韓国語を始め外国語習得では絶対に外せないのが単語と文法学習です。
何かしらの外国語を子供の頃からその言語が話される環境で触れていた場合は学ばずとも話すことはできるようになります。
ですが、だいたい思春期を過ぎた頃から外国語として学習を始める場合は必ずこのふたつは学ぶ必要があります。
そのため、韓国語学習においてもハングルを学んだ後に始めるのが単語学習と文法学習です。
ところで、多くの学習者が頭を悩ますことのひとつが単語をなかなか覚えられない、語彙力をどうやってつければ良いのか、単語数はどの程度必要なのかといった単語学習に関することです。
今回の記事では、韓国語学習の中でも重要な要素であり多くの人が悩みを持つ単語学習について書いてきます。
- 単語数はどのくらい必要なのか?
- 自分の韓国語学習の目的を明確にする
- 手持ちの教材の単語をしっかりと覚える
- 固有語と漢字語を分けずに使う単語から覚える
- 単語を意味と綴りの暗記ではなく使えるようになる
- 語彙力をつけるには
- まとめ
単語数はどのくらい必要なのか?
まず単語数がどの程度必要かは何を目的に勉強するかで変わってくるので一概に言うことはできません。
例えば、試験に合格する場合と会話ができるようになりたい場合で必要な単語数は違います。
試験に合格することが目的の場合、試験では知識量を問われるため比較的多くの単語数が必要になります。
それらの単語は、日常的に使わないものや外国語として韓国語を学ぶ立場であれば必ずしも知らなくても良い単語もあります。
実際にどの程度の単語数が必要かは、TOPIKやハングル検定の試験対策本やホームページで各級ごとの情報があるはずなので確認してみてください。
一方で会話ができるようになりたい場合は、実用目的になるので試験で出てくるような知らなくても良い単語は不要で、より自分が使う単語だけに集中して覚えて使えるようになれば良いです。
韓国人が日常会話で使う単語は1300語程度であると言われています。
これらの単語は必ずしも初級の単語と言うわけではなく、中級や場合によっては上級の単語も含まれています。
ですが、単語数だけで言うと初級レベルで求められる単語数ですので決して多くはありません。
また、普通に考えると良く使う必ず覚えなければならない単語は初級で出てくるので、やはり初級の単語からしっかりと覚えていくことが大事だと言えます。
自分の韓国語学習の目的を明確にする
前の項目で触れた通り、目的によってどの程度の単語数が必要になるか変わってくるのでまずここをハッキリとさせることが必要です。
これはなにも単語数がどの程度必要なのかを把握するためだけではなく、韓国語学習を効率よく効果的に進めるためにも必要なので勉強を始める前にまず決めてください。
会話目的であれば、最終的には中級程度の単語でかつ自分が良く使う単語を覚えて使えるようになっていれば不便はほとんどありません。
試験目的、特にハングル検定の合格を目的とする場合は、会話よりも多い単語数が必要にな
ります。
ですが、試験で出てくる単語はひとまず見て意味が分かれば自分が使えなくて良い単語も多いです。
特に読解問題の文章で出てくる単語は、上級レベルになると実際の会話では使わないような単語も多いです。
これは日本語でも言えますが、レベルが上がるにつれて日常的に使う簡単な分かりやすい単語よりも漢字を多く使った日常ではあまり使わない難しい単語がより多く使われるのと同じことです。
手持ちの教材の単語をしっかりと覚える
韓国語初心者や初級者は初めから無理して多くの単語を覚えようとしなくて良いです。
実際に勉強をしてみると分かりますが、初めから無理をしても結局覚えられないです。
書店に行くとテキストと別に単語集も出ていますが、これらも初めの段階では使わない方が良いと思います。
単語学習と言うと単語集を使ってやるものだと思っている人もいるかも知れません。
ですが、単語はある程度ちゃんとした教材であればそれなりの数の単語が出ているはずです。
それらの教材に出ている単語数だけでも結構な数になるので、まずはその単語を確実に覚えていくことだけに集中しても一冊終わる頃にはかなりな単語数を覚えられます。
単語学習に限ったことではなく韓国語学習全般に言えますが、やることをやたらに増やすとそれだけ負荷がかかるので継続ができない、そのうち挫折してしまうということになりかねません。
単語学習に関して言えば、単語集を使うのであればメインの教材の単語をしっかりと覚えて、それで物足りないという状態になるまでは必要ありません。
固有語と漢字語を分けずに使う単語から覚える
韓国語の単語は、固有語と漢字語があります。
ちまたの情報では、日本人は漢字が分かるから漢字語を覚えれば単語数を増やせるということが出ていたりします。
確かに固有語に比べ漢字が基になっている漢字語が覚えやすいのは事実です。
ですが、漢字語が覚えやすいからと言ってよく使われるわけではありません。
私たちが優先的に覚えるべき単語は、よく使う単語であって覚えやすい単語ではありません。
また、やみくもに単語数を増やせば良いわけではありません。
初級レベルでは漢字語よりもむしろ固有語の割合が高いです。
日本語でもそうですが、同じ意味の言葉でも漢字を使う方が難しい、単語によっては日常ではあまり使わず文書など改まったものに使う傾向があると思います。
例えば、「言う」は日常的に使いますが、「言及する」といった言葉は日常的に使うことはほとんどないはずです。
このふたつの単語のうちどちらを優先的に覚えるべきかと言えば、漢字語で覚えやすい「言及する」ではなく「言う」です。
単語を意味と綴りの暗記ではなく使えるようになる
単語学習でよくある誤解が、単語学習は単語の意味と綴りを暗記することだと理解していることです。
単語学習は、単に単語の意味と綴りを覚えることではありません。
このような誤解が生まれる原因は、学校英語の単語テストの影響だと言えます。
学生時代の単語テストは単語の意味や単語を正確に書けるかどうかだけを問われたので、ひたすら暗記をしたと思います。
ですが、単語は意味と綴りをただ丸暗記しただけでは全く使い物になりません。
単語力とは意味を知っている単語を増やすことではなく、使える単語を増やすということです。
単語、特に動詞や形容詞は意味と綴りだけ覚えても自分で使えるようにはなりません。
動詞や形容詞は自分が言いたいことに合わせて形を変えた活用された形で使ったり、文や聞き取りでも活用された形で出てくるので活用を理解しなければならないです。
単語と文法を別々にして勉強するのではなく、単語を活用させた状態で出ている例文で学ぶという方法で単語の使い方までを理解し、自分でも使えるようになる必要があります。
語彙力をつけるには
まずは、教材を使ってある程度まとまった単語を覚えることが必要です。
会話目的の場合
初級レベルの単語だけでも日常的な会話の多くは可能です。
先に触れた通り単語の意味と綴りを覚えるだけではなく、例文から使い方も学び使えるようになることです。
まずは既に知っていて使える単語で会話をしながら、教材を使い継続的に少しずつ自分が使う単語を増やしていきます。
試験目的の場合でも、基本になるのは普段の教材で学ぶ単語です。
しかしながら、試験では教材では出ていない単語が出てくることもあります。
そのため、必要に応じ試験対策の単語集を使うことも有効な方法です。
特に、ハングル検定は指定の対策本を使わないと上級レベルでは合格が難しいです。
通訳経験あり、TOPIK6級に合格した私の場合
私自身が実際にやった方法ですが、まずは会話目的で韓国語学習を始めたので、初級レベルの単語と文法だけでしっかり話せるようになることを目標にしました。
初級レベルで話せるようになることと同時に中級レベルの単語や文法学習も進めて、初級レベルの会話に中級レベルの学習内容を少しずつ加えることで会話の幅を広げました。
会話目的で勉強した場合でも、中級までの知識習得をすると単語力もそれなりの水準になっています。
TOPIKであれば、一部分からない単語はあってもその単語だけを過去問題を解きながら覚えていくという方法で補う程度で4級は合格しました。
元々試験合格を目的に勉強をしていたわけではないので、その後も教材を使って単語と文法の学習を進めました。
複数回の短期留学、ワーホリで翻訳業務を担当、韓国語を使った仕事を通し単語数や文法知識を増やし、4級合格から10年後くらい経ってTOPIKを受験し5級に合格、その後すぐに受けて6級に合格しました。
TOPIK受験のために、単語集を使って片っ端から単語を覚えるということは一度もしていません。
過去問題をする中で、もし分からない単語があまりにも多い場合は受験する水準の実力がないということなので、普段の勉強で力をつけてから受けると良いと思います。
普段の勉強でしっかりと単語力をつけていれば、分からない単語があり過ぎて理解できないといったことはないはずです。
まとめ
ここまで、韓国語の単語学習について書いてきました。
単語を覚えることは語学習得では欠かせない要素ですが、韓国語の単語をすべて覚えることは不可能ですし、その必要もありません。
まずは自分の韓国語学習の目的をはっきりと決めて、その目的にあった単語をしっかりとひとつずつ自分のものにしていくことが大事です。
そして、自分の韓国語学習の目的が韓国語を使えるようになることなのであれば、単語は意味と綴りを覚えるだけの暗記で終わるのではなく、必ず単語の使い方を学び実際に自分で使えるようになるところまでする必要があります。
試験に合格することが目的の場合、必ずしもすべての単語を使える状態にまでする必要はありません。
読解の問題で出てくる、特に漢字語に関してはしっかりと覚えていなくても音から意味を予測できる、見れば何となくわかる程度でも実際は問題がないです。
単語学習は、自分に必要な単語をある程度把握しそこに絞って集中的に学んで下さい。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。