何かを最後まで成し遂げたり、最初に決めた目標に届くまでやり遂げたりすることを「達成する」と言います。「売り上げが新記録を達成した」「必ず目標を達成するぞ!」などという風に言ったりしますね。類義の言葉としては「到達する」などもあります。
ビジネスの現場などで使われるちょっと堅い言葉のようにも思えますが、勉強やスポーツの話題の中でなど、私たちの日常生活でも意外とよく使われる言葉です。
今回はこの「達成する」の英語表現について、たくさんの例文を交えて解説していきたいと思います。
「達成する」を意味する複数の英語表現
あらためて日本語の「達成」を手元の国語辞典・国語辞書で調べると、そんなにたくさんの解説はなく、複数の辞書に「成し遂げること」と書いてありました。シンプルな定義です。
一方、和英辞典・和英辞書で「達成する」を調べると、けっこういろいろな英単語が候補として挙がっています。
そして、状況によって、どの英単語を使ってもいい場合もあるし、こっちの単語よりもこっちの単語の方がより適切である、つまり使い分けた方がいい場合もあることがわかります。
Accomplish、Achieve、Attainの類似点と相違点
「達成する」を意味する英単語の代表的なものが、「Accomplish」「Achieve」「Attain」の3つです。和英辞書を引くと、だいたいこの3つが最初の方に出てきます。
以下、この3つを1つずつ説明していきますが、その前に、今回はまずこの3つの類似点と微妙な違いをまとめておきましょう。
意味の類似点としては、いろいろな「達成」の場面において、これらのどれを使ってもいい場合が少なくないこと。後ほど例文でも示しますが、例えば「目標(goal)を達成する」と言いたい場合は、基本的にはこの3つのどれでも使えます。
また、3つともやや堅めの言葉であることも類似点といえるでしょう。中でも「attain」はフォーマルな響きがあります。
日本語の「達成する」もちょっと堅めの言葉ですので、この点では日本語も英語も似ている感じですね。
そして以下が、これら「達成する」を表す3つの単語の微妙な相違点です。
Accomplish:手段や過程よりも、「完結したこと」を強調する言葉。「任務」「仕事」「偉業」などを達成する場合の「達成する」によく使われる。
Achieve:何らかの困難の克服などにより、その当然の結果として目標・成功・名声などを手にする場合の「達成する」によく使われる。成し遂げる過程での「努力」を感じさせる言葉。
Attain:長期間の努力の結果、目標や地位などに到達する場合の「達成する」によく使われる。ただその一方で、「年齢」のように努力せず自然とそこに到達する場合にも使われる。
これだけだと少々抽象的ですので、一つずつ具体的な例文で見ていきましょう。
なお、これらの単語の発音や読み方をあえてカタカナで書くならば、「アカンプリッシュ」「アチーブ」「アテイン」で、それぞれのアクセント(強く読む部分)の位置は「カ」「チ」「テイ」の部分です。
Accomplish
「達成する」を意味する動詞の1つ目、「Accomplish」は、上に書きましたように「完結したこと」「到達したこと」を強調するニュアンスのある言葉です。
目標達成するためにすごくがんばった。
私の祖母は、100歳でその山に登るという偉業を成し遂げました。
彼は10年以内に目標を達成したいと述べた。
「accomplish」の過去分詞「accomplished」は、以下のように、「完成した」「熟達した」といった形容詞としても使われます。
任務完了。不可能ではなかった。
ジョージのピアノの腕はプロ級だ。
Achieve
何かを成し遂げる途中の「努力の積み重ね」や「がんばり」が意識されることが多いのが「Achieve」です。
目標達成するためにすごくがんばった。
長く続いた戦争を経て、その国はようやく平和を取り戻した。
彼女にとって現在の成功を収めるのは簡単ではありませんでした。
予定の85%を達成しました。
ここまでの例文はいずれも他動詞としての使い方ですが、「Achieve」は次のように自動詞としても使えます。
彼は言語学の分野で功績を上げました。
Attain
前述のように、「Attain」は、長期間の大変な努力の末に目標や地位などに到達するニュアンスを含む場合があります。
ただ一方で、「年齢」のように努力を必要とせず自然と到達する場合にも使われます。堅めの言葉です。
目標達成するためにすごくがんばった。
私たちは絶対的な平等を達成するまで活動を続けていきます。
会社で相当の地位に達するには、一生懸命働くだけでは十分ではありません。
ナンシーはこの4月に20歳になります。
その他の関連表現
ここまで、「達成する」を表す3つの代表的な英語表現「Accomplish」「Achieve」「Attain」について解説してきました。
次に、これら3つに加えて、「達成する」に関連してよく使われる表現を取り上げたいと思います。
Complete
「完成させる」「完全なものにする」といった日本語訳があてられることが多いのが「Complete」です。
意味的には「達成する」の類義語であり、文脈によっては「達成する」と訳せる場合もよくあります。
私たちは3年以内に目標を達成しなければなりません。
明日までに宿題を終わらせなければなりません。
ヴィンセントはコレクションを完成させるために必死でそのコインを探しています。
上の3つの例は「complete」が動詞として使われる例ですが、「complete」は形容詞としても使われ「完全な」「完了した」といった意味があります。
任務完了。
なお、過去分詞「completed」を使って上の「任務完了」を表すこともできます。
任務完了。
どちらでもOKです。
Fulfill
「Fulfill」には「満たす」という日本語がよくあてられますが、やはり文脈により「達成する」という意味でもよく使われます。
なお、アメリカ英語とイギリス英語でつづりが違うので注意しましょう。「Fulfill」がアメリカ英語で、「Fulfil」がイギリス英語です。
私はアメリカで目標を達成したい。
自分の役割を果たしなさい。
今日の仕事はやり遂げました。
Get to
前述のように、ここまでご紹介した「達成する」の英語表現は、どちらかというとやや堅めの、フォーマルな響きのある単語が少なくありません。
そこで、もっとカジュアルに使える表現の例を最後に一つ挙げたいと思います。「get to」です。
「get to」は「〜に着く」「〜に到着する」など、ある場所に行くことを表現する時によく使われますが、「goal」(目標)や「success」(成功)といった抽象的な語を続けると、「〜を達成する」といった意味になります。
目標を達成するために一生懸命がんばります。
ナンシーは私たちが予想していたよりもはるかに早く成功を収めました。
また、「get to + 動詞の原形」の形で、「ようやく〜することができるようになる」といった、何かうれしいことを達成する意味を表すこともできます。
ついにトム・クルーズに会えた!
まとめ
いかがでしたか?今回は「達成する」を意味するさまざまな英語表現について解説しました。
「Accomplish」「Achieve」「Attain」などちょっと難しめの言葉が多い印象かもしれませんが、ビジネスシーンでも親しい人々との日常会話の中でもけっこうよく使われます。自分のものにして、英語力向上を目指しましょう。こうした言葉がスマートに使えれば、より的確なコミュニケーションが可能になりますよ。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.