「この部屋は広い」
「広い家に住みたいです」
「私は肩幅が広いです」
「心の広い上司で良かった」
私たちは普段、「広い」という単語をさまざまなシチュエーションで使っていますよね。
日本語では、「広い」という1つの単語で多くの様子・状況を表すことができます。一方、英語では「広い」を意味する単語はいくつもあり、「何が広いのか」によって使う単語が異なります。
今回の記事では、「広い」を表す8つの英語表現をご紹介し、意味やニュアンスの違いをわかりやすく解説していきます。また、あわせて「広い」の使い分けのポイントや、「広い」を使ったフレーズもご紹介します。それぞれ例文とともに詳しくご紹介していきますので、ぜひその例文を何度も口に出して練習してみてくださいね。
「広い」を表す英語は?意味やニュアンス別に紹介
「広い」を表す英語は、主に8つあります。ここでは、それぞれについて意味やニュアンスをご紹介します。
Big:主観的な「大きい・広い」
「big」は馴染みのある単語かと思いますが、「大きい」だけでなく「広い」という意味もあります。特に主観的な「大きい・広い」を意味し、話し手が広いと思ったものはすべてbigで表現できます。部屋、空、心など、さまざまなものに対して使えます。
I think this room is big.
この部屋は大きいと思います。
Large:客観的な「大きい・広い」
主観的な広さを表すbigと対照に、客観的に「広い」、他のものや平均・基準と比較して広いものに対しては「large」を使います。サイズや面積などの広さに対して使うことが多いです。
I saw a nice coat, but it was too large for me.
素敵なコートを見たのですが、私には大きすぎました。
Wide:種類や多様性などの広さにも使える
「wide」は2点間の距離が遠いこと、片側から反対の端までの間が広いことを指します。道路や川の広さから、種類・知識・範囲・経験などの幅の広さまで使えます。
My dad is a farmer and grows a wide range of crops.
私の父は農家で、幅広い種類の作物を栽培しています。
Vast:「極めて広い」「広大な」
「vast」は広さのなかでも「計り知れないほど広い・極めて広い・広大な・非常に広い」というニュアンスがあります。
Africa is a vast continent.
アフリカは広大な大陸です。
Broad:知識や理解などの目に見えない広さにも使える抽象的な「広い」
「broad」は面積や範囲だけでなく、知識や理解、懐の深さなど抽象的なものの「広さ」に対しても使うことができます。
My shoulders are broad.
私の肩幅は広いです。
The attack happened in broad daylight.
攻撃は白昼堂々行われました。
Spacious:空間があって広い
「space(空間)」という意味からも想像しやすいですが、「spacious」は空間・スペースが多くあるときの広さに対して使われます。
Our new office is spacious.
私たちの新しいオフィスは広々としています。
Roomy:"spacious"より口語的な「広い」
「roomy」は「spacious」と同じく、空間がたくさんある「広い」を指します。「spacious」よりも「roomy」の方がカジュアルな口語表現です。
My sister's new flat is roomy.
私の姉の新しいアパート / マンションは広いです。
※イギリス英語では、日本のいわゆるアパート / マンションのことを「flat」といいます。
The car looks small but is actually roomy.
その車は小さく見えますが、実際は広いです。
Extensive:大規模で広がりのある、大掛かりな
「extensive」は面積やサイズが「広い・広大な」という意味の他に、程度や度合いが「大掛かりな」、知識や調査が「広範囲にわたる」という意味もあります。「extend(拡張する・広げる)」という単語からイメージするとわかりやすいかもしれません。
His knowledge of Japanese history is very extensive.
彼の日本史の知識は非常に幅広いです。
Her family owns an extensive farm.
彼女の家族は広大な農場を持っています。
「広い」の使い分けのポイントは?
ここまでご紹介してきたとおり、「広い」を意味する英単語は決して1つではないですし、使い分けのポイントもいくつかあります。
例えば、「spacious」や「roomy」は空間の広さに対して使い、心の広さなど抽象的なものには使いません。また、「big」と「large」は主観的な広さか客観的な広さかによって使い分けます。他にも、「vast」は計り知れないほど広い場合に使い、ちょっとした広さには使いません。
このように、何に対して使うのか使わないのか、基準があるのかないのか、といったポイントを意識するとわかりやすいでしょう。
「広い」を使った表現を紹介
最後に、「広い」を意味する英単語が使われているさまざまな表現・フレーズをご紹介します。覚えておくと英語力UPにつながるものばかりですので、ぜひこの機会にチェックしましょう!
Big on A
「big on A」は「Aが大好きで、Aの大ファンで」という意味があります。主にアメリカで使われる表現です。
I'm not big on coffee.
私はコーヒーがあまり好きではありません。
Big up
「big up」は「褒める、たたえる、憧れる、感心する、もてはやす」という意味があります。カジュアルなスラング表現です。
She likes to big up her friends.
彼女は友達を褒めるのが好きなんです。
Wide open
「wide open」は「広く開けている」という意味があります。ドアや窓など、物理的に何かが開けている場合や、選択肢などが開けている、という場合にも使われます。
The door was wide open. No wonder it was cold.
ドアが広く開いていますね。どうりで寒いわけですね。
I think the future is wide open to her.
彼女の将来は広く開けていると思います。
Broad-minded / big-hearted
日本語の「心が広い」にぴったり当てはまる表現が「broad-minded」や「big-hearted」です。一語で表すとしたら「generous」も使えます。「broad-minded」は心が広く、人の許容範囲が広いことを表します。「big-hearted」は「寛大な、気前の良い、太っ腹な」というニュアンスも持っています。
My brother is broad-minded.
私の兄は心が広いです。
My former boss was a big-hearted person.
私の元上司は心の広い人でした。
Widely-known
日本語の「顔が広い」を表す表現が「widely-known」です。多くの人に知られている人、有名な人などに対して使うことができます。
The author is widely known for his books.
著者はその著書で広く知られています。
Broad knowledge/extensive knowledge
「broad knowledge」や「extensive knowledge」は、「幅広い知識」という意味になります。それぞれ、後ろに「of」を付けることで「~の幅広い知識」と表現することができます。
My mum has a broad knowledge of geography.
私の母は地理についての幅広い知識を持っています。
※「母・ママ」はイギリス英語ではmumというスペルになります。アメリカ英語ではmomと書きます。
Do you know anyone who has an extensive knowledge of British art history?
イギリスの美術史について幅広い知識を持っている人を知りませんか?
まとめ
いかがでしたか?今回の記事では、「広い」を表す8つの英語表現について、意味やニュアンスの違いをご紹介してきました。
また、あわせて、「広い」の使い分けのポイントや「広い」を使った表現についても解説していきました。覚えておくと便利なフレーズ・表現ばかりですので、ぜひこの機会に覚えてみてください。
また、今回学んだ「広い」を意味する英語表現について、「もっと詳しく学習したい」「ネイティブはどのような使い方をしているのか知りたい」という方は、ぜひネイティブキャンプのオンライン英会話レッスンを試してみてください!レッスンでは、ネイティブ講師とマンツーマンで話すことができます。今回ご紹介した「広い」を意味する英語表現をさらに練習しても良いでしょう。日本と海外における「広さ」の感覚の違いなどを、講師とディスカッションするのも良いのではないでしょうか。ぜひ、みなさんの英語学習にレッスンをフル活用してくださいね。
◇経歴
新卒入社した会社ではオーストラリア人上司のもと働いた経験があります。
海外クライアントとのメールや電話でのやりとりは日常茶飯事でした。
現在はWebライターのほか、英日翻訳者としても仕事をしています。
◇資格
TOEIC、TOEFL、IELTSなどの受験経験あり
◇留学経験
学生時代、イギリスのハル大学に1か月半語学留学をしました。
◇海外渡航経験
学生時代にイギリス留学を経験したほか、アジアを中心にさまざまな国に旅行に行ったり、フィールドワークをしたりしました。
フィールドワークでは英語を使ってインタビューをした経験もあります。
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
子どものころはアメリカ人の先生の英会話教室に通い、大学ではイギリス留学を経験、新卒入社した会社ではオーストラリア人上司を持つなど、英語とは色々な接点を持ってきました。
英語はもっぱらリーディングが得意で、毎日洋書を読んでいます。大学で経験したイギリス留学では、語学クラスでさまざまな国の留学生と交流しました。また、英語で大学の歴史の講義を受けたり、現地の小学校でのボランティア活動も行いました。
よろしくお願いします!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.