英語の「句」と「節」はどう違う?それぞれの使い方をマスターしよう!

句と節、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

英語学習をしていると「名詞句」「形容詞節」と言ったように「句・節」という用語が出てきます。わからなくてもギリギリ英語学習に支障は無いので、曖昧にしてしまっている人もいるのではないでしょうか。

しかし「句と節」は英文法学習において、とても重要な要素です。しっかりと理解すれば、文法学習はもちろん、長文読解、リスニング、スピーキング、ライティングの大きな助けとなります。

句と節は「面倒くさい文法用語」ではなく「英語学習を分かりやすくしてくれる味方」なのです。

今回の記事では、句と節とは何なのか、句と節の違いと役割などを例文を用いて徹底解析していきます。

句と節の違い

まず、句と節とは何なのか、そしてそれぞれの違いを見ていきましょう。

文章の単位

句と節について学ぶには、まず「文章の単位」について解説しなければいけません。

文章は、単位によって分けることができます。最小の単位は「語」、つまり単語のことです。

例えばCan I help you?という文章があったとすると、「Can, I, help, you」の4つの「語」が存在することになります。

句と節は「語」の集合体

句と節はどちらも、複数の語が集まった「語のかたまり」のことです。

2つ以上の語が集まってできた文章を句、または節と呼びます。全ての英文は、これら「語」「句」「節」の単位を使って切り分けることができます。

句と節に語数の上限はありません。2語で成り立つ節もあるし、10語以上になる句も存在します。これが、句と節の見分けがつかなくなってしまう、大きな原因なのです。

句と節の違い

句と節の違いは、「主語と動詞で構成される文章になっているかどうか」です。

主語と動詞で構成されていなければ句主語と動詞で構成されていれば節ということになります。

「語」も含め、例文を見てみましょう。それぞれの文章の目的語に注目してください。

I like music.
私は音楽が好きです。

この文章の目的語はmusicです。1つの単語なので「語」です。

I like playing guitar.
私はギターを弾くことが好きです。

likeの目的語は「playing guitar」と2語以上になっているので、句か節ということになります。しかし主語と動詞の構造は無いので句となります。

I know that she was dating Greg.
彼女がグレッグと付き合っていることは知っています。

この文章では、that以下が動詞knowの目的語となっています。「she was dating」と主語と動詞で構成されている文章なので、節となります。ちなみにthatで始まる節を「that節」と呼んだりします。

語のまとまりが、どのような形式で構成されているかどうかで、句と節を見分けられるということです。

確認のため、もう1つ例を見ておきましょう。Girlの後に続く文章に注目してください。

I saw a girl with a red hat.
赤い帽子をかぶった女の子を見かけました。
I saw a girl who you were talking about last night.
昨晩君が話していた女の子を見かけました。

1つ目の文章では、with以下が句になります。

2つ目の文章ではwho以下は主語と動詞があるので節です。

まとめると、1つの単語を「語」主語と動詞の構造が無い複数の語のまとまりを「句」主語と動詞の構造がある語のまとまりを「節」と呼ぶ、ということになります。

そして、句と節にはそれぞれ複数の種類があります。なかなか厄介に思えますが、これらが理解できれば英文の見え方と作り方が変わってくるでしょう。

句の種類

句の種類には「名詞句」「副詞句」「形容詞句」の3種類があります。

主語と動詞の構造ではない2語以上の単語のまとまり、という決まりは変わりません。単に句として、文章の中でどのような役割をするかが変わるだけです。

名詞句

名詞句は、名詞の役割をする句です。

2つ以上の単語のまとまり全体が、1つの名詞として扱われるという感覚です。名詞なので、主語、補語、目的語になることができます。

Waking up early can change your life.
早く起きることは人生を変える。

「Waking up early」が名詞句で、文章全体の主語になっています。複数の語のまとまりが「早く起きること」という1つの名詞として扱われていることがわかります。

It is hard to be honest with everyone.
誰に対しても正直でいることは難しい。

この文章の場合、1つ目のto以下が名詞句になります。It to構文なので、to以下は意味上の主語になる名詞句となるわけです。

The most important thing is to stay calm.
最も重要なことは冷静でいることだ。

to以下が、「冷静でいること」という名詞の役割を果たし、文章の補語になっています。

We hate using bad language.
私たちは汚い言葉を使うことが嫌いです。

using以下が「使うこと」という名詞句になり、hateの目的語になっています。

これらの例のように、名詞句は動名詞やto不定詞を用いて「~すること」「~ということ」という風に訳されることが多いです。

副詞句

副詞は、動詞か形容詞を修飾する言葉のことです。

He walked carefully
彼は慎重に歩いた。

この文章のcarefullyは動詞walkedを修飾する副詞です。これが複数の語になったのが副詞句です。

We left home early to stop by a gas station.
私たちはガソリンスタンドによるために、家を早めに出た。

to以下が全て副詞句になり、動詞leftを修飾しています。

Without knowing it, I said something offensive.
気が付かないうちに、失礼なことを言ってしまった。

前半のWithout knowing itが、動詞saidを修飾する副詞句になります。

He was talking with a strange man.
彼は奇妙な男と話をしていた。

with以下が動詞talkを修飾する副詞句になっています。

To be honest, I was not even paying attention to her.
正直なところ、彼女のことを気にもしていなかったよ。

To be honestが、後半の文章全てを修飾する副詞句です。

I used to go to the beach every day when I lived there.
そこに住んでいた時、毎日海岸に行っていました。

when以下が、それ以前の文章全体を修飾する副詞句になっています。

副詞句にはto不定詞、前置詞、接続詞を使ったものなどバリエーションが多くあります。

中には決まり文句のようになっているものもあるので、それらはそのまま覚えてしまうと良いでしょう。1つの文章全体を修飾することができるのも大きな特徴と言えます。

形容詞句

形容詞は名詞を修飾する言葉です。

A beautiful place.
美しい場所。
This place is beautiful.
この場所は美しい。

これら2つの文のbeautifulが形容詞です。形容詞句では、複数の語のまとまりが形容詞の役割を果たします。

Don’t get close to that man standing under the street light.
街灯の下に立っているあの男に近づくな。

standing以下が、that manを修飾する、分詞形容詞を用いた形容詞句です。

Do you want something to drink?
何か飲むものがいりますか?

to以下がsomethingを修飾する、to不定詞を用いた形容詞句です。

Anyone in this room can join the game.
この部屋にいる人は誰でもゲームに参加することができます。

in this roomがAnyoneを修飾する前置詞を用いた形容詞句です。

形容詞句は多くの場合、修飾する名詞の直後に置かれます。副詞句と同様に分詞、to不定詞、前置詞を使ったものなど様々なバリエーションで使うことができます。

節の種類

節も句と同じく「名詞節」「副詞節」「形容詞節」の3つに分けることができます。主語と動詞を使って完成された文章全体が、名詞・副詞・形容詞の役割を果たします。

名詞節

名詞節では、文章全体が1つの名詞として扱われます。

I believe that she is an important person.
彼女は重要な人だと確信している。

that以下はshe isと主語と動詞が伴う完成された文章なので、節となります。そして「重要な人物だということ」という名詞として、believeの目的語になっていることが分かります。つまりthat以下が名詞節となるわけです。

Do whatever you want.
あなたの好きなようにやっていいよ。

短いですが、節が含まれている文章です。Whatever you wantは主語と動詞があるので、節となります。Doの目的語です。

What I’m saying is that you are not supposed to be here.
私が言っているのは、あなたはここにいてはいけないということだ。

節が2つある文章です。1つ目はWhat I’m sayingで、文章全体の主語となっています。

2つ目はthat以下全てで、補語となっています。複雑な文章に見えますが、文章の構造はThis is a penと同じです。節を見分けることができれば、とても簡単な文章なのです。

名詞節はビックリするくらい長くなることがあり、文章全体の構造や文型を見分けることが困難になります。しかし見分けることができれば、読解の難易度を大幅に減らすことが可能です。

副詞節

副詞節は副詞句と同様、動詞・形容詞・文章全体を修飾します。副詞節では、それを主語と動詞が入った文章を用いて行います。

I was not here when they started an argument.
彼らが口論を始めたとき、私はここに居なかった。

when以下が、動詞was notを修飾する副詞節になっています。接続詞を用いています。

You should do it like he does.
彼がやっているようにやらなければいけません。

like以下が副詞節です。このlikeは「~のように」と言う意味の接続詞です。Like以下が動詞doを修飾する副詞の役割をしています。

I have to leave because my wife needs me right now.
妻が私を必要としているので、行かなければなりません。

because以下が副詞節です。前半のI have to leave全体を修飾しています。

副詞節では、接続詞やwhatever、wheneverなどの複合関係詞などが使われることが多いです。Likeやasは文章の中に埋もれてしまい、分かりづらくなるので注意しましょう。

形容詞節

形容詞は、名詞を修飾する働きをします。形容詞節では、文章全体で名詞を説明する働きをします。

He is the only human who I trust.
彼は私が唯一信用している人間です。

who以下が、humanを修飾している形容詞節です。関係代名詞のwhoが使われています。

The place where we first visited was London.
私たちが最初に訪れた場所はロンドンでした。

where we visitedが、the placeを修飾する形容詞句です。主語が大きくなっていますが、構造はthis is a penと同じシンプルなSVCです。

Tell me the reason why you want this stone.
この石が欲しい理由を教えてくれないか。

why以下が、reasonを修飾する形容詞節です。Reason whyはセットで使われることが多いので、ひとかたまりで覚えてしまいましょう。また、whyは省略されることがあります。

形容詞節は、関係代名詞や関係副詞が使われることが比較的多いです。パターン化されているものもあるので、覚えやすいでしょう。

まとめ

句と節は、最初はややこしく、煩わしく感じるかもしれません。しかし、一度見分け方を身に付けてしまえば、長い文章を分解するときに大きな武器になります。

長い文章を読むときに主語と動詞が分からない、文章の切れ目が分からない、長すぎて意味が入ってこない、という悩みを抱えている人は、ぜひ句と節についてしっかり学習してみましょう。読みやすさが大きく変わるはずです。

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