今では韓国語に興味を持ち勉強している人が多くいますが、韓国語学習をしている人の目的は人それぞれ違うと思います。例えば、韓国ドラマが好きな人であれば、ドラマを字幕なしで理解ができるようになりたいとか、韓国旅行に行く機会がある人であれば、韓国人と韓国語で話せるようになりたいと思って勉強しているでしょう。
韓国語文法は日本語文法と似ていて、同じような韓国語表現や言葉もあるため、日本人には習得の難易度が最も低く習得しやすい言語です。ですが、ハングル検定や韓国語能力試験に合格はできても、会話に関しては学習者のほとんどができるようになっていないのが現実です。
実際、5年以上学んでいるのに旅行会話もうまくできないという人が珍しくないです。このように、韓国語を学んでも会話ができるようになかなかならない原因のひとつに韓国語習得についての勘違いがあることが挙げられます。
今回の記事では、前半で韓国語会話によくある勘違いを取り上げ、後半ではそれに対する解決策を説明します。
- 韓国語会話によくある勘違い
- 1.韓国人のように話せないといけないと思っている
- 2.会話集やフレーズ集を暗記する
- 3.聞き流し学習ばかりする
- 4.レッスンだけで話せるようになろうとする
- 5.話せるようにならないからと途中で学習をやめる
- 韓国語会話によくある勘違いに対する解決策
- まとめ
韓国語会話によくある勘違い
ここからはまず韓国語会話によくある勘違いを取り上げ、なぜそれが勘違いなのかを説明します。
1.韓国人のように話せないといけないと思っている
これは韓国語に限らず英語など他の言語の学習者にも見られる日本人の外国語学習者に共通する勘違いと言えます。
韓国語であれば、韓国人のようにうまく話せるようにならないといけない、通じないと無意識的にでも信じている学習者が本当に多いです。
具体的には、以下のことが挙げられます。
発音やイントネーションにこだわり過ぎる
発音やイントネーションは確かに違い過ぎると通じないため、ある程度はできる必要があります。ですが、どれだけやっても韓国人と全く同じように発音やイントネーションをできるようにはなりません。
その理由は、私たちは韓国語ネイティブスピーカーではなく、韓国語を外国語として学ぶノンネイティブスピーカーだからです。
こなれた表現を使えるようになろうとする
これは日本語だと当たり前に考えずに話せてしまうため、多くの学習者は意識ができていないはずです。
これは言い換えると、大人であれば理解ができるけど子供では理解ができない単語や表現を使った会話ということです。
例えば、「手ぶらで来ました」は大人であれば理解ができるはずですが、5歳の子供が聞いても理解はできないはずです。
こういった大人が日常生活の中で何気なく使っている表現は、韓国語を含め外国語で話そうとなると難しいことが多いです。
流行語を使って韓国人っぽく話せるようになろうとする
韓国語を話せるようになりたいと思っている人の中には、韓国のエンタメ番組や韓国人が話すような流行語やスラングなどを使って韓国人のように話したいと思っている人もいるかも知れません。
YouTubeなどでも、韓国人がそういった言葉やフレーズなどを紹介していたりします。
そして、そういったものを見て真似して使いたいと思うかもしれませんが、韓国語を既にかなり話せるようになっている人以外は使わない方が良いです。その理由は、そういった表現は使うことが難しいことと、基本的な韓国語会話がままならない人がそういった表現を使ってもおかしいからです。
2.会話集やフレーズ集を暗記する
これは、韓国語を始めたばかりで話せるようになりたい初心者に特に多いです。確かに、会話集やフレーズ集にのっている例文は暗記してそのまま使えるものもあります。
そういったものを覚えれば、手っ取り早く会話をすることはできます。ですが、そのような丸暗記で話せる会話は「いくらですか?」「ありがとうございます」といった誰でも同じことを言うようなお決まりフレーズや挨拶のみです。
そのため、それらを覚えただけでは、多くの学習者がイメージする自分が話したいことを自由に話せる会話は絶対にできるようにはなりません。
3.聞き流し学習ばかりする
英語でも聞き流すだけで話せるようになる、といった教材が出ています。
これは、ネイティブスピーカーの子供は親や周りの大人が話している言葉を聞いているだけで話せるようになっているから、それと同じ方法で話せるようになるというものです。
ですが、聞いているだけでは大人は話せるようにはなりません。聞き流しは何か別のことをしながら音楽を聴くように、韓国語の音を流していればよいということですが、それで話せるようになっている大人はいないです。
なぜかと言うと、韓国ドラマを10年見ていてもまったく話せるようにならないことからも聞き流しでは話せるようにならないことが分かります。
4.レッスンだけで話せるようになろうとする
韓国語会話を目的としたレッスンを受けている人もいるかも知れません。多くのレッスンは週に1回、月4回、1回のレッスンが1時間程度です。
会話はこの程度の時間では話せるようになることは不可能です。レッスンだけでは圧倒的に練習時間が足りないため、仮に数年習ったとしてもレッスンだけでは日常会話が問題なくできるレベルにはなかなかなりません。
1回1時間のレッスンだとしても、上級者でもない限り自分が話し続けることはできないため、どうしても講師が話す時間が長くなります。
そのため、1時間のレッスンと言っても、初級者でレッスン以外では全く練習していない人であれば実質自分が話している時間は10分もない、ということもあり得ます。
5.話せるようにならないからと途中で学習をやめる
韓国語学習をしていてもなかなか話せるようにならないと、イヤになってしまい学習を止めてしまう、挫折してしまう人もいます。ですが、本来、会話はそんなすぐにできるようになるものではありません。
そのため、ちょっとやって話せるようにならないからと途中で学習を止めてしまえば、話せるようになることはできません。
韓国語会話によくある勘違いに対する解決策
ここからは、前半で取り上げた韓国語会話によくある勘違いに対する解決策について説明します。
1.韓国人のように話せるようになろうとしない
日本人の中には外国語をうまく話せるとは、ネイティブスピーカーのような発音やイントネーション、表現で話せることだと信じているネイティブスピーカー信仰があります。
ネットの普及でSNSやYouTubeなどが一般的になって以降、さらにその傾向が強くなっているようです。
確かに、ネイティブスピーカーと発音やイントネーションが違いすぎると、話しても通じないため会話ができません。そのため、一定水準で発音やイントネーションはできるようになる必要があります。
ですが、韓国語を話す目的はうまい韓国語を話すことではなく、話すことで相手とコミュニケーションを取って自分の考えや要求を相手に伝えることです。そのため、うまく発音やイントネーションができるようになろうとするのではなく、通じる程度でできるようになることを目標にすれば十分です。
2.暗記ではなく理解して使えるようになる
韓国語を話せるようになる過程の中で単語や文法を覚えるということは確かに必要です。ですが、それらは単なる丸暗記では本当に使える韓国語力にはなりません。
本当に使える韓国語力をつけて会話ができるようになるには、教材に書いてあることだけをそのまま暗記するのではなく、理解をすることです。
単なる丸暗記は応用がききませんが、理解をして得た知識はそれを応用して使うことができます。
3.韓国語の基本を身に付ける
多くの韓国語学習者が望んでいる日常会話程度の会話力は基本をしっかりと身に付けなければできるようにはなりません。
すき間時間を使った片手間な勉強や聞き流し、フレーズの丸暗記では不可能です。まずは教材を使って韓国語の基本的な単語や文法を先の項目で触れた通り暗記ではなく理解をすることです。
そして、学んで理解して終わりではなく、それを使えるようになるまで何度も繰り返し練習をすることで段々と話せるようになります。
4.自宅学習をしっかりとする
韓国語レッスンを受けている場合、レッスンを受けるだけで満足してしまうと一生話せるようにはなりません。
その理由は、既に触れた通りレッスンだけの時間では圧倒的に練習時間が足りないからです。会話レッスンとは話す機会の提供だけです。それだけで話せるようになるわけではありません。
話せるようになるかならないかは、自分自身でどれだけ練習を繰り返し、韓国語を話すことに慣れることができるかどうかです。
韓国語に限らず他の外国語、仕事やスポーツでも成果を出している人はそれなりの時間や労力を投資し必ず練習をしています。
無駄を省いた効率的な会話習得の方法はあっても、ラクして簡単にすぐに話せるようになる方法はないと心得て日々の韓国語学習に取り組むことが大事です。
5.成果が出るまで諦めずに継続する
会話は語学習得の4技能の中で最も難易度が高いです。
その理由は、会話をするためには文を自分で作ることができる必要があり、そのためには読解と書くことができなければなりません。
そして、それらができる前提として単語と文法知識が必要になります。そして、会話をするためには聞き取り力も必要になるため、会話は韓国語の総合力が必要とされるスキルです。
このことから、会話ができるようになるためにはその土台となる知識習得からしっかりとする必要があるためどうしても時間がかかります。
この間は大きな成果を感じられないため、学習を止めてしまう人も多いです。会話習得のためにはこの間をいかに諦めずに継続できるかどうかです。
まとめ
前半で韓国語会話によくある勘違いを取り上げ、後半ではそれに対する解決策を説明してきました。
韓国語を話せるようになるためには、そのための正しい学習法が必要なのはもちろんです。ですが、大前提として韓国語会話習得に対する正しい考え方を持っている必要があります。
今回の記事の内容を参考に会話に対する考え方を見直してください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.