海外のドラマや映画を見ていると、「get」を使ったフレーズが頻繁に登場します。
「get」はネイティブスピーカーの日常会話の中に溶け込んでいる言葉。これさえあれば、他の動詞はいらないのではないか、というのは大げさかもしれませんが、そんな風に思ってしまうくらい、「get」にはさまざまな使い方があります。
今回は「get」とこれを使った熟語のうち代表的なものの使い方を紹介しましょう。「get」の使い方を極めればワンランク上の英会話の達人になれますよ。
厳選!「get」の7種の意味と使い方
「get」は「〜を得る」などの意味があり、中学校の早い時期に習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。
でも辞書を見ると使い方がたくさんあり、ちゃんと理解するには時間がかかりそう、なんて思って、あらためてきちんと勉強するのを敬遠している人もいるかもしれません。
「get」は、使いこなせるようになればとっても便利な単語。以下、まずは、たくさんある「get」の使い方の中から厳選して7つの意味・用法を挙げてみたいと思います。
(1)「手に入れる」「買う」「人に与える」
「get」には「手に入れる」という基本イメージがあります。
そのイメージを膨らませて、お店に行って手に入れる、つまり「買う」という意味で使えたり、図書館やレンタルショップに行って手に入れる、つまり「借りる」という意味で使えたりします。他にも、何らかの形で「手に入れる」という意味につながるさまざまな場面で使うことができます。
新しい自転車を買ったよ。
上では「買った」という訳にしていますが、状況によって「もらった」「拾った」「盗んだ」などと解釈できる場合もあります。基本にあるイメージは「手に入れた」です。
彼女にはボーイフレンドができたようです。
すごいアイデアを思いついた!
こんにちは、ご注文は?
銀行からお金を借りるのはどうかしら。
「get+物」だと「(自分が)〜を手に入れる」ですが、「get+人+物」という形になると「(人)に(物)をあげる」「(人)に(物)を買ってあげる」といった、人に何かを「与える」意味になります。
ナンシーは母親に豪華な車を買ってあげた。
(2)「〜を取りに行く」「〜を迎えに行く」
出かけていって何かを取ってくるというイメージです。
(1)とほぼ同じような意味ですが、わかりやすくするために分けました。「go and get」または「come and get」という形で使われることもあります。
何か飲み物を取りに行きますよ。何がいいですか。
私の弟が空港に迎えに行きます。
(1)の最後に書いたのと同様、「get+人+物」という形になると、「(人)のために(物)を取ってきてあげる」といった意味になります。
私があなたのために何か飲み物を取りに行きますよ。
(3)「〜に行く」「〜に到達する」
日本語で「行く」というと英語ではいつも「go」を使ってしまうかもしれませんが、実は「get」を使う方が正しい場合があります。
例えば、駅までの「行き方」「道順」を聞きたい場合、
ここから駅までの行き方を知っていますか。
と言います。これを「how to go to the station」とすると、「どうやって行けばいいのか」、つまり「車か電車かバスか」など交通手段を尋ねるようなニュアンスが強くなってしまいます。
昨日は家に遅く帰った。
これは、家に「到着した」時間が遅かった、という意味です。もしこれが「I went home late」となると、「遅い時間に帰路についた」つまり、家に着いた時間ではなく家に向かって帰り始めた時刻について話していることになります。
病院までどれくらい時間がかかりますか。
いつそこに着いたのですか。
(4)「〜になる」「〜するようになる」
「get」には「〜になる」「〜するようになる」という意味もあります。
まずは「get」の後ろに形容詞や形容詞の働きをする現在分詞・過去分詞が来る場合です。
日毎に寒くなっている。
私は(病気などから)回復しています。
彼らの演技はますます刺激的になっています。
私はその状況に慣れなければならない。
「get」の後ろに名詞が来て「〜になる」という意味の場合もあります。ただし使われる状況はあまり多くないようです。病気などの場合に使われます。これも(1)の「手に入れる」というイメージの延長とも言えます。
私はよくひどい頭痛になる。
後ろに「to 動詞」(不定詞)が来る場合「〜するようになる」という意味です。
彼とは高校時代に知り合いになりました。
彼女と友達になれそうです。
また、何か「うれしいこと」が実現できた場合にも「get to 動詞」を使います。
直にトム・クルーズに会えた!
やっと東京タワーを見ることができた。
(5)「〜を〜の状態にする」「〜を〜してもらう」「〜に〜させる」
「get +(人や物)+ 形容詞」で、「(人や物)を〜の状態にする」という意味です。
あなたは血糖値を下げる必要があります。
彼女はいつもあの先生を怒らせる。
「get +(人や物)+ 過去分詞」で、「(人や物)を〜してもらう」という意味です。
髪を切ってもらいました。(髪を切りました。)
自転車を直してもらいました。
彼女は手相を見てもらいました。
上の例文の場合、最後の「read」は過去分詞なので「レッド」と読みます。
「get +(人)+ to 動詞」で、「(人)に〜させる」という意味です。これはいわゆる「使役動詞」としての使い方です。使役動詞には「make」「let」「have」もありますが、「get +(人)+ to 動詞」の場合、「説得してなんとかやらせる」というニュアンスがあります。「make」「let」「have」の場合は後ろに動詞の原形が来ますが、「get」の場合は後ろの動詞の前に「to」が入るのに注意しましょう。
彼女は息子に宿題をやらせた。
(6)「〜される」(受動態)
「be動詞 + 過去分詞」で「〜される」という意味を表す「受動態」になりますが、「be動詞」ではなく「get」を使い「get + 過去分詞」で「受動態」を作る場合もあります。
彼はクビになった。
騙されないでね。
慣用的な表現になっているものもあります。
さあ、始めましょう。
「be動詞」を使う場合と「get」を使う場合とで意味が変わってくることもあります。意味が変わる場合、「be動詞」は「状態」を表しますが、「get」は「変化」を表します。
私たちは結婚しています。
私たちは結婚します。
「are married」は「結婚している」という「状態」を表し、「get married」は「結婚する」という「変化(もしくは行為)」を表しています。なお、この(6)の受動態は、(4)の中にちょっと出てきた「get + 形容詞の働きをする過去分詞」とほぼ同じと考えても大丈夫です。
(7)「理解する」「了解する」「気づく」「認識する」
「理解する」「了解する」「気づく」「認識する」という意味にもなる「get」。
これも「手に入れる」「自分のものにする」という元々のイメージから連想して考えるとわかりやすいでしょう。
わかりました。/ 了解しました。
わかりましたか。
理解できません。
彼女がなぜ彼のことを好きなのか理解できない。
コントロールパネルで何か黄色いライトが光っていませんか。
「get」を使った便利な熟語表現
「get」は他の言葉と組み合わされて、熟語としても実にさまざまな意味で使われます。
特によく目にしたり聞いたりする、「get」を使った便利な熟語表現を紹介しましょう。
get up:起きる、起床する
「get up」は、「起きる」「起床する」という意味になります。
「Get up!(起きなさい)」と言う場合、「ゲット アップ」ではなく「ゲラップ」という発音になることが多いです。
今、起きたところです。
get in touch with:〜に連絡する
友達と別れる時に「Let’s get in touch with each other.」(連絡を取り合おうね)と言ったりします。
すぐまた連絡するぜ。
また、電話をかけて相手が不在だった時などに、「連絡を取りたい」とメッセージを残す場合などにも使えます。
連絡を取りたがっていたとお伝えいただけますか。
get rid of:〜を取り除く、駆除する
不要な物や気に入らない物などを取り除いたり、処分したりする場合などに使います。
捨てちゃって!
ゴキブリを駆除しようとした。
get close to:~に近づく、~に接近する
「〜に近づく」や「〜に接近する」という意味になります。また「~になれなれしくする」という意味にもなります。
あの壁に近づかないで!
get along (with):(人)と仲良くする
誰かとうまくやっていたり、良い関係にある時に使うのが「get along (with)」です。もちろん否定形にするとその反対の意味になりますよ。
彼とは波長が合わない。
get with:(人)と近づきになる
「誰かとつきあう」などの意味になります。
いつか大統領とお近づきになるつもりである。
また他にもいろいろな意味になる場合があります。例えば以下のような慣用的な表現もあります。
(時代に)遅れるなよ。
「Get with it.」は状況によっては、「急いでやれよ」などの意味にもなります。
さあ、とりかかろう!
get A wrong:Aを誤解する
「~を誤解する」という意味の「get A wrong」ですが、他にも「~を間違える」「~を取り違える」「~を読み違える」などの意味になります。
物事を間違えてしまった。
彼は勘違いをしている。
get a break:幸運をつかむ、休憩を取る
「get a break」は「休憩を取る」以外に、「幸運をつかむ」という意味もあります。
彼は昼食のための休憩を取ります。
彼女は映画業界で幸運をつかみたがっている。
get on top of:~の手に負えなくなる、~に打ち勝つ
「get on top of」にはいろいろな意味があります。
「~の手に負えなくなる」「~に打ち勝つ」の他にも、「~の上に乗る」「~を鎮圧する」「~を支配する」「~を悩ます」などの意味があります。
私は修理のために屋根の上に登る必要がある。
私はできるだけ早く事態を収拾しなければならない。
その他、「get」を使った慣用的な表現
以下、その他の「get」を使った慣用的な表現です。まるごと覚えちゃいましょう。
あなた、抜かりないわね。
これはそのまま訳すと「何ごともあなたの横を素通りできない」となります。相手をほめている感じですが、皮肉を込める場合も少なくありません。
さあ、仕事にとりかかろう。
早く要点を言いなさい。
もう帰らなければなりません。/もう電話を切らなければなりません。
実際の会話では「got to」が「gotta」(ガタ)と短縮されます。またこれらは、「I have to go.」と同じ意味です。
同様の使い方には次のような言い方もあります。
彼女は自分の健康にもっと注意する必要がある。
また、「I’ve got」が「I have(持っている)」の意味で使われることもよくあります。
私は大きな家を所有している。
なお、「get」の過去分詞はアメリカ英語では主に「gotten」が使われますが、上のような「have to(〜しなければならない)」「have(持っている)」の意味で使われる場合は「I’ve got」というように「got」が使われます。
「get」はいろんな場面で役に立つ!
いかがでしたか?「get」が持つさまざまな意味をおわかりいただけましたでしょうか?
何度も音読して、自分のものにしましょう。音読する時は、状況をイメージしながらするといいでしょう。
もちろん、ネイティブキャンプでオンラインレッスンをする時に講師と練習をするのも、早く身につける方法ですよ。ぜひ、実践してみてくださいね。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.