皆さんは「マルディグラ」という単語を聞いたことがありますか?マルディグラは毎年2月下旬から3月上旬に世界各地で行われる、キリスト教に関するお祭りです。
日本では、あまり馴染みのないお祭りかもしれませんね。今回の記事では、マルディグラについて詳しくご紹介します。マルディグラに関する英語も一緒にご紹介しますので、あなたも是非使ってみてくださいね。
マルディグラとは
マルディグラとは、「謝肉祭」と呼ばれる期間の最終日にあたる日のことをさします。
謝肉祭とは、キリスト教のカトリック信者が苦行に入る前に行う派手なお祭りのことで、マルディグラでは、にぎやかなパーティーやパレード、手の込んだコスチュームなどがつきものです。キリスト教カトリック信者が行う苦行は、イエス・キリストの受難を分かち合う期間とされます。苦行の間は、断食や肉を食べることが禁止され、祝宴などの快楽も自粛されます。そのため、謝肉祭最終日であるマルディグラでお祭りを行い、苦行に備えるための食べ物を十分に蓄えておきます。
マルディグラのルーツは、数千年前のローマにさかのぼります。マルディグラは当時、ローマで行われていた豊穣と春の訪れを祝うお祭りから始まったと言われています。
マルディグラはいつ・どこで行われるの?
キリスト教カトリック信者はイエス・キリストの受難を分かち合うため、苦行を行います。その苦行開始日は、イエス・キリストが復活する、復活祭(イースター)の47日前と決まっています。
復活祭は、「春分の日の後、最初の満月の日の次に来る日曜日」に行われ、復活祭の日から47日前に謝肉祭が終了します。そして、謝肉祭が終了する日(水曜日)の前日(火曜日)をマルディグラと呼んでいます。よって、マルディグラは毎年2月下旬から3月上旬頃になることが多いです。
マルディグラの開催時期は、少々ややこしく感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのため、毎年日程は若干変わりますが、マルディグラはおおよそ2月下旬から3月上旬に行われると覚えておくと良いでしょう。
マルディグラは「火曜日に飽食しながら祝う」ことから、“Fat Tuesday”と呼ばれています。近年では、火曜だけではなくその週全体を通して祭りが開催されるようになりました。マルディグラは世界各地で行われていますが、アメリカルイジアナ州のニューオーリンズで最も盛大なパレードが行われます。
本来マルディグラは、キリスト教カソリック信者によるものでしたが、最近は観光的イベントとしての色合いが強くなっており、ニューオーリンズのマルディグラには観光客を含め、毎年100万人以上の人々が訪れると言われています。
マルディグラはどんなお祭り?
マルディグラの期間は、1月6日(カソリックの祝日)からはじまり、街全体が、紫、金(黄色)、緑の3つのカラーで彩られます。それぞれの色には意味があり、紫色は「正義」、金(黄色)は「力」、緑は「信頼」を表しています。
さらに、マルディグラの期間には、各地でお祝いのパレードが行われます。パレードイベントは、地域によって約1か月半前から行われる場合があり、マルディグラ最終日の2週前からは、毎晩のようにパレードが行われます。
また、期間最後の5日間は盛り上がりが最高潮に達し、みんなでお祭り騒ぎをします。パレードでは、「フロート」と呼ばれるテーマパークのパレードに出てくるような乗り物や、舞踏会に参加するような奇抜な仮装をしたパフォーマーを見ることができるため、とっても華やかなものになっています。あなたも、マルディグラのパレードを一度見に行く価値はあるかもしれませんね。
マルディグラで使用される英語の基本表現
続いて、マルディグラで使用される英語の基本表現についてみていきましょう。
マルディグラに関連した英単語や英語フレーズを習得することで、あなたも実際にマルディグラのパレードを見に行った時には何倍も楽しむことができるでしょう。
また、実際にパレードを見に行くことができない方も、マルディグラで使用される英語表現を身につけることで、英語の幅を広げていきましょう。それでは最初に、マルディグラ関連の基本英単語についてみていきます。
マルディグラに関連する基本単語
マルディグラに関する英単語は、私たちが普段使用する単語帳ではあまり見かけないものが多くあります。以下にマルディグラで頻繁に出てくる英単語を紹介します。
【マルディグラに関する英単語】
Ash Wednesday:灰の水曜日→キリスト教カトリック信者の苦行が始まる日(水曜日)を意味します。
Lent:四旬節(しじゅんせつ)→47日続く苦行の期間を意味します。
Masked balls:仮面舞踏会
Lavish dinners:豪華なディナー
Rolling floats:練り歩くフロート車
Roll:(フロート)が練り歩く→A dozen floats in the Mardi gras parade are rolling(マルディグラパレードで12のフロートが練り歩いている)
A fixture of the Carnival scene:カーニバルの定番
上記の単語の中でも、とくにAsh Wednesday(灰の水曜日)やLent(四旬節)は初めて聞かれた方も多いのではないでしょうか。Ash Wednesdayは信者の額に灰(ash)で十字の印が付けられることから、その名がつけられたとも言われています。
マルディグラの行事を説明する英語フレーズ
お祝い事の時に使われる英語と言えば、「Congratulations」や「Happy~」、「Best Wishes」という言い方がありますね。それでは、マルディグラの時には、どのような英語フレーズを使って祝えばよいのでしょうか?
マルディグラの時には、年中行事や季節のイベントの際によく使われる、「Happy~」を使うことができます。
「Happy Birthday」や「Happy New Year」のように、「Happy Mardi gras!)」と言います。
ちなみに、「Congratulations」は努力して何かを達成したことを祝う時に使われ、「Congratulations on ~」という表現をすることができます。この表現を使う時には、複数形の”s“を忘れないようにしましょう。Congratulation(祝い)が多くあることで、Congratulations(おめでとう)になっているとイメージすると覚えやすいですね。
「Best Wishes」は、相手の今後の幸運・成功を願う気持ちが込められているフレーズで、「Congratulations」を使う場合、「Happy~」を使う年中行事や季節のイベント、いずれの場合にも使うことができます。
「Best Wishes」を使うときも、「Congratulations」と同様に複数形の“s”を忘れないようにしましょう。
マルディグラを楽しむための英語会話
ここまでのマルディグラに関する内容を読んで、「次回のマルディグラを絶対見に行きたい!」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、マルディグラを楽しむために、是非とも知っておきたい伝統的な食べ物や現地で使える英会表現をご紹介します。
伝統的な食べ物とその英語表現
マルディグラでは、断食前に甘いものやお酒を思いきり楽しむ習慣があります。これは、苦行前にたらふく食べて飲むためでしたね。断食前のマルディグラには、「キングケーキ」という甘いケーキが食べられます。
「キングケーキ」はマルディグラを代表するお菓子であると言っても過言ではありません。キングケーキを英語で表現すると、「King cake」(王様のケーキ)となります。キングケーキは、リングの形をしたケーキで、甘いペストリー生地にたっぷりシロップのようなクリームがのせられています。
中には、パン生地のようなキングケーキもあるようですが、どれも王冠のようなリングの形をしています。さらに、キングケーキの上にのせられたクリームには、マルディグラカラーである、緑や紫、黄色のパウダーが振りかけられます。
また、キングケーキの中には、幸運の象徴である小さな赤ちゃんの人形が隠されています。
切り分けられたキングケーキの中に赤ちゃんの人形があった人は、1日王様もしくは女王様になることができ、その年の1年間、幸運に恵まれると言われています。
キングケーキの他に、マルディグラでは、ベニエ(beignet)やビューニュ(bugne)など様々なお菓子がふるまわれます。これらのお菓子はフランスの揚げ菓子です。どのお菓子も、私たち日本人にとってはあまり馴染みがありませんね。ベニエ(beignet)は揚げ菓子の総称で、フランス各地に同じようなお菓子があり、地域ごとに名称や作り方が少しずつ違うようです。ビューニュ(bugne)はフランス南東部に位置するリヨン地方の揚げ菓子でイースト発酵生地が使用されています。
現地で使える便利な英語表現
これまでにも出てきたように、マルディグラ最大のお楽しみポイントは、フロートやパフォーマーが練り歩くパレードです!
そのパレードでは、「フロート」から何とも鮮やかなマルディグラビーズ(ビーズの首飾り)やダブルーン(プラスティック製のコイン)が観客に向かって次々と投げられていきます!実際にパレードを見た時には、是非ともこのマルディグラアイテムをゲットしたいものですよね。
そこで、実際にパレードを見に行かれる方は、フロートやパフォーマーに向かって、
Throw me something!
何か投げて!
Give me some beads!
ビーズちょうだい!
と大声で叫んでみてください!
きっと、あなたの声に気づいたパフォーマーがマルディグラアイテムを投げてくれることでしょう。
まとめ
今回は、マルディグラの起源をはじめとして、マルディグラに関する英語表現について一緒にみてきました。さらに、マルディグラのシーズンに食べられる伝統的なお菓子についても紹介しました。
私たち日本人にとって、マルディグラはあまり馴染みのないお祭りだったかもしれません。しかし、これをきっかけに、世界各地で行われるマルディグラパレードについて調べてみるのも面白いかもしれませんね。
また、実際にマルディグラパレードを見に行った際には、ぜひこの記事で学んだ英語表現を使ってみてくださいね。きっと、あなたもパフォーマーの目に留まり、マルディグラビーズやコインを手に入れることができるはずです。

◇経歴
元大学研究員
児童英語教師
マーケティングライター
英語学習ライター
◇資格
TOEIC 825点
IELTS 6.5
◇海外渡航経験
幼少時代より海外に興味を持っており、いつか留学がしたいと思い学生時代から英語学習に力を入れていました。初めての海外旅行はグアムへ行き、海外のスーパーに魅了されたことを覚えています。就職後も留学へのあこがれが消えず、オーストラリアの大学院へ留学を果たしました。
◇自己紹介
満を持して行ったオーストラリア留学では、最初の数か月間はネイティブオーストラリア英語に苦しめられ、もがき苦しむ日々でした。しかし、とにかく伝えることをモットーに積極的に現地の方とコミュニケーションをとっていきました。その後、現地にも慣れたころから、文法や単語の使い方にも注意しようと決め、コツコツと英語学習に取り組んできました。英語を習得すると、自身の視野や行動範囲をグッと広げることができます。英語を使って「これまで見たことがない」「知らなかったこと」に一緒に出会っていきましょう!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.