オーストラリア南東部に位置するメルボルンは、ビクトリア州の州都で、世界中からの移民が集まることで形成された多文化都市として知られる観光都市です。歴史的な建造物やヨーロッパ調の街並みが特徴的で、「芸術の街」とも称されるこの都市には、美術館や展示館、広大な庭園といった多くの観光スポットがあります。
一方、メルボルンはその独特な気候でも知られています。「一日に四季がある」と言われるほど天候が変わりやすいのです。メルボルンの南に南極、北に乾燥した内陸部が広がるため、冷たい風や暑い乾燥した空気が入り込みやすいのです。
その結果、気温が急激に変化したり、一日に雨と晴れが繰り返されたりすることが日常的に起こります。
この記事では、メルボルンの季節ごとの特徴や服装ガイド、天候別のおすすめ観光スポットなどもご紹介しながら、皆さんがメルボルンを訪れる際の参考になるような情報をシェアしてまいります!
- 1. メルボルンの年間気温と天候の特徴
- 2. 季節ごとの気温変化
- 3. メルボルンの気温と服装の準備
- 4. メルボルンの天気予報と旅行計画
- 5. 雨の日の楽しみ方:カフェ巡りでメルボルンを満喫
- 6. まとめ
1. メルボルンの年間気温と天候の特徴
メルボルンの気候は、西岸海洋性気候に区分されます。これは、年間を通じて比較的穏やかな気温と適度な降水量があるのが特徴で、ヨーロッパの一部やニュージーランド南部でも見られる気候です。
メルボルンはこの気候の影響を受けながらも、地理的要因から南極海からの冷たい風と内陸部の熱い風の影響を同時に受けるため、短時間で気温や天候が大きく変化する特徴的な気候が生じます。
年間を通じて天候が安定しないこともあり、南極からの冷たい風が吹き込むと急激に気温が下がる日もあれば、夏には「ヒートウェーブ」と呼ばれる暑波で40℃近くに達することもあります。
メルボルンの特徴的な気候を表すジョークとして「メルボルンの天気が気に入らない?10分待てば変わるから」というフレーズがあります。実際、地元の人々は朝家を出るときに必ず「ジャケット、日傘、帽子、レインコート」を持ち歩くのが習慣だそうです。
他にも、メルボルンの天気にまつわる有名なエピソードがいくつかあります。
スポーツの街としても有名名メルボルンですが、天候の急変がイベントに影響を与えることもしばしば。
例えば、全豪オープンでは、突然の気温上昇で選手たちが熱中症を避けるための「エクストリームヒートポリシー」が適用されたその翌日、気温が急激に下がり、観客が防寒具を持っていなかったために震える思いをしたということがありました。
また、毎年11月に開催されるメルボルンカップ(競馬の祭典)では、例年多くの人がドレスアップして会場を訪れるのですが、ある年には突然の豪雨と冷たい風が吹き荒れ、多くの観客が華やかなドレス姿のまま傘を差して泥の中を歩くという事態になりました。
その後、晴れ間が戻り、美しい虹が出たことがニュースで報じられました。観客の一人は「これぞメルボルンの天気!」と苦笑いしていたそうです。ここまでの急激な天候の変化が一日の中で起こるのは極端な例ですが、変化の激しいメルボルンの天候をイメージしていただけたでしょうか?
2. 季節ごとの気温変化
メルボルンの年間の気候は、日本と同じように四季があるため、春夏秋冬それぞれに独自の気温や雰囲気を楽しむことができます。
しかし、メルボルンは南半球に位置しているため、季節が逆転します。メルボルンの春夏秋冬それぞれの天候・気温をご紹介し、注意点やマストアイテムなどを確認しながら、天候に合わせた観光の仕方もご紹介していきます。
まず初めに春夏秋冬の天候の特徴、おススメの服装、季節に合った楽しみ方をご紹介します。
春(9月~11月):穏やかな春の訪れ
春のメルボルンは、新緑が芽吹き、街中が花々で彩られる美しい季節です。平均気温は10~20℃と穏やかですが、朝晩は肌寒いこともあります。風が強い日も多いため、軽いジャケットがあると安心です。
夏(12月~2月):夏到来!日差し&ビーチ
メルボルンの夏は平均気温が14~26℃ですが、時には40℃近くになることも。湿度が低いため、日本の夏に比べて快適に過ごせる日が多いですが、紫外線が非常に強いので注意が必要です。日焼け止め、サングラス、帽子などの紫外線対策アイテムはマストです。
秋(3月~5月):過ごしやすい紅葉の季節
秋は、気温10~20℃の穏やかな気候で、紅葉が街を美しく彩ります。アウトドアアクティビティや街歩きに最適な時期です。
冬(6月~8月):雨と寒さの冬
メルボルンの冬は日本の冬ほど厳しくありませんが、気温6~14℃程度と冷え込みます。曇りや雨の日が多く、特に朝晩は寒さを感じることがあります。
3. メルボルンの気温と服装の準備
それぞれの季節の気温に合わせたおススメの服装とおすすめの楽しみ方をご紹介します。
春
おすすめの服装: 薄手のセーターやカーディガン、風を防げるジャケット。急な雨に備えて折りたたみ傘やフードのあるジャケットがあると便利です。
楽しみ方: ロイヤルボタニックガーデンの春の花々や、11月のメルボルンカップ(競馬祭典)での地元の盛り上がりを体感しましょう。
夏
おすすめの服装: 半袖シャツやショートパンツ、サンダルなどの軽装でOK。ただし、冷房が効いた室内では薄手のカーディガンが役立ちます。紫外線対策として、帽子やサングラス、日焼け止めを忘れずに。紫外線対策の重要性と方法
紫外線対策:オーストラリアは、世界で最も紫外線量が高い地域の一つです。特に夏場のUVインデックスは「非常に高い」レベルに達することが多いため、特に夏場はしっかりとした紫外線対策を行うことがおすすめです。
・帽子やサングラスを着用する
・広いつばのある帽子やUVカットレンズのサングラスで、顔や目を保護します。
・日陰を活用する
・特に11時から15時のピーク時間帯は、屋内や日陰で過ごすことを心がけましょう。
・長袖・長ズボンの着用
・夏でも軽量で通気性の良い長袖や長ズボンを選ぶと、紫外線を大幅にカットできます。
楽しみ方: セントキルダビーチやグレートオーシャンロードで自然を満喫したり、全豪オープン(テニスのグランドスラム大会)でスポーツの熱気を感じましょう。
秋
おすすめの服装: 軽めのジャケットやパーカー、カーディガンを用意しましょう。急な雨に備えて折りたたみ傘を忘れずに。
楽しみ方: ヤラバレーのワイナリーツアーやダンデノン山脈でのハイキングがおすすめです。また、フード&ワインフェスティバルで地元の味覚を堪能するのも楽しみの一つです。
冬
おすすめの服装: 厚手のコートやセーター、防寒用のマフラーや手袋。雨具や防水加工の靴も準備すると便利です。
楽しみ方: メルボルン美術館やヴィクトリア国立美術館など、屋内で楽しめる観光スポットが充実しています。また、温泉地でリラックスするのもおすすめです。
4. メルボルンの天気予報と旅行計画
旅行中は気まぐれな天候に備え、「Bureau of Meteorology」などの天気予報アプリを活用しましょう。
お出かけの予定は、大体の天気予報を参考にして内容を組み、予期せぬ天候の変化にも対応できるように、フード付きの上着や折り畳み傘などを持ち運ぶのがおすすめです。メルボルンを訪れる際には、急な雨や街中を歩き回るシーンに備えて、スニーカーを選ぶのがおすすめです。
雨の日: 美術館巡りやカフェで過ごすプランを立てて、天候に左右されずに楽しみましょう。
突然の天候変化: 折りたたみ傘やレインジャケットを常に携帯しておくと安心です。
5. 雨の日の楽しみ方:カフェ巡りでメルボルンを満喫
予期せぬ雨にあっても、メルボルンには楽しみ方が沢山あります。特におすすめは、地元のカフェでコーヒーを楽しむこと。オーストラリアは、世界的にもコーヒー文化が豊かな都市として知られています。
イタリア系移民によってもたらされた本格的なコーヒー文化を受け、街中にはバリスタが腕を振るう個性あふれる個人経営のカフェが数多く点在しており、雨の日にはカフェ巡りを楽しむのにぴったりです。
カフェで提供されるラテアートや、地元で焙煎されたこだわりのコーヒーは絶品。冬や秋の雨の日に、温かい飲み物を片手に本を読んだり、地元の人々と交流したりするのも素敵な体験です。
おすすめエリアとして、フィッツロイやコリンズストリート沿いのカフェが挙げられます。カフェ文化に浸ることで、メルボルンならではのリラックスした雰囲気を楽しんでみてください。
6. まとめ
異なる魅力を持つ都市で、訪れる季節によってその楽しみ方や景観が変化する特別な場所です。
その一方で、そのユニークな地理的要因から「一日に四季がある」と言われるほど天候が変わりやすいため、あらゆる場面に対応できるような服装、アイテムを準備すると良いでしょう。特に、夏場の強い紫外線対策としては、日焼け止め、帽子、サングラスの持参が必須です。
また、不意の雨に備えて、防水性のあるスニーカーやコンパクトに収納できる折りたたみ傘を用意しておくと安心です。こうした小さな準備が、急な天候変化に左右されず、快適に観光を楽しむための鍵となります。このガイドが、皆さんのメルボルン滞在中の参考になれば幸いです!