「想定外」という言葉は、難しそうに思えますが、実は「思ってもみなかった」「意図してたのと違った」という意味で、英会話でよく使われる表現です。
ただし、英語で「想定外」と言う時は、場面に応じて様々な表現を使い分ける必要があります。
この記事では、「想定外」を表す様々な単語やフレーズについて例文とともに解説していきます。
想定外を表す英語
このセクションでは、「想定外」を意味する代表的な英語表現について、例文とともに紹介します。
unanticipated / unexpected
「expect」は「期待する、予期する」という意味の単語です。
「anticipate」は少し上級者向けの単語ですが「予測する」という意味の単語です。
つまり、「unanticipated」と「unexpected」は、「予期しなかった」「予想だにしなかった」ようなハプニングなどが起こった時に、「こんなハプニングは想定外だ」という意味で使う単語です。
あのチームが勝つのは誰にとっても想定外 [予想外] だった
想定外の事故が起こった
想定外の副作用にも対応できるよう細心の注意を払っています
想定外の規模の地震が起こった
ニュアンスの違いとしては、「anticipate」の語源は、ラテン語の「anticipate(事前に行動した)」に由来するため、「unanticipated」は「事前に行動しようがなかったこと」という意味合いがあります。
一方「expect」 は、ラテン語の「 ex(外を)」「spect(見る)」が語源で、「先を見通す」という意味合いがあるため、「unexpected」は「予見しえなかったこと」という意味で使います。
unplanned / unscheduled
「事前に立てた計画通りにいかなかった」という意味合いの「想定外」を表す場合は、「unplanned」や「unscheduled」を使うことができます。
今月は想定外の出費が重なった
事故により電車が想定外の [予定外] の停車をした
twist
「twist」は「ツイスト」というカタカナ語で知られる通り、「ねじれ」という意味の英単語です。
しかし、映画の内容などについて話す時には、「ひねりのきいた話」というニュアンスで、「plot twist(どんでん返し)」という意味になります。
最後に想定外のオチが待っていた
想定外を伝えるフレーズ
「想定外」であることを表す時には、単語だけでなく、様々なフレーズも使われます。
That’s surprising
「That’s surprising.」は、何か想定外なことについて、「それは驚きだ」「そんなことは想定外だ」という意味で使います。
新しい消火器は泡を使って火を消すんだよ
そんなことは想定してなかったな [それは驚きだ]
パパが自分の力で家を建てるって言いだしたのよ
それは想定外だね
ちなみに「surprising」のような「動詞+-ing形」は、「主語が驚かせる(ような)」ことを表します。
一方で、「I was surprised.(私は驚いた)」のように「surprised」と受動態を使うと、「主語が驚いた」ことを表します。混同しないようにしましょう。
beyond one’s expectation
「想像を超える」という意味で、「beyond one's expectation」というフレーズも、「想定外」であることを表すことができます。
彼の身体能力があれほどとは想定外だった
その公演は想定外の成功を収めた [予想をはるかに超えて盛況だった]
このように、「beyond one’s expectation」というフレーズは、ポジティブな意味で「期待以上だった」ことを示す場合が多いです。
I never thought 〜
シンプルに「I never thought〜(〜とは思わなかった)」と言っても、「〜とは想定外だった」という意味になります。
あの優しい人が犯罪をおかすなんて想定外だった [思わなかった]
ちなみに、that節の中では、「時制の一致」で「will」が「would」になっていることに注意しましょう。
a big / total surprise
「a big surprise」や「a total surprise」というフレーズも、「想定外」であることを表すことができます。
「total」は「総数」という意味でよく知られる単語ですが、「まったくの」という意味があるため、「まったくの驚き」という意味で「想定外」であることを表すことができます。
新宿駅があれほど混み合っているとは想定外だった
彼女があの美しい金髪を黒く染めてしまうなんて、想定外 [まったくの驚き] だったな
前のセクションの例文にもありましたが、「想定外だった」と過去の話をする場合、想定外だった内容を表すthat節内では、よく「時制の一致」が起こるので注意しましょう。
想定外を表す英語の類語表現
今まで紹介した「想定外」を表す英語表現以外にも、様々な類語表現があります。
unforeseen
「foresee」 は、「fore(前を)」「see(見る)」という意味で、「将来の出来事を予見する」ことを表します。
そのため、否定を表す接頭辞「un-」と過去分詞「foreseen」で、「予見されなかった」ことを表し、転じて「不慮の」「不測の」という意味になります。
それは不慮の事故だった
unpredictable
「predict」は、「過去の経験から予測する」という意味の動詞です。そのため、「unpredictable」は、「経験上予測しえなかったこと」を表します。
何が起こるか予測できない時代ですね
out of the blue
「思いがけなく」「突然に」という意味で、「out of the blue」というフレーズもあります。
これは「out of the clear blue sky」の略で、「予期せぬ雷がいきなり落ちてくる晴天」を表します。日本語にも「青天の霹靂(へきれき)」という言葉がありますよね。
彼の訃報は青天の霹靂だった
想定内を表す英語との比較
「想定外」の対義語として、「想定内」という言葉の英語表現も、おさえておきましょう。
「想定外」を表す言葉として「unexpected」がありましたが、対義語の「expected」や、その名詞形の「expectation」は「想定内」であることを表します。
特に「as」と一緒に使って、「想定した通り」であることを表したり、「within」と一緒に使って「想定の範囲内」であるといったりします。
その川の汚染度合は想定内のものだった。
こんなアクシデントは想定内だから安心して
まとめ
「想定外」を表す英語として最も一般的なのは、「unexpected」でしょう。
「expect」は、「期待する」という意味のイメージがありますが、「先を見る」という語源から、「予期する」という意味合いも強い単語です。
「否定語un+先を見通すこと」という法則性をおさえれば、「unscheduled」「unforseen」といった類語も覚えやすいかと思います。
ただ、これらの表現が少し難しいと感じる初級者は、「surprise」や「never thought」などを使いましょう。
そして上級者は、「out of the blue」などのスラング的表現も合わせて把握しておくとよいでしょう。
◇経歴
東北大学大学院で「日本人の英語習得」について研究、英語で論文執筆・学会発表
◇資格
・TOEIC860点
◇海外渡航経験
ギリス・アメリカ・オーストラリアに留学、フィンランドで学会発表
◇自己紹介
はじめまして。英語学習Webライター・兼・英語学習研究者のなっつるんです。
Webライターという仕事を通して、「日本人の大人がどうやったらラクに英語を覚えられるか」を追求しています。
最近英会話のカンが鈍ってきたと感じ、オンライン英会話のレッスンを受け始めました。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.