韓国語を含め英語など外国語を全くできない状態から始めて、一定レベルで習得するまでには個人差はあっても長い時間がかかります。
これは、私たちが中学、高校で6年と長い時間をかけて英語を学んだことからも分かります。
韓国語は英語に比べると習得難易度が低い言語で日本人には習得がしやすい言語です。
その理由は英語のように日本語と全く異なる言語とは違い多くの共通点があるからです。
そのため、特に初級の最初の段階では韓国語は簡単だと感じる韓国語学習者も少なからずいるのではないかと思います。
ですが、実際には勉強をして数年、長い場合には5年以上になるのに韓国語能力試験やハングル検定など試験には合格できても会話ができるようにならないと悩む人も多くいます。
また、中には早い段階で韓国語学習を続けることができず挫折してしまう韓国語初心者や初級者もいます。
その原因のひとつが、韓国語会話ができるようになるまでにどのような道を辿るのか、学習の注意点があるのかを外国語習得に成功した経験がなく分からないためです。
今回の記事では、外国語習得に成功した経験がなく会話ができるようになるための過程が分からない学習者に対し、韓国語を話せるようになるまでにどのようなステップを踏んでいくのか、そして注意点について説明します。
大前提として韓国語会話には初級レベルの知識習得が必須
まず、韓国語を話せるようになるための大前提があります。
それは、韓国語会話ができるようになるためには初級レベルの知識習得が必須であるということです。
これは初心者や外国語の勉強をしたことがない人によくある勘違いですが、会話ができるようになりたいといきなり会話をしようと思っても絶対にできるようにはなりません。
このように考えてしまう理由は、学校で英単語や文法を勉強しても話せるようにならなかったからとか、会話だから会話をしていれば話せるようになるといった誤解があるからです。
ですが、会話はそれをできるようになる下地がなければできません。
例えるならば、箱の中に何もない状態では箱から物を取り出すことはできません。
単語や文法を何も知らない状態で会話をしようとすることはこれと同じことです。
つまり、自分の中から何も出すものがない状態では会話はできるようになるわけがないということです。
そのため、会話ができるようになるステップでも初級レベルの知識習得から始めていくことになります。
韓国語会話ができるようになるまでの5つのステップ
ここからは、韓国語を全く学んだことがない状態の人が韓国語を話せるようになるためのステップを5段階に分けて説明します。
前の項目で触れた通り、いきなり会話から始めるわけではなく、まずは必要な知識習得から始めます。
5つのステップを進める上でひとつ注意点があります。
以下のステップ1から3は、実際にはほぼ同時に進める必要があり厳密に順番をつけることが難しいです。
ですが、説明を分かりやすくするため便宜上、より優先度が高いと思われる順番でステップに分けます。
ステップ1.文法を学習する
既に触れた通り、韓国語会話ができるようになる大前提として文法と単語を学ぶ必要があります。
文法と単語は切り離さずセットで学んでいきます。
その理由は、韓国語習得の最大のポイントは活用を攻略できるかどうかにあるからです。
韓国語文法は韓国語の文を正しく作るための規則であり、日本語と同じく辞書に載っている単語(原形)を自分の言いたいことに合わせてどのように語形変化させるかの方法です。
これが、韓国語で活用と呼ばれるものです。
文法、言い換えると活用規則を使うためには単語が必要なので、活用させる動詞や形容詞などの単語を覚える必要があります。
ですが、単語を知っていても活用規則を知らなければ使えません。
そのため、文法と単語は切っても切り離せない関係だということです。
活用とは例を挙げると、「行く(原形)」が「行きました(過去形)」「行っています(進行形)」などに形を変えることです。
「行く」「来る」など単語の原形だけを覚えても活用できなければ韓国語の文を作ることができません。
そのため、教材を使い文法をひとつずつ学び、良く使う単語を中心にそれぞれの活用形を自分で作り、会話であればそれを口からすぐ出て来るようにする練習を繰り返す必要があります。
活用は、過去形、進行形など単純な活用形は難しくないですが、複数の活用を組み合わせて使うことが実際には多いです。
そのため、ひとつひとつの活用を学んで身に付けたら、それを組み合わせて使えるようになることがポイントです。
ステップ2.基礎単語を覚えて使えるようになる
ステップ1の文法規則を実際に使うためには、そのための単語が必要です。
そのため、単語もひとつずつ覚えていく必要があります。
語学習得では単語を覚えることが必須ですが、単語は無数にあるため全てを覚えることは現実的に考えて不可能で、その必要はありません。
会話が全くできない状態からひとまず会話ができるようになる段階では、初級の単語だけをしっかりと覚え活用ができるようになっていれば十分です。
韓国語を話せるようになるためにはとにかく単語をたくさん覚えないといけないと誤解し、単語と意味だけ覚えて単語数を増やそうとする学習者が一定数います。
ですが、単語は活用ができなければ使えないため、数だけ増やせば良いわけではありません。
ステップ3.発音と音読練習をする
韓国語会話は話すということなので、自分で声に出して読めなければなりません。
外国語として韓国語を学ぶ私たちは、韓国語ネイティブとは違うため全く同じ発音をできるようにはなりません。
ですが、最低限、相手が聞いて理解ができる程度の発音を身に付けていなければいくら流暢に韓国語が口から出て来ても通じません。
韓国語には日本語にはない音、パッチム、連音化などの発音規則があります。
これらの発音を自分で実際に繰り返し練習し、通じる程度の発音ができるようにならないと聞き取りもできません。
その理由は、自分の発音と聞き取る発音に開きがあると認識ができないためです。
発音や音読練習は、会話のみならず聞き取りをできるようになるためにもしっかりとする必要があります。
ステップ4.聞き取り・読解学習をする
聞き取りと読解学習の共通点はインプットです。
インプットとは外にあるものを自分の中に取り込むということです。
ステップ5の書き取り・会話学習の前に必ずインプットが必要です。
既に触れた通り、会話をするためにはまず自分の中に知識を取り込まなければ、会話で外に出せるものがないためです。
ステップ1から3までの基本的な学習が身についていれば、韓国語の音を聞き取ることや書いてある文章を理解できるようになっています。
よくある誤解のひとつに、韓国語をとにかく聞いていれば聞き取れるようになれると思ってひたすら韓国語を聞く人がいます。
ですが、ステップ1から3の段階をしてないといくら聞いても聞き取りができるようにはなりません。
文法を学び、単語を覚え、発音や音読練習をすることで、聞き取る文の構造、単語の意味、そして音を認識し韓国語を理解できるようになるということです。
読解に関しても、文法知識がなければ、単語の意味だけ知っていても文の意味を正確に理解することはできません。
読解でもポイントとなるのは活用をしっかり理解できているかどうかです。
ステップ5.書き取り・会話学習をする
最終段階の書き取りと会話学習の共通点はアウトプットです。
アウトプットは、ステップ4で自分の中に取り込んだ知識を使い自分の外に出すことです。
アウトプットは最終段階で、ここまでのステップの学習がしっかりと身についていないとできないため最も難易度が高いです。
会話ができるようになりたい初心者や初級者がやってしまう間違いのひとつに韓国語フレーズを丸暗記して話そうとすることがあります。
ですが、それで話そうとすることは、ステップ1から4までを飛ばして会話をできるようになろうとしているので当然会話はできるようになりません。
丸暗記できる会話は挨拶や誰でも同じことを話す定型フレーズのみで、自分が日本語で話しているような会話を韓国語でできるようには絶対になりません。
書き取りと会話学習は同じステップですが、どちらかと言うと書き取りからする方が良いです。
その理由は、会話は自分で考えた文を言葉として口から出すことなので、前提として文を作れなければならないからです。
文を作るとは、つまり書き取り、言い換えると作文ということです。
会話の下準備としての作文は、長い文章を書くという意味ではありません。
「日曜日はどこに行きましたか」「会社はどこにありますか」など簡単な短い文を確実に作れるようになるということです。
会話では、この作文を瞬時に行い、それを口から出せるようにならなければなりません。
そのため、まずは書き取りで文を作ることに慣れ、その後、頭の中で作文し、発話できるようになる練習をします。
最初から瞬時に作文をすることは難しいので、最初は考えながら少しずつ話していくという方法でも大丈夫です。
繰り返し練習をする中で少しずつそのスピードが速くなって来て、最終的には瞬時にできるようになります。
まとめ
今回の記事では、会話ができるようになるための過程が分からない学習者に対し、韓国語を話せるようになるまでのステップ、そして注意点について説明してきました。
会話はいきなりできるようになるわけではありません。
会話ができるようになるためにはまずはステップ1から3で土台を作り、その後インプットをして最終段階でそれらを活かしできるようになります。
会話をできるようになりたい場合、ステップ1から5の順番を踏んで学習を進めるようにしてください。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.