「とても○○」あるいは「すごく○○」など、何かを強調したい時によく使うのが「very」です。
「very good」「very fast」のように、「very」は主に形容詞や副詞の前に置きます。「とても」「すごく」以外にも、「非常に」「まったく」「まさに」「本当に」「極めて」、あるいはもっとくだけて「めっちゃ」「チョー」などといった日本語に訳すことができます。いずれも、何かの程度が大きいことを示す表現ですね。
しかし、いつもいつもこの「very」ばかりを使っていると、会話や文章が単調になってしまいます。実は「very」以外にも、「とても」「すごく」などの意味を表す言葉はたくさんあります。今回はそうした、「とても」「すごく」などの意味を表す「very」以外の言葉をご紹介したいと思います。
ただ一点注意しなければならないのが、「言葉どうしの適切な組み合わせ」です。今回以下に紹介するどの単語も日本語にすると「とても」「すごく」などの意味なのですが、どんな場合にも使えるというわけではないのです。
「この形容詞を強調する場合はこの言葉がいい」「この副詞を強調する場合はこの言葉が適切」など、大まかな決まりのようなものがあります。こうした単語同士でよく使われる組み合わせや、または自然な語のつながりのことを「コロケーション」といいます。
英会話力をつけるには、例文を何度も音読暗唱するのが有効ですが、その際、こうした「コロケーション」を意識しながら音読暗唱してみてください。また、辞書を使って言葉の意味や用法を調べる時も、辞書の例文から「コロケーション」を学び取るように意識していると、英語を運用する力がグンと伸びますのでぜひ実践してみてください。
なお、今回、ご紹介する各単語はほぼすべて「とても」や「すごく」という日本語に訳せますが、各単語独自のニュアンスを少しでも示すために、各単語ごとに少し違う日本語の訳例も付け加えて書いています。
- 「very」の代わりによく使われる「so」「pretty」「extremely」
- 他にもこんなにある「very」と似た意味を持つ言葉39選
- すでに「very」を含んだ意味を持つ形容詞21選
- 「喜」
- 「怒」
- 「哀」
- 「楽」
- その他
- veryの言い換え まとめ
「very」の代わりによく使われる「so」「pretty」「extremely」
「very」と似た意味を持つ言葉の中で、比較的よく使われるのが「so」「pretty」「extremely」です。
so:とても、非常に
とてもの意味であるveryの言い換えのひとつ目はsoです。英語初心者にも馴染みのある単語になります。「very」よりもカジュアルな雰囲気で使われることが多いのが「so」です。実際の会話では、「so」の部分に感情を込めて強めに発話されることが多いようです。例えばvery important(とても大切)をso importantにすることは会話でよくあります。
ありがとう!
私の友達、ナンシーはとても幸せそうだ。
彼ってチョー最高!
pretty:非常に、かなり
次は、とてもという意味の英語prettyです。形容詞の「pretty」は「かわいい」などの意味ですが、副詞の「pretty」は「very」と似た意味になります。pretty fit=very fit(とてもフィットしている)のようなイメージです。
彼はとてもうまくやっている。
extremely:極度に、非常に、極めて
「very」の代わりによく使われますが、extremelyとveryの違いは前者のほうが後者よりもとてもを強く言うときに使うという点になります。very goodよりもextremely goodのほうが断然意味が強くなり、言い換えのフレーズとして使えるようにしたいところです。「extremely」には「very」よりも程度がはなはだしいニュアンスがあります。
また「very」に比べ、論文などの固い文章でもよく使われますので、extremelyはveryに言い換えて論文やビジネスで使える単語としてぜひ覚えましょう。
それは極めて難しかった。
私は本当に一生懸命に働いてきた。
他にもこんなにある「very」と似た意味を持つ言葉39選
「very」と似た意味を持つ英単語は他にもいっぱいあります。ここではアルファベット順に例文とともに一気にveryの類語、類義語をご紹介しましょう。「とても」の英語の言い換えにぜひ活用してください。
ただし、単純に「very」と入れ替えられるわけではないこと、また、冒頭に述べたように、どのような言葉と一緒に組み合わされることが多いか(適切なコロケーション)ということにも注意してください。
A〜D
absolutely:まったく、実に
まったくその通りだ!
abundantly:十分に、とても
彼が正しかったことを私は十分にはっきりさせた。
amazingly:驚くほど
彼女は驚くほど力強い。
completely:完全に、まったく
彼女は全く違ったやり方で説明した。
considerably:かなり、相当
このバクテリアの危険性は人々にとって相当高いです。
critically:非常に
このプレゼンは非常に重要です。
crucially:非常に、極めて重大に
ナンシーの意見は極めて重要な点です。
definitely:確かに、間違いなく
過去においては、それらは間違いなく真実でした。
dramatically:劇的に
結果は劇的に異なるものだった。
E〜H
eminently:きわめて、非常に、とても
この本はとても読みやすい。
enormously:非常に、ものすごく
この車は大変人気があります。
entirely:完全に、まったく
上司は完全に異なる見解を提案していました。
especially:十分に、特に、とても
この課題は特に重要だ。
exceedingly:非常に、たいそう
私は非常に不幸です。
exceptionally:並外れて、非常に
彼の先生は彼の体調について非常に心配している。
excessively:過度に、非常に
空気は過度に乾燥していた。
greatly:大いに、非常に
それはとても複雑な問題だ。
highly:非常に、大いに
これは高度に発達した技術です。
hugely:非常に
そのプレゼンは大成功した。
I〜R
immensely:とても、きわめて、非常に
これは大人気である。
incredibly:信じられないほどに、ものすごく
彼女は超ラッキーだ。
infinitely:非常に、大いに
この雑誌の方が他よりずっといい。
markedly:著しく
彼のプランは私のプランと著しく異なる。
noticeably:著しく、非常に
彼女は非常に痩せてきていた。
notably:著しく
その映画は極めて偏向している。
particularly:特に、とても
そのネックレスはとても人気です。
really:とても、非常に
彼女のネコはものすごく大きい。
remarkably:非常に、著しく
この記事は非常に似ている。
S〜W
seriously:相当に、かなり
彼女は重傷である。
severely:ひどく、著しく、厳しく
厳しい暑さだった。
significantly:著しく、大きく、かなり
あなたの論文は著しく良くなっている。
strongly:強く、強硬に
この作品はゴッホの影響を強く受けている。
substantially:かなり、相当に
高級スーパーで売っているものの値段はかなり高い。
totally:完全に、まったく
彼の考えは私のとはまったく違う。
unbelievably:信じられないほど、驚くほど
その花は信じられないほど美しい。
unusually:並外れて、異常に
今年は異常に暑い夏だった。
vastly:大いに、はるかに、非常に
この会議は非常に重要です。
widely:広く、大きく、ひどく
その曲は若者の間で広く人気になった。
wholly:完全に、すっかり
これらは全く良くない例です。
すでに「very」を含んだ意味を持つ形容詞21選
ここまで、「とても」や「すごく」という意味で使える副詞をご紹介しました。「very」以外にもたくさんあることがおわかりいただけたかと思います。「とても」の英語だけでも使い分けできるようにしていけると英語の会話力に幅がでてきます。相手の英語を理解するためにも役立つでしょう。
さて次にご紹介するのは、すでに「very」の意味が含まれているので、わざわざ「very」をつけなくてもいい形容詞です。
つまりその形容詞の中に「とても」や「すごく」というニュアンスが初めから入っているのです。もし「very」をつけると、ネイティブスピーカーからするとちょっとヘンな響きに聞こえるようです。
ここでは「very」のニュアンスをすでに含んでいる形容詞を「喜」「怒」「哀」「楽」「その他」のシチュエーションに分けてご紹介しましょう。
「喜」
very good = excellent
「とても良い」という「very good」は、「非常に優れた」「すばらしい」という意味の「excellent」一語だけで表せます。ですので、very excellentにはしないということです。他にも「superb」「amazing」「magnificent」などでも表現できます。
彼女の演技は素晴らしかった。
あなたの英語はとても上手だ。
あなたはすばらしい
それはとても壮大でした。
very beautiful = stunning
「とても美しい」という意味の「very beautiful」は、「とても美しい」「とても魅力的な」「すばらしい」という意味の「stunning」でも表せます。
これは絶景だ!
very clever = brilliant
「とても賢い」という意味の「very clever」は、「優秀な」「才能あふれる」などの意味の「brilliant」でも表せます。誰かまたは何かを褒めるときにネイティブがよく使います。
ナンシーは優秀だ。
very neat = immaculate
「とてもきちんとした」という意味の「very neat」は、「まったくきれいな」「チリ一つない」などの意味の「immaculate」でも表せます。
サリーの部屋はきちんと整っている。
「怒」
very bad = terrible
「とても悪い」という意味の「very bad」は、「ひどい」「最悪の」などの意味の「terrible」でも表せます。大事故や自然災害が起こったときにterrible newsのように使います。
この映画は最悪です。
very angry = furious
「とても怒っている」という意味の「very angry」は、「激怒した」「怒り狂った」などの意味の「furious」でも表せます。
彼女は激怒しているようです。
very noisy = boisterous
「とてもうるさい」という意味の「very noisy」は、「騒々しい」などの意味の「boisterous」でも表せます。
昨晩は、風が騒がしくて寝られなかった。
「哀」
very tired = exhausted
「とても疲れた」という意味の「very tired」は、「疲れ果てた」「疲れ切った」「疲弊した」という意味の「exhausted」でも表せます。
私はくたくたに疲れ果てた。
very hungry = starving
「とてもお腹がすいた」という意味の「very hungry」は、「(死にそうなほど)腹がすいている」という意味の「starving」でも表せます。
おなかがぺこぺこだ。
very cold = freezing
「とても寒い」という意味の「very cold」は、「凍るような」「非常に寒い」などの意味の「freezing」でも表せます。
凍えそうに寒い。
very dirty = squalid
「とても汚い」という意味の「very dirty」は、「汚い」「不潔な」などの意味の「squalid」でも表せます。
この家は非常に汚い。
very afraid = terrified
「とても怖い」という意味の「very afraid」は、「怯えている」などの意味の「terrified」でも表せます。
私は先生が怖くてたまらない。
very ugly = hideous
「とても見苦しい」という意味の「very ugly」は、「ひどく醜い」「とてもいやな」などの意味の「hideous」でも表せます。
昨日森の中で、とても醜い怪物を見た。
「楽」
very funny = hilarious
「とてもおかしい」という意味の「very funny」は、「非常におもしろい」「底抜けに愉快な」「抱腹絶倒の」などの意味の「hilarious」でも表せます。外国人と楽しい話題について話すときのためにも、ぜひ覚えたい単語になります。
私の上司は、酒を飲んで冗談を言う時、とてもおもしろいです。
very easy = effortless
「とても簡単」という意味の「very easy」は、「無理のない」「楽な」などの意味の「effortless」でも表せます。
楽勝だった。
その他
very important = crucial
「とても重要」という意味の「very important」は、「きわめて重大な」などの意味の「crucial」でも表せます。
英語の知識はどんな人にとっても重要です。
very quick = rapid
「とても早い」という意味の「very quick」は、「速い」「急速な」などの意味の「rapid」でも表せます。
この新幹線はものすごく高速だ。
very small = tiny
「とても小さい」という意味の「very small」は、「とても小さい」などの意味の「tiny」でも表せます。
彼女はとても小さい赤ちゃんだった。
veryの言い換え まとめ
veryに言い換えできる表現を43選プラスで紹介しましたが、いかがでしたか?「とても」「すごく」「ものすごく」といった意味の副詞には「very」以外にもたくさんあります。それぞれの持つニュアンスを理解して使い分けると、表現の幅がぐっと広がります。
また一方で、「very」の意味がすでに含まれていて、わざわざ「very」をつけない方がいい形容詞もご紹介しました。こういった単語も自分の引き出しに入れておくと、ネイティブスピーカーっぽい表現が可能になります。
今回は練習しやすいように、比較的、短い例文を取り上げました。毎日少しずつ音読して、自分のものにしていってくださいね。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.