日本の学校ではあまり詳しく習わないけれども、英語ネイティブスピーカーの日常会話では頻繁に登場するフレーズがあります。「hook up」もその一つです。「hook」という言葉から連想されるのは、まず、「フックにかける」や「(服などを)ホックで留める」などという言い方。でも英語での意味はそれだけではありません。
特に、「hook up」とそれから発展したフレーズは、定番的な言い方としてもスラングとしても、ネイティブスピーカーの会話の中によく出てきます。ではいったいどのような使い方があるのでしょうか?
今回は「hook up」およびこれにさらに前置詞などを組み合わせたフレーズの持つさまざまな意味を紹介していきましょう。覚えておくと会話の幅が広がること間違いなしですよ!
- 1:Hook up
- 2:Hook up A to B
- 3:Hook up with (someone)
- 4:Hook A up with B
- 5:Hook up with/for
- 6:Hook someone up with something
- Hook upの定番フレーズまとめ
1:Hook up
まずは「hook up」だけのパターンです。
これだけでもいろいろな意味がありますので、一つずつ例文を交えて下記に挙げていきます。
・hook up(〜をホックで留める)
「hook up」の一般的な意味は「〜をホックで留める」です。「hook up」の後には「〜を」にあたる目的語が続きます。目的語には服などがきます。
このドレスは後ろで留めるタイプなので、1人では着にくいです。すみませんが、ドレスのホックを留めて頂けますか?
上の最初の文は受動態(受け身)になっていますので、「hook up」の目的語は「This dress」です。2つ目の文の「hook up」の目的語は「my dress」です。
・hook up(〜を接続する)
やはり後ろに目的語が来る「hook up」には、機械や機材などを「繋ぐ」「設置する」「接続する」という意味があります。
目的語が普通の名詞の場合は「hook up 〜」というように目的語は「hook up」の後に来ますが、目的語が代名詞(me, you, him, her, it, us, them)の場合は「hook(代名詞)up」という順番になります。
私は新しいプリンターを繋いだ。
何もモニターに映っていません。ケーブルを接続してくれますか?
ケーブルはどこにあるの?すぐに繋がないといけないんだ。
「〜に繋ぐ」という場合は、下の「2:Hook up A to B」で解説しているように、「〜に」のところに「to」を使います。
・hook up(会う)
後ろに目的語が来ない「hook up」には「会う」という意味があります。詳しくは下の「5:Hook up with/for」も見てください。
日曜日に会おう。
・hook up(仲間になる、付き合うようになる)
やはり後ろに目的語が来ない「hook up」には、スラングで「仲間になる」「付き合うようになる」という意味があります。
ただし「性行為をする」という意味もありますので、使う時には注意が必要です。
彼らはすぐに仲間になった。
トムとナンシー、付き合っちゃえばいいのに。
・名詞「hookup」(性行為)
スラング「hookup」を名詞として使う場合があります。この場合は「性行為」の意味になります。
例えばあるマッチングアプリでは、さまざまなスラングや略字が登場しています。プロフィール欄などに「No hookups」という単語を見かけることがあります。これは「性行為はお断り」という意味になります。
2:Hook up A to B
「hook up A to B」または「hook A up to B」は「AをBに接続する」という意味になります(「hook A up to B」となるのは主にAが代名詞の場合です)。
「接続する」という意味の英語表現には「connect」がありますが、「hook up A to B」の方が一般的に使われています。
あなたのノートパソコンにプリンターを接続しました。
お願いしたいことがあるのですが。プロジェクターをパソコンに接続して頂けますか?
私はモニターをタブレットに接続しなければならない。
なぜだかわかりませんが、プロジェクターが映りません。プロジェクターに接続していますか?
もうすぐレッスンが始まる。モニターをパソコンに接続しなければならない。
プリンターをコンピューターにつないでいただけますか? それからA4の用紙を使って3部印刷してください。
3:Hook up with (someone)
「hook up with (someone)」には、いずれもスラングですが、主に2つの意味があります。
・hook up with (someone) ((人)と手を組む)
「hook up with (someone)」には「(人)と手を組む」という意味があります。
彼はDanと手を組み、一緒に詐欺を働いた。
・hook up with (someone) ((誰々と)イチャイチャする、(誰々と)肉体関係を持つ)
また、「hook up with (someone)」には、スラングで「(誰々と)イチャイチャする」「(誰々と)肉体関係を持つ」という意味があります。
長い付き合いである恋人や夫婦などにはあまり使われず、初対面だったり、知り合って間もない人たち、恋人未満のカップルなどの場合に使われます。日本語の「一夜を共にする」や「一線を超えた」などの言い回しなどにもこの英語の表現が使えます。
ナンシーは彼とできてるわ。
昨晩、トムとルーシーは肉体関係をもった。
彼女がジョージと一線を超えたの?何があったの? 彼女は彼のこと嫌いって言っていたのに。
4:Hook A up with B
「Hook A up with B」は「AをBに紹介する」という意味です。
「A」と「B」には主に「人」が入ります。この言い方は、例えば恋人がほしいと思っている友人に、知人を紹介する時などに使えます。かなりカジュアルな表現なので、ビジネスシーンなどでは避けた方がいい場合もあるようです。
私の親友にあなたのことを紹介します。二人はお似合いだと思います。
一生のお願いを聞いてくれる? トムに私のことを紹介して!
彼が私のことを彼の同僚に紹介してくれる予定です。
Webライターとして働きたい。誰か紹介してくれないでしょうか?
結婚したくないですか? 誰かいい人紹介してあげましょうか?
5:Hook up with/for
「hook up with」または「hook up for」が「will」や「be going to」などと共に使われて未来のことを表す場合、「〜に会う」「〜のために会う」「〜と遊ぶ」などの意味になることがあります。
近い、または遠い将来に「また会いましょう」「いつか会いましょう」「後ほど会いましょう」などと言いたい時に使います。
現在形や過去形で使うと「3:Hook up with (someone)」で紹介したような「(誰々と)イチャイチャする」というような意味に解釈される場合が多くなりますので注意しましょう。
また後で会いましょう。
明日は空いている?ランチも一緒にどう?
明日、ピーターと会う予定です。
来週友達と遊びにいく予定だ。
6:Hook someone up with something
「hook someone up with something」は「「人」のために「必要な物」を手配する」という意味になります。
「誰かに何かを与える」という意味です。このフレーズには、なかなか手に入らないものを「あなたのために特別に用意した」というようなニュアンスを含みます。
彼女はあなたにそのドレスを手配するでしょう。
私の親友がバレエのチケットをくれました。
Hook upの定番フレーズまとめ
いかがでしたか?「hook up」は本来の「つなぐ」という意味から派生して、スラング的な用法を含め、さまざまな使い方があるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ネイティブスピーカーがよく使う日常英会話の定番フレーズの一つなので、たとえ自分でそんなに使わなくても、頭の片隅に置いておくと会話の理解が進むと思いますよ!
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.