韓国語に限らず英語など外国語習得、また仕事や何かしらスキルの習得をする方法を私達は学生時代に学校教育で習ったり、社会人になっても習うことがほとんどありません。
そのため、韓国語学習でも何をどういう順番でどの程度学習すれば良いのか分からず手探りの状態でひとまずやっているという学習者も多いのではないでしょうか。
もしくは、勉強法が分からずネットの情報やSNSなどで出ている多くの情報を参考にしている人も多いと思います。
しかしながら、自己流の勉強法や各種の情報を基にした勉強法は、必ずしも正しい、効果的、自分の目指す目標を達成できる方法ではないことも多いので注意が必要です。
実際に韓国語でも英語でも何年も勉強しているのにできるようにならない、ずっと初級の状態から抜けられないという悩みを持つ人が少なからずいます。
特に日本人の場合、語学習得においては会話ができるようになりたいと思っているのに一向に話せるようにならない人が多いのが特徴です。
今回の記事では、初心者と初級者の韓国語学習者向けに、韓国語学習の注意点について書いていきます。
やりがちな間違った勉強法
冒頭で触れた通り、私たちはそもそも言語習得の方法を教えてもらったことがなく、自分で思いついた方法か多くの情報を頼りに勉強を始めることが多いです。
しかしながら、それらの勉強法で成果が出ない場合、適切な勉強法でない可能性が高いです。
ここではまず、多くの韓国語学習者がやりがちな間違った勉強法を挙げます。
何となく勉強をする
いざ韓国語の勉強を始めようと思った時に、何となく勉強を始めてしまう人が案外多いのではないかと思います。
ひと口に韓国語の勉強と言っても、何を目的にどこを目指すのかによって重点的にやることが変わってくるため、何となく思いつきで勉強をすると学習効果は高くありません。
また、何となくする勉強は単なる作業のようになってしまうことにもなります。
例えば、ノートにテキストの内容をただ書き写す、単語を特に理由があるわけではなく10回ずつ書いて意味も書くといった勉強は単なる作業になってしまっています。
勉強を時間がある時だけする
忙しい私たちは勉強する時間を確保することが簡単ではないと思います。
ですが、勉強を時間がある時だけする、マイペースに気が向いたらする、趣味程度なので週1回だけするといった勉強では韓国語習得はできません。
韓国語習得を始め何かしらのスキルの習得は、継続的にある程度の時間をかけてしなければできるようになりません。
複数の教材を同時に使って勉強する
韓国語の勉強を始める時は、韓国語の勉強を頑張ってやろうとモチベーションが高いです。
そして、メインのテキストの他にも単語集やフレーズ集など複数の教材を同時に使って勉強をしてしまう学習者がSNSなどを見てもいます。
ですが、複数の教材を使って勉強をすることはおすすめしません。
なぜかと言うと、同時に色々なことをすることで、本来集中して勉強すべきことに集中できなくなくなるからです。
その結果、一生懸命に勉強している割に学習効果が上がらなかったり、それが原因で勉強に挫折してしまうことになったりもします。
次々と教材を変えて勉強する
これも割と多いパターンです。
テキストを1冊勉強して、また似たようなテキストを使い勉強したり、復習を別のテキストを使ってするといった勉強法も避けた方が良いです。
また、テキストを1冊使って勉強している途中で他のテキストに変えて勉強する、テキストが合わないなどの理由でまた違うテキストに変えるといったこともしない方が良いです。
暗記や覚えることのみしている
韓国語を始め語学習得は、単語の暗記や文法を覚えることだと思っている学習者も多いと思いますが違います。
確かに、単語力や文法力は必要なので勉強して知識を得ることは必ず必要です。
ですが、自分の韓国語を勉強する目的が韓国語を話せるようになることなど使えるようになることなのであれば、暗記や覚えることは目的ではありません。
そのため、暗記や覚えることだけをしていてもできるようにはなりません。
好きなことで勉強する
韓国語の勉強を始めるきっかけがK-POPや韓国ドラマなどエンタメが好きだからという人も多いと思います。
そしてそういった人の中にはK-POPの歌詞を訳すとか韓国ドラマのセリフで韓国語の勉強をしている人もいるかもしれません。
ですが、初心者や初級者の場合、それらをするには韓国語能力が未熟な状態です。
そのため、韓国語を使って何か別のことをする方法で韓国語を学ぶことは効率が悪く、好きなことで学ぶと体系的に学べないため基本が身に付きません。
ネットなどでは“好きなことで楽しく勉強しましょう”といった情報が出ています。
しかしながら、それはある程度のレベルになっている人ができることであって、誰にでも当てはまるわけではないので鵜呑みにしないでください。
韓国語学習の注意点
ここからは、先に挙げたやりがちな間違った勉強法を基に韓国語学習をする場合の注意点について挙げてきます。
学習の目的と目標を明確にする
まずは、自分が韓国語を何のために勉強するのか、韓国語を学んで何をしたいのかという目的をはっきり決めましょう。
決める時にいつまでにそれを達成するのかもひとまず決めた方が良いです。
その目的を基に、具体的に実行に移せる行動目標を設定します。
例えば、会話ができるようになりたいのであれば、会話練習はもちろんのこと、それの元となる音読練習、さらには単語の発音練習をしっかりとすることがまず必要です。
その他にも、学んだ単語と文法で文を自分で作ることができるようになる作文力も必要です。
それらをどういう風にしてやっていくのか詳細に決めて学習を始めます。
学習の習慣化を最優先にする
韓国語の勉強を始めたらまずは学習を習慣化させることを最優先にしてください。
これは言うまでもないですが、韓国語習得はスキルの習得なので一朝一夕にできるものではありません。
そのため、学習を習慣化できることが習得するための大前提になるからです。
韓国語を始めた時は一番モチベーションが高いためついつい無理して勉強をしてしまいがちです。
ですが、そのやる気は通常段々と下がってくるものなので、初めの勢いのあった時にしていた勉強をその状態になっても続けることは難しいです。
自分が実践できない勉強では意味がありません。
そのため、勉強を始める段階ではむしろ勉強する時間や量は少なくして、まずは3日しっかりと続けることを徹底するようにしてみてください。
そして、それを7回繰り返せば21日になりますが、21日続けば語学習得のような勉強の場合は習慣化ができると言われています。
教材をひとつに絞って勉強する
教材はあれこれと同時進行でやらないことです。
これは先の項目とも重なりますが、教材をいろいろと使うことによりやることが増えるため学習の習慣化が難しくなります。
また、初心者や初級者はいきなり多くのことを学ぶことは難しく、その必要もありません。
一冊のテキストをしっかりと理解してできるようになろうと思えば、それだけでも結構な時間と手間がかかります。
そのため、きちんとした内容のあるテキストを一冊決めたら、それだけに集中して勉強するようにしてください。
同じ教材を何度も繰り返し学ぶ
教材を一度やって終わりにすると、多くの場合、知識としては知っているけど、実際にその知識をしっかりと使ってできるような段階にはなっていません。
そのため、一度勉強して終わりにするのではなく、繰り返し勉強して体得するようにしましょう。
一冊終わってまた他の似たようなテキストを使っても内容に大差はありません。
テキストをいろいろ使うからできるようになるわけではなく、学んだことを練習し、できる状態にまでするからできるようになるということを心にとめてください。
できるようになるまで練習する
韓国語は知識習得だけを一生懸命にしてもできるようにはなりません。
会話ができるようになりたいなどできる状態にするには、単なる暗記や覚えるだけではなく、学んだ知識を使えるようになるための練習を多くの時間をかけてする必要があります。
何回練習すれば良いのかといった疑問を持つ人もいるかも知れませんが、これは個々により違い、また一律に決められるものでもありません。
そして、何よりも重要なのは回数ではなくできるようになっているかどうかです。
韓国語自体の勉強にまずは集中する
韓国語能力をつけるには、自分の目的に合った学習内容を正しい勉強法で継続していくことが一番の近道です。
やりたいことがあるのであれば、それを少しでも早くできるようになるべく、まずは韓国語自体の勉強に集中してください。
まとめ
ここまで、多くの初心者や初心者がしてしまいがちな間違った勉強法から韓国語学習を効果的に進めるための注意点について書いてきました。
韓国語を含め外国語習得は、日本のような島国で陸続きではなく他国と接触が少ない、また日本語だけで生活に支障がない環境下では簡単なことではありません。
また、勉強法を教わることがなく、手探り状態でやらざるを得ないのが実際のところだと思います。
そして、多くの溢れた情報から自分に合った正しい情報を探し出すことも容易なことではありません。
今回の記事で書いたことは、韓国語習得に限ったものではなく私自身が英語と韓国語を含めこれまで他の言語を学び習得した経験から得たものであり、本質的な部分です。
多くの人がおすすめのテキストや勉強法にフォーカスをしがちですが、実はそれよりももっと重要でベースになる部分が韓国語習得に対する心構え、いわゆるマインドセットの部分です。
今回の記事はそのマインドセットについて書いてきましたが、韓国語学習を始める前、し始めた段階でも参考にしてみてください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。