日常生活でよく使われる「隙間」という言葉には、いろいろなニュアンスがあります。英語でも「隙間」を表現する方法は複数あるので、今回はその使い方を覚えていきましょう!
「隙間」を表現する英語表現について解説した後、さらに「ニッチ」や「埋める」といった関連表現についてもご紹介します。
隙間 英語表現
まずは物理的な「隙間」を表す場合の英語表現を見てみましょう。例文もあるので、自分の生活に照らし合わせて英会話文を作ってみてくださいね。
Gap
There is a gap between the door and the frame.
「ドアと枠の間に隙間があります」
We need to address the gap in our knowledge about this topic.
「このトピックに関する私知識の欠落を埋める必要があるね」
「Gap」という言葉は、二つの物や場所の間にある空間を指す場合に使います。例えば、ビルの間にある隙間などを表現するときにも使います。
イギリスのロンドンの地下鉄では、「mind the gap」という放送が流れているのが有名。電車とプラットホームの間の隙間に気を付けてという意味です。ロンドンに行ったら、「mind the gap」Tシャツをお土産にいかがでしょうか。
Space
Can you find a space for my car in the car park?
「この駐車場に私の車を停められますか?」
I need more space in my closet for new clothes.
「新しい服のために、クローゼットにはもっとスペースが必要だね」
「Space」は物理的な空間を指します。家具の配置を考える際や、車を駐車する場所を探すときに使います。日本語でも「スペースがない」などと言うので覚えやすいですね。
ちなみに、「space」には「宇宙」という意味もあるので、文脈からどちらの意味か判断しなければいけません。
Opening
The opening in the wall allowed a breeze to come through.
「壁の隙間から風が吹き抜けました」
The opening was just big enough for the cat to squeeze through.
「その隙間は猫がやっと通り抜けられるほどの大きさでした」
「Opening」は、壁や物の表面にある小さな隙間や穴を表すのに使われます。ドアや窓の隙間、または手紙の投入口などを指すことが多いです。
物理的な意味ではありませんが、「opening」は仕事の「空き」などの意味で使うこともありますよ!これはビジネス英語にもなりますね。
物理的な隙間やスペースを指す「隙間」ですが、それぞれの単語には微妙なニュアンスの違いがあるため、文脈に応じて使い分けていきましょう。
「ニッチ」はスキマを表す!?
「ニッチ(niche)」というと、皆さんはどんな意味に捉えますか?「ニッチな趣味」などと使い、「メジャーではない」という意味で知られていると思います。
しかし、英語ではビジネスやマーケティングの分野でよく使われる単語なんです。特定の市場や分野における隙間や、まだ満たされていない需要を指します。TOEICなど、ビジネス英語が使われる試験を受ける方は覚えておいてくださいね。では、例文で使い方を見ていきましょう。
Our company found a niche in the market for eco-friendly products.
「私たちの会社は、環境に優しい製品の市場で隙間を見つけました」
そのまま訳すと「隙間」という表現は違和感がありますが、要は「ニッチ市場」のことです。ニッチ市場とは、特定の需要に応えるための小規模で専門的な市場を指します。もし自然な訳にするなら、「つけ入る隙」や「チャンス」などが良いでしょう。
一般的な市場では競争が激しく、大手企業が多数存在するために新ビジネスの新規参入が難しいことがありますよね。しかし、ニッチ市場では特定のニーズに対して、独自の製品やサービスを提供することで競争力を持てます。この場合、「メジャーではない」という意味の「ニッチ」のイメージはそのまま使えます。
これらの名詞を簡単にまとめてみると…
Gap: 物理的な隙間や不足
Space: 物理的な空間
Opening: 小さな隙間や穴
このようになります。それぞれ基礎単語ですが、まったく同じ意味ではないことに注意しましょう。
埋めるの英語表現
次に、「隙間を埋める」という表現について考えてみましょう。英語では「埋める」に対応する単語は複数あります。今度は動詞の使い方を見ていきます。
Fill
We need to fill the gaps in our knowledge before the exam.
「試験前に知識の隙間を埋める必要があるわ」
「Fill」という動詞は、満たす、埋めるという意味で覚えている方が多いのではないでしょうか。これは物理的な隙間を埋めるだけでなく、例文のように知識やスキルの欠落部分を埋める場合にも使われます。
Bridge
The new policy aims to bridge the gap between rich and poor.
「新しい政策は、富裕層と貧困層の隙間を埋めることを目指しています」
「Bridge」という動詞は、二つのものや人々の間の隙間や違いを埋めるという意味で使われます。二者間に橋を架けるイメージです。物理的な橋をかけるという意味だけでなく、社会的な格差や意見の相違を埋める場合にも使うと覚えておきましょう。
Close
They are working hard to close the gaps in the security system.
「彼らはセキュリティシステムの隙間を埋めるために懸命に取り組んでいるんだ」
「Close」という動詞は、隙間や欠陥をなくす、閉じるという意味です。セキュリティの弱点を補強する際や、計画の欠陥を修正する場合に使われます。
これらの動詞の違いをまとめると…
Fill: 隙間を埋める
Bridge: 大きな隙間や違いを埋める
Close: 隙間や不足をなくす
こんな感じです。
どれも日本語では「埋める」と訳せますが、英語ではそれぞれの動詞のニュアンスが違います。どの単語を使うべきかしっかり覚えなくてはいけませんね。
さまざまな「隙間」に関する会話表現
では、上記で習った「隙間」に関する英単語を使って、会話表現を学んでいきましょう。「隙間」と一口に言ってもいろいろな意味で使われることがわかったと思うので、どんなシチュエーションでどの表現を使うべきか把握していきましょう。インプットの後のアウトプットも大事なので、自分で例文を作ったり、ロールプレイをしてみてくださいね。
会話例1: 物理的な隙間に関する会話
A: There's a gap in the fence. We should fix it before the dog gets out.
B: Yes, I noticed it too. Let's get some tools and fill it out this afternoon.
訳
A: フェンスに隙間があるね。犬が逃げないうちに修理しないと。
B: そうだね、私も気づいてた。午後に道具を持ってきて埋めよう。
フェンスにあるような物理的な隙間は「gap」でしたね。この「gap」を埋めるときに使う動詞は「fill」です。
会話例2: 知識の隙間に関する会話
A: I feel like there's a gap in my understanding of this topic.
B: Maybe we should do some additional research to fill that gap.
訳
A: このトピックに関する理解に見落としがある気がする。
B: その隙間を埋めるために追加のリサーチをした方がいいかもしれないね。
知識の欠落による隙間にも「gap」は使えます。日本語訳が不自然になりがちなので、「見落とし」などで言い換えると良いでしょう。
会話例3: ニッチ市場に関する会話
A: Our company has been struggling in the big market.
B: Perhaps we should look for a niche market.
訳
A: うちは大きな市場で苦戦してるよね。
B: もしかしたらニッチ市場を狙うべきかもしれないね。
「ニッチ」は、ビジネスシーンでよく使われる単語でした。「ニッチ市場」というフレーズも覚えておきましょう。
会話例4: 社会的な隙間に関する会話
A: The new policy aims to bridge the gap between urban and rural education.
B: That's a great initiative. Education inequality is a big issue.
訳
A: 新しい政策は都市と農村の教育の隙間を埋めることを目標にしてるんだって。
B: それは素晴らしい取り組みだね。教育の不平等は大きな問題だから。
二者間を埋めるために使われるのは「bridge」です。英文には動詞が必要不可欠なので、名詞や形容詞を覚える際にはどの動詞と相性が良いのか調べてみるのがおすすめです。
隙間 英語 まとめ
「隙間」を表す英語表現は複数ありましたし、「埋める」を意味する動詞もいくつかありましたね。それぞれの表現が持つニュアンスや使用される場面を理解することで、英語力はどんどん上がっていくでしょう。
英語学習をするときは、それぞれの単語が持つニュアンスまで理解するよう努めることをおすすめします。英語の正しい使い方を知れば、自分の言いたいことも正しく伝わります。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.