「plate」と「dish」はいずれも重要な基本単語です。海外のテレビドラマや映画を見ていても、また、日常会話にもよく登場しますよね。最初に思い浮かぶのは「お皿」。「plate」と「dish」には、両方とも「皿」や「食器」といった意味があります。
しかし実は「plate」と「dish」では、意味やニュアンスがだいぶ異なるのです。
例えば、同じ「お皿」でも「plate」は一般的に「個人用の取り皿」を指します。一方、「dish」は、イギリス英語では「料理を盛って食卓に置いておく大きな皿」、アメリカ英語では両方を指すのが普通です。
そしてまた大きな違いが、「dish」には「料理」という意味があること。「dish」は「皿」だけではなく「料理」という意味で使われることがたいへん多いです。一方「plate」が「料理」という意味で使われるケースは少ないです。
こうした主要な違い以外にも「plate」と「dish」には意味や使い方が異なる部分があります。
今回はそうした「plate」と「dish」の違いについて、例文を交えて解説したいと思います。また、食べ物を載せるものの仲間である「bowl」についても説明しています。最後まで読んでくださいね。
plateの意味と使い方
まずは「plate」から解説していきましょう。「plate」には名詞としての使い方と動詞としての使い方があります。
名詞で「皿」を表す「plate」
名詞の「plate」の基本的な意味は「取り皿」「底の平らな皿」です。最初に述べましたように「個人用の取り皿」を指すのが一般的です。
取り皿をもう1枚いただけますか。
お皿にあるものを全部食べました。
パンを載せる皿は「bread plate」、スープ皿は「soup plate」、温めておいた取り皿は「warmed serving plate」などと言います。また、「plate」を使って「〜を○皿」という言い方もあり、例えば「パスタ2皿」は「two plates of pasta」などと表現します。
一皿のフライドポテトの値段はわずか1ドルです。
なお、文脈によって「plate」が「一皿分の料理」という意味を表す場合もあります。ですが、「料理」という意味でよく登場するのは「plate」よりも、後で解説する「dish」の方です。
名詞でその他の意味を表す「plate」
名詞の「plate」には、「皿」以外にもいろいろな意味があります。以下に主なものを挙げます。覚えておくと便利ですよ。
・金属・ガラスなどの板、金属板、表示板、看板、表札
彼の名札が机上に置かれていた。
・車のナンバープレート
「plate」には「車のナンバープレート」という意味があります。ちなみにアメリカ英語では「license plate」、イギリス英語では「number plate」といいます。
これがあなたの車のナンバープレートです。
・地球のプレート
地震の話などでよく出てくるのが「地球のプレート」です。例えば、「太平洋プレート」は「the Pacific plate」と表現されます。
太平洋プレートは動いています。
・野球の本塁
野球で、捕手の前にあるベースを「本塁」と言いますが、これを「the home plate」といいます。
彼は本塁でランナーをさした。
・プレパラート
顕微鏡で観察するものを載せるスライドガラスを「プレパラレート」といいますが、これを英語では「plate」といいます。ちなみに「プレパラート」はドイツ語です。
その標本をプレパラートに載せてください。
動詞の「plate」
「plate」を動詞で使う場合「めっきを施す」「覆う」などの意味になります。
その時計の鎖にめっきが施されました。
慣用表現として使われる「plate」
「plate」を使った慣用表現もありますので、いくつか紹介しましょう。
・hand A to B on a plate
「hand A to B on a plate」で「A(物)をB(人)にあっさりと譲り渡す」という意味になります。
彼らは国家機密をあっさりとそのスパイに渡した。
・have a lot on one's plate
「have a lot on one's plate」は「問題が山積している」「多くの悩み事を抱えている」「多くの仕事を抱えている」などのニュアンスになります。
「a lot」は「enough」にも置き換えられ、「have enough on one's plate」と言われることもあります。
私は今やるべきことが山ほどある。
dishの意味と使い方
冒頭で述べたように「dish」は「皿」だけではなく「料理」という意味でも頻繁に使われます。
ですので、どちらの意味で使われているのかに注意しなければなりません。
また、名詞として他の意味もあったり、動詞で使われることもあります。そうした「dish」のさまざまな使い方を紹介しましょう。
名詞で「皿」を表す「dish」
前述のように同じ「お皿」でも、「plate」は一般的に「個人用の取り皿」を指します。
一方、「dish」はイギリス英語では「料理を盛って食卓に置いておく大きな皿」、アメリカ英語では両方を指すのが普通です。
そのバター皿を取って頂けますか?
「the dishes」で「食器類」という意味にもなります。ここでの食器類には、お皿類以外に、食事で使用されたグラス、ナイフ、フォークなど洗う必要がある物も含まれます。
よく使われる表現に、「食器を洗う」の「do the dishes」や「wash the dishes」がありますね。また、「食器を下げる」は「put away the dishes」とも言います。
お皿を洗わないといけない。
「食器用」という意味も「dish」にはあります。
水切りかごの下に置く水切り台は「dish drain」、洗った食器を立てておく水切りかごは「dish drainer」「dish rack」「dish drainer basket」、食器用洗剤は「dish soap」「dish detergent」、食器用の布巾は「dish towel」です。ちなみに食器用の布巾はイギリス英語では「tea towel」と言いますよ。
水切りかごを買わないといけない。
名詞で「料理」を表す「dish」
「dish」には「皿に盛った料理」「一皿分の料理」の意味があります。
もう一皿頼みませんか?
みんながパーティに料理を一皿持ってきます。
主菜を「main dish」、副菜を「side dish」、本日の料理を「dish of the day」、肉料理を「meat dish」などと表現できます。「meat dish」の「meat」の部分を「vegetable(野菜)」「fish(魚)」「pasta(パスタ)」などに変えて、いろいろな種類の料理を表すことができます。
またイタリア料理やフランス料理、日本料理など、どこの国の料理かを示したい場合、「Italian dishes」「French dishes」「Japanese dishes」などと言います。
私は今日イタリア料理を作ります。
名詞でその他の意味を表す「dish」
「dish」には他にも、「皿の形をした物」「へこみ」「くぼみ」という意味もあります。
例えば、パラボラアンテナを「dish」「dish antenna」など、洗面所や浴室、台所などでよく見かける石けん受けを「soap dish」と言ったりします。
その人工衛星は、直径が10メートルのパラボラアンテナを持っています。
動詞の「dish」
動詞として使われる「dish」には、「(料理)を皿に盛る」「(料理)をよそう」といった意味に加え、「(希望や機会など)をくじく」「〜をだめにする」「〜を出し抜く」「〜を皿のような形にする」「〜をへこませる」「〜についてうわさをする」など、多くの意味があります。
お皿に盛りましょう!
また、動詞の「dish」は、以下のようなスラング的な慣用表現で使われることもあります。
dishを使ったスラング表現
「dish」を使ったスラング的な慣用表現もありますので紹介しましょう。
dish A out / dish out A
「dish A out」または「dish out A」には複数の意味があります。まず、「A(料理)を皿に取り分ける」と言いたい場合に使えます。
その時、父はローストターキーを取り分けていた。
「A(物や事)を配る」という意味もあります。
彼はそのお金を分配しなければならなかった。
たっぷりと痛めつけてやろう。
dish it out
「dish it out」で「強く批判する」「こきおろす」という意味です。
彼はいつも他人を強く批判するね?
dish up / dish A up / dish up A
主にイギリス英語でよく見られる表現ですが、「dish up」「dish A up」「dish up A」で「(料理を)皿に盛る」という意味になります。
彼が調理し終わったら、私たちが盛り付けるよ。
また「dish A up」「dish up A」には、「A(情報・話など)を作り上げる」などの意味もあります。
ジョージは、ビンセントに関するうわさ話を作り上げた。
a dish
「a dish」で、性的魅力があるというニュアンスを含む「セクシーな人」「ハンサムな人」「かわいい人」といった意味です。
ただ、相手が不快に受け取る可能性が大きいので使い方には注意が必要です。「こんな意味もあるんだ」という程度に頭に入れておくといいでしょう。
その歌手はとてもセクシーだ!
bowlはどう使う?
最後に、英語では食器類を指すことも多い「bowl」について説明しましょう。
食器類、調理器具のbowl
「bowl」は「料理・食事用のボウル」「どんぶり」「深鉢」のような意味です。
日本語の「ボウル」は料理を作る時に使う調理用のボウルを指すことが多いですが、英語の「bowl」は、料理用のものも指しますし、食事の時に使う食器類も指します。
例えば、サラダボウルは「salad bowl」、スープ皿は「soup bowl」、指を洗うフィンガーボウルは「finger bowl」、カフェオレを飲むカップは「cafe au lait bowl」、ごはん茶碗は「rice bowl」などといいます。調理用のボウルは「bowl」あるいは「mixing bowl」などと呼ばれます。
サラダボウルからルッコラを一枚つまみ取りました。
また、「a bowl of〜」という表現を使って、「スープ1杯」は「a bowl of soup」、「ごはん1杯」は「a bowl of rice」などと言うことができます。
ご飯をどんぶり2杯ください。
その他の意味のbowl
「bowl」には調理器具や食器のほかにも、さまざまな意味があります。「bowl」の基本イメージは「深い入れ物」や「くぼんだところ」です。
例えば、スプーンなどの丸くくぼんだ部分、秤の皿も「bowl」です。金魚鉢は「goldfish bowl」、水洗便所の便器は「toilet bowl」などと表現されるんですよ。
トイレ用ブラシが必要です。
またアメリカ英語では、中央が鉢状にくぼんだ野外円形劇場や円形のフットボール競技場を「bowl」と表現します。
アメリカンフットボールの選抜試合は「bowl game」、 全米プロフットボールの王座決定戦は「Super Bowl」、毎年元日に行われるアメフトの試合は「Rose Bowl」です。「Ball」だと思っていた人、いませんか? 実は私も「Ball」だと思ってました。
ローズ・ボウルのチケットは売り切れです。
以下のような「bowl」を使った慣用表現もあります。
人生は、ボウル一杯のサクランボのような楽しいものだ。
人生いいことばかりではない。
「a bowl of cherries」は直訳すると「ボウル1杯のサクランボ」です。「サクランボ」は「楽しいこと」などを表し、「たくさんの良いこと」という意味になります。
まとめ
いかがでしたか?「plate」も「dish」も「お皿」という意味でよく使われますが、使い方に大きな違いがあることがおわかり頂けたかと思います。
とくに、「dish」は「料理」という意味で使われることが多いので覚えておきましょう。日常会話できっと役に立つと思います。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.