rent・lend・borrowの違いとは?正しい使い分けと意味

rent・lend・borrowの違いとは?正しい使い分けと意味

今回の記事ですが、ちょっと紛らわしい「rent・lend・borrow」の違いを取りあげます。

日本語で「マンガを借りたよ」「小銭を貸したんだ」「マンションを借りたい」など日常生活でよく使われる「借りる」や「貸す」に使える英語の表現です。

しかし、どの単語がどの意味なのか、または使い方などあやふやなままの人がいるかもしれません。

そこでこの機会に「rent・lend・borrow」の使い分けをはっきりさせ、それぞれ自信をもって使えるようにしていきましょう!

紛らわしい言葉「rent・lend・borrow」の違いとは?

「借りる?」「貸した?」日本語では問題なく使っている言葉ですが、英語になったときの使い方について頭が整理されていますか?

物でもお金でも貸し借りは個人間でもありますし、賃貸の部屋や車のレンタカーなど企業との契約という形もあります。このように気軽な貸し借りから、契約書を必要とするものまで様々なシーンがあります。

貸し借りは自分や相手がどちらの立場にいるかによって、当然変わってきます。

英語の場合は主語をはっきりと述べるルールがありますが、「借りる」「貸す」の文章の場合、主語が誰なのかによって使う単語を選ぶことになります。

ということは、一瞬紛らわしい言葉であるrent・lend・borrowも、その意味と主語を抑えれば正しい使い分けをできることになります。

それでは、それぞれを詳しく解説していきましょう。

1:borrowの意味と使い方

borrowの意味は「~を借りる」です。使い方には以下、3点のポイントがあります。

1) borrowの後には借りる対象のモノがくる

2) 対象は無料・無償で借りるモノ

3) borrowの主語は借りる人物

ひとつ例文をあげてみます。

Can I borrow an umbrella?

傘を借りてもいい?

友達の家でおしゃべりをした後、帰ろうとしたら雨がひどく降っている、こんなときには急遽友達の傘を借りることがあります。

「1) borrowの後には借りる対象のモノがくる」というルールは、borrowは動詞、それも他動詞であるためです。

他動詞=目的語を必要とする動詞ということでしたから、borrowの後には借りる対象のモノが入ります。この例文で言えば、”an umbrella”が目的語であり、文章が完成します。

借りた傘はたいがいの場合、次に会うときにその友達に返すでしょう。友達に傘を借りるのにお金を払うことはありません(あったら?ですね 笑)。これがborrowの2) 対象は無料で借りるモノ」というルールなのです。

借りるモノの所有者は以下のような形で表すことができます。

borrow(借りるモノ)from 人(モノの所有者)

上の例文は以下のように言うことができます。

Can I borrow an umbrella?

傘を借りてもいい?

 ↓

Can I borrow an umbrella from you?

あなたから傘を借りてもいい?

傘に限らず、今ちょっと必要で自分が持っていないモノなどを人から短期間で借りることがあります。教室で隣の人に消しゴムを借りたり、友達がもっている面白そうな本を借りたりといくらでも生活のなかであることです。

ここで、3つめのポイント「3) borrowの主語は借りる人物」という点を抑える必要があります。文章の主語に関しては冒頭で述べたとおり、単語の使い分けに役立ちます。

例文のCan I borrow an umbrella?では、主語は「I」であり、「傘を借りたい人」となります。

このことから分かるとおり、borrowは”自分が何かを誰かから借りるとき”に使われるポイントを抑えましょう。

さらに言えば、borrowを使って借りるモノは”自分の側”に引き取ることができる場合によるという点も覚えておくと他の単語との使い分けができます。

これら3つのポイントを抑えるため、もっと例文をみてみましょう。

I want to borrow the manga, it seems interesting.

このマンガ借りたいな、面白そう。

I borrowed his T-shirt as mine was soaking wet.

私のTシャツがびしょ濡れだったので彼のを借りた。

Can I borrow your phone? My phone ran out of battery.

スマホを借りてもいいかな?私のがバッテリー切れになっちゃったの。

(剣道道場での会話)

Riku: Oops! I forgot my tenugui.

Nick: You didn’t bring any tenugui?

Riku: No, that’s bad. I can’t practice.

Nick: I have some spare.

Riku: Oh, can I borrow one?

Nick: Sure.

Riku: Thanks so much, I can practice today!

陸:しまった!手ぬぐい忘れた。

ニック:持ってこなかったの?

陸:持ってこなかったよ、まずいな。稽古できないよ。

ニック:何枚かスペアあるよ。

陸:お~1枚借りてもいい?

ニック:もちろん。

陸:助かった!これで今日も稽古できるよ。

2:lendの意味と使い方

次は lendの意味と使い方をみていきましょう。

lendの意味は「~を貸す」と言うことで、 borrowとは正反対の表現となります。 lendの過去形・過去分詞形はlentです。

使い方には以下、3点のポイントがあります。

1) lendも他動詞であり、貸す対象のモノを後にもってくる

2) 対象は無料・無償で貸すモノ

3) lendの主語は貸す人物

貸すモノの所有者を入れた文章は以下のような形で表すことができます。

lend(貸すモノ)to 人(モノを借りる人)

Can I borrow an umbrella?(傘を借りてもいい?)というborrowを使った英文は、借りたい自分が主語でした。

では、lendを使って、貸すほうの友達を主語にした文章を作ってみましょう。なお、貸す側は無料で貸しますが、すぐに戻ってくることを期待しています。

hall I lend my umbrella?

傘、貸そうか?

I lent my umbrella.

傘を貸した。

それではさらに例文をみて、使い方に慣れていきましょう。

I lent my dictionary to her.

彼女に辞書を貸したんだ。

Nick lent Mark £10 in the supermarket.

ニックはスーパーでマークに10ポンド貸した。

The hospital lends wheelchairs to patients.

病院では患者さんに車椅子を貸し出しています。

She lent her coat to her friend as it was raining so hard.

大雨が降っていたので、彼女は友達にコートを貸してあげた。

I won’t lend my books to you because you never return them.

貸してもまったく戻ってこないから、あなたに本は貸さないよ。

3:rentの意味と使い方

次はrentですが、実は「rent・lend・borrow」の単語の使い分けには明確な違いがあります。

rent →有料

borrow・lend →無料

極端に言えば、同じものを貸したり借りたりするのでも、それにコストがかかるかどうかでどちらの単語を選ぶか決めればよいということになります。

有料で貸すものの代表的なものに車や賃貸物件があります。

外国へ旅行して交通の不便な田舎を訪れるときにレンタカーを借りたり、留学や駐在で家やアパートメントを賃貸するようなとき、rentは必須の単語となります。

筆者の住むイングランドでは、レンタカーをするときは「rent a car」ですし、ロンドンで賃貸を探すときは「rent in London」と検索すれば多くの物件がでてきます。

ちなみにrent in Londonのrentは賃貸・家賃といった名詞です。他動詞では賃借(賃貸)する・自動詞で賃借(賃貸)されるという意味になります。

実際の例文で確認していきます。

I’ve rented a car for moving.

引越しのためにレンタカーを借りました。

I want to rent a car to go to the countryside in England.

イギリスの田舎に行くのに車を借りたいなぁ。

I need a car but it is better to rent as I don’t drive often.

車は必要だけどそれほど運転するわけではないので借りる方がいいんです。

It is difficult for us to decide whether to buy or to rent an apartment in Tokyo.

東京でマンションを買うか借りるか決めるのは難しいですね。

Another option for us is to rent a house for the next three months.

私たちにとって、もうひとつの選択肢は今後3ケ月は家を借りることでしょう。

その他、「借りる、貸す」に使える英語表現

他にも「借りる」や「貸す」に使える表現があるので紹介しましょう。

use:

使うという意味のuseは、その場から動かせないものを借りるときに使える単語にもなります。

例えば、ショッピング中にトイレに行きたくなったときに、お店のスタッフにカスタマー用のトイレを使いたいと伝えるときは「Can/May I use a customer toilet?」と聞くことができます。

借りるトイレは動かせないからuseです。この場合、無料で借りるため「Can/May I borrow a customer toilet?」でも問題ありません。

lease:

オフィスのコピー機などがリース契約をしていることがよくあります。これはleaseからきている言葉であり、リース期間の契約をしてコピー機を借りている状態です。

We lease the site from the council.

行政から敷地を借りています。

hire:

hireはrentと同様に、有料で何かを借りる際に使えます。この2つの違いはhireは比較的短期間、rentは比較的長期で借りる点です。

We hired two bicycles in Richmond park.

リッチモンドパークで自転車を2台借りた。

loan:

フォーマルな表現で、日本語でもローンとあるように一定の期間中でお金の貸付・融資をするときに使えます。名詞として使うことも多い単語です。

The bank loaned us £50,000.

銀行は5万ポンドを融資してくれた。

「借りる、貸す」の英語表現まとめ

貸し借りのシーンで使える単語はいろいろあります。

無料で借りるときは「borrow」

無料で貸すときは「lend」

有料のときは「rent」

紛らわしい「rent・lend・borrow」ですが、この違いを抑えることで整理ができます。

頭の体操をするように、家族と友達と貸し借りの機会があればどんどん使ってみてくださいね。