「wonder」の使い方は?一歩先を行く「wonder」の表現

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ネイティブスピーカーの日常英会話ではよく登場するのに、英語学習者が意外と見落としがちな単語のひとつに ”wonder” があります。

”wonderful”(驚異に満ちた、素晴らしい)という形容詞はよく耳にするし知っているけれど、動詞の ”wonder” となると意味も使い方もちょっとわからないという方も多いはず。

今回は ”wonderful” から一歩先行く”wonder” の使い方について詳しく解説していきます。

wonder 使い方

“wonder” の意味をケンブリッジオンライン辞典で確認すると、以下のように記載されています。

to want to know something or to try to understand the reason for something
~だろうかと思う

surprise and admiration
驚き, 驚嘆

引用:Cambridge Dictionary
https://dictionary.cambridge.org/ja/

「~だろうかと思う」というのは、「何かについて知りたがっている、または理由や内容を理解しようとしている」という状態を表しています。「思いを巡らせている」というイメージですね。これが、動詞としての “wonder” の基本的な意味となります。

一方、「驚きや驚嘆」というのは名詞として働くときの意味となります。”wonderful”(驚異に満ちた、素晴らしい)という形容詞の根幹になるのがこちらの意味になりますね。

名詞としての “wonder” は、一般的な他の名詞と同じように使うことができますので使い方に迷うということは少ないはずです。

She walked around in the woods with a sense of wonder.
彼女は驚異の念を抱きながら森の中を歩き回った。

使い方に迷いがちなのは、動詞としての ”wonder” の方です。日本語に1対1対応しているような動詞がないこともあり、「〜だろうかと思う」という意味をぱっと理解しにくい側面があるためかもしれません。

”I think”(〜と思う) や ”I’m not sure”(〜かどうかわからない)といった他の英語表現との使い分けも難しいところですよね。代表的な使い方を確認しながら、動詞としての ”wonder” について徹底解説をしていきましょう。

I wonder~

”I wonder” を使うと、「〜なのかな?」や「〜はどうだろう?」という風に何か疑問に思うことを間接的で遠回しな雰囲気で表現することができます。

直接的に聞くとトゲを感じるような場合でも、柔らかい言い回しにすれば聞きやすくなるというのは日本語でも英語でも共通です。

When is he going to get married?
彼が結婚するのはいつ?
I wonder when he’s going to get married.
彼はいつ結婚するんだろうね?

”I wonder” がついている2つ目の文章の方が1つ目の例文よりも遠回しで間接的な表現になっていますね。ちなみに ”I wonder” を使った文章を和訳すると「〜かな?」と質問をしている疑問形になることが多くあります。

ただ、”I wonder” で始まる文はあくまで「〜かな?と私は思ってるんです」といった平叙文の一種であり、語尾に ”?” がつくことはありませんし、語尾を上げて発音する必要もありませんので気をつけるようにしましょう。

典型的な ”I wonder” 文では、”I wonder” のあとに 「What」「Where」「When」といった疑問詞で始まる文章が続きます。

・I wonder who 〜誰が〜だろう?
・I wonder what 〜何を〜だろう?
・I wonder where 〜どこで〜なんだろう?
・I wonder when 〜いつ〜だろう?
・I wonder why 〜どうして〜なのかな?
・I wonder which XXX 〜どちらのXXXが〜なのかな?
・I wonder how 〜どうやって〜だろう?

”I wonder” が文頭につくことで、疑問詞節が表している内容に「〜かな?」「〜なのだろうか?」といった柔らかいニュアンスが足されていることがわかりますね。

I wonder what to eat for lunch.
お昼に何食べようかな?
I wonder why she was there last night.
彼女はどうして昨日あの場所にいたんだろう?
I wonder when we can go to Spain again.
私達がまたスペインへ行けるのはいつになるのかな。
I wonder who is coming to pick me up at the airport.
誰が空港に迎えに来てくれるんだろう?

I wonder if ~

”I wonder if 〜” は、可能性のある出来事について思いを巡らせたり、遠回しな質問をするときに使われる表現です。

疑問詞(who、 what、howなど)を使わずに表せる内容に対して用います。

たとえば次の例では、”he is allergic to cats”(彼は猫アレルギー)という状況について、「その可能性はあるけど、どうなのかな」と思いを巡らせていますね。

He is allergic to cats.
彼は猫アレルギーです。

I wonder if he is allergic to cats.
彼は猫アレルギーなのかな?

”I wonder if 〜” でよくある間違いとして、仮定法の ”if” と混同して動詞を無条件に過去形や過去完了形にしてしまう、というものがあります。

仮定法は現実にありえないような可能性の低い話をしますので、過去形を使うことで「現実から遠い」というニュアンスを表現しています。

一方 ”I wonder if 〜” 文では、ありうる事態について表現することが一般的です。実現する可能性がある内容は仮定法ではなく平叙文の文法で表現されますので、”if” があるからといってやみくもに過去形を使わないように注意してくださいね。

I wonder if it is going to rain tomorrow.
明日雨が降るのかな?
I wonder if I should call her.
彼女に電話したほうがいいかな?

I was wondering if ~

”I was wondering if 〜” は、日常会話の中で丁寧さも出しつつお願いをしたいときに便利な表現です。知らない人にものを尋ねたり、頼みにくいお願いを知人にする場合などにぴったりです。

意味としては 「〜できますか」と尋ねる”Can you 〜”と同じなのですが、より丁寧で間接的なニュアンスが加わります。

Can you help me?
手伝ってくれる?

I was wondering if you could help me.
手伝っていただくことはできますか?

”I was wondering if” は ”I am” ではなく ”I was” を使い、”if” のあとにも ”could” という ”can” の過去形が用いられています。

動詞の過去形には「心理的に目の前の現実から遠い」というニュアンスがあるので、過去形を使うと「もしできるならば」=「現実にはならないかもしれないけれど」という遠回しで遠慮がちなニュアンスを表現することができるのです。

I was wondering if you could call a taxi for me.
タクシーを1台呼んでもらえますか?
I was wondering if you could drop me off at the station.
駅まで送ってもらえないかなーと思っているんだけど。
I was wondering if I could go to a movie with you tonight.
今日の夜、一緒に映画でも見に行けたらな〜と思ってるんだけどどうかな。
I was wondering if you could tell me how to get to the train station.
駅にどうやっていけばいいか、教えていただけませんか?

No wonder

疑問が解消して腑に落ちたときや、「なるほど!だから〜だったのか」「どうりで〜だったはずだ」と納得した気持ちを表現するのが”No wonder”です。

「思いを巡らせる、疑問に思う」という意味の ”wonder” を ”no” で否定することにより、疑問が晴れてスッキリと納得したという意味になります。

使い方としては、”No wonder” 単体で使って「なるほど」と言うこともできますし、”No wonder” のあとに納得した内容を表す文章を加えることで「なるほど、〜だったのか」というような納得の表現にすることもできます。

A:I've heard Tom's girlfriend is Japanese.
B:No wonder! That's why he can speak Japanese well.

A:トムの彼女は日本人だって聞いたよ。
B:なるほどね!それでトムは日本語が上手いのか。
C:Didn't you eat breakfast?
D:I had no time to eat.
C:Oh, no wonder you're hungry. Let’s buy something to eat.

C:朝ごはん食べなかったの?
D:時間がなかったんだよ。
C:それじゃあお腹が減るわけだわ。何か食べるもの買おう。

Work/do+wonders

”work wonders” または ”do wonders” というイディオムは、「びっくりするくらいよく効く」「効果てきめんである」という意味を表します。

This medicine works wonders for headaches.
この薬は頭痛によく効きます。

このイディオムでの ”work” と ”do” は「〜をもたらす」や「〜を生む」という意味の他動詞として働いています。”wonders” は、先述のとおり「驚異」を意味する名詞です。

名詞の ”wonder” には面白い特徴があって、「不思議」「驚き」といった抽象的な意味の場合は不可算名詞になり、「不思議なもの」「驚くような出来事」といった具体的な個々の事象を意味する場合は可算名詞になります。

”work wonders” または ”do wonders” というイディオムにおいては、”wonders” はいつも複数形になりますので注意してくださいね。

Wonder about

”wonder about 〜” は直訳すると「〜について疑問に思う、思いを巡らせる」という意味になります。

I wonder about his feelings.
彼はどんな気持ちなのかな。
I’m wondering about the meaning of life.
人生の意味について考えているの。

何かについて疑問的な立場から思いを巡らせるという意味から転じて、「〜が怪しいと思う」という意味のイディオムとして使われることもあります。

日本語には「〜はどうかと思う」という懐疑的な言い回しがありますが、それを英語で伝えたいときにもニュアンスが伝わりやすいフレーズです。

I wonder about her sincerity.
彼女が誠実かどうかは怪しいと思う。
I have to wonder about the agent.
そのエージェントが疑わしいと思わざるを得ません。

まとめ

動詞としての ”wonder” は、物腰柔らかにお願いしたり質問したりしたいときに間接的なニュアンスを加えることができるとても便利な言葉であることがおわかりいただけたかとおもいます。

毎日の英会話や英語のレッスンでなんとなく疑問に思っていたり、「なるほど!」と思うようなことがあったら、”wonder” や ”No wonder” の表現を思い出してぜひ使ってみてくださいね!

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