「come」と「go」違いとは?ニュアンスや使い分けのポイント

「come」と「go」違いとは?ニュアンスや使い分けのポイント

突然ですが、友達と待ち合わせしていて、「今、(君のもとに)向かっているよ!」と伝えるとき、皆さんは英語でどのように表現しますか?

この場合”I’m going!”ではなく、”I’m coming!”と表現することが一般的です。なぜ「来る」を意味する「come」を使うのか疑問に思った人も多いのではないでしょうか。

通常「come(動詞)」は「来る」、動詞「go(動詞)」は「行く」と訳されますが、日本語では「行く」と表現するようなシチュエーションで「come」を使ったりするなど「come/go」の意味は厳密には日本語の「来る/行く」とは異なります。

今回の記事では、そんな「come」と「go」のニュアンスや様々な表現を17の例文を用いてわかりやすく解説していきます!「come」「go」は、どのような文章や会話においても必ずと言っていいほど登場する、重要な単語ですので、この機会にマスターしましょう!

「come」と「go」の違いと使い分けのポイント

「go」と「come」の違い

「come」は「何か(基点)に近づく」、「go」は「何かから離れる」というニュアンスをもちます。

例えば誰かと会話をしているときには、相手の方向(基点)に近づいて行くことを「come」、相手から離れて行くことを「go」と表現します。

また、記事の後半で詳述しますが、「come」および「go」は「〜の状態になる」という意味をもち、良い状態(基点)に近づいていくことを「come」、良い状態から離れていくことを「go」で表現します。

ここで、本題からは外れますが、このように「go」と「come」はニュアンスの違いがあるものの、例外があったり、英語話者の中においても慣用的にニュアンスと異なる形で用いられていることもあります。

そのような前提で読み進めていっていただければと思います。それでは、例文を見て理解を深めていきましょう。

「come」使い方

「come」は前述の通り、「何か(基点)に近づく」というニュアンスをもち誰かと会話をしている場合には、「(誰かがその場に)来る」という意味のほか、「(話し手が聞き手のもとに)行くこと」も意味します。

A: Bob, dinner is ready!
ボブ、ご飯ができたわよ!
B: I’m coming!
今行く!

この例文は、夕食の支度を終えた母親が子供を呼ぶシーンです。

母親は”dinner is ready!”と言うことで、子供に「ご飯の支度ができているキッチン」に来るように促しています。

子供は母親がいるキッチンに行くため、”I’m going”ではなく”I’m coming”と表現します。このように「come」という動詞で、話し手が聞き手にの方向に「近づいていく」すなわち「向かっていく」ことを表現します。

A: Why don’t you come over for a cup of coffee?
私の家でコーヒーでもどう?
B: Sounds great ! I’m coming soon!
いいね!すぐいく!

この例文は、友達同士で電話をしていてAとBは離れた場所におり、Aの家に来るようにAがBを誘っているシーンと想定してください。

この会話の中では、AとBは別の場所におり「BがAの家にいく」すなわち「BがAに近づいていく」ことが「come」で表現されています。

「go」の使い方

「go」は前述の通り、「何か(基点)から離れる」というニュアンスをもち、誰かと会話をしている場合には「(聞き手のもとから)立ち去って行く」「(話し手および聞き手がいる場所から)遠い地点へ行く」ことを意味します。

A: What are you doing this weekend?
今週末は何をする予定なの?
B: I’m gonna (going to) go to the new aquarium with my friends.
新しくできた水族館に、友達と行く予定だよ。

友達同士で、学校の帰り道に、週末の予定を話しているシーンと想定してください。AとBが歩いている地点から離れた場所にある水族館に向かっていくことを「go」を使って表現しています。

A: I don’t like you anymore. Go away.
あなたのことはもう嫌い。あっちいってよ!

「あちらへ」を意味する「away」という副詞を伴い、「go away」で「立ち去る」を意味します。この例文では、Aは話している相手に対して自分の元から離れることを「go」で表現しています。

「Go to school」と「Come to school」の違い

「go」と「come」のニュアンスの違いが理解できたところで、少し使い分けが難しい「学校に行く」の表現について見ていきましょう。

Mum, I don’t want to go to school today.
ママ、今日は学校行きたくないや

この例文では、子供は家におり母親がいる家から離れた学校に行くこと、すなわち母親から立ち去る意味を「go」で表現しています。

(学校にて)
How did you come to school today?By bus?
今日は、どうやって登校したの?バスで?

この例文は、学校内で友達に質問していると想定してください。友達が家から自分たちがいる学校までどのように「来たか」すなわち「近づいてきたか」を尋ねていますので「come」を用います。

「go back」と「come back」の違い

「back」という副詞を伴い、「go back」「come back」はいずれも「戻る」を意味しますが、どういう状況で話しているかによって「go back」を使うべきか、「come back」を使うべきかが異なります。

話している相手の元に戻る場合には「come back」話している相手の元から違う場所へ戻る場合には「go back」を用いますので、気をつけましょう。

Don’t wait. I’m not coming back.
待っても無駄よ。戻らないから

自分あてに、別れを告げた恋人からの電話でかかり、恋人に対してこのように告げたと想定してください。話している恋人の元には戻らない、すなわち近づかないことを「I’m not coming back」で表現しています。

(友達が家に帰ろうとして)
Are you going back home now?
もう家に帰っちゃうの?

友達とどこかで一緒に遊んでいるシーンを想定してください。そうした中で、友達が今いる場所から去り家に戻ってしまうことを「go back」で表現しています。

「~の状態になる」を意味する「come」と「go」の使い分け

「come」や「go」は物理的に移動をすることを意味する「行く・来る」以外にも「とある状況・状態になる・変化していく」という意味もあります。

「come」と「go」における、ニュアンスの違いを、例文を通じて理解してきましょう。

come + 形容詞

前述の通り、「come」は「何かに近づく」というニュアンスをもち、「come+形容詞」でポジティブな状態に近づいていくこと・向かっていくことを表現することが多いです。

My dream came true.
私の夢は叶った

「come true」で「(夢や願望などが)実現する」を意味します。

The city center really comes alive at the weekend.
週末になると、都市の中心地は活気が出てくる

「come alive」で「生き生きしてくる、活気づく」を意味します。

このようにtrue や aliveなどの形容詞を伴い、「(ポジティブな状態)になる」を表現することができます。

今回取り上げた表現以外にも、「come across(偶然出会う)」、「come around(意識が回復する)」、「come along(うまくいく)」など様々です。

go + 形容詞

前述の通り、「go」は「何かから離れる」というニュアンスをもち、「go+形容詞」でポジティブな状態から離れていくこと、つまりネガティブな状態になっていくことを表現することが多いです。

Something went wrong.
何かがうまくいかなかった

「go wrong」で「道を誤る、うまくいかない」を意味します。

My telephone lines went dead.
私の電話が繋がらなくなった

「go dead」で「故障する、電話が不通になる」を意味します。

このようにwrongやdeadなど、ネガティブな意味を想起させる形容詞を伴い、「(ネガティブな状態に)なる」を表現することができます。

今回取り上げた表現以外にも、「go bad(腐る)」、「go mad(発狂する)」「go blue(憂鬱になる)」など様々です。

「come」と「go」以外に行くを表現する英語

ここまで、「come」と「go」のニュアンスの違いを解説してきました。正直のところ、使い分けが少し難しいなと感じた人もいたのではないでしょうか?

そういう場合、「come」「go」以外の表現で「来る」「行く」を表現してみてもいいでしょう!今回は、5つの表現をピックアップします。

Will be there

「今向かっている」ことを伝えたいとき、「will be there」を使って表現することもできます。

A: Where are you?
ねえ、今どこにいるの?
B: I’ll be there in a minute.
もう少しで着くよ

このようなシチュエーションにおいて、”I’m coming !”と表現することも可能ですが、ネイティブスピーカーの間では「be there」を使った表現も多いです。

ニュアンスの違いとしては、”I’ll be there”はあと少しで到着する場合に使われることが多いのに対して、”I’m coming”はすぐ到着するかどうかに関わらず使われることがあるでしょう。

on my way

「どこかへ向かっている」ことを伝えたいとき、「on my way」を用いることも可能です。

I’m on my way!
今向かっているところ!/すぐ行く!

「on my way」は直訳すると、「(ある場所)へ向かっている途中である」を意味します。”I’m coming”とほとんど同じ意味ですが、”I’m on my way”は、話している相手から近づいているか、遠ざかっているかに関わらず用いる表現です。

head for

「head for」は頭を向けるニュアンスから連想されるように「〜に向かう」を意味します。「とある地点に物理的に向かう」という意味だけでなく、「とある状況や状態に向かう、進行する」という意味もあります。

The company was heading for bankruptcy.
その会社は破産の道を辿った

この例文については、”The company went bankrupt”と言い換えることも可能です。

be off to

「be off to」は「今いる場所から離れてどこかへ向かう」を意味します。

I’m off to Hokkaido this weekend.
今週、北海道へ行きます

to be bound for

「to be bound for」は「〜に向かっている・〜行きである」を意味します。電車や飛行機などの乗り物の行き先を伝えるときによく使われる表現です。

This train is bound for Haneda Airport.
その列車は羽田空港行きです

「come」と「go」を使い分けて正しいニュアンスを伝えよう

今回の記事では、「come」と「go」のニュアンスの違いや様々な表現をお伝えしました。理解が進みましたでしょうか?

日本語でも、似たような単語のニュアンスの違いを説明することは難しいですし、英語の語彙のニュアンスを100%理解することはなお難しいと思います。

英語学習においては、英文法や英単語の意味を頭の中で理解することも重要ですが、例文のインプットやアウトプットを通じて感覚的に理解することも重要です。

ぜひ、オンライン英会話などのスピーキングの機会の中で、今回の例文を参考に表現してみたり、今回ご紹介した17の例文を何度も音読してみることで、自分のものにしていきましょう!


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