【英語】目的語とは?見分け方や使い方を分かりやすく解説!

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英語の目的語とは

英語の文は、どんな文であっても、次の5つの部分から成り立っています。「主語」「動詞(または述語動詞)」「目的語」「補語」「修飾語」です。

でも、主語や動詞はなんとなくわかっても、目的語や補語となるとその働きや違いが今一つよくわからないという人も少なくないのではないでしょうか。

例えば次の例文では目的語はどれでしょう。

I bought a new bag.
私は新しいバッグを購入しました

この文では、「I」が主語、「bought」が動詞、そして「a new bag」が目的語です。

すぐにわかりましたか?「新しいバッグを買った」の「〜を」のところに入るのが目的語です。そして、この他にも、目的語にはいろいろな使い方があります。

今回は、目的語に焦点を当てて、英語の目的語の意味、目的語の見分け方、目的語と補語の違い、さまざまな使い方などを例文とともにあらためて詳しく解説します。

目的語の役割をしっかりと把握することで、自信を持って英語を話したり書いたりできるようになりますよ。

英語の文型

さて、目的語を理解するためには、まず英語の文型について復習するのが近道です。

すべての英語の文は、5つのパターンに分類することができます。これを「5文型」といいます。

そして、5つに分類する時に大事になってくるのが、冒頭でも述べた「主語」「動詞」「目的語」「補語」「修飾語」という要素のうちの最初の4つ「主語」「動詞」「目的語」「補語」です。

主語は英語だと「subject」なので「S」。主語になるのは名詞や名詞の働きをする句や節です。句や節については、後の方に出てくる「目的語の使い方と例文」を見てください。

動詞は「verb」なので「V」。目的語は「object」なので「O」。主語と同じく、目的語になるのは名詞や名詞の働きをする句や節です。そして補語は「complement」なので「C」。名詞、形容詞、さまざまな句・節が補語になります。

なお、修飾語は「modifier」なので「M」で表されます。ただし「M」は文の中にあってもなくても、文型の種類には影響を与えません。そして、S、V、O、Cの4つがどのように使われているかで、その文が5文型のどれなのかが決まってきます。

さてでは、目的語や補語を理解するために、簡単に5文型をおさらいしましょう。

第1文型:S+V(Sは~する)

第1文型は、S(主語)+V(動詞)だけの形です。第1文型には目的語は入りません。

Sは主語なので、日本語にした時に「~は」「~が」となる場合が多いです。Vは「~をする」「~である」というような、動作を表す単語(動詞)です。

I slept.
S V

私は眠った。
I slept for 8 hours.
S V M

私は8時間眠った。

「for 8 hours」は M(修飾語)なので、文型には影響を与えません。

第2文型:S+V+C(SはCである)

第2文型は、S(主語)+V(動詞)+C(補語)の形です。ここにも目的語は登場しません。

This is a pen.
S V C

これはペンです。

第2文型の代表格は上の例文のように、be動詞を使って「SはCである」というイコール関係を述べるものです。

こういうイコール関係がある場合、「a pen」は「補語」と呼ばれます。

第3文型:S+V+O(SはOを~する)

第3文型は、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)の形です。今回の主役である「目的語」がようやく登場しました!

O(目的語)の部分は、日本語にした時に「~を」「~に」などとなることが多いです。第2文型のようなイコール関係はなく、「SがOを〜する」というようにO(目的語)は動作の対象物を表します。

I have a pen.
S V O

私はペンを持っています。

この文では、「a pen」が「have(持っている)」という動詞の目的語になっています。

第2文型と第3文型の違いは、動詞の後に来るのが「補語」か「目的語」かの違いです。これに関しては後ほど「目的語と補語の違い」でも説明します。

第4文型:S+V+O+O(SはO(人)にO(物・事)を「与える」、など)

第4文型は、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+O(目的語)の形です。目的語が2つあります。

2つあるうちの目的語の1つは「人」の場合が多いです。そして、「(人)に(物・事)を与える」などの意味になります。

この第4文型で使われることが多い動詞には、give、buy、get、tell、teachなどがあります。

I gave her a present.
S V O O

私は彼女にプレゼントをあげた。
<

第4文型の文には、目的語が2つあります。上の文の場合「her」と「a present」が目的語です。

第5文型:S+V+O+C(SはOがCであるのを~する、SはOがCするのを~する、など)

第5文型は、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(補語)の形です。文の中に、目的語と補語が1つずつある形です。

We call him Big Tom.
S V O C
私たちは彼のことをビッグトムと呼びます

第5文型の文には、目的語と補語があります。意味の上で、目的語と補語がイコールの関係になっています。上の文の場合、「him(彼)」=「Big Tom(ビッグトム)」という関係が成り立っています。

目的語の見分け方

5つの文型のうち3つの文型で目的語が使われているのがわかりました。

英文を理解する上では、文型を見分ける、すなわち、目的語など文の要素を見分け、それらがどのようにつながっているのかを把握することが大事です。

でも、短い文ならばそれほど問題なくても、長い文になってくると、例えばどれが主語なのか、どれが目的語なのか、だんだん分かりにくくなってきますよね。

目的語になるのは、品詞でいうと名詞だけです。しかし、一語の名詞だけでなく、複数の単語が並んで名詞のような働きをする「名詞句」や、文のようにも見える「名詞節」が目的語になることもあります。

複雑になってくると、どれが目的語なのか、ちょっと見ただけでは分からなかったりします。

目的語のさまざまな種類については後ほど具体的に詳しく説明しますが、ここでは、文の中で目的語を見極める際に役立つ、「自動詞」と「他動詞」の違いについて、簡単に触れておきたいと思います。

動詞には「自動詞」と「他動詞」の2種類があります。目的語が必要でない動詞が「自動詞」目的語が必要な動詞が「他動詞」です。

つまり自動詞は目的語を伴わなくても意味が成り立ちます。一方他動詞は、目的語がないと文自体が不完全で意味も成り立ちません。

自動詞の例

I cried for two hours.
私は2時間泣いた。

この文は「I cried」(私は泣いた)だけで文として成り立っています。目的語はありません。「for two hours」(2時間の間)の部分は修飾語です。

他動詞の例

I enjoyed the party for two hours.
私はそのパーティを2時間楽しんだ。

この文では「the party」が目的語です。もし「the party」がなければ、「I enjoyed for two hours.」となり、何を楽しんだのかがわからない不完全な文になってしまいます。このように、目的語が必要な動詞が他動詞です。

他動詞は目的語とセットになって初めて意味を完成させることができるのです。なお「for two hours」はやはり修飾語です。

このように、目的語を見つけるためには、動詞を発見したらその動詞が目的語を必要としているかどうか考えることが大事です。

なお、同じ動詞が自動詞として使われたり、他動詞として使われたりしますので、その動詞が文の中でどのような意味で使われているかに十分注意をして目的語を見極める必要があります。

目的語と補語の違い

ここまで、目的語の意味や使われ方の基本について説明しましたが、文の構造について考える際に難しく感じられることの一つが「目的語」と「補語」の違いです。

5文型のところでも簡単に触れましたが、ここでは目的語と補語の違いについてあらためて解説したいと思います。

第2文型と第3文型の違い

次の2つの文を比べてみましょう。

①I am Ken.
私はKenです。
②I invited Ken.
私はKenを招待しました。
①は第2文型です。
I am Ken.
S V C

となっており「Ken」は補語です。ここで重要なのは、動詞が「am」というbe動詞であること、また、「I(私)」=「Ken」というイコールの関係があるということです。

こうした場合「Ken」は補語となります。なお、be動詞だけでなく「become」なども、補語を伴う第2文型の文で使われます。

He became a firefighter.
S V C

彼は消防士になった。

「a firefighter」が補語です。やはりここでも「He(彼)」=「a firefighter(消防士)」というイコールの関係が成り立っています。

一方、②は第3文型です。
I invited Ken.
S V O

この場合「Ken」は目的語です。「invite(〜を招く)」という動詞の動作の対象になっています。日本語にした場合、「〜を」「〜に」となることが多いです。

そして、この文の場合「I(私)」は「Ken」ではありませんので、①のようなイコール関係はありません。

第4文型と第5文型の違い

今度は次の2つの文を見てください。

①I gave him a present.
私は彼にプレゼントをあげました。
②I call him Popeye.
私は彼をポパイと呼びます。
①は第4文型です。
I gave him a present.
S V O O

となっており、「him」と「a present」という2つの目的語があります。このように目的語が2つあるのが第4文型ですね。

一方、②は第5文型です。
I call him Popeye.
S V O C

この文では「him」が目的語で、「Popeye」は補語です。ここで重要なのは、「him(彼)」=「Popeye(ポパイ)」という、イコールの関係があるということです。

①の場合は、2つの目的語の間にイコール関係はありません。ここが第4文型と第5文型の違い、すなわち、最後の語が目的語であるか補語であるかの違いということになります。

なお、第5文型の場合、「目的語と補語がイコール関係である」というのに加え、「目的語と補語が、意味上の主語と動詞の関係である」場合もあります。

This song makes me cry.
S V O C

この歌は私を泣かせる。

この文では、「me」が目的語で、「cry」が補語です。ここでは「me(私)」が「cry(泣く)」という、主語と動詞の関係が成り立っています。

I got my cavity treated.
S V O C

私は虫歯を治療してもらった。

この文では、「my cavity」が目的語で、「treated」が補語です。

ここでは「my cavity(虫歯)」が「treated(治療される)」という、主語と動詞の関係が成り立っています。なお、「treated」は「treat(治療する)」の過去分詞で、ここでは「〜される」という受け身(受動態)の意味を表しています。

目的語の使い方と例文

文が長くなったり、複雑になったりすると、どれが目的語なのかがわかりにくくなります。

ここではいろいろな具体的なパターンを取り上げ、注意すべき点などを説明します。

目的語が疑問詞の場合

「what」や「who」などの疑問詞で始まる疑問文の場合、目的語の位置が変わります。

What did you eat?
あなたは何を食べましたか

この文では、「eat」の目的語は「What」です。第3文型(S+V+O)が疑問文になってOが前に出てきた形になっています。

What do you think?
あなたは何を考えますか?⇒あなたはどう思いますか?

ここでは「What」が「think」の目的語です。「あなたはどう思いますか?」と訳されることが多いので、目的語がどれだかわかりにくいですが、もともとは「何を考えますか」という「〜を」が含まれる形ですね。

Who did you meet yesterday?
あなたは昨日誰に会いましたか?

この文では「Who」が「meet」の目的語になっています。かつては「Whom」を使って「Whom did you meet yesterday?」でした。今でも時々見かけますよ。

目的語が動名詞やto不定詞の場合

動名詞や名詞的用法のto不定詞も目的語にすることができます。

She suggested changing the plan.
彼女は計画を変更することを提案した。

「changing the plan」(計画を変更すること)という動名詞の部分が「suggested」の目的語です。

We decided to accept your proposal.
我々はあなたの提案を受け入れることにした。

「to accept your proposal」(あなたの提案を受け入れること)というto不定詞の部分が「decided」の目的語です。なお、この場合のto不定詞は名詞的用法です。

このように、動名詞やto不定詞は目的語になりますが、動詞によって、①どちらでも目的語になるもの、②どちらか片方しか目的語にならないもの、③どちらも目的語になるが、動名詞とto不定詞で意味が変わるもの、の3通りがあります。

①どちらでも目的語になるもの(意味も同じ)

I like to read. = I like reading.
私は本を読むことが好きです。
②どちらか片方しか目的語にならないもの

◯ I enjoyed swimming. 私は水泳を楽しんだ。
✕ I enjoyed to swim.

動詞「enjoy」はto不定詞を目的語にすることはできません。

③意味が変わるもの

I forgot to buy the book. ≠ I forgot buying the book.
本を買うのを忘れた。≠ 本を買ったことを忘れた。
I remember to buy the book. ≠ I remember buying the book.
本をこれから買うことを覚えている。 ≠本を買ったことを覚えている。

目的語が名詞句の場合

「名詞句」とは、いくつかの単語がつながって全体で名詞のようになっているものです。

前項の「目的語が動名詞やto不定詞の場合」で説明した、動名詞やto不定詞でできている部分も名詞句です。「to buy the book」や「buying the book」の部分ですね。

ほかにも、次のような、名詞句が目的語になる例があります。

I don’t know what to do.
何をすべきかをわからない。

この文では、「what to do」(何をするべきか)という名詞句が「know」の目的語になっています。「how to do」「when to do」「where to do」なども同様です。

目的語が名詞節の場合

「名詞句」はいくつかの単語がつながって全体で名詞の働きをするものでした。

「名詞節」は、より複雑になったもので、文のような構造になった部分が全体として名詞の働きをするものです。こう言ってもわかりにくいので、具体的に見ていきましょう。

that節が目的語に

「that+文」で節になったものが「that節」です。全体で名詞の役割をします。

I know that he is an honest person.
私は彼が正直な人であることを知っています。

「that he is an honest person」というthat節が「know」の目的語になっています。

He said that he would come to the party.
彼はパーティに来るだろうということを言いました。
⇒彼はパーティに来ると言いました。

「that he would come to the party」というthat節が「said」の目的語になっています。なお、これらの場合、that節の「that」は省略することができます。

wh名詞節が目的語に

「wh名詞節」というのは、「what」「where」「when」「why」「who」「how」などの単語が肯定文の冒頭に付いたもので、全体で名詞のような役割をします。

I don’t know where he studied French.
私は彼がどこでフランス語を勉強したのかを知りません。

「where he studied French」というwh名詞節が「know」の目的語になっています。

I want to know why he studied French.
私は彼がなぜフランス語を勉強したのかを知りたいです。

「why he studied French」というwh名詞節が「know」の目的語になっています。なお、この「wh名詞節」は、「間接疑問文の一部」と呼ばれることもあります。

if節が目的語に

wh名詞節と同じように、if節も目的語になることができます。

ただしこの場合の「if」は「もし〜」ではなく「〜かどうか」という意味です。「whether」と同じ意味です。

I can’t tell if it’s real or not.
私はそれが本物かどうかを見分けることができません。

「if it’s real or not」というif節が「tell」の目的語になっています。

節の中にも「小さな目的語」が!

ここまで読んで気づかれたかもしれませんが、「節」というのは文のようなものですので、その節の中だけを見ると、その中における主語、動詞、目的語、補語が存在します。

文の中に文が含まれているという、いわば「マトリョーシカ構造」(入れ子構造)です。

長い文章や複雑な文章を読み解くというのは、実はこのマトリョーシカ構造をしっかり見抜くということなのです!

例えば、I want to know why he studied French.の場合、「why he studied French」が「know」の目的語ですが、この節の中のhe studied Frenchの部分だけを見ると、「French」が「studied」の目的語になっています。

第5文型における形式目的語

第5文型は「S+V+O+C」という形でした。

この文型で、目的語(O)が長くなったり複雑になったりする時に、「形式目的語」の「it」が使われることがあります。

I found it difficult to read this book.
この英語の本を読むのは難しいと気づいた。

この文の中の「it」が形式目的語です。「it」は「それ」とは訳しません。「it」はその後に登場する「to read this book(この本を読むこと)」の代理です。形式目的語はこのように使われます。

まとめ

いかがでしたか。今回は目的語についてじっくり解説しました。

基礎力をしっかり身につけ、英作文や英会話に応用していきましょう。

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