「見栄を張る」という表現は、日本語でも日常会話で使うことが少なくありません。では、その「見栄を張る」を英語でなんと言うかはわかりますか?
日本語でも日常的に使う言葉は、英語でも使うもの。ですから、この「見栄を張る」という表現も英語で言えるようになっておけると良いですよね。
そこでこの記事では、「見栄を張る」にあたる英語表現をご紹介します。例文つきで解説もするので、こちらを参考に使い方もマスターしてくださいね。
「見栄を張る」は英語でなんと言う?
「見栄を張る」を英語でなんと言うかを考える前に、まずは日本語の「見栄を張る」がどういう意味なのかを考えてみましょう。
いくつかの国語辞典を参考にした結果、「見栄を張る」という日本語は『うわべを飾る』『外観を取り繕う』という意味のようです。
英語に「見栄を張る」に完全にイコールになるような表現がないため、英語で「見栄を張る」と言いたい時には、『うわべを飾る』『外観を取り繕う』という意味に着目して、どの表現が一番自分が表したいニュアンスにぴったりなのかを考える必要があります。
「見栄を張る」にあたる英語表現
「見栄を張る」という言葉に近い主な英語表現は下記の3つです。
•put up a front/ put on a front
•keep up with the Joneses
「to show off」は日本語の「見栄を張る」という言葉に、自慢するようなニュアンスもプラスされた言葉です。「見栄を張る」を和英辞典で調べると一番良く出てくる言葉でもあります。
「put up a front/ put on a front」は、体面を取り繕う・世間体を気にして見栄を張るというようなニュアンスです。「put up a good front/ put on a good front」と言うこともありますが、どれを使っても構いません。
「keep up with the Joneses」は上記の2つとは使い所が異なります。この表現は、自分の友人や近所の人たちと生活レベルなどを合わせるために、ちょっと無理をして同じ価格帯のものを持ったり、同じことをしたりすることを言います。
たとえば、友人や近所の人たちが金持ちで、高級品ばかりを持っているとしましょう。
そんな時に、自分も世間体を取り繕うため、相手・周囲から仲間はずれにされないために、無理をして(見栄を張って)同じようなものを持つような場合に、この「keep up with the Joneses」という表現が使えます。
限定的な使い方ではありますが、日常会話レベルで使われる言葉なので、覚えておくと良いでしょう。
他にも「見栄を張る」という意味として使える英語表現はありますが、とりあえずこれだけ覚えておけば日常会話の範囲では困らないはず。まずは良く使われていて、使いやすい「to show off」から使いこなせるように練習してみてくださいね。
「見栄を張る」「見栄っ張り」にあたる英語表現を使った例文フレーズ
ではここからは、上記でご紹介した表現を使った例文フレーズをみていきましょう。
Show off
B: Yeah, I have. He bought that car to show off. He’s been showing that to everyone!
A: ジョンの新しい車を見た?高価なスポーツカーだよ。
B: うん、見たよ。彼は見栄を張るためにあの車を買ったんだ。みんなに見せびらかしてるんだよ。
こちらの文章を見れば、「show off」という表現が、「見栄を張る+自慢する」という意味であることがわかるでしょう。
「show off」を使う場合、周囲の人たちがその人物の行動に対して、げんなりしているようなニュアンスも加わります。
「見栄を張る」を辞書で引くとよく出てくる「show off」ですが、厳密には日本語の「見栄を張る」とはイコールにできません。なぜなら、上記の例文で言うとジョンは高価なスポーツカーを買う能力があり、無理をしてスポーツカーを購入したわけではないかもしれないからです。
B: Just ignore it. We already know about her show-off attitude. It’s a waste of your time to get annoyed.
A:彼女は本当に見栄っ張り(自慢しい)だわ!また新しいバッグを買ったってみんなに言ってるよ。
B: 無視しなよ。彼女の見栄っ張りなところはもうわかっているんだから。イライラするのは時間の無駄だよ。
こちらは「show off」の名詞形を使った例文です。「show-off」とすると、名詞になり「見栄っ張り」「自慢屋」というような意味になります。こちらも一緒に覚えておくと良いでしょう。
Put up a front/ put on a front
実は上記の「show off」よりも日本語の「見栄を張る」に近いこちらの表現。
B: That’s actually a cute way of putting up a front.
A:マリアがジェットコースターが好きだと言っていたけど、それは見栄を張ってるだけだと思うの。遊園地に行く時、彼女はいつもジェットコースターに乗らないから。
B:そりゃかわいい見栄の張り方だね。
「put up/on a front」には、「見栄を張る」のほか「建前」のようなニュアンスもあります。そもそも見栄を張っている時には、どこかに建前や体裁があるので、こちらの表現は「見栄を張る」にぴったりなのです。
ここでは、マリアは本当はジェットコースターが怖いと思っていそうなのに、「好きだよ」「乗れるよ」と見栄を張っているようですね。
上記の例文中の「put up a front」は、「put up a good front」「put on a front」「put on a good front」などにそのまま言い換えることができます。
Keep up with the Joneses
最後のこちらの表現は、周囲に釣り合うように見栄を張るという限定的な場面で使う表現です。
B: Yes. He’s been buying too much stuff lately. Seems like he’s trying so hard to keep up with the Joneses.
A: Yeah, I know. He shouldn’t be around that rich guys. They aren’t even nice to him.
A:ジョンが借金で苦しんでいるのを知ってる?
B: うん。最近、彼は物を買いすぎてるからね。周囲に合わせようと必死に見栄を張ってるみたいだよ。
A:うん、知ってる。彼はあの金持ちたちと一緒にいるべきじゃないよ。彼らはジョンに優しくないもの。
これは、ジョンが金持ちの人たちとつるんでいて、その人たちに合わせるために見栄を張って色々買っているというシチュエーションです。
ここでは、ジョンがつるんでいる金持ちたちは、ジョンに対して良い態度ではなさそうですが、「keep up with the Joneses」を使う場合、必ずしもその人物の周囲の人たちが意地悪とは限りません。単にその人物自身が気にしすぎている可能性もあります。
周囲の人たちがどんな性格であるかにかかわらず、それと合わせようと無理をして見栄を張っている時に使う表現ですが、限定的とは言え、なかなか使えそうな表現ですね。
まとめ
今回は「見栄を張る」という言葉にあたる英語表現を3種類に絞ってご紹介しました。それぞれニュアンスや使える状況に特徴があるため、使い分けしやすいのではないでしょうか。
もしも自分で実際に使って練習したい場合は、ぜひネイティブキャンプのオンライン英会話講師たちと練習してみてくださいね。
◇経歴
英日翻訳・校正、英会話講師など
イギリスの現地企業にて就業経験あり
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇海外渡航経験
イギリス5年弱、グアテマラ6ヶ月、合計49ヶ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で活動するWebライター兼翻訳者です。これまで手がけた記事は数千件以上。翻訳経験は通算5年位になります。コロナ禍前は世界中を旅をしながら仕事をするノマドワーカーをしておりました。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.