Missingの意味
ニュース・映画・ドラマ・歌詞でよく見かけるmissing
海外のニュース記事を見ていると、「missing」という英単語によく出合います。新聞記事やウェブのニュース記事のタイトルに大きな文字で書かれていることもありますね。
また、海外の映画やドラマ、洋楽の歌詞などの中でも、この「missing」は頻繁に登場します。
今回はこの「missing」について、その元になっている「miss」という言葉の意味や使い方も含めて、多くの英語例文を交えながら解説・説明していきたいと思います。
Missとmissing
「missing」は動詞「miss」の派生形です。「miss」に「ing」が付いた現在分詞、または動名詞ととらえられますが、現在分詞の「missing」は既に形容詞として独立したものと考えてもよく、ほとんどの英和辞書・英和辞典では、形容詞として独立した項目が立てられています。
今回の記事では、「missing」は現在分詞、形容詞、動名詞の3つの場合があるということを念頭に置きながら、その意味や使い方を考えていきます。
ところで、動詞「miss」の意味は何でしょうか?
基本的には「何かを逃す」というイメージです。電車に乗り遅れたり、授業に間に合わず欠席したり、何かを聞き逃したり、人がいなくなったり、物をなくしたために寂しく思ったりするような時によく使われます。
スポーツでは、例えば、シュートが外れたりした場合にも「miss」が使われますが、それ以外は一般的には「何かミスをした」「失敗した」「間違いを犯した」という意味では用いられません。ここが日本語の「ミス」と英語の「miss」との大きな違いなので気を付けましょう。
ちなみに「ミスをした」「間違えた」という意味の場合は「make a mistake」などがよく使われます。
「missing」は「何かを逃す」イメージである英語の「miss」の意味を引き継いでいます。今回は、「missing」が表す意味を「見つからない・紛失」「行方不明」「欠けている」「その他」の4つに分類して、以下に順番に解説していきたいと思います。
見つからない・紛失
何か物をなくしてしまってそれが見つからない時に、よく「missing」を使ったフレーズで表現されます。
「◯◯がない」「◯◯が見つからない」「◯◯を紛失した」といった場合のフレーズとしては「◯◯ be missing.」という形が一般的です。主語の「◯◯」にはなくしたものや見つからないものが入り、「be」の所にはその主語に応じたbe動詞が入ります。
My bicycle is still missing.
私の自転車はまだ見つからない。
One of my keys seems to be missing.
鍵を一つ紛失したようだ。
My bag is missing. Who should I speak to about this?
私のバッグが見当たりません。誰に尋ねればいいですか?
ここで気を付けなければならないのは、主語になくした本人(例えば「私」)を入れるのは一般的ではないということです。
例えば、
I am missing my key.
は一般的ではありません。この場合、後で説明する「私は鍵をなくして寂しい」というようなニュアンスに受け止められてしまう可能性があります。あくまで、この使い方の場合には、主語の所には見つからないものや紛失したものが入ると考えておいた方がいいでしょう。
「be動詞+missing」だと物がなくなっている「状態」を表しますが、次のように「go missing」だと「なくなる」「見つからなくなる」「紛失してしまう」といった「変化」を表すことができます。
My wallet went missing yesterday.
昨日、財布がどこかに行ってしまいました。
The train ticket has gone missing!
列車の切符がない!
また、「missing」は名詞の前で使うこともできます。「見つからない◯◯」「紛失した◯◯」といった意味になります。
Do you know where my missing bicycle is?
私の見つからない自転車、どこにあるか知らない?
I’ve been looking for my missing key all day long.
なくした鍵を一日中探しています。
行方不明
物ではなく、人の消息が分からなくなってしまった時、すなわち人が行方不明になった時などにも「missing」が使われます。
事故や自然災害などのニュース記事の中でよく見かけますし、また、ニュース記事のタイトルでもこの「missing」が大きな文字で書かれていたりします。
(ニュース記事のタイトルで)
“More Than 10 Missing”
「10人を超える行方不明者」
上の例のように、ニュース記事のタイトルなどではbe動詞がよく省略されて書かれます。きちんとした文に直すならば、「More than 10 people are missing.」などとなります。
I hear that his brother has been missing for five years.
彼の弟は5年間行方不明になっていると聞きました。
Is it true that the teacher is missing?
先生が行方不明だって本当?
物が見つからなくなる場合と同様、人の場合にも「go missing」というフレーズが使えます。「行方不明になる」という意味です。
Hundreds of people in this area went missing in the past ten years.
この地域では過去10年間に何百人もの人々が行方不明になった。
「missing person」で「行方不明者」という意味になるように、物の場合と同様、次の例文のように名詞の前に「missing」を付けることもできます。
Some of the missing people were movie stars everybody knew of.
行方不明者の中には誰もが知っている映画スターもいた。
The missing girl was found safe in the park.
行方不明の少女は公園で無事発見されました。
欠けている
あるべきものが欠けていたり、情報の一部が抜け落ちたりしているような場合にも「missing」を使うことができます。
It seems that some essential information is missing in this document. Please rewrite it.
この書類には重要な情報がいくつか欠けているようです。書き直してください。
Your name will be missing from the list if you continue to act like that.
そのような行為を続けていると、あなたの名前は名簿から抜け落ちることになりますよ。
There are many missing pages in this book.
この本には欠けているページがたくさんあります。
There are some missing pieces in this puzzle.
このパズルはいくつかピースが欠けています。
その他
「missing」という単語は動詞「miss」の現在分詞として進行形などで使われている場合もあります。その場合は当然ながら、動詞「miss」のさまざまな意味を表します。いくつか代表的なものをご紹介しましょう。
〜を逃す
「miss」はいろいろな機会を「逃す」という意味でよく使われます。
Hurry up! We are missing the bus.
急いでください! バスに乗り遅れそうです。
I’m afraid I’m missing tomorrow’s farewell party.
残念ながら明日の送別会は欠席します。
〜が恋しい、会いたい、会えなくて寂しい
映画などでよく出てくるセリフが「I miss you.」です。これは「あなたが恋しい」「あなたに会いたい」「あなたに会えなくて寂しい」といった意味になります。
多くの場合、現在形の「miss」を用いた「I miss you.」が使われますが、分詞構文や動名詞として「missing」が登場する場合もあります。
I’ve been staying home so long, missing you.
あなたを恋しく思いながら、長い間家にいます。
上の例文は、分詞構文として「missing」が使われている例です。
I’ll never remember the days of missing you anymore.
あなたを恋しく思っていた日々を私はもう決して思い出さないでしょう。
上の例文の「missing」は動名詞です。
また、「I’ll be missing you.」など、進行形として「missing」が使われる場合もあります。
関連表現
次に、「missing」と似た意味を持つなど、関連する英語表現をいくつか見ていきたいと思います。
Disappear
「disappear」は「消える」「姿を消す」という意味の動詞です。直接的かつドライな響きが感じられる単語ですが、物がなくなったり、人が行方不明になったりする場合に、「go missing」の同義語として使うことができます。
やはり、消えるもの、なくなったものが主語になります。
The key to my car has disappeared.
車の鍵がなくなってしまった。
Two boys disappeared on their way to school.
2人の少年が登校中に行方不明になった。
Lose
「〜をなくす」「〜を失う」という意味の動詞が「lose」です。この動詞を使う場合の主語は物をなくす人で、なくなるものは「lose」の後の目的語になります。
I often lose my earrings.
私はよくイヤリングをなくします。
Be careful not to lose your handkerchief.
ハンカチをなくさないように気を付けてね。
A word can make you lose all of your credibility.
一言であなたの信頼をすべて失ってしまう可能性があります。
Lost
「lost」は上で見た「lose」の過去形、および過去分詞です。
He lost his watch while walking on the beach.
彼は浜辺を歩いていて時計をなくしました。
上は単純な過去形の場合です。
過去分詞を使った「be lost」あるいは「get lost」というフレーズは「迷子になる」という意味でよく使われます。
I got lost when I was visiting his home.
彼の家を訪問していた時、私は道に迷いました。
「lost and found」は「遺失物取扱所」「忘れ物保管所」という意味です。海外のショッピングセンターや公共の場所などでは、この看板を見かけることがよくあります。「lost」が「なくしたもの」、「found」が「見つかったもの」を意味しています。
Ask the lost and found when your stuff goes missing.
何かなくした時は、遺失物取扱所に問い合わせてみてください。
まとめ
いかがでしたか?今回は、海外のニュース記事や映画・ドラマなどでも頻繁に登場する「missing」について、たくさんの英語例文を交えながらその意味や使い方を解説しました。
「missing」は日常会話でもよく使われる言葉です。記事中で解説していますように、主語に何が来るかに十分注意を払って、しっかり練習してみてください。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.