現在完了形の英文に使われるforとsince、この2つの単語の違いはどこにあるのでしょう?
過去のある点から現在までのことを表す現在完了形は、「for」や「since」を使うことで、どれくらいの期間かを示すことができます。
しかし、日本人の英語学習者の中には、それぞれの単語の使い分けを迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?「for」と「since」を混同して使ってしまうと、不自然な響きになってしまいます。sinceとforの違いについて整理できていない方も少なくないでしょう。
そこで今回の記事は、現在完了形での「for」と「since」の違いや使い方を詳しく解説したいと思います。例文もあわせて載せているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください!
現在完了形のforとsinceの違い
さっそく、forとsinceの違いを分かりやすく解説しましょう。
現在完了形で期間を表すための「for」と「since」。2つの違いは、「期間の長さ」か「過去のどの地点から」かの違いです。このことから、前者が線であれば、後者は点(時点であり、時の流れの上にある一点)というイメージで捉えると良いでしょう。
まずは簡単に現在完了形のおさらいです。中学英語で学ぶ現在完了形は「have+過去分詞」を使って、過去のある時点から現在までを表す文法です。
現在完了形のイメージ
過去⇨⇨⇨⇨⇨⇨⇨現在
(過去から現在までが連続した状態で繋がっている。)
上記のイメージで言うと、「for」と「since」の役割は以下の通りです。
・過去から現在までの「⇨」の長さを表すのが「for」
・過去の「⇨」が始まった地点を表すのが「since」
forの使い方としては、例えばI’ve (=I have) been studying English for 2 years.とすれば、英語学習を始めた日から今日まで継続して2年間という期間が経っていることを表します。一方、現在完了Sinceの分かりやすい使い方に”Since 1891”という、企業やブランドのホームページなどでよく見る表現があるでしょう。1891年以来(創立)という意味で、Burberry(バーバリー)の創業は1891年に起こったという、その時点(年)をさしています。この時点とは、継続が始まった時点ですね。
fortとsinceの違いが明確になったところで、次ではそれぞれ使い方を詳しく見ていきましょう。
forの場合
現在完了形と一緒に使われる「for」は、過去のある地点から現在までの「期間の長さ」を表す役割をします。繰り返しになりますが、期間の長さとは継続している状態を言います。
過去⇨⇨⇨⇨⇨⇨⇨現在
「⇨」の長さを表すのが「for」
例えば、以下のような現在完了形の文章があったとします。
I have been learning English.
私はずっと英語を学んでいます。
上の文章を見たときに、「どれくらいの期間英語を学んでいるのかな?」と聞きたくなりますよね。何ヶ月や何年といった期間を表したいときには、以下のように「for+期間」が使われます。
I have been learning English for 10 years.
10年間ずっと英語を学び続けています。
「for+期間」は年だけでなく、月、日、時間など、期間の長さを表すものであれば基本的に使えます。
I have been in Japan for 10 months.
10ヶ月間日本にいます。
I have been working on this problem for 3 days.
この問題に3日間ずっと取り組んでいます。
I have been playing this game for 8 hours.
8時間ずっとこのゲームをプレイしています。
また、具体的な数字がなくても、「長い期間」を表せるものもあります。
I have been working for the company for years.
私はその会社で何年間も働いています。
for years:何年間も
I haven’t seen him for ages.
私は彼に長い間会っていません。
for ages:長い間
I have been living in France for a long time.
フランスには長い間ずっと住んでいます。
for a long time:長い間
I have wanted to go there for so long.
長年ずっとそこに行きたかったんです。
for so long:長年に渡って、ずっと
なお、「for」は前置詞なので、基本的には名詞が続きます。次に見ていく「since」とは異なり、「主語+動詞」が続くことはないのでこの点も注意しましょう。
sinceの場合
現在完了形で使う「since」は、「過去の点」と「現在の点」を線で結んだ場合の、「過去の点」に当たる部分を表します。sinceとforの違いで説明したとおり、sinceは継続の始まった時点のみを表します。
過去⇨⇨⇨⇨⇨⇨⇨現在
● ●
↑
この時点を表すのが「since」
例えば、以下のような現在完了形の文章があったとします。
I have been in Japan.
日本にずっといます。
上の文章を見たときに、「いつから日本にずっといるのかな?」と聞きたくなりますよね。「since」はそんな過去の地点を意味し、以下のように過去時制を指す単語・文章と一緒に使います。
I have been in Japan since 2020.
2020年から日本にずっといます。
「for」が過去から現在までの期間の長さを表すのに対し、「since」は過去の始まった地点を表すのが、2つの単語の持つ大きな違いです。
I have been in Japan since 2020.
→2020年が始まりの地点
I have been in Japan for 2 years.
→2年間という期間
また、以下の3つの品詞として使えます。
・前置詞
・接続詞
・副詞
それぞれの使い方を見ていきましょう。
前置詞の「since」
前置詞の後には、過去の地点を表す名詞が続きます。「for」のように期間を表すわけではないので、注意しましょう。
I have been living in Japan since 2013.
私は2013年からずっと日本に住んでいます。
I have known him since childhood.
私は彼のことを子どものときから知っています。
I have been sick since the day before yesterday.
私はおとといからずっと病気です。
また「from 〜」にもとても似ていますが、「from」は継続しているニュアンスを含まないため、基本的に現在完了形には使わないことも覚えておきましょう。
接続詞の「since」
接続詞の後には、「主語+動詞」が続きます。
I have been playing guitar since I was 13 years old.
13歳のときからずっとギターを弾いています。
I have been working from home since the pandemic hit.
パンデミックが起きて以来、ずっと自宅で働いています。
We have been friends since we were children.
私たちは子どものときから友達です。
「when+主語+過去形の動詞」に似ていますが、「when」は継続しているニュアンスを含まないため、基本的に現在完了形には使わないことも覚えておきましょう。
副詞の「since」
「since」は副詞として、「それ以来」の意味でも使えます。
副詞として使う場合は、過去時制の文章がないと、「いつ以来?」となってしまうので注意が必要です。
I changed my job last year. My life has been fulfilled since.
私は昨年、仕事を変えました。それ以来人生が満たされています。
We broke up 10 years ago. I haven’t talked to her ever since.
私たちは10年前に別れました。それ以来ずっと話していません。
She won her first award in 2015 and has since won 3 more awards.
彼女は2015年に最初の賞を獲って以来、さらに3つの賞を獲得しています。
「since」と「ever since」の違いとしては、「since」が「それ以来」なのに対し、「ever since」は「それ以来ずっと」といったニュアンスの差です。
また「since」は文末だけでなく、「She has since won 3 more awards.」のように、動詞の直前に置けることも覚えておきましょう。
接続詞「〜なので」としてのsince
「since」は現在完了形だけでなく、「〜なので」の意味で接続詞としても使えます。このsinceの使い方を覚えると英会話に役立ちます。
まずは以下の例文を見てみましょう。
Since I worked hard today, I feel like eating ramen.
今日は一生懸命働いたので、ラーメンを食べたい気分です。
Since I got a new smartphone, I’m going to sell my previous one on Mercari.
新しいスマホをゲットしたので、前のスマホはメルカリで売る予定です。
Since I’m getting fatter, I decided to go on a diet.
太ってきているので、ダイエットを始めることを決めました。
接続詞として2つの文章を繋ぎ、「since」が付いている側は理由を表していることがわかります。
なお、「〜以来」の意味での「since」との見分けは、現在完了形が使われているかや文脈から判断します。
「〜なので」と「〜以来」はどちらも、逆の方で訳すと意味が通じないことが多いので、文章全体の意味を正確に理解することを意識しましょう。
さて、ここで勘の良い方なら、以下のような疑問が湧くのではないでしょうか。
Q. 理由を表す接続詞「because」との違いとは?
「since」と「because」は、どちらも理由を表す接続詞で、使い方はかなり似ています。2つの違いは、理由を強調しているか否かです。
例えば、以下2つの文章を見比べてみましょう。
①We should speak English more since we are in the US.
②We should speak English more because we are in the US.
アメリカにいるんだから、私たちはもっと英語を話したほうが良いですよね。
「since」を使った①に比べて、「because」のある②のほうが、「アメリカにいるんだから!!」という部分が強調されているように聞こえます。
とはいえ、どちらも似たような使い方ができるので、難しく考えすぎずに感覚的に使い分けていきましょう。
forとsinceの違い まとめ
最後に、本記事のまとめです。
for:継続している期間の「長さ」を表す
since:過去の地点を表す
「for」と「since」の違いは学べましたか?
今回解説したように、forとsinceの2つには実は明確な違いがあるので、しっかり意識して使い分けられるようにしていきましょう。
1人で練習するのが難しい方は、オンライン英会話「ネイティブキャンプ」の活用もおすすめ。しっかり文法を学べるオリジナル教材を使って、講師と英語を話しながら「for」と「since」の使い分けを練習してみてください!

◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.