「あなたの会社、お給料どう?」「今度のアルバイト、けっこういい給料なんだよ」などなど、「給料」や「賃金」について話をすることってよくありますよね。では「給料」は、英語では何というのでしょうか?
「給料」の英語表現には、「salary」「pay」「wages」などいろいろあります。ただし、それぞれのニュアンスや使い方が、微妙に異なっていたりします。
例えば、会社で事務職として働いていて毎月定期的に支払われる場合の「給料」と、1日数時間働くアルバイトの「給料」、また、1日だけの仕事に日払いで支払われる「給料」とでは、同じ「給料」でも、英語で表現する時は言葉を適切に使い分けた方がいい場合が少なくありません。
今回はそんな「給料」に関する英語表現やフレーズを紹介したいと思います。
まず「給料」という意味で使われる8つの単語「salary」「wages」「fee」「pay」「money」「income」「commission」「remuneration」のニュアンスや使い方の違いを解説します。加えて、「給料に関する英語表現」として、「給料」に関連する便利なフレーズをたくさん紹介したいと思います。最後までお読み下さいね。
salary
月に1度、月に2度、週に1度など、ある決まったペースで安定的に銀行などに振り込まれて支払われる「給料」を指すのが「salary」です。
主として会社の事務職、専門職や管理職などの人がもらう固定給を指すことが多いです。極端な増減が無く、安定的に支払われるお金、というイメージです。日本語では「給料」以外にも「月給」「俸給」「サラリー」などと訳されますね。ちなみに古代ローマ兵が塩を買うために支払われた銅貨が語源とか。
また日本語で一般的に「会社員」を表す「サラリーマン」は、この「salary」が元となっています。ただし「サラリーマン」は和製英語なので、英語圏では伝わりません。英語で「会社員」と言いたい場合は「office worker」「employee」などがよく使われます。
私の給料はけっこう高い。
彼女は高い給料をもらっている。
「salary」が「高い」場合は「high」、「低い」場合は「low」「small」などで表します。「expensive(高い)」、「cheap(安い)」は普通は使いません。
私の父は1000万円の年収を得ています。
wages
「wage」は、アルバイトや日雇いの労働など、短期の仕事に対する報酬を示す言葉としてよく使われます。
肉体労働中心の仕事に対して支払われる、時給、日給、週給など、時間単位の賃金のイメージです。「賃金」「労賃」「給料」などの日本語に訳され、しばしば「wages」と複数形になります。
私は非常に高い賃金を得ることができるので、現在のアルバイトが大好きです。
そのマネージャーは私たちに高い週給を支払うことを約束しました。
私は時給10ドルを得ています。
すべての作業が終わったら日当をお支払いします。
fee
「fee」は「報酬」「謝礼」「料金」などと訳されます。
弁護士や医師、税理士といった専門家に支払う時などによく使われる言葉です。「報酬」や「謝礼」という意味の場合、しばしば「fees」と複数形で使われます。
料金はこちらに書いてあります。
我々は弁護士費用を支払わなければならない。
「legal fees」は「lawyer's fees」でもいいです。
その医師の往診料の高さに驚いた。
pay
名詞の「pay」は仕事に対して支払われるお金を表す、一般的な語です。
主に会社員の事務職・専門職・管理職が受け取る「salary」、アルバイトや日雇いの労働などの場合に使う「wage」、弁護士や医師、税理士などの専門家に支払う時に使う「fee」などと異なり、どんな場合にも用いることができます。
「給料」「賃金」「支払い」など、いろいろな日本語訳が当てはまります。さまざまなシチュエーションで使える便利な言葉です。
問題は、給料はいいが労働時間が長いということだ。
その大学では献身的に教えたが、給料があまりにも低かった。
同僚は給料が上がったけど、私は上がらなかった。
以上は「給料」「賃金」「支払い」といった名詞の「pay」ですが、「pay」は動詞としても使われます。「支払う」という意味ですね。
私は家事の代金として彼らに1時間10ドル支払いました。
会社は彼に、時給100ドルも払っている。
給料などの話の際、よく聞くのが「be paid」あるいは「get paid」という受動態の言い回しです。これは「給料をもらっている」「賃金をもらっている」といった意味になります。
彼女は高い給料をもらっています。
私の賃金は週払いです。
money
「money」は「お金」という意味ですが、文脈に応じて「収入」「給料」「賃金」という意味で使われることも多いです。
彼は自分の好きなことをして収入を得ています。
給料がいいんだよ!
income
「income」には、「定期的な収入」「所得」などの意味があります。給料などを含んだ、総合的な収入を表す場合が多いです。
彼は高い給料をもらっている。
彼らは収入以上の生活をしている。
commission
「commisssion」は、「歩合」「歩合給」「報酬」といった意味です。固定的な給料というよりも、特定の契約や働きなどに応じて支払われるお金のことを表す場合が多いです。
売り上げの10%の歩合を受け取っています。
彼は歩合制で仕事をしています。
remuneration
「remuneration」は、「報酬」「給料」「俸給」という意味のかたい言葉です。
役員報酬は以下の通りです。
ちなみに日本の人事院には給与局という部署があり、英語では「Remuneration Bureau」と呼ばれています。
給料に関する英語表現
ここまで、「給料」のいろいろな英語表現を解説しました。
次に、「給料日」や「給与明細」「●●手当」といった、「給料」に関連する、さまざまな便利な言い回しを紹介したいと思います。
給料日:payday
「給料日」という意味で一般的に最もよく使われるのが「payday」です。
給料日だからみんなに一杯おごるよ。
給与明細:pay stubなど
「給与明細」に当たる英語は、国や地域によってさまざまです。
例えば、アメリカ圏では、「pay stub」「paycheck stub」、イギリス圏では「payslip」「payment slip」などと言われます。
私の給与明細をください。
ボーナス:bonus
「ボーナス」は英語でも「bonus」です。
ただし、日本の会社では、年に2回など定期的に支給され、ほとんど給料の一部に組み込まれている場合が多いですが、英語圏の「bonus」は、会社が大きな業績を上げた場合に支給されるなど、一時的な特別報酬の意味合いが強いです。なお、「bonus compensation」と言う場合もあります。
彼は特別ボーナスをもらった。
○○手当:allowance
「allowance」は、会社や役所から支給される「手当」や「補助金」などを指します。住宅手当や通勤手当、残業手当など、給料の額面に直接関係してくるものも多いです。
私は通勤手当をもらっています。
「通勤手当」は「commuting allowance」「transport allowance」とも表現されます。
他にもいろいろな「○○手当」
育児手当:childcare allowance
退職手当:retirement allowance
配偶者手当:spouse allowance
残業手当:overtime allowance / allowance for overtime work
「残業手当」は「overtime」「overtime pay」「overtime payment」「overtime wages」などとも言われます。また、これらの「手当」を表すフレーズは、国によって異なることもあります。
その他の、給料に関連する英語表現
日給:daily pay
手取り:take-home pay
最低賃金:minimum wage
賃金水準:wage levels / wage rates
勤労所得:earned income
不労所得:unearned income
昇給:raise / pay raise
基本給:basic pay
控除額:deduction
差引支給額:net pay
安月給:meager salary
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は「給料」に関係する英語表現を、いろいろな角度から例文とともに紹介しました。
一言で「給料」といっても、状況や場面に応じて適切な英語は異なってくることがおわかりいただけたかと思います。
また、給料に関連した用語には生活に密着したものも多いので、ぜひ覚えてくださいね。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.