「ニュアンス」って英語でそのまま通じるの?と疑問に思っていませんか。
まず結論として、「ニュアンス」は英語でも「nuance」で通じます。ただし、日本語の「ニュアンス」を直訳すると、必ずしも英語ネイティブスピーカーに伝わるわけではありません。
この記事では、文脈や状況に合わせて適切な表現を選べるよう「ニュアンス」について詳しく解説します。また、英語と日本語でニュアンスの異なる英単語も紹介しますので、「ニュアンス」について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
ニュアンスとは
日本語のニュアンスとは、言葉の表面的な意味だけでなく、その言葉から感じられる微妙な違いや感情、含み、背景などを指します。これは、英語でも「nuance」という単語で同じように使われます。
それでは、英語の「ニュアンス」について、具体的に以下のポイントを見ていきましょう。
・ニュアンスの意味
・ニュアンスの発音
順番に解説します。
ニュアンスの意味
「ニュアンス」の意味を英語の辞書で調べると、以下のように出てきます。
・微妙な差違
・ニュアンス
・陰影
・微妙な色合い
参考:weblio
「nuance」は一般的には名詞として使用されることが多いですが、動詞としても使うことができます。例えば、「to nuance」は「微妙な違いを加える」という意味で使用される場合があります。
ニュアンスの発音
「nuance」は、"njuːɑːns"(ニュアンス)の音声記号で表されます。
まず、"njuː"の部分は、「ニュー」と発音します。この音は、"n"の後に続く"juː"という音で、日本語の「ニュ」と似た音ですが、長く伸ばす発音です。口の形は、唇を少し丸めて、舌を上の歯茎に軽く触れさせます。
次に、"ɑːns"の部分は、「アーンス」と発音します。"ɑː"の音は、日本語の「ア」と同じような口の形で、舌を低くして口を開ける発音です。この音は、日本語の「ア」と比べて少し長めに伸ばします。「ンス」の部分は、日本語の「ン」と同じように、舌を上の歯茎に触れさせて発音します。
「ニュアンス」という単語全体を発音するときには、"nu"という部分は速く、"ance"という部分は少し長めに伸ばすといいでしょう。音の強勢は、"nu"の部分よりも"ance"の部分にあります。
このように、「nuance」という単語は、音の長さや口の形を正確に調整することで、自然な発音が可能です。
ニュアンス 英語表現
「ニュアンス」を英語表現する際の使い方と具体的な例文をご紹介します。
上記の「ニュアンスの意味」で述べたように、ニュアンスは名詞と動詞のはたらきがあります。名詞と動詞、それぞれの使い方を例文で見ていきましょう。
ニュアンスを名詞で使用
「ニュアンス」を名詞で使う場合は、以下のような使い方があります。
【主語としての使い方】
「ニュアンス」は、以下の例文のように文の主語として使われることがあります。
Nuance is important in understanding people. (ニュアンスは人を理解する上で重要です。) |
【目的語としての使い方】
動詞の後に直接続いて、目的語として使われます。
I can't understand the nuance of his words. (私は彼の言葉のニュアンスを理解できません。) |
【補語としての使い方】
主語や目的語を補完する役割で使われます。
Her smile added a nuance of warmth to the conversation. (彼女の微笑みが会話に温かさのニュアンスを加えました。) |
ニュアンスを動詞で使用
「ニュアンス」を動詞として使う場合、主に「微妙な違いを加える」という意味で使われます。文脈によって微妙なニュアンスや差異を表現したいときに適しています。
具体的には、以下のように使われます。
She carefully nuanced her words to avoid misunderstanding. (彼女は誤解を避けるために、言葉に微妙なニュアンスを加えました。) The artist nuanced the painting by adding shades of blue. (その画家は青の色調を加えることで、絵画にニュアンスを加えました。) |
ただし、「ニュアンス」を動詞として使うのはそれほど一般的ではなく、辞書によっては名詞のみで掲載されています。
ネイティブスピーカーでも、「ニュアンス」を動詞として使えることを知らない可能性もあるため、「ニュアンス」を英語で使う場合、意味が通じているか相手に確認したほうがいいでしょう。
勘違い・誤解 英語表現
英語表現において、ニュアンスが明確でないと意思疎通に勘違いや誤解が生じることがあります。その理由のひとつに、英語では同じ単語でも複数の意味を持つことが多い点が挙げられます。辞書で英単語を調べて暗記するだけでは、ニュアンスを理解することは難しく、誤解が生じやすいでしょう。
また、異なる文化背景も、英語表現のニュアンスによる誤解の要因です。同じ言葉でも、国や地域によっては異なる意味や感情を伴うことがあります。英語を使って会話する際は、相手のニュアンスを理解することでより自然なコミュニケーションができ、相手との関係性を深めることができます。
外国人との英会話を通じて、少しずつニュアンスを意識した学習を進めることをおすすめします。
英語と日本語でニュアンスが違う英単語
英語と日本語は、文化や言語の違いから同じ単語でも微妙なニュアンスの違いがあります。なにげなく使っている英語が、実は相手には違う意味に伝わってしまうことがあるかもしれません。そのため、ニュアンスの違いを理解しておくことは非常に重要です。
ここでは、日常会話でよく使われる単語を中心に、英語と日本語のニュアンスの違いを見ていきましょう。
Sorry
「sorry」は英語と日本語どちらも「ごめんなさい」という意味で使われますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
英語の「sorry」の意味は、間違いや失礼な行動に対する直接的な謝罪です。
一方、日本語の「すみません」はその他にも感謝やお願い、依頼の意味合いもあります。例えば、「すみません。助かります」のような使い方です。
そのため、日本語で「ありがとう」の意味で「すみません」と言う場合、英語で「sorry」を使うと謝罪のニュアンスが強調され、感謝の意味がうまく伝わらないことがあります。
「すみません。助かります」の場合は、「sorry」ではなく、「thank you」を使いましょう。
OK
よく「OK」を使う方は、その言葉に込められたニュアンスに注意が必要です。
英語で「OK」と返事する場合、相手によっては「はい」だけでなく、「まあ、いいか」「別に構わない」といった、少し乗り気でない、または戸惑っているように受け取られることがあります。これは、文脈や相手の感情によって異なる解釈をされることがあるため、コミュニケーションにおいて注意が必要です。
「いいですよ」と英語で「OK」と言う場合は、言葉だけでなく、笑顔を見せたり、うなずいたりするなど、積極的に肯定的な態度を示すことが大切です。また「sure」や「of course」などに置き換えてもいいでしょう。
Why
「why」は英語で「なぜ」という意味ですが、使い方によっては追い詰めるようなニュアンスがあります。これは、単に事実関係を尋ねるだけでなく、相手の行動や発言に対して疑問を投げかけ、説明を求めるという強い意志が含まれているからです。
このため、「why」を使う際には相手の感情や状況に敏感になり、適切なタイミングで使うことが重要です。
軽く「なぜ」と聞きたい場合は、「How come?」や「What for?」のような表現がおすすめです。
Maybe
「maybe」は「多分」という意味で使われますが、具体的な確信がない場合や、情報が不完全な場合に使われることがあります。つまり、確実性が低いというニュアンスがあります。
また、状況や文脈によって「ほぼno」 という、より消極的なニュアンスが込められていることがあります。例えば、「明日、一緒に映画に行けますか?」と聞いて、「maybe」 と返答された場合は、明確な答えを避けており、断っている可能性が高いと思われます。
相手に対して完全な拒否ではなく、少し余地を残すようなニュアンスを持っています。
For now
「for now」は「今のところ」という意味を持つ英語のフレーズですが、「とりあえず」というニュアンスも含まれています。具体的には、現時点での状況や決定が一時的であり、将来的に変わる可能性があることを暗示します。
つまり、「for now」が使われるとある状態や計画が一時的であることを意味し、後で修正されるかもしれないことを考慮しておく必要があります。
その他
その他、微妙にニュアンスの違う単語を一覧でご紹介します。
英語 |
日本語 |
ニュアンスの違い(英語での意味) |
Naive |
繊細な |
世間知らずや騙されやすいというマイナスのニュアンス |
Fight |
頑張れ |
殴り合うニュアンス |
Mansion |
マンション |
大豪邸というニュアンス |
Tension |
テンション |
緊張で張り詰めているニュアンス |
英語学習において、単語の意味を覚えるだけでなく、ニュアンスの違いを理解することは非常に重要です。ニュアンスの違いを理解することで、英会話で誤解を避けスムーズなコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
ニュアンス 英語 まとめ
英語の学習において、単語の意味だけでなく、その微妙なニュアンスの違いにも注意を払うことが重要であることを説明しました。
英語の「nuance」は、名詞として「微妙な差違」や「陰影」を意味し、動詞としては「微妙な違いを加える」という意味で使われることもあります。また、同じ単語でも英語と日本語では異なるニュアンスがあります。
英会話においては、これらの微妙なニュアンスを理解することで、誤解を避けてより自然なコミュニケーションが可能になります。

◇経歴
日本の大手英会話スクール講師
オーストラリアで現地ツアーガイド
マレーシアの日本人学校で英会話講師
マレーシアの現地企業にて正社員勤務
◇留学経験
イギリス 1年 Wimbledon collegeなど
オーストラリア(ワーキングホリデー中) 1か月 Bond University
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
留学→アメリカ、イギリス、オーストラリア
旅行→イギリス、ヨーロッパの各国、アメリカ、オーストラリア、東南アジア各国など
仕事→オーストラリア、マレーシア
◇自己紹介
Webライターの大井にいなと申します。
独身時代に留学を経験し、国際結婚を機に多民族国家のマレーシアに住んでいます。
私の子供は生まれたときから複数の言語で育ち、オーストラリアの大学に留学して就職しました。
大人になってから英語を学び始めた自分との違いを実感しています。
自身の経験から、早期の言語習得の重要性や大人になってからの英語学習で必要なことなどを、できるだけわかりやすくお伝えしたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.