誰かと一緒に何かをしたいとき、相手に「~しよう」「~しましょう」と声がけをするときのlet’s。多くの英語学習者にとって馴染みのある言葉ですね。では、否定形let’s notは使えていますか?
この記事では、英語のフレーズlet’s notの正しい使い方を例文とともに解説します。英会話に使える便利なフレーズをこの機会にぜひ増やしましょう。
Let’s notの意味
Let’s notを理解する前に、まずは使役動詞である動詞letについて簡単に確認をしていきます。
使役動詞letの意味を確認
使役動詞とは”~させる”という意味を持つ動詞であり、let以外ではmake/get/haveなどが挙げられます。
例えば、let you ◯◯であれば相手(you)に◯◯を許可する、何かの機会を与えることになります。
また、ネイティブスピーカーがよく使うletに“Let me know.”というフレーズがありますが、これは”私に教えてね・教えてください”の意味があります。相手に何かを自分へ教えるというアクションをとってもらう(=させる)意味合いです。
Let+me(人)+動詞のパターンですが、後ろにくるのは原形の動詞、時制を変えないというルールがあります。他にも、Let me tell you.やLet you go.という言い方などですね。
イギリスを代表するロックバンドThe Beatlesに“Let it be”という歌があります。なんとかなるさ、なすがままにという意味のタイトルですが、命令形のために”なすがまま、そのままにしなさい”といったニュアンスを持ちます。
Let’s notの意味とは?
ここまで、letの使い方について確認しました。
ここからはletを否定した形の「Let’s not」の解説に進みましょう。
Let’s notをlet’sとnotの2つの英単語に分けて、それぞれの意味を確認します。
not=否定を示す”~しない・~でない”
その上でlet’s notをみてみれば、このフレーズは「~しないようにしよう」の意味になります。
例えば、
・今は議論するのやめよう。
・それに関わらないようにしましょう。
・あまり心配しすぎないようにしよう。
・人が話している間、お互い邪魔しないようにしましょう。
このような日本語を見れば、let’s notは、
現時点で何かが起こらないように、
または起こっていることについて、しないように抑制したり軽減するような、
「提案」に使われる英語表現であることが分かります。
日本人にとってそれほど使わないlet’s notかもしれませんが、このフレーズが使えるようになれば会話に便利そうですね。
次では、実際にlet’s notをどのように使うのかを例文で解説しましょう。
Let’s notの使い方
Let’s notは「~しないようにしよう」という意味です。Let’sの”~しよう”とは逆であり、何かをしないこと、何かを避けることを提案する場合に使われることを学びました。
また、let’s notは日常英会話で使われる表現であり、ビジネスシーンなどには適さないということもここで押さえましょう。 Let’s notの意味を理解するために、ここで一つ会話の例文をみてみましょう。
2人は外出の帰途、長時間車に乗っています。そこで、助手席の1人が運転者を気遣い、高速のサービスエリアで休憩をしたいか聞いています。
長く運転してるよね。次のサービスで止まりたい?
Let’s not stop anywhere. ありがとう、でもとにかく家に帰りたいんだ。
どこにも止まらないようにしよう。
運転者は疲れてはいるものの、早く帰って家に着いてからゆっくりしたい、休憩なしでこのまま運転できるといった気持ちを”どこにも止まらないようにしよう。”で表しています。これが英文になると「Let’s not stop anywhere.」になります。運転者はlet’s notを使い、休憩しないことを”やめておこうよ”と提案しているのです。
仮に、I don’t want to stop anywhere.と言ったとしたら、自分の希望だけを相手に伝えることになりますが、Let’s not stopであればキツくない言い方で、尚且つ自分がしたくないことを相手に共有・提案できます。
Let’s not stopで分かるとおり、let’s notのすぐ後には常に動詞を原形の状態で持ってきますが、これはシンプルで覚えやすいルールでしょう。
Let’s notの例文をさらに紹介
新しい英語フレーズを学んだら、どのように使うのか使えそうな例文があれば、ぜひ実際に口に出してみましょう。
本記事で紹介しているlet’s notは否定形でありながら、don’t ◯◯という強い印象の強制力を持つ表現と違いますので、コミュニケーションの幅を広げるためにもぜひ使えるようになることをおすすめします。
そこでlet’s notの例文をさらに具体的にみていきましょう。Let’s notは必ず文頭で使われる点もご確認ください。
今日はとっても寒い。公園に行くのをやめて家でリラックスしよう。
まだ決めるのをやめよう。もっと情報を得る必要があるよ。
電話ずっと使ってるよ。時間を無駄にするのをよして、一緒に何かしよう。
これ以上言い争うのをやめよう。散歩に行きたい?
ワクワクしすぎたり、サプライズパーティのことを誰にも話さないようにしましょう。オーガナイズすることがたくさんありますよ。
言い訳しないようにしよう。素直に受け入れて謝ったほうがいいと思う。
いかがでしょう?
Let’s notの後には動詞の原形、このルールをしっかり押さえれば自分の言いたいことをわりと容易に伝えられそうですね。
Let’s notの英文を作ってみよう
ではここで一つ、皆さんへの英文作成のエクササイズです。
Let’s notを使って、次の日本語を英文にしてみてください。
ヒントは、let’s notの後には動詞の原形がくるところですよ!正解は最後のまとめで紹介しましょう。
Let’sを使った英語表現
さて、let’sをもっと使いこなすために、ここでは4つのフレーズを紹介します。Let’s goやlet’s doだけではないlet’sを使えるようになりましょう。
Let’s see.
「Let’s see.」は即答を避け、何かを注意深く考えるときや、何かを思い出そうとするときによく使われるフレーズです。その意味ですが、Let’s see.をそのままで使う場合は”ええと””どれどれ”のような感じです。
当日は何かあったと思います。ええと、、、携帯電話にスケジュールが入っているので確認しますね。
さらに、let’s seeの後にフレーズをつけるケースもあります。特に、どんなことが起こるか様子をみようというニュアンスでネイティブスピーカーがよく使います。
できることはすべてやったよ。どうなるか様子をみてみよう。
すべきことをしたので、あとはwhat happens(何が起こるか)が分かるまで放置するというニュアンスですね。例えば、勉強を一生懸命にやり試験が終了、その後に言うような例文です。
Let’s go, baby.
Let’sを使ったスラングを紹介しましょう。それが「Let’s go, baby.」で、やったー!やったぜ!のような意味で使われます。特に、ゲーマーの間で使われるフレーズで、興奮やパッションを表現します。
やったー!勝った!
Let’s hang out.
ネイティブスピーカーが友達同士で会ったり遊ぶといったソーシャルのフレーズが「Let’s hang out.」です。かなりカジュアルな言い方ですので、使う相手を同世代の友達などに限定してください。
週末がすぐだ。土曜、遊ぼう!
クリスとアイと一緒に遊ぼ!
Let’s roll.
「Let’s roll.」は”さぁ、”行こう”や”さぁ、出よう”または”さぁ、始めよう”といった開始のための意味を持ち、Let’s go!に置き換えて使えるフレーズです。特にアメリカで使われます。さらにカジュアルにした言い方に“Let’s bounce.”もあります。
出発する準備はできた?
さぁ、行こう!
使い慣れたLet’sを使えばネイティブスピーカーが使う表現を増やすことができますね。
Let’s notの意味まとめ
Let’s notは「~しないようにしよう」という意味です。私たちの日常生活でも、何かが起こらないように、または起こっていることについて止めたり、しないことを提案するようなシーンがあります。そのような時のためにlet’s not、ぜひ使えるようになりましょう。
さて、let’s notのエクササイズ、英文作成はいかがでしたか?
回答は、
皆さん、let’s notを使ってこのような英文になりましたか?!この機会に、let’s notを正しく使えるようにして会話に役立てましょう。

◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.