意外と知らない「指」の英語表現!

指、英語、英会話

「後ろ指を指される」「指きりげんまん」など、身近な体のパーツである指を使った表現は日常会話でもよく登場しますよね。

しかし「親指」や「人差し指」といったそれぞれの指を英語ではなんと言うのかわからない・・・ということも意外と多いものです。

この記事では、それぞれの指に関する英語の名前や意味、使い方などについて詳しく解説していきます。

指の英語表現

ご存知のとおり、指は右手に5本、左手に5本ずつであわせて10本あります。英語では、これら10本の指を ”fingers”(フィンガーズ)と呼びます。

He gazed at his fingers.
彼は自分の指をじっと見つめた。

地域や文化圏、年齢によって「親指」を「お父さん指」と読んだり、「人差し指」を「さし指」と呼ぶなど、若干のバリエーションはあるかもしれませんが、日本語では手の指といえば「親指、人差し指、中指、薬指、小指」の5種類に分けるのが一般的です。

また、指は足にも10本あります。日本語では、手の指も足の指も同じように「親指、人差し指、中指、薬指、小指」と呼ぶことが多いようです。足の指の場合は、”足の”「親指」というように、”足の”と特定する言葉をつけて言ったりもしますね。

英語でも、もちろん指ごとに異なる名前がついています。また、指ごとに特有の意味があったりもします。日本語と異なるニュアンスを持つ指や表現もありますので、各指ごとに詳しく解説していきます。

親指

手の親指は英語で ”Thumb” と呼びます。

独特の読み方をするのが特徴で、発音記号では[θʌ’m]と表記され、日本語のカタカナをつけるとすると「サム」や「サァム」になります。

発音記号の始めにある[θ]は、日本人にとって発音するのが苦手と言われている th の音声です。学生時代に上の歯と下の歯の間に舌を挟むという th の発音練習をした方も多いのではないでしょうか。

親指は和製英語のような形で「サム」と呼ばれることも多いのですが、実際にはさしすせその「さ」の音ではなく、”thank you” や ”thing” と同じ th の音ですので、英語で発音するときには注意してくださいね。

また、スペルの最後についている ”b” を発音しないというのも特徴のひとつです。

”climb”(クライム:「登る」の意)や ”bomb”(ボム:「爆弾」の意)などと同じように、書くときにはあるけれど発音しない「サイレントb」と呼ばれる ”b” がついています。

”thumb” と書いてあっても「サンブ」や「サムブ」といったようには読みませんので気をつけてくださいね。

SNSなどで広く使われているジェスチャーサインとして、親指を立てた「いいねマーク」があります。英語ではこのサインのことを ”thumbs-up”(サムズアップ)とよび、「賛成、承認、OK」といった意味を表します。

My proposal got the thumbs-up from the school board.
私の提案は学校の委員会で承認された。

She gave me a thumbs‐up sign.
彼女は私に「いいね!」のサインを送ってくれた。

なお、親指を下に向けたサインは ”thumbs down” と呼ばれ、反対の意志や不賛成、不満足な感情を伝えるジェスチャーとして使われます。

ちなみに、もし10本の指すべてが親指だったとしたらどう感じるでしょうか?親指は丈夫で重要な役割を持つ指ではありますが、10本すべてが親指になってしまうと、細かい作業がやりづらくなってしまうかもしれませんね。

英語には “all thumbs” 、つまり「すべて親指」と書いて「不器用」という意味になる面白いフレーズがあります。

Sorry, my fingers are all thumbs.
ごめんなさい、私って不器用なの。

日本語にはない表現ですが、言われてみれば確かに不器用な感じもしますし、イメージしやすい英語表現ですね。

人差し指

「人やものを指し示す指」という意味から「人差し指」と呼ばれる2番めの手の指は、英語では ”index finger”(インデックスフィンガー)と呼ばれます。

”index”とは「索引」や「指し示す」といった意味をもつ言葉です。日本語でも英語でも、「指し示す」という同じ意味から呼び名がついているということになりますね。

Feel your index finger touching the floor.
人差し指が床に触れているのを感じてください。

英語では、”point” という単語も「指し示す」「間違いを指摘する」という意味をもっているため、”index finger” と同じ意味で “pointer finger”(ポインターフィンガー)という表現が使われることもあります。

また、"point the finger"という表現は「罪を責める、誰かを非難する」という意味で使われます。人に向かって人差し指を突きつけていくイメージですね。

The man pointed a finger at the salesperson.
男はその売り子を名指しで非難した。

中指

中指は手の5本指の中央に位置しています。

日本語でも真ん中を意味する「中指」と呼ばれますが、英語でも同じように ”middle finger” (ミドルフィンガー。”middle”は「真ん中」の意)と呼ばれます。

My aunt always wears a huge diamond ring on her middle finger.
私のおばは、いつも巨大なダイヤモンドの指輪を中指にはめています。

文化的には、中指は「侮辱」の意味をもつことがあります。中指だけを立てて相手に示すやり方は、相手に対してとても失礼で、かつ侮辱的なメッセージを強く与えます。

I was shocked he raised his middle finger.
彼が中指を立てたのには驚いた。

映画や海外ドラマなどでその描写を目にしたことがある方も多いかもしれませんが、基本的には対人コミュニケーションにおいて使わないほうがよい表現であることは間違いありません。

「こういう表現もあるのだな」と知っておく程度にとどめておき、使うことは避けたほうがよいでしょう。

なお、中指は五本指の中で一番長いことが多いため “long finger”(ロングフィンガー)や ”tall finger”と呼ばれることもあります。

薬指

一番使う頻度が少ないために汚れにくく清潔であることから「薬を塗るときに使う」といわれるのが薬指です。

薬指は、英語では ”ring finger” と呼ばれています。”ring” とは文字通り、リング=指輪のこと。特に結婚指輪を左手の薬指にはめる習慣から、薬指が ”ring finger” と呼ばれるようになったようです。

She wore a ring on her ring finger.
彼女は薬指に指輪をはめていた。

結婚指輪を薬指にはめる理由には諸説ありますが、古代エジプトや古代ギリシャの時代、薬指と心臓は「愛の血管」と呼ばれる太い血管で繋がっていると考えられていたため、永遠を表すシンボルである ”ring” を薬指にはめるようになった・・・という説が有力とされています。

小指

もっとも細くて小さい手の指、「小指」は英語で ”pinky finger”(ピンキーフィンガー)と呼ばれます。

”pinky” というのは ピンク色を表す “pink” ではなく、実は「小さい」を意味するオランダ語の “pinkje” が語源だと言われています。

He spread the cream with his pinky finger.
彼は小指でそのクリームを塗りひろげた。

”pinky finger” の他にも、英語で「小さい指」を意味する ”little finger”(リトルフィンガー)という呼び名もあります。

指輪をはめる指といえば薬指が代表的ですが、実は小指にはめる ”pinky ring”(ピンキーリング)を好んで着ける方も多く居ます。

英語圏では小指はチャンスの象徴、あるいは約束や願掛けの意味をもつ指という意味をもっています。そのため、ピンキーリングを「チャンスをつかむ幸運のアイテム」として着けていたり、大切な人との約束や、叶えたい願いを込めて着用する方もいるようです。

He gave me a lovely pinky ring.
彼は私にかわいらしいピンキーリングをくれました。

”pinky finger”(ピンキーフィンガー)の関連表現として、“pinky promise”(ピンキープロミス:指切りげんまん)という表現もあります。

”swear”(スウェア:誓い)という言葉を使って“pinky swear”(ピンキースウェア)ということもありますが、どちらも小指と小指をつなぎ合わせて約束や誓いをする仕草を表しています。

Let’s make a pinky promise.
ゆびきりげんまんね。

日本語でも、小さい子供と遊ぶ時などには「指切りげんまん、約束ね?」といった言い方をすることがあります。英語にも同じように、約束をするときに小指を繋ぐやり方があるというのはとても興味深いことですよね。

足の指は?

ここまで手の指の呼び方について紹介してきましたが、足の指は英語でどのように呼ばれているのでしょうか?

英語では、足の指はすべて ”toe” と呼ばれ、足の指の一本一本には以下のような呼び名がついています。

足の親指:first toe/big toe
足の人差し指:second toe
足の中指:third toe
足の薬指:fourth toe
足の小指:fifth toe/little toe

”fingers and toes” で、「手足の指」という意味になります。

また、”toe” という言葉には「足の指の一本一本」というイメージだけでなく「つま先」というエリア的なイメージもあります。

You've got a hole in the toe of your sock.
靴下のつま先に穴があいてるよ。

She can dance on her toes.
彼女はつま先立ちで踊ることができます。

つま先を机の角にぶつけることもありますが、そんなときは ”stub”(ぶつける)という単語を使って次のように表現します。

I stubbed my toe on the edge of my desk.
机の角に足の指をぶつけたんだよ。

まとめ

日常英会話でもよく使われる手や足の指に関する表現について、ご紹介してきました。

日本語と同じような意味をもつ呼び名もあれば、まったく異なる意味や語源をもつ呼び名もありました。”thumb” や “toe” については独特な呼び方をしていたり、日本語の概念と異なる部分もあるため、実際に使いながら習得していっていただければと思います。

ぜひ、毎日の英語学習や英会話の中で指に関する表現を使ってみてくださいね!

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