「ファームステイって何?」
「ホームステイとの違いは?」
「どんな準備が必要なんだろう…」
最近よく耳にする「ファームステイ」。気にはなっているけれど、詳しく分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ファームステイに興味のある方へ向けて、基本的な知識から人気の国、必要な準備、注意点まで分かりやすくお伝えしていきます!
ファームステイに興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
ファームステイとは?
ファームステイは、農場や牧場に滞在しながら、現地の暮らしや農業を体験できる留学スタイルの一つです。
ここでは、ファームステイについて、基本的な特徴からホームステイとの違い、参加するための必要条件など順に見ていきましょう。
ファームステイの特徴
ファームステイの最大の特徴は、語学を学びながら実際に農業体験できることです。
野菜や果物の収穫、家畜の世話など、普段の生活ではなかなか経験できない農作業に取り組むことができます。
参加方法は、観光として短期で農業体験を楽しむタイプから、ボランティアや有償で長期間、農作業の担い手として働きながら長期滞在するタイプまで様々です。
滞在先は農場主の家や農場内の宿泊施設を利用し、食事は農場でとれた新鮮な食材を味わえることも!
その土地ならではの食文化を楽しめるのも大きな魅力ですね。
ホームステイとの違い
ファームステイとホームステイの違いを見ていきましょう。
ホームステイは、都会の一般家庭に泊まって、その国の言葉や生活習慣を学ぶのが主な目的です。
朝食を一緒に食べたり、家族と買い物に行ったり、まさに「都会での現地暮らし」を体験できます。
一方、ファームステイは農場や牧場が生活ステージ!滞在先は主に農家や周辺の施設です。朝は動物たちの世話をしたり、野菜を収穫したり、本格的な農作業を体験できるのが特徴です。
ホームステイでは都会の家庭、ファームステイでは自然に囲まれた農場で現地の暮らしを体験できるというのが大きな違いです。
どちらを選ぶかは、どんな体験をしたいかによって決めると良いでしょう。
街での暮らしに興味がある人はホームステイ、自然の中での生活に憧れる人はファームステイがおすすめです。
参加に必要な条件
ファームステイに参加するには、主に3つの条件が必要になってきます。
1つ目は、基本的な体力です。
農作業は屋外での肉体労働が多いため、ある程度の体力が求められます。
2つ目は、日常会話レベルの語学力です。
特に有償型やボランティア型のファームステイの場合は、農場での作業指示を理解し、農家さんと基本的なコミュニケーションが取れる程度の英語力が必要です。
「水やり(water)」「収穫(harvest)」「掃除(cleaning)」など、基本的な作業用語は事前に覚えておくと良いでしょう。
3つ目は、滞在期間に応じた適切なビザの取得です。
観光目的の短期滞在なら観光ビザで可能ですが、長期滞在の場合はワーキングホリデービザが必要となります。
ファームステイの種類
ファームステイには、3つの種類があります。
・観光型(農業体験)
・ボランティア型(WWOOF)
・労働型(有償)
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
観光型(農業体験)
観光型のファームステイは、1日から1週間程度の短期間で気軽に農業体験を楽しめるタイプです。
動物とのふれあいや乗馬体験といった楽しいアクティビティが用意されていることが多く、休暇でリフレッシュしたい人にぴったりです。
ホテルやペンションのような専用施設に泊まりながら、野菜の収穫体験や農作業を通じて、その土地ならではの文化や農業について学べます。
食事付きのプランが一般的で、費用の目安としては、1泊あたり5,000円から15,000円程。
滞在費を支払う必要がありますが、設備の整った施設での宿泊なので、農業経験がない方でも安心して参加できます。
ボランティア型(WWOOF)
WWOOFは、World Wide Opportunities on Organic Farmsの略で、オーガニック農法を実践する農園でボランティアとして働ける世界的な仕組みです。
金銭的な報酬はありませんが、1日4〜6時間ほど農作業を手伝う代わりに、宿泊と食事が無料になるため、旅費を抑えたい方に大人気!参加には専用サイトでの会員登録が必要で、国や地域によって異なりますが、年会費は5,000円程です。滞在期間は2週間から数か月まで自由に選べて、農家さんとの相談で決められます。
特に若い世代に人気が高く、農作業を通じてその土地の文化や習慣を学べるだけでなく、有機農業や環境保護について理解を深められるのも魅力の一つですね。
労働型(有償)
労働型のファームステイは、農場で正式な労働者として働きながら滞在するタイプです。1日8時間程度、週1日休みのフルタイムで、果物の収穫や野菜の栽培などの農作業に従事します。正式な労働契約を結ぶため、ワーキングホリデービザの取得や一定の英語力は必須です。
各国の給与水準は下記の通りです。
国名 |
給与(時給) |
オーストラリア |
28~35AUD(約2,740~3,426円) |
ニュージーランド |
18~25NZD(約1,500~2,000円) |
カナダ |
15~20CAD(約1,500~2,000円) |
ヨーロッパ各国 |
9~15EUR(約1,200~2,000円) |
※給与や条件は国やファームによって異なります。
特に、オーストラリアは時給28~35AUD(約2,740~3,426円)と高い給与水準が魅力で、多くの人がファームステイ先として選ぶ理由の一つとなっています。
このように労働型ファームステイでは、現地の農業技術を学びながら滞在費も抑えられるのが魅力です。
ファームステイの主な仕事内容
ファームステイで従事する仕事は、農場の種類や季節によって多岐にわたります。
主な仕事は大きく3つに分類できます。
・農作物の栽培・収穫作業
・家畜の世話と管理
・農場の設備管理
具体的にどのような仕事があるのか、順番に見ていきましょう。
農作物の栽培・収穫作業
ファームステイでの農作業は、国や季節によって仕事内容がガラッと変わります。ここでは、一例を紹介します!
春は種まきや苗の植え付けからスタート。
夏場は毎日の水やりや、ちょっと大変な雑草取りなどの栽培管理が中心です。
秋になると、いよいよ収穫の季節になります。作物を収穫したら、選別や箱詰め、出荷準備まで一連の作業を体験できるでしょう。
冬は次のシーズンに向けて、土づくりや施設の手入れをしていきます。
ファームによっては、有機栽培や最新の栽培方法を取り入れている場合もあるので、新しい農業技術が学べるのが魅力的です。
家畜の世話と管理
畜産農場では、主に家畜の飼育管理に関わる作業を担当します。
朝夕の餌やりはもちろん、畜舎の掃除や牛・羊たちの体調チェックなど、仕事は多岐にわたります。
酪農場なら搾乳作業も大切な仕事の一つですし、養鶏場では卵を集めて選別する作業もあります。
放牧地の草刈りや家畜の移動、ちょっとした治療のお手伝いなど、動物たちとどっぷり関わる日々を過ごすことになります。
こうした日々の作業を通じて、畜産業の奥深さや大変さを実感できるのも、ファームステイならではの魅力といえるでしょう。
農場の設備管理
農場での仕事というと野菜を育てたり動物の世話をしたりするイメージが強いですが、実はそれ以外にもたくさんの仕事があります。
例えば、農場内の施設の手入れや、トラクターなどの農業機械の整備、直売所でお客さんの接客など。
観光農園では、お客さん向けの農業体験プログラムのお手伝いや案内役も大切な仕事になります。
また、地域の収穫祭やファーマーズマーケットに参加して地元の人々と交流を深めることもあります。
農業と地域の結びつきについても学べるのも魅力です!
ファームステイ先として人気の国
ファームステイ先として人気の国を、エリア別にご紹介します。
・オーストラリア・ニュージーランド
・ヨーロッパ諸国
・カナダ
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
オーストラリア・ニュージーランド
オーストラリアとニュージーランドは、英語圏で最も人気の高いファームステイ先です。
オーストラリアでは、広大な農場でのブドウ収穫やフルーツピッキングが定番。
年間を通して温暖な気候なので、いつ行っても楽しい農作業体験ができます。
一方のニュージーランドは、まるで絵葉書のような美しい田園風景の中で、羊の世話や酪農など、本格的な畜産業を体験できるのが特徴です。
両国ともワーキングホリデービザで長期滞在できるので、農作業をしながら生活費を抑えられるのもうれしいポイントですね。
比較的治安も良好なので、初めての海外ファームステイにもおすすめです!
ヨーロッパの人気国
ヨーロッパのファームステイと言えば、イタリア、フランス、スペインなどの南欧諸国が特に人気です。それぞれの国の特色を活かした、魅力溢れる農業体験ができます。
イタリアではオリーブやブドウの収穫、本場のワイン作り。
フランスではチーズ作りや有機農業、そしてスペインでは柑橘類の栽培など、その土地ならではの体験ができます。
中でもフランスのプロヴァンス地方やイタリアのトスカーナ地方は、絵画のように美しい田園風景の中で農業体験ができる人気スポット。
最近では環境に配慮したエコファームやオーガニック農業のプログラムも増えていて、伝統的な農業方法と一緒に、その土地の食文化も存分に味わえるのが大きな魅力です!
カナダ
カナダは、豊かな自然と広大な農地を活かしたファームステイが人気の国です。
季節によって果物の収穫や酪農など、さまざまな農業体験を楽しめ、ブルーベリー狩りやりんごの収穫、牧場での乳牛のお世話など、仕事の種類も豊富です。
また、英語とフランス語の2つの公用語があり、特にケベック州ではフランス語を使う農場も多いため、希望する言語環境を選べるのも特徴です。
治安の良さと充実した医療制度により、安心して滞在できる環境も整っています。
ただし、冬季は気温がかなり下がるため、滞在時期の選択には注意が必要です。
なお、カナダでファームステイをする場合は、ワーキングホリデービザまたは観光ビザの取得が必要となります。
ファームステイのメリット
ファームステイには大きく分けて3つのメリットがあります。
・現地文化を深く知れる
・無理なく語学力向上を目指せる
・自然に囲まれた暮らしができる
それぞれ詳しく説明していきましょう。
現地文化を深く知れる
メリットの1つ目は、その土地ならではの文化や暮らしを実際に農業体験をしながら学べることです。
地域によって異なる伝統的な農法や、農作物の育て方を、現地の農家さんから直接学べます。
例えば、イタリアでは、家族と一緒にオリーブの収穫をしながら地中海式の暮らしを体験したり、フランスではブドウ畑での作業を通じてワイン文化に触れたり。
農家の方々と一緒に働き、食事を共にすることで、その国の食文化や生活習慣も自然と身についていきます。
観光では味わえない、その土地の暮らしを肌で感じられる貴重な機会となるでしょう。
無理なく語学力向上を目指せる
メリットの2つ目は、リラックスした雰囲気の中で語学力を伸ばせることです。
農作業中の何気ない会話や、みんなで囲む食卓での楽しい雑談を通じて、教室では学べないような生きた言葉を身につけることができるでしょう。
また、世界中の異なる文化を持つ仲間たちと国際交流ができるのも魅力ですね。
自然に囲まれた暮らしができる
メリットの3つ目は、都会では味わえない、豊かな自然の中で過ごせることです。
朝日とともに目覚め、新鮮な空気を吸いながらの農作業は、普段の生活では体験できない特別な時間になるはずです。
自分で育てた野菜を収穫して食べたり、夜には満天の星を眺めたり。
スマートフォンやパソコンから少し離れて、豊かな自然と共に暮らす生活は、きっと新しい価値観をもたらしてくれるでしょう。
環境を大切にする気持ちも自然と芽生えてくるかもしれませんね。
ファームステイをする際の注意点
魅力たっぷりのファームステイですが、参加する前に知っておくべき注意点がいくつかあります。
具体的にどのような点に気をつける必要があるのか、詳しく見ていきましょう。
体力的な負担
ファームステイでは、農作業という体力を使う仕事が中心となります。
毎日数時間にわたって、野菜の収穫や畑の耕作、動物の世話などをするため、体力的な負担は決して小さくありません。特に農繁期には、早朝から夕方まで作業が続くことも。
また、重い荷物を運んだり、かがんだ姿勢での作業が続いたりすることも多いため、普段運動していない方は、参加前に少し体力作りをしておくことをおすすめします。
野外作業の大変さ
農場での作業は基本的に屋外で行われるため、天候の影響を直接受けることになります。夏場は強い日差しの下での作業となり、冬場は寒い中での作業を求められることもあります。
また、雨天時に外で作業することもあるでしょう。
そのため、季節に応じた作業着や防水性のある服装、帽子や手袋などの装備を用意しておくことも重要です。
天候に左右される仕事だということを、しっかりと理解しておきましょう。
不便な生活環境
多くの農場は、都市部から離れた場所にあります。
そのため、近くにスーパーマーケットやコンビニエンスストア、医療機関などの施設がない可能性があります。
また、インターネット環境が整っていない場合もあり、スマートフォンの電波も入りにくいことがあります。
このような不便さも、自然豊かな場所で暮らすからこその経験として、前向きに捉えようとする心持ちが大切です。
悪質な労働条件
残念ながら、ファームステイの世界にも「違法ファーム」が存在するのが現実です。
最低賃金以下の給料、休憩なしの長時間労働など、かなり厳しい条件で労働を強いられるケースもあります。こういったトラブルに巻き込まれないためにも、必ず正規のエージェントやプログラムを通じて参加しましょう。労働条件や報酬は必ず書面でしっかり確認し、現地の最低賃金や労働基準法もチェックしてくださいね。
「なんか変だな?」と思ったら、すぐに信頼できる機関に相談することをおすすめします。せっかくの海外体験が嫌な思い出にならないよう、安全な参加方法を選びましょう。
まとめ
ファームステイは、農作業を通じてその土地の暮らしや文化を肌で感じることができる、魅力的な滞在方法です。
広大な自然の中での農作業、農家さんやステイ仲間との温かな交流、郷土料理との出会いなど、心躍る体験ができるでしょう。
海外での長期滞在を考えている方にとっては、貴重な職業経験にもなります。
この記事を参考に、ぜひファームステイという新しい挑戦の第一歩を踏み出してみてくださいね!
◇経歴
・インターナショナルプリスクールでの勤務経験あり
・幼児英会話講師としての勤務経験あり
◇資格
・ケンブリッジ英語検定FCE
・実用英語技能検定2級
・幼保英語検定2級
・児童英語インストラクター資格
◇留学経験
・オーストラリア(1年間)
・イギリス(1か月)
◇海外渡航経験
【旅行】
イタリア、オーストラリア、ハワイ、グアム、プーケット、バリ島、セブ島、台湾
◇自己紹介
英語と旅行に魅了され、学生時代にオーストラリアとイギリスへの留学を経験。
異文化との出会いが人生の大きな転機となる。
幼児英会話講師としての経験を積み、現在は英語や異文化の魅力を発信するWebライターとして活動中。
夢は、娘との親子留学といつかは家族で海外移住。
趣味は、週末プチ農業と地元のグルメ探し。