可能です。
カナダで卒業した学校やコースの種類で延長できる期間や条件が異なるので、移民コンサルタントなどの専門家に相談することをおすすめします。
起業家ビザを延長する方法
起業家ビザも、延長を申請できるビザの1つです。
起業家ビザで最も一般的なスタートアップビザでは通常1年が有効期限ですが、事業が順調に進んでいる場合はビザの延長申請を行うことができます。
スーパービザを延長する方法
スーパービザを延長するには、有効期限が切れる前にもう一度スーパービザを申請します。
スーパービザは1回取得すると最長10年間有効なので、9年くらいたった頃から再度申請することを検討しましょう。
eTA(電子渡航認証)やワーキングホリデービザと組み合わせる
学生ビザやワーキングビザなどの延長可能なビザと、eTA(電子渡航認証)やワーキングホリデービザを組み合わせることで、実質的な滞在期間を延長することができます。
例えば、学生ビザが切れたあとに、ワーキングホリデービザを使って現地でアルバイトをする、という場合です。
1つのビザの延長が難しくても、複数のビザを組み合わせればカナダにより長く滞在することができるので、自分が申請可能なビザの種類を調べてみましょう。
カナダ移住のためのビザ計画
カナダに移住するには、永住権を取得する方法と学生ビザや就労ビザなどの延長で滞在し続ける方法があります。
その時の就学や就業の状況に応じてビザ変更や永住権申請を行うことが一般的ですが、はじめから移住を検討している場合は、ビザの計画を事前に立てておくことがおすすめです。
たとえば、永住権を取得する際に有利になる職種があります。
IT関連や看護師などの仕事で働く人は人手不足解消のために有利に評価されているので、永住権取得がしやすいです。
永住権を取得しやすい分野のコースへ就学後、そのままカナダで就職すれば、比較的早く永住権を取得できます。
まとめ
この記事では、カナダのビザについて解説しました。
どのビザも申請から取得に時間がかかる場合が多いので、自分が申請するビザを早めに確認して必要書類を準備しましょう。
カナダのビザには、以下の種類があります。
・eTA(電子渡航認証)
・学生ビザ
・ワーキングホリデービザ
・ワーキングビザ
・起業家ビザ
・訪問者ビザ
eTAやワーキングホリデービザなどを他のビザと組み合わせて、滞在期間をのばすことも可能です。
自分の渡航目的に合ったビザを取得して、カナダでの生活を楽しみましょう。

◇経歴
学習塾での英語指導経験、英語を使用した外国人への日本語指導経験あり
◇資格
TOEIC 835点、英検準1級
◇留学経験
フィリピン・セブ、3週間、IDEA ACADEMIA
◇海外渡航経験
旅行で台湾、韓国、語学留学でフィリピンへの渡航経験あり
2025年8月にニュージーランドへ移住予定
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
小学校のALTがきっかけで英語に興味を持ち、英語の専門学校へ入学。
在学時から学習塾で子供たちに英語を指導してきました。
現在は日本語教師として英語で外国人に日本語を教えながら、私生活では海外移住に向け英語を勉強中。