日常の中で、自分が偏見を持っていることはあまり意識しないかもしれませんね。しかし、たとえば男性なら青色で女性ならピンクといった概念も「偏見」ですし、西洋人なら誰でも英語がうまいなんて思い込みも「偏見」に当たります。
そう考えると、私たちは人や物事について偏見を持っていることが多いでしょう。
外国人と英語で話していると、自分が他の国々のこと、外国人のことに偏見を持っていることに気付かされることもあるかもしれません。そんな時に「偏見」という英語表現を知っておくと、会話の役に立つこともあるはずです。
英語は世界で話されている言葉だからなのか、日本語で会話をする時よりは、英語で会話をする時の方が、「偏見」という言葉が出てくるかもしれません。
そこでこの記事では、「偏見」にあたる英語表現とその使い方について解説していきます。こちらを参考にして、英会話の中で自然と偏見についての話ができるように練習してみてくださいね。
「偏見」にあたる英語表現
「偏見」にあたる英語表現には、下記の2つの英単語があります。
•bias
•prejudice
日常会話の中でよく使われる表現ですから、聞いたことがある人もいるでしょう。どちらも「偏見」という意味で使え、ニュアンスも非常に近いです。
しかし、ほんの少しだけ違いもありますから、どちらも使い所を知っておくといいですね。
「Bias」と「Prejudice」の違い
ほとんど同じ意味の「bias」と「prejudice」。具体的にはどういう違いがあるのでしょうか。
ここからは、この2つの英単語をそれぞれ詳しく解剖してみましょう。
「Bias」の意味と使い方
「Bias」を英和辞典で引くと、下記のような言葉が出てきます。
名詞
「先入観」「偏見」「偏り」「傾向」
動詞
「偏見を持たせる」「偏らせる」
また、Cambridge Dictionaryの英語辞典によると、biasには次のような意味があります。
個人的な意見が判断に影響を与え、特定の人物や物事を不公平に支持したり反対したりする行為。
出典元:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/bias
たとえば「先入観」というのも、事実を知らずに人や物に対して判断を加えている行為なので「偏見」の一種となり、「bias」が使われます。
この「bias」という単語は、日常会話の中で非常によく出てくる言葉で、結構カジュアルに使われる言葉でもあります。
たとえば「勝手な思い込み(=偏見)かもしれないけど、イギリス人男性は紳士だよね」なんて言いたい時には、以下の例文のように言えます。
I might be biased but I think British guys are gentlemen.
勝手な思い込み(=偏見)かもしれないけど、イギリス人男性は紳士だよね
日常会話では「bias」は「偏見」という名詞としてより、この「biased」の形で使われることが多いです。
もちろん、名詞として使われることもあり、例えば以下のような表現はよく聞かれます。
•political bias(政治的偏見・政治的な偏り)
•bias against …(〇〇に対する偏見)
•unconscious bias(無意識の偏見)
Prejudiceとの違い
単語が短いためなのか、考えが偏っている人物に対して「主語+be動詞+biased」という表現がよく使われるためなのか、「prejudice」に比べると「bias」の方がややカジュアルな雰囲気があります。
そのため、友達と会話をしている時などに「それは偏見だよー」と言いたい時には「That’s biased!」と言った方が自然かもしれません。
ただ「That’s prejudice!」と言えないわけではないので、好みで選んでも良いでしょう。
「Bias」は「偏見」という意味ですから、あまりポジティブなニュアンスは持ちませんが、「prejudice」に比べるとやや表現が柔らかい雰囲気があります。
たとえば「外国人だから英語が話せるかと思った」「女の子は甘いものが好きかと思ってた」という程度の、深刻に人を不快にさせるようなものではないニュートラル寄りの軽めの偏見でも「bias」を使えます。
I thought girls always like sweets, but I guess I was biased.
女の子はみんなお菓子が好きだと思ってたけど、偏見だったみたいだね
ただ、ポジティブな使い方はできませんので、そこは注意をしておきましょう。
「Prejudice」の意味と使い方
では次は、「prejudice」も同じように英和辞典や英語辞典で意味をみてみましょう。「Prejudice」は英和辞典では下記のように記載されています。
名詞
「先入観」「偏見」「嫌悪感」「ひがみ」
動詞
「偏見を抱かせる」「先入観を持たせる」
Cambridge Dictionary英語辞典による記述
十分な思考や知識なしに形成された、不公平で不合理な意見や感情
出典元:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/prejudice
英和辞典で見ると「bias」と「prejudice」はほとんど同じ意味ですが、「prejudice」には「ひがみ」や「嫌悪感」といったマイナスのイメージの言葉も出てきています。
また、ケンブリッジの英語辞典の記述を見ても、ややこちらの方がマイナスイメージが強いかもしれません。
ただし、「prejudice」も基本的には「bias」と同じような使い方ができるので、
I might be prejudiced but I think British guys are gentlemen.
と言うこともできます。
ただこの場合は、ニュースキャスターが自分の意見を述べていたり、「イギリス人男性を紳士だと思うのは悪いこと」というような考え方を暗に示唆している雰囲気があります。
また、prejudiceも「political prejudice(政治的偏見)」「unconscious prejudice(無意識の偏見)」といった表現ができますが、どれも「bias」に比べると堅めの印象です。
Biasとの違いまとめ
「Bias」と「Prejudice」の決定的な違いは、「prejudice」の方が文語的、もしくは堅めの表現であるということでしょう。
この2つはほぼ同じ意味で、同じ用法ができますが、日常会話では圧倒的に「bias」の方が使われています。
また、「prejudice」の方がややネガティブな意味が強めなのもポイントです。これは、「prejudice」の方が堅めな表現であり、人種差別やジェンダー差別といったシリアスなトピックについて述べる時には、「prejudice」が使われがちなため、出来たイメージかもしれません。
どちらにしても、「bias」を使うより、この「prejudice」を使った方が、より深刻な偏見をイメージさせます。
社会問題について話す時には「prejudice」、日常会話では「bias」とすると、使い分けがしやすいかもしれませんね。
ただし、社会問題で「bias」を使うと変というわけではありません。カジュアルに社会問題の話をするなら、「bias」でも全く問題ないでしょう。
まとめ
「偏見」という少し重ためのテーマのため、英語でそんな話をすることはないと思っていた人もいるかもしれませんね。
しかし「bias」に限っては、軽めの偏見にもよく使われる表現ですから、使いこなせるようになっておけば、英語で会話をする時に役立つはず。
また「prejudice」の方も、意味だけは知っておくと、英語でニュース記事を読んだり、ニュースを見たりする時に理解しやすくなるでしょう。
どちらの単語も使い方を練習したくなったり、もっと例文がほしくなったら、ぜひネイティブキャンプのレッスンで講師にリクエストしてみてくださいね。

◇経歴
・英日翻訳および翻訳校正
・Webライター(ジャンル:英語・留学・旅行など)
・英会話講師
・カスタマーサポート/コールセンター(イギリスおよび日本・英語使用)
・カフェ店員(イギリス)
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇留学経験
・イギリス:約10ヶ月(ロンドン内語学学校)
・グアテマラ:約3ヶ月(アンティグア内語学学校)
◇海外渡航経験
・イギリス:合計5年弱(内1年10ヶ月ワーホリ)
・グアテマラ:合計9ヶ月
合計50カ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で翻訳者兼Webライターとしてフリーランスをしています。これまで手がけた記事は1万記事以上。翻訳経験は通算7年位になります。
21歳の頃語学留学で渡英し、その後ワーホリビザ等を取得し、数年ロンドンで働いていました。
グアテマラへのスペイン語留学経験もあります。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.