皆さんは英語の「kick」というと何を思い浮かべますか? まずは「蹴る」や「キックする」が思いつくのではないでしょうか。
しかし、「kick」にはほかにもさまざまな音源意味があり、また「kick」を使った熟語表現もたくさんあります。辞書を見ると、「蹴る」などの意味や音源からは想像できないものも少なくありません。
今回はそんな「kick」を使った役に立つフレーズを、「『kick』を使った便利な表現11選」と「『kick』を使ったカジュアルな表現」の2部構成でご紹介していきます。
「kick」を使った便利な表現11選
1. kick around:怠惰に過ごす、粗末に扱う、ほか
「kick around」には「何もしないでブラブラする」「怠惰に過ごす」、「(地域や職を)転々とする」「粗末に扱う」などの意味があります。
卒業してから6年が過ぎました。しかし彼らはいまだに定職に就かずにいます。
その会社の社長は自社の従業員を粗末に扱った。
2. kick around the idea of:〜というアイデアについて検討する
前述のように「kick around」には、いろいろ意味がありますが、「idea」という言葉と組み合わせて「kick around the idea of」で「〜というアイデアについて検討する」という意味になります。ビジネスシーンでも使えます。
さて、そのアイデアについて話し合いましょう。
私は新しいコンピュータを買うことについて考えています。
3. kick it:始める、リラックスする
「kick it」にも複数の意味がありますが、ここでは「始める」「取りかかる」と、「リラックスする」「くつろぐ」という意味で使う場合をご紹介します。
さあ始めよう!
今日はリラックスしない?
また、誰かと時間を過ごしたり、遊んだりする「hang out」や「spend time with someone」の意味で「kick it」を使うこともあります。主に10代、20代の若者が使う言い方だとされています。
今日、遊ぼうよ!
昨日ナンシーと遊びました。
4. kick against:〜に抗議する
「kick against」は、「〜に抗議する」「〜に抵抗する」という意味です。主にイギリス英語圏で使われる傾向にあります。
彼らは権威に抵抗した。
長いものにはまかれろ。
5. kick back:リラックスして楽しむ
日本語の「キックバックする」は料金の一部などを支払い者に戻すことを言います。
英語の「kick back」にもその意味がありますが、そのほかにも「もたれて休む」「リラックスする」「休憩する」などの意味があります。
明日は久々の休日です。なのでのんびりと、一日中ビデオゲームをして過ごすことにしました。
やあ、いらっしゃい! 会えて嬉しいわ! 座って、ビールを飲んでしばらくリラックスしていて! すぐ戻るわ。
6. get a kick out of:〜を大いに楽しむ
「get a kick out of」には「〜を大いに楽しむ」という意味に加え、「〜から快感を得る」「〜に非常に興奮する」「無上の喜びを感じる」「〜に大喜びする」「〜を面白がる」などの意味があります。
彼女はいつも自分の人生を大いに楽しんでいる。
私のイヌたちのおかしな行動を見ると笑ってしまいます。
7. kick off:始まる
「kick off」は、「始まる」「始める」「開始する」「火蓋を切る」などの意味になります。
試合やイベント、仕事、会議などが始まる時などに使われます。日本語でも「キックオフ」を使って「キックオフ・パーティ」などと言いますね。
新年おめでとう、皆さん。今日は仕事始めです。はり切っていきましょう!
ホリデーショッピングのシーズンが始まりました。
8. kick oneself:自分を責める
「kick oneself」は、「後悔する」「悔やむ」「自分を責める」という意味です。
過去を振り返って、バカなことをしてしまったことや好機を逃してしまったことなどを「後悔」するニュアンスが含まれます。「自分自身を蹴っている」というイメージですね。
彼は人前で父親を侮辱したことを後悔しています。
その株を買わなかったことを私は後悔している。
9. kick out:追い出す
「kick out」は、「放り出す」「退学させる」「解雇する」「勘当する」「追い出す」などの意味になります。
彼の浮気がばれました。なので、私は彼を家から追い出しました。
その子は万引で捕まりました。彼は学校を退学させられました。
10. kick up a fuss:不満をぶちまける
「kick up a fuss」は、「不満をぶちまける」「怒りをぶちまける」という意味になります。
彼女は彼が遅刻した時にすごく怒った。
もし私があなたなら、怒るわよ。
11. have (has) a kick to it:何かが少し辛い
「have (has) a kick to it」は、何かの刺激が強いことを表します。
例えば食べ物だと「ピリッとする」「ピリ辛」などの意味になります。「a little spicy」の代わりに使えます。
このカレーはピリ辛です
このスープはピリッとする。
このサバランはアルコールが強い。
※「savarin」とは、リング形の焼き菓子で、洋酒を染み込ませています。
「kick」を使ったカジュアルな表現
ここでは、主に仲のいい友人などとの間で使うカジュアルな「kick」表現をご紹介しましょう。どれもインフォーマルなので、ビジネスの場やオフィシャルな場には不向きです。
kicks:スニーカー
名詞の「kicks」は、「スニーカー」や「靴」の意味になります。「shoes」の代わりに使うことができます。単数形ではなく常に複数形「kicks」で使います。
今日新しいスニーカーを買ったんだ。
いい靴だね!
そのスニーカー、どこで買ったの?
just for kicks:ただ単に楽しいから〜
「just for kicks」は、特にこれといった特別の理由もなく「ただ単に楽しいから〜をする」といった時に使うフレーズです。
日常的な行動のほか、悪事や危険な行為をする時の動機が「ただ単にスリルがあるから」「ただ単に快楽を得たいから」「ただ単に楽しいから」「ただ単に面白いから」などという場合に使ったりします。
「just for kicks」は、主に若者が使うカジュアルなスラング表現です。同じ意味の、より一般的な表現としては「just for fun」があります。
彼らはただ単に楽しいからクラブに行くんです。
なぜ自分が自転車を盗んだのかわからない。思うに、単に面白そうだったから。
kick ass:勝つ
「kick ass」にはいろいろな意味があります。
敵に「勝つ」という意味の他に、暴力で人を「罰する」「負かす」「やっつける」など攻撃的な行動を表します。
また他にも、試験などで「良い成績を収める」といった意味があります。
彼ならその試合に勝てるかもしれない。
オレなら彼らを倒すことができるだろう。
私は数学のテストでいい成績を収めた。
また、「kick」と「ass」を「ハイフン(-)」でつないで「kick-ass」とすると、「カッコいい」「クールな」「すごい」などの意味の形容詞になります。
ワオ!おまえ、すげえな、カッコいいよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、「『kick』を使った便利な表現11選」と「『kick』を使ったカジュアルな表現」の2つに分けて、「kick」に関連するさまざまな英語フレーズや慣用句を例文とともにご紹介しました。映画や海外のテレビドラマでもよく登場する「kick」。「蹴る」「キックする」だけではありません。今回紹介した英語表現をぜひ覚えて、会話などで使ってみてくださいね。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.