マニラ歴史地区観光:スペイン統治の面影が残るイントラムロス

マニラ, 歴史地区, ネイティブキャンプ

マニラ(city of Manila)はフィリピン共和国の首都で、ルソン島中西部のマニラ湾東岸に位置しています。首都であるマニラは、フィリピンの政治や経済、そして、文化の中心地でもあります。そして、国内外から多くの観光客やビジネスパーソンが集まる都市で「東洋の真珠」とも呼ばれています。

マニラの歴史と文化を語る上で無視できないのがスペイン統治時代です。フィリピンは16世紀末からスペインによって植民地化されていました。

このスペインの統治は1571年から1898年の約300年間という長い期間続いて、その後アメリカや日本の統治を経て、1946年にフィリピンは独立を果たしました。そして、マニラはフィリピンがスペインによって統治されていた時代から現在に至るまで、首都として機能しています。

マニラには、イントラムロスのような歴史的な観光地がある一方で、ショッピングセンターやエンターテイメント施設も揃っており、多様な魅力があります。マニラからフィリピン各地へのアクセスも良好です。

マニラの城壁都市「イントラムロス」の歴史的背景

マニラの歴史地区といえば、スペイン統治時代の面影を色濃く残す城壁都市「イントラムロス」が有名です。イントラムロスは、フィリピンの歴史を学ぶ上で貴重なスポットでもあり、世界中から多くの観光客が訪れる観光スポットとしても知られています。

スペイン植民地時代には、政治・宗教の中心地として栄えていたイントラムロスには、現在でも歴史的建造物が多く残されています。

イントラムロスの建造は、スペインの征服者ミゲル・ロペス・デ・レガスピによって行われました。当時のスペインは、マニラをアジアにおける重要な拠点にしようと考えていたため守りを固めた城壁都市が必要だったのではないかと言われています。

イントラムロスとはスペイン語で「壁の内側」という意味です。イントラムロスは、高い壁と塀で囲まれており、内側に多くの教会、修道院、官公庁、貴族の邸宅などが作られました。

イントラムロスとは?

イントラムロスは、スペイン人によって建設されたマニラの城壁都市です。壁の内側には重要な施設が建造されており、都市を守るために厚い壁で囲まれていました。イントラムロスは約64ヘクタールという面積を持ち、スペイン統治時代に政治・宗教の中心として発展しました。

現在のイントラムロスは、政治の中心というよりは、マニラの中心部に位置する歴史的地区や観光地として知られています。

スペインによる統治

マニラのスペイン統治時代は、フィリピンの歴史において重要な時期と言えます。この時代は、1565年のミゲル・ロペス・デ・レガスピによるセブ島の植民地化から始まります。そして、1898年にスペインが敗北し、フィリピンがアメリカの保護国となるまで続きました。この、約300年間に及ぶスペインの支配は、フィリピンの社会、文化、宗教、言語に深い影響を与えています。

イントラムロスは、スペインがフィリピンを統治するための新しい植民地の行政の中心地としての昨日と、カトリック教会の布教活動の拠点としての機能を持っていました。

スペイン統治はフィリピンの言語、芸術、建築、食文化にも影響を強く残しており、フィリピンの言語には現在でもスペイン語由来の単語が見られます。

イントラムロスのような歴史的建造物はスペイン植民地時代の建築様式を今に伝える貴重な遺産です。スペイン統治時代は、フィリピンの歴史において重要な時期であり、その影響は今日のフィリピン社会にも見ることができます。

イントラムロスの見どころ

イントラムロスには、スペイン統治時代からの建造物が多く残っており、その中でも特に重要なものは国の重要文化財に指定されています。

どのような建造物が見られる?

イントラムロス内には、要塞、教会、学校、そして政府の建物など、様々な歴史的建造物が見られます。これらの建造物は、スペイン植民地時代の建築様式を今に伝える貴重な証です。

サンアグスチン教会

サンアグスチン教会は、フィリピンで最も古い石造りの教会です。実は、サンアグスチン教会は2度崩壊しているのです。最初の教会の建設は1571年で二パというヤシの木と竹を原料にしていました。最初の教会は中国の海賊によって破壊されます。次に建てられたのは木造の教会ですが、火事で焼失してしまいます。

そして、現在の建物は1587年から1606年にかけて建設されたものです。地震にも見舞われましたが、この教会は破壊することなく現在に、フィリピンのスペイン植民地時代の建築美を代表する重要な文化遺産として、1993年にマニラのバロック教会群の一部としてユネスコの世界遺産に登録されました。

サン・アグスチン教会の2階にあるパイプオルガンは、アジアでも最大級のパイプ総数は4,500という巨大パイプオルガンです。1824年に完成したパイプオルガンは今もサン・アグスチン教会にその音色を響かせています。

また、パイナップルが柱にデザインされている箇所もあり、見どころが多いスポットです。

サンチャゴ要塞

サンチャゴ要塞は、イントラムロス地区の中心に位置する要塞です。

スペイン植民地時代の1590年代に建設が始まり、1593年に完成しました。マニラの防衛のために建設された要塞は、フィリピンの歴史の中で重要な軍事拠点として機能してきました。サンチャゴ要塞は、スペインだけでなく、アメリカ、そして日本による統治の時期において、重要な役割を果たしてきました。長い歴史の中で処刑場として利用されていたという血なまぐさい時代もあります。

また、この要塞は多くの戦いの舞台にもなりました。1898年のアメリカとスペインの間で起こった米西戦争そして、第二次世界大戦中の日本軍による占領時には、激しい戦闘が行われました。

現在は、美しい庭園と博物館が設けられており、訪れる人々にその歴史を伝えています。城門内の「リサール記念館」では、英雄ホセ・リサールが使っていた机や服、当時描かれた絵画などを見ることができます。

マニラ大聖堂

マニラ大聖堂は、フィリピンのカトリック教会の象徴的存在です。

マニラ大聖堂は正式にはマニラ大聖堂-バシリカ・メノール・デ・ラ・インマキュラーダ・コンセプシオン(Manila Cathedral-Basilica of the Immaculate Conception)といいます。

イントラムロス地区に位置するマニラ大聖堂は、1571年にスペイン人によって最初の木造の教会が建設された時にさかのぼります。その後、その後、火災、地震、戦争などで崩壊したため、創設時と同じ窓や石彫りを使って、1958年に再建された建物です。フィリピンの宗教的、文化的な伝統を今に伝える重要なランドマークとなっています。

マニラ大聖堂は、大聖堂カトリックのマニラ大司教区の主教座聖堂であり、フィリピンのカトリック教会の極めて重要な象徴の一つです。イントラムロスの中でもひときわ目を引く存在です。

歴史的な背景と価値が注目されるマニラ大聖堂ですが、現在でもミサが行われている、フィリピンのカトリック教徒にとって重要な宗教的中心地でもあります。

多くのフィリピン人のカトリック教徒が祈りのために訪れる宗教的な場所としても知られています。

カーサ マニラ博物館

カーサ マニラ博物館は、イントラムロス地区内にある博物館です。スペイン統治時代の上流階級の家庭の暮らしを知ることができるスポットです。

この博物館の建物は、1980年代に建設されており、他のイントラムロスの歴史的建造物と比較するは新しい建物です。スペイン統治時代の貴族の邸宅を模しており、ここでは、当時の家具、装飾品、日用品を通じて、スペイン統治下のフィリピン貴族の日常生活を垣間見ることができます。

スペイン植民地時代の上流階級の日常生活に焦点を当てているというスポットで、家具、食器、絵画などの美術品を含めなどが展示されており、当時の上流階級の生活を詳細に再現しています。当時の居住空間、寝室、ダイニングルーム、キッチンなど、家の各部屋を実際に見て体感できるスポットで、真っ赤な絨毯が敷かれておりその上のみ歩くことができます。2階にあるキッチン、バスルーム、トイレでは実際に展示物に触ることもできます。

カーサ マニラ博物館のモデルは、1850年にサン・ニコラス地方に実在していた家をモデルにしているとも言われています。高い天井と美しい装飾、広い廊下などはヨーロッパ風の作りですが、マニラの気候に適応した窓などの工夫が施されています。

リサール・パーク

リサール・パークは、イントラムロスに隣接する公園です。フィリピンの国民的英雄であるホセ・リサールが名前の由来です。

都市公園としてはフィリピンで最大級の58ヘクタールという広大な敷地には、「アグリフィナサークル」というローラスケートのリンクがあります。このリンクを中心にして、フィリピン政府観光省やフィリピン財務省。そして、フィリピン群島全体の模型や花時計、水族館、中国庭園、 日本庭園などがあります。

彼はスペインの植民地支配に抵抗し、フィリピン独立の象徴的存在です。公園内には、彼の記念碑や美術館があります。

まとめ

イントラムロスは、スペイン統治時代に作られた城塞都市です。スペイン語で壁の内側という意味のこのエリアには、教会や歴史的建造物があり、フィリピンの歴史と文化を感じることができます。フィリピンに大きな影響を与えた、スペイン統治時代の建造物は、フィリピンだけでなく世界の貴重な文化遺産として、今後も多くの人々にその価値を伝え続けています。

マニラの中心部に位置しているためアクセスしやすく、フィリピンの歴史と文化を感じるために訪れたい場所です。

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