英語学習をする際には多少なりとも暗記が必要ですが、単語力を上げる以外にも丸暗記は効果的なのでしょうか。
また、丸暗記をするメリットとデメリット、丸暗記を効果的に行うためにはどのように勉強すればいいのかについてもご紹介していきます。
英語学習における丸暗記のメリット
まずは、英語学習において丸暗記をするメリットを見ていきましょう。
自分が英語を勉強する目的を思い出し、その目的を達成するために丸暗記はメリットとなるのかを見極めてください。
定期テストなら文法力がなくても点数が取れる
英語の丸暗記は、学生の定期テストなら効果があります。
例えば、教科書に出てくる文章を丸々暗記した場合、出題される問題に対応できる可能性は十分あります。
学校の偏差値やテストを作る先生の性格によっては初見の文章題が出てくることもありますが、基本的にはテスト範囲に教科書やワークを指定するので、その範囲を丸暗記しておけば一定の点数は取れるはずです。
英語は文法が難しくなってくるとそのルールを覚えるのに一苦労しますが、理解できないことに挫折してしまいそうになるなら、丸暗記してしまった方が点が取れて成績がアップします。文法力がなくても点数が取れるのですから、付け焼き刃的ではありますが、時間がない時にとりあえず暗記をすることでテスト対策ができます。
テスト範囲の文章を丸暗記することで、新出単語や文法も丸っと頭に入れてしまうので、それがどんな意味なのか日本語訳を確認しておけば全体的な英語のテストのカバーが可能です。丸暗記をするなら、最低限その英文がどんな意味になるのかは覚えておきましょう。
例文が頭に入れば似た言い回しに対応できる
例文を丸暗記した場合、文法は理解できていないことになるかもしれませんが、そうであっても似た言い回しに対応できることもあります。
複雑な文法を例文で覚えた場合、名詞さえ変えれば新たな文として使えます。英作文などで、自分の言いたいことを表現する際に、丸暗記した文章を使えば完璧で新しい文章ができるでしょう。
この処理が早くなってくると、オンライン英会話スクールなどでパッと口に出して言うことも可能になってきます。練習は必要ですが、丸暗記したものがほど良く定着し、スッと出てくるようになれば会話でも役立ちます。
単語は無条件に覚えておいて損がない
英語における丸暗記で損がないのは単語です。
単語はいろいろな覚え方がありますが、どうしても暗記の性質から抜け出せないので全部暗記してデメリットはありません。
イディオムも例外ではないため、単語と熟語はとにかく暗記を頑張って語彙力をどんどん強化していきましょう。
英単語はどれだけ覚えても次々覚えなければならないものが出てきます。たとえ単語帳を1冊やり終えたとしても、また別のジャンルに特化した単語帳があればそこでは知らない単語ばかりを目にします。
TOEICではより日常に根付いた表現やビジネス表現にまつわる単語が多いですが、それに反して英検はアカデミックなので大学などでも使える単語を中心に覚えた方が効率的です。このように、英語の試験によっても覚えるべき単語は違い、その数は数え切れません。
ネイティブスピーカーが使う独特の表現を覚えられる
私たちが英語の文法を正しく理解し、使おうとしても、ネイティブスピーカーが使う言葉はその文法のルールを無視していることがあります。
スラングならなおさらです。英語は中1の時に主語と動詞から文章ができているとならったのに、主語がないなど根本となるルールも破られることがあります。
こういった時に丸暗記をすれば、ルールに縛られて頭が混乱しないうちに使えるようになるでしょう。
独特の表現はその文法を理解しようと思っても難しいことがありますし、追求し始めたら英語という言語と作った始祖に行きつかないとダメなこともあります。ここまで来ると言語学を学ぶしかなくなるので、都合の悪いところはサクッと丸暗記で良いこともあります。
わからない部分ができない
丸暗記のメリットは、ただ覚えるだけでいいのでわからない部分ができないことです。
英語の場合、文法は特に理解に苦しむと誰かに解説してもらわなくては解決できません。しかし、丸暗記なら疑問点を無視してただ覚えることに集中すればいいので、途中でつまずくこともなければ自信をなくして挫折することもありません。
わからないところが出てきて、そこをすぐに教えてくれる人がいないとモチベーションは下がってしまいますが、そもそもわからない点が出ない丸暗記なら自分のペースで進められます。
その代わり集中力が必要ですが、隙間時間を利用するなどすれば良いでしょう。
英語学習における丸暗記のデメリット
では、逆に英語学習をする際に丸暗記をすることで起こりうるデメリットには何があるのでしょうか。
英語を学ぶ上で知っておいた方が良いので、ダメだと思うところは丸暗記を避けて通りましょう。
受験やTOEICなどでは太刀打ちできない
丸暗記は定期テストでは役に立つと述べましたが、受験問題やTOEICでは太刀打ちできません。
丸暗記した例文と似た構文が出ればラッキーですが、その文がそっくりそのまま出ることはありませんし、なにしろ覚える量が多すぎるのですべて丸暗記するだけでは点数を伸ばすことは不可能です。
高校受験なら中学3年間、大学受験ならそれに加えて高校3年間の高度な英語を理解していなければ突破できないため、丸暗記だけではいけません。
やはりしっかりと文法ルールを学び、それを読解の中などでも生かしきる応用力が必要です。
例文を覚えても応用できなければ英語力が付かない
例文を暗記して英語に慣れることは悪いことではありませんが、そこから応用力が付かないと本物の使える英語は身につきません。
覚えた例文に入っている構文を利用して別の文章をオリジナルで作ることができなければ、膨大な例文をさらに暗記しなければならないでしょう。それではいつまで経っても英語力は身につきませんし、非効率です。
大切なのは、暗記した文章を応用して言い換えられるほどの英語力を付けること。そうしてからの丸暗記でないと、一夜漬けの定期テスト対策のようになってしまいます。
覚えた文が肯定文なら、それを疑問文にする力、その疑問文に応答する力、否定文を作る力、単語を入れ替えて別の意味の文を作る力はつけておきたいものです。
覚えるのに時間がかかりすぎる
丸暗記は、単純に時間がかかりすぎるというデメリットもあります。
もし、英語の文法を理解できていたなら、暗記する時間は取らずにサッと文を作ることもできるでしょう。
ですから、要領が良い方を取るなら文法を理解した方が良いと言えます。暗記する時間が減りますし、その分別の勉強に充てられるのでさらにスコアが伸びます。
丸暗記は楽に見えて実は非効率な部分もあるため、どこを暗記すべきで、どこを理解すべきなのか分けて考えた方が良いでしょう。英語なら、単語や熟語は当然暗記となりますが、文法事項は暗記よりも理解力優先でいった方が早いはずです。
英語を丸暗記する効果的な方法
次に、英語を丸暗記するのに効果的な方法を単語編・文法編・長文編と3つに分けてみていきましょう。
どう暗記するのが効果的なのか意識することで、時短にもなります。
単語編
単語を効果的に暗記したいのであれば、とにかく音を聞いて自分でリピートすることをおすすめします。
音というのは偉大なもので、何度も繰り返し聞いていると脳に残り、単語が出てきたらその音声が脳内で再生されます。
すると、強弱がわかるのでアクセント問題にも対応できるようになります。自分で発音できるものが聞けないわけもないので、自分で発音することも大事です。
もちろん、スペルを覚えるためには腕を動かした方が良いですが、黙って暗記をしている人は多いのであえてリスニングとスピーキングに注目するよう書いてみました。
単語の暗記は文字通り黙って黙々とするものではなく、聞いて発して覚えるべきです。こうすることでリーディングやライティングのみならず、リスニングやスピーキングにも強くなれます。
文法編
文法を効果的に丸暗記したいのであれば、理解した後に暗記する癖を付けましょう。
理解もなしに即暗記を始めるのは危険です。その文が何を示しているのか、どれがどんな品詞で、どういったルールの元成り立っているのかわからなければ暗記の効果も半減してしまう恐れがあるからです。
暗記すべきは、文法上の細かいルールです。後に動名詞しか取らない動詞、あるいは逆に不定詞しか取らない動詞を覚えたり、関係代名詞でthatをとりがちな単語を覚えたりすることは大切です。
ここはガッツリ丸暗記して、それ以外の文法理解はしっかりルールをインプットしてアウトプットまでしてみましょう。
長文編
長文を暗記する時もありますよね。
定期テストでは教科書のどこから問題が出題されるか指示されるので、その範囲を覚えてしまった方が点数は良くなります。
そんな時は、文章の流れをつかむことを最優先にしてください。何も意味がわからずただ暗記するのとは雲泥の差があり、かなり覚えやすくなります。
なぜなら、話の流れがわかれば、1文が終わってもその続きを推測しやすいからです。もし英語を英語のまま理解するのが難しい場合は、まずは日本語訳を見て意味全体を理解してみましょう。それから暗記すればもう少しすんなりと覚えられるはずです。
まとめ
英語の丸暗記におけるメリットとデメリットは、英語を学習する目的が何なのかによって違ってきます。
丸暗記すべきところもあれば、むしろしない方が効果的な場合もあるので、今の自分の目的に合わせて使い分けてみてください。
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.