「talk to」と「talk with」の違いとは?前置詞の意味を比較しよう

「talk to」と「talk with」の違いとは?前置詞の意味を比較しよう

前置詞のニュアンスの違いを理解していますか?

英語の勉強って大変ですよね?

外国語なので難しいのは当たり前なのですが、具体的には何が原因なのでしょうか?

日本語にはない’th’といった発音があることや、語順が違うこともそうです。

要するに、「日本語とは違う」から難しいのです。

では、その「違い」が分かれば英語学習が一歩先へ進むと思いませんか?

今回は日本語にはない英語の「前置詞」のうち、特に違いが分かりにくいものについて取り上げました。

「talk to」と「talk with」の違いとは?

·She is talking to her mother.

·She is talking with her mother.

早速ですが、この2つの文の違いはなんでしょうか。「え?分からない……。」と思った方、安心してください。

これから詳しく、でも簡単に分かるように解説していきます。

一緒に見ていきましょう。

意味は「ほぼ」同じ

さて、先ほどの2つの文ですが、本当はほとんど同じ意味です。

日本語訳するとどちらも、

·彼女はお母さんと話している。

ですね。

少し意地悪な質問をしてしまいました。

ただし、

·「talk with」の方がフォーマルだと思う

·「talk with」の方が大事な話をしている気がする

と感じる人もいるようです。

しかし、これはアメリカ、イギリス、オーストラリアなどの国や地域、あるいは年代などによっても変わります。

いずれにしても、ネイティブスピーカーにとっては、『「talk to」の方が普通かなぁ。でも、「talk with」でも通じるから気にしなくていいよ!』ぐらいの感覚だそうです。

厳密には微妙にニュアンスが違う

確かに、「talk to」と「talk with」を使い分ける時には、そこまで気を遣う必要はありません。

しかし、今回のテーマは「前置詞の違いを学ぶ」です。

前置詞の違いを理解することが、英語を理解する近道です。

では、ここでの’to’と’with’にはどんな違いがあるのでしょうか。

誤解を恐れずに言えば、「talk to」の意味は「~に」「話しかける」、「talk with」の意味は「~と」「話し合う」というニュアンスの違いがあります。

そしてこの違いから、「talk with」が少しフォーマルだと思う人もいるようです。

話し合うと言うと、何かを議論しているイメージがありますね。

一方で、

·I need to talk to you.

·話したいことがあるんだ。

と言うと、「私」が「あなたに」話したいことがあるというイメージです。

もう1つ例を見てみましょう。

·Could I talk to you about personal matters?

·個人的な問題なんですが、相談してもいいですか?

’with’にすべき場合と’to’にすべき場合

ここまで「talk to」でも「talk with」でもどちらでもよいと言ってきましたが、実はどちらか一方がふさわしい場合があります。

それは、

·talk (it) over with ~.

·talk back to ~.

·talk to oneself.

の3つの場合です。

例文を見ながら解説していきます。

·You should talk it over with your family.

·君はそれについて家族とよく話し合うべきだね。

「talk (it) over」が「よく話し合う」という意味なので、この場合は「~に対して」の’to’よりも「~と(一緒に)」の’with’を使います。

·Don’t talk back to your teacher.

·先生に口答えしちゃだめ。

「talk back to」で「~に対して口答えする」という意味で、’to’を使います。

·Sorry, was I talking to myself?

·え、ごめん。なんか独り言言ってた?

「talk to oneself」で「独り言を言う」という一つの熟語なので「talk with myself」とは言いません。

1:onとinの違いと使い方

(1)

·I think we got ( ) the wrong bus.

·僕たち違うバスに乗っちゃったみたいだね。

(2)

·Is Taro still ( ) bed?

·Taroはまだ寝てるの?

いきなりですが、( )の中には’in’と’on’のどちらが入るでしょうか?

正解は……

(1)’on’

·I think we got on the wrong bus.

(2)’in’です!

·Is Taro still in bed?

バスの「中」にいるのに’on’

ベッドの「上」に寝ているのに’in’

そう思った方は、ぜひ以下の解説を読んでください!

「時間」の’on’と’in’

’on’と’in’は両方とも「時間」を表すのに使われます。

時間の’on’はカレンダーにシールを貼るイメージです。

·What are you doing on Saturday?

·土曜日、何してるの?

一番分かりやすいのは、誕生日でしょうか。

·My birthday is on 17 July.

·私の誕生日は7月17日です。

7月のカレンダーに誕生日ケーキのシールが貼ってあるところを想像してみてください。

一方、時間の’in’はカレンダーが1枚以上必要な時に使います。

·I moved to the U.S. in the autumn of 2020.

·2020年の秋にアメリカに引っ越しました。

「空間」の’on’と’in’

空間の’on’のイメージはサーフィンをイメージするとよいでしょう。

足をサーフボードにピタッとくっつけているイメージです。

ここで、先ほどの問題(1)の、

·I think we got on the wrong bus.

の場合、バスの中では立っていることもあるので’get on a bus’となります。

これは電車、飛行機の場合も同じです。

ちなみに、降りる時は’on’の反対なので’off’を使います。

·It was raining when we got off the train / the airplane.

·電車 / 飛行機を降りた時、雨が降っていました。

一方で、車やタクシーの中では立つことができないので’get in’という慣用表現を使います。

·Come on, we are late! Get in the car!

·遅れる(遅れている)から、早く車に乗って!

降りる時は、’ get out of’です。

·It was difficult to get out of the taxi because I got injured.

·怪我をしていたので、タクシーから降りるのが難しかった。

※get injured: 怪我をする

これは車やタクシーが椅子の入った箱で、その車輪のついた箱の「中にいる」というイメージです。

もしくは、もしかしたら車やタクシーの場合はドアを自分で開けて入る必要があるので’get on’ではなく、’get in’なのかもしれません。

さて、問題(2)の

·Is Taro still in bed?

ですが、一言で言うと’in bed’には「ベッドで寝ている」という意味があります。

これはきちんと布団をかけてスヤスヤ寝ているというイメージです。

掛け布団と敷き布団に挟まれた間の「中にいる」時は、’in bed’と言い、’the’がつかないことに注意してください。

ただし、仮眠している時や暑くて何もかけないで寝ている時などに、

·Sam is sleeping on the bed.

·Samならベッドで(ベッドの上で何もかけずに)寝てたよ。

と、言うことがあります。

2:toとforの違いと使い方

日本人には違いが分かりにくい前置詞はいくつかありますが、’to’と’for’もその一つではないでしょうか。

‘to’と’for’には主に「行き先」と「相手」を表す場合があります。

行き先の’to’と’for’

突然ですが、

·先週、京都( )行きました。

( )に入るのは「に」でしょうか、「へ」でしょうか。

正解はどちらでもよいです。

しかし、厳密には「に」は「ゴール」を、「へ」は「方向、方角」を表しています。

これは実は英語の’to’と’for’の関係と同じです。

‘to’はゴールを、’for’は方向を示しています。

例えば、

·I went to Kyoto last weekend.

·先週末、京都に行きました。

のように’to Kyoto’と言うと、ゴールが京都でそこに行ったという意味になります。

一方で、

·I set off for Kyoto last weekend, but I couldn’t due to the typhoon.

·先週末、京都に向かったんだけど台風のせいで行けなかったんだよね。

※set off: 出発する、due to: ~が原因で

のように「向かう」という意味の動詞を使う時はほとんどの場合’for’を使います。

·I was heading for the train station. (head for)

·電車の駅に向かってたよ。

電車のアナウンスで、

·This train is bound for Tokyo.

·この電車は東京行きです。

という案内を聞いたことがあるかもしれません。

これは、確かに電車の目的地は東京なのですが、その間に色々な駅に止まりますし、乗客のゴールは名古屋や新横浜かもしれないからです。

相手の’to’と’for’

行き先の’to’と’for’の違いが分かると、相手を示す’to’と’for’の違いも分かりやすくなります。

一言で言うとポイントは、’to’は「~に向けて」、’for’は「~のために」です。

次のような場合を考えてみましょう。

あなたには付き合っているパートナーがいて、誕生日にお祝いのバースデーカードを書こうと思っていました。

しかし、料理を作っている時に指を切ってしまい、字が書けなくなってしまいました。

そこであなたは親友のMakotoに頼んで自分の代わりにバースデーカード書いてもらいました。

これを英語で簡単に表現すると、

·Makoto wrote the birthday card ‘for’ me ‘to’ my partner.

·Makotoは私の「ために」パートナーに「向けて」バースデーカードを書いてくれました。

となります。

前置詞を使い分けて、英語を正しく伝えよう

今回は、日本語にはない「前置詞」のうち、特に違いが分かりにくいものをピックアップして解説しました。

「toとwith」、「onとin」、「toとfor」、これら以外にもたくさんの前置詞があります。

これらは一つの単語でも多くの意味を持っている場合が非常に多くあります。

しかし、その言葉の持つイメージを掴むことができれば、英語のネイティブスピーカーが持つ感覚が分かるようになってきます。

そして、英語もきっとペラペラ話せるようになるはずです!