近年、日本国内で英語を学ぶ方法として
「国内留学」や「国内ホームステイ」が注目されています。
海外に行かずに、英語を話す機会や異文化交流を体験できることから、学生や社会人、子どもから大人まで幅広い層に人気が広がっています。
この記事では、国内留学・国内ホームステイの基本的な内容や、メリット・デメリット、どんな人に向いているのか、さらには実際の効果について詳しく解説します。
これから国内での英語学習を検討している方の参考になれば幸いです。
- 国内留学・国内ホームステイとは?
- 国内留学のメリット・デメリット
- 国内ホームステイのメリット・デメリット
- 国内留学・国内ホームステイはどんな人におすすめ?
- ホームステイ以外の滞在方法
- おまけ:国内留学でほんとうに英語は話せるようになるのか?
- まとめ
国内留学・国内ホームステイとは?
国内留学は、海外に行かずとも日本国内で留学さながらの体験ができる学習プログラムです。
例えば、日本国内で行われる外国人講師との英語キャンプ、英語村での短期集中講座、そして外国人家庭へのホームステイなどが代表的です。
その中でも 国内ホームステイ は、外国人家庭に数日~数週間滞在し、ホストファミリー宅に滞在しながら日常会話や食事を共にすることで、実践的な英語と異文化理解を深めることができるプログラムです。
最近では主に、ネイティブ英語講師の家庭に滞在したり、英語が第一言語の国際結婚家庭でのホームステイや、留学生たちがホストファミリーを務める短期プログラムなどが人気です。
これは、英語の授業や単なる海外旅行だけでは得られない、一歩踏み込んだリアルな異文化コミュニケーションを体験することができるプログラムです。
語学習得だけではなく、異文化体験ができるのは、日常会話や、異なる慣習などを体験しながら言語や国際感覚を吸収することができるためです。
国内留学のメリット・デメリット
以下に国内留学のメリットとデメリットを比較してご紹介します。しっかりとポイントを押さえてから検討を始めましょう。
国内留学のメリット
国内留学は、まず初めて留学やホームステイに挑戦してみたい人に特におすすめです。
いきなり海外に行くのは不安という人でも、国内なら言葉が通じる安心感があり、短期間で試せるのでハードルが低くなります。
また、学生で予算に限りがある人にとっても魅力的です。
海外留学には高額な費用がかかりますが、国内留学なら数万円程度から参加可能なプログラムが多く、アルバイト代や貯金で挑戦できる範囲です。
また、社会人でまとまった休みが取れない人にも向いています。
国内留学は週末や連休を使った短期プランが多いため、長期休暇を取る必要がなく、仕事の合間にスキルアップを目指すことができます。
子どもに異文化体験をさせたい保護者にとっても有力な選択肢です。
小学生や中高生向けのジュニアプログラムなら、保護者の付き添いやサポート体制が整っており、安心して参加させることができます。
将来、海外留学やワーホリを考えている人にとっては、国内留学は事前練習として最適です。
まずは国内で英語や外国人との生活に慣れておくことで、いざ海外に出たときの不安が大幅に減り、自信を持って挑戦できます。
■ 挑戦のハードルが低い
パスポートやビザ、海外旅行保険の準備が不要のため、これから海外留学を検討している方に向けて、初めての留学体験として「お試し」しやすいのが国内留学の強みです。
■ 安心・安全な環境
言葉が通じる国内だから、日本語でサポートが受けられます。
未成年でも保護者の同意があれば参加可能な場合が多いです。
■ コストパフォーマンスが良い
従来の海外留学に比べて、渡航費がかからない分、費用がぐっと抑えられます。
海外や英語圏の文化に興味があるけれど、コストが心配という方におすすめです。
■ 短期集中で挑戦できる
ほとんどのプログラムの場合、 1泊2日、週末、1週間など短期間のプログラムが多く、長期休暇が取りにくい人でも参加しやすいようになっています。
また、海外渡航の手間が省けるので、忙しい社会人にもおすすめです。
国内留学のデメリット
国内留学の最大のデメリットは、英語環境が完全ではない点です。
日本国内という特性上、プログラム外では日本語を使う機会が多く、常に英語漬けでいられるわけではありません。
また、海外留学と比べると本場の文化体験は得られず、異国の街を歩いたり現地の人々と交流したりといった刺激的な体験は限定的です。
さらに、短期間のプログラムでも内容や施設によっては意外と高額になる場合があり、費用対効果をよく見極める必要があります。
本格的な留学やキャリアアップを目指す場合、国内留学だけでは物足りないと感じることもあるでしょう。
■ 英語環境が限定的
完全な英語漬け環境ではないため、気を抜くと日本語を使いがちになってしまいます。
他の参加者と一緒に日本語ばかり使ってしまう、ということにならないように気を付ける必要があります。
■ 国際文化の深さは限定的
海外留学のように、海外文化圏にどっぷりと浸る経験とまではいかないので、すでに海外経験のある方には物足りなく感じられるかもしれません。
あくまで留学や海外経験がない、もしくは少ない方に向けてのトライアルとして使うのがベストでしょう。
■ プログラムの質にばらつきがある
「安いから」という理由で選ぶと、内容が薄かったり、指導の質に差がある場合があります。
どのようなプログラムなのかを事前にリサーチすることが大切です。
国内ホームステイのメリット・デメリット
国内ホームステイのメリット
国内ホームステイは、実践的な英語力を身につけたい人 に特におすすめです。
英会話スクールやテキスト学習だけでは身につかない「日常生活のリアルな英語」を体験できるので、実際の場面で使える力を鍛えたい人に最適です。
特に「勉強はしてきたけど、会話になると自信がない」という人には、家庭内での自然な会話を通じて自信をつける機会になります。
また、異文化体験をしてみたい学生や社会人 にも向いています。
国内でありながら、食事、価値観、家族間のコミュニケーションなど、外国人家庭ならではの文化に触れられるため、視野を広げたい人、グローバル感覚を養いたい人にぴったりです。
子どもに英語を使う環境を与えたい保護者にも国内ホームステイは人気です。
学校や塾では得られない実体験型の学びを、短期間・安全な環境で経験させられるので、小学生や中高生にとっても貴重な機会となります。
さらに、海外ホームステイに挑戦する前のステップとして試したい人 にもおすすめです。
国内なら渡航準備や手続きが不要で、何か問題があったときにも日本語でサポートを受けられる安心感があります。
最初の「お試し体験」として、国内ホームステイは海外挑戦の不安を取り除く大きな一歩になります。
■ リアルな会話力が鍛えられる
教科書や単語帳からだけでは学べない自然な会話表現や、場面に応じたリアルな英語を学ぶことができます。
■ 文化交流を体験できる
食文化や家族間のマナー、考え方の違いなど、異文化に触れることで視野が広がります。
■ コストを抑えることができる
従来ホームステイとなると、渡航費も含めた総費用が掛かりますが、国内ホームステイの場合渡航費が不要なのでコストを抑えることができます。
国内ホームステイのデメリット
国内ホームステイのデメリットとしてまず挙げられるのは、ホストファミリーによって体験の質にばらつきがあることです。
家庭の雰囲気や教え方、話し方はさまざまで、場合によっては思うように英語を実践できないこともあります。
また、日本国内にいるため、外出先や移動中、プログラム外では日本語を使う場面が多く、英語環境に引き戻されやすいのが難点です。
さらに、ホストファミリーとの生活にはお互いの生活習慣や価値観の違いがつきものです。
思わぬストレスや気疲れを感じることもあるため、事前に心構えをしておくことが重要です。
国内留学・国内ホームステイはどんな人におすすめ?
国内留学およびホームステイはこんなひとにおすすめ、というのをご紹介します。
ご自身に当てはまるかぜひチェックしてみてください。
初めての留学体験をしてみたい人
いきなり海外は不安だから、まずは国内で挑戦したいという方。
社会人でまとまった休暇が取れない人
短期・週末プログラムなどの短期間なら問題なく集中できるという方。
コスト負担を抑えたい人
海外に行く予算はないけれど、実践的な英語に触れたいという方。
子どもに異文化体験をさせたい保護者
英語を学習しているお子様(小学生~高校生対象)に、普段とは異なる異文化体験をさせたいと考えている方。
将来の海外留学の準備として試したい人
海外留学を念頭に、国内で準備を進めたいと考えている方。
ホームステイ以外の滞在方法
以上にご紹介した方法以外にも、国内にいながら留学体験をすることができるプログラムが沢山あります。
その中でも人気のものをご紹介します。
英語村滞在型
外国人講師やスタッフと24時間英語で過ごせる「英語村」は、国内でも人気。
日常会話からアクティビティまで英語漬け。
短期合宿型(キャンプ)
仲間と一緒に宿泊施設で英語合宿。
アクティビティやグループワーク中心で、楽しみながら学べます。
シェアハウス型
外国人と一緒に暮らす長期プログラム。
日常生活の中で英語を使う機会が増えるので、長期的な効果が期待できます。
通学型
自宅から通える英語プログラムもあります。
定期的に通うことで、日常生活と両立しやすいです。
おまけ:国内留学でほんとうに英語は話せるようになるのか?
ここまで国内留学についてご紹介してきましたが、「短期で本当に効果があるの?」というのが多くの方の疑問だと思います。
もちろん個人差はありますが、短期間の国内留学で語学が上達したりスコアが上がったり、というのはあまり現実的ではありません。
語学学習というのは、時間がかかるものです。
自分のモチベーションや興味をキープしながらその言葉の文化や慣習を通じて理解を深めることも、大切なプロセスと言えるでしょう。
これらを踏まえたうえで、国内留学から得られるのは、実践経験と自信です。
実際に参加者からは、
・「人前で英語を話す練習ができて、自信がついた。」
・「新しい表現や単語を覚えることができた。」
・「今まで習った英語が実際に通じる喜びを感じた。」
というような声が多く聞かれます。
国内留学は、語学力を完成させる場というよりも、加速させるきっかけにするのがおすすめです。
まとめ
国内留学・国内ホームステイは、海外に行かずとも、リアルな英会話を学習したり、異文化体験ができる、現代ならではの柔軟な学びの形です。
海外渡航にかかる費用や時間を抑えることができる上に、短期間でも参加可能、日本国内なので安心といった様々なメリットがあります。
しかし、その一方で、様々なプログラムの中から、自らに最適なものを見極める必要があり、適切な目標設定をする必要があります。
もし、日本で英語学習を進める中で海外留学にはまだ手が出せないけれど
「実践の場が欲しい。」
「海外の生活文化にも興味がある。」
「リアル英語を話せるようになりたい。」
など考えている方に、国内留学・国内ホームステイをおすすめします。

◇経歴
海外在住5年目
◇資格
英検1級
◇留学経験
イギリスの大学で交換留学
◇海外渡航経験
学生の交換留学から海外現地採用。現在ヨーロッパにて現地就職
◇自己紹介
大学時代の留学を機に、今はご縁がありヨーロッパでOLしています。