日常生活の中でよくする行動なのに、学校などの英語の授業ではあまり習わないフレーズってありますよね。例えば「歯を磨く」「口をゆすぐ」「うがいをする」……。英語で言おうとしても、なかなかとっさには出てこないかもしれません。
そこで今回は、そんな日常生活でよく使う言葉の一つ「歯を磨く」「歯磨きをする」の英語表現についてあらためて解説していきたいと思います。
また、「歯を磨く」に加えて、そのほかの口周りに関連するいろいろな英語フレーズも、例文をたくさん交えて説明していきます。普段のいつもの行動を英語でさっと表現できるようになると気持ちいいですよ。
「磨く」ならどれを使ってもいいわけではない
「磨く」を和英辞典で調べると、「brush」「polish」「scrub」「rub」「scrape」「burnish」「grind」「shine」「clean」など、とってもたくさん出てきます。
しかし、ここで注意しなければならないのが、例えば「歯を磨く」と言いたい場合、辞書に出ている「磨く」に当てはまる英単語ならばどれを使ってもいいわけではないということです。
日本語では同じ「磨く」であっても、それを英訳する時は、何を磨くのかによって適切な英単語が違ってきます。そしてこれは英語を学ぶ際に、とても大事なことでもあります。
「磨く」に限らず、日本語と英語では、言葉の使い方にかなり大きく異なる部分があることを常に意識しておかなければなりません。日本語をそのまま英語にする、あるいは、和英辞典に載っている単語を適当に選んで英文を作っても、それがいつも正しいとは限らないのです。
どういうもの磨く時に英語のどの「磨く」が最適なのか、言い換えると、どういう単語とどういう単語との組み合わせがいいのか。このような、適切な単語と単語の組み合わせのことを「コロケーション」と言ったりします。
日本語では「共起」とも言います。今回の「歯を磨く」という場合だと、「歯」と「磨く」の英語でのコロケーションを考えながら英語にしなければならない、ということです。
英語では「歯」は「tooth(複数形はteeth)」です。では、この「tooth(teeth)」を「磨く」という場合にどんな英単語を使うのが適切なコロケーションなのか?その答えの一つが「brush」です。
brush one’s teeth
「brush」または「clean」を使う
「歯を磨く」の「磨く」は、英語では一般的に動詞「brush」を使います。「歯」は普通は口の中の歯全部を磨きますから複数形の「teeth」を使います。
「brush one’s teeth」で「歯を磨く」です。「one’s」のところには、「my」「your」「his」「her」「its」「our」「their」といった代名詞の所有格や、「Tom’s」「my mother’s」など「名詞+’s」が入ります。
寝る前に歯を磨くのを忘れないでね。
彼は1日5回歯を磨いているっていうんだけど、それって多すぎない?
マウスウォッシュか何かない? これからデートなんだけど、歯を磨いてなくて。
子供たちが楽しく歯磨きできるように、日本の漫画のキャラクターが描かれた歯ブラシや歯磨きを購入しています。
上の英語例文中にあるように、「歯ブラシ」は「toothbrush」、「練り歯磨き」は「toothpaste」です。いずれも長い一語の単語なので注意してください。ちなみに「brush」だけを名詞として使うと、掃除道具などを含めさまざまな種類の「ブラシ」を指します。
「歯を磨く」の「磨く」は、「brush」に加えて「clean」が使われることもあります。
毎食後、歯を磨いてください。
もっとも「clean」は「きれいにする」という意味ですので、「clean one’s teeth」は厳密には歯ブラシで「磨く」のかどうかはわかりません。洗口液を使うだけという人もいるかもしれません。しかし一般的には「歯を磨く」という意味で使っても大丈夫です。
歯医者では「polish」を使う場合もある
上で述べたように、「歯を磨く」の「磨く」には、「brush」または「clean」を使うのが普通です。しかし、実は、やはり「磨く」を意味する「polish」を使う場合もあります。
「polish」は靴や床を磨いてツヤを出すような時に使われる単語です。「歯を磨く」という場合の「磨く」には普通は使われません。
ところが、歯医者さんに行って専用の器具などを使い、歯を磨いてクリーニングし、真っ白ピカピカにするような時は「polish」を使うことができます。これは、朝昼晩の日常の歯磨きとは違う「歯を磨く」ですね。
歯医者さんは追加料金を払って歯を磨くことを勧めていますが、まだどうしようか迷っています。
関連表現
ここまで、「歯を磨く」の英語表現について解説してきました。
次に、歯や歯磨き、口周りに関連する、よく使われる英語表現、知っておくと便利なフレーズなどを取り上げていきたいと思います。
口をゆすぐ
歯を磨いた後に口に水を含んでゆすぎます。この「ゆすぐ」は英語では「rinse」という動詞で表現できます。
「rinse one’s mouth」で「口をゆすぐ」です。副詞の「out」を付けて「rinse out one’s mouth」でもOKです。「out」を付ける方が強くゆすいでいるニュアンスが出ます。
歯磨きの後、口をゆすいでください。
このマウスウォッシュを使った後は、口をゆすぐ必要はありません。
ちなみに、「rinse」をカタカナで書くと「リンス」ですね。「リンス」というと髪の毛用の「トリートメント」や「コンディショナー」のことを思い浮かべる人もいるかもしれません。
実はもともとは「シャンプーを洗い流す」という「ゆすぐ」意味の「rinse」が、日本ではトリートメントやコンディショナーのことを指すようになったという経緯があります。
英語で「rinse one’s hair」というと、「髪をすすぐ」「毛染めする」といった意味になりますので注意しましょう。
うがい
水を口に含み、顔を上に向けて喉をガラガラさせるのが「うがい」ですね。英語の「うがいをする」は「gargle」と表現されます。
風邪をひかないように、帰宅したらうがいを忘れずに。
うがいは新型コロナウイルス感染症などの感染病に効果があるのでしょうか?
余談ですが、日本の歯医者さんでは、地域によって、口を「ゆすぐ」ことを「うがいする」と言う場合も少なくないようです。
歯医者さんに行って「はい、うがいしてください」と言われて、「上を向いてゴロゴロやらないといけないのかな?」と迷ったことってありませんか?
フロスで掃除する
歯ブラシで歯を磨くだけでなく、「フロス」あるいは「デンタルフロス」と呼ばれる専用の加工糸で歯の間を掃除する人も増えてきました。英語では「dental floss」あるいは「floss」と言います。
友人の歯科衛生士にデンタルフロスの使用を勧められるのですが、私はデンタルフロスを使うのが苦手です。
舌ブラシ
口の中の衛生を保つ方法として、舌を磨くことも注目されています。口臭の原因の一つになるのが「舌苔(ぜったい)」。この舌苔を除去するための専用の「舌ブラシ」も販売されるようになってきました。
「舌ブラシ」にはいろいろな種類があり、歯ブラシの先がプラスチックの輪っかのようになっているものや、専用の毛先が付いているものなどがあります。電動歯ブラシの中には、「舌磨きモード」を備えたものもあります。
英語では今のところさまざまな表現が混在しており、「tongue brush」「tongue cleaner」「tongue scraper」などと言われます。「tongue」は「舌」ですね。発音をカタカナで書くならば「タン」です。
舌ブラシを使っているの?
この舌ブラシは使いやすく、値段も高くありません。
虫歯
「虫歯」は「cavity」という英語で表すことが多いです。より簡単に「bad tooth (teeth)」と言うこともできます。
虫歯があってとても痛いのですが、歯医者には行きたくないです。
父は虫歯を治療しました。
歯磨きをしなかったので悪い歯がたくさんあります。
まとめ
いかがでしたか?今回は「歯磨き」と、「歯」や「口」に関連するさまざまな表現について解説・紹介しました。
日常的によく使う英語フレーズがさっと口から出てくるようになると、英会話がますます楽しくなってきます。普段の生活の中で、「これって英語でどう言うのかな」と思ったら、すぐに辞書やインターネット検索などで調べて、何回も暗唱するようにするといいですよ。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.