英語を学習していて普段なにげなく使っている”better”や”best”の元になる単語は何かと考えることってあまりないかもしれません。“better”は”good”と”well”の比較級で次のように変化します。
原級:good(良い)比較級:better(より良い)最上級:best(最も良い)
原級:well(よい、上手に)比較級:better(よりよい、より上手に)最上級:best(もっともよい、より上手に)
日本語の会話やテレビ・雑誌でも「あのお店の方がおいしい。」「あのアイドルの方が人気。」「今日は昨日より暑かった。」「一番売れてる○○。」など何かを比べた文章は多いですよね。比較級や最上級と言うと難しく聞こえますが、英語でも日常的によく使われる表現です。
今日は”better”の使い方をフレーズや例文と一緒にお話していきます。
- 比較級のポイント
- 不規則に変化する単語
- betterの基本的な使い方
- betterのフレーズ
- その他のよく聞くフレーズ
- “better”を使って助言、アドバイスできる?
- ”better”「~した方が良い」の使い方
- “better off”の意味と使い方
- “had better”の意味と使い方
- “should”「~した方が良い」「~すべき」の使い方
- まとめ
比較級のポイント
先ほど出てきた「比較級」を簡単に復習しましょう。
英語の比較表現は、元になる単語=「原級」と「比較級」「最上級」で成り立つ
比較級の基本は形容詞、副詞の「語尾に~er」または「前に more」をつける
Tokyo Skytree is taller than Tokyo tower.
スカイツリーは東京タワーより高いです。
I woke up earlier than usual this morning.
私は今朝、いつもより早く起きました。
My dog is younger than your dog.
私の犬はあなたの犬より若いです。
This book is more interesting than other books.
この本は他の本よりもおもしろいです。
Gold is more expensive than silver.
金は銀より高いです。
Health is more important than wealth.
健康は富よりも大事だ。
※”more”と”~er”は一緒には使えないので注意。
間違い:Tokyo Skytree is more taller than Tokyo tower.
比較級を「もっと~だ」と強調したい時には”a lot” ”much” ”far” ”way”を使います。”~er”と”more”のどちらの形とも一緒に使えます。
さっきの文章を正しく直すとTokyo Skytree is much taller than Tokyo tower.になります。
いつもよりずっと寒いです。
私は妹よりも、もっと注意深いです。
このゲームは見た目よりもすごく難しいよ。
彼はクラスの他の男の子たちより断然かっこいい!
不規則に変化する単語
It tastes better than it looks.
これは見た目よりもおいしいです。
I know her better than you do.
あなたよりも私の方が彼女を良く知っています。
The weather is getting worse.
天気がもっと悪くなってきている。
There was less traffic today.
今日は渋滞があまりなかったです。
I watch more movies than you.
私はあなたよりもたくさん映画を観ます。
“better”は”good”と”well”の比較級で不規則に変化する単語のひとつです。
betterの基本的な使い方
まずは ”better”「より良い」「より上手い」を使った例文です。形容詞、副詞のどちらの意味でも使えます。
私のコンピューターの方があなたのより良いです。
彼は彼の弟より歌が上手い。
彼女は母親より運転が上手です。
その方がいいね。
どちらの方が好きですか?
私はお茶よりコーヒーの方が好きです。
betterのフレーズ
“get better”
「良くなる、上達する、快方に向かう、回復する」
彼女の英語はますます上達してきている。
絵を描くのが上手になってきてるね。
料理が上達したんだよ。
経済は回復してきています。
頭痛がましになってきています。
B:It’s getting better.
A:腰の具合はどう?
B:良くなってきてるよ。
“feel better”
「具合、気分が良くなる」
B:Thank you! I feel much better.
A:気分は良くなった?
B:ありがとう。ずいぶん良くなったよ。
B:I feel better than yesterday.
A:今日の具合はどうですか?
B:昨日より良くなりました。
早く具合が良くなることを祈っています。=お大事に。
“get better”はいろいろな物事に使えるのに対して、”feel better”は気分や体調について話す時に使われます。
その他のよく聞くフレーズ
B:The sooner the better.
A:いつ始めたいですか?
B:早ければ早いほど良いです。
B:Couldn’t be better.
A:調子はどう?
B:これ以上良くならないだろう。=最高だよ。
あなたはもっと良く知るべきです。=それぐらいわかるでしょ。/もっと分別があると思った。
私はもっと良く知っておくべきだった。=私としたことが。/うかつだった。
家庭料理に勝るものはないね!
“better”を使って助言、アドバイスできる?
「~すべき」という単語でまっさきに思い浮かべるのは”should”かもしれませんが、” better”を同様に助言・アドバイスする表現に使う事ができます。
”better”「~した方が良い」の使い方
“It’s better”+ to動詞の原型 “It’s better for you” + to 動詞の原型が基本になります。
自分で治そうとするより、お医者さんに行った方がいいよ。
後で後悔するより、安全な方が良いよ。=用心に越したことはない。/念には念を。
たぶん空港からは電車に乗った方が良いですよ。
できるだけ早めに、全部終わらせた方がいいと思うよ。
“probably”や“I think”を一緒に使うと、少しやわらかいニュアンスになります。
否定形「~しない方がいい」は“It’s better not”+ to動詞の原型 ”It’s better for you not”+ to動詞の原型になります。
かかわらない方がいいよ。
真実は知らない方が良いですよ。
食べ過ぎない方が良いです。
“better off”の意味と使い方
“be better off”には「~した方がより良い状態になる、暮らし向きが良くなる」という意味があります。
何かをすることで状態や暮らしが向上していく、すなわち「~した方がよい」という助言・アドバイスの表現として使えます。覚えておくととても便利なフレーズです。
“be better off”に続くのは”動詞のing”や形容詞です。”with + 名詞” ”without + 名詞”の場合もあります。”You would be better off”=“You’d be better off”と省略されることが多いです。
今日は家に居た方がいいよ。
勉強を頑張った方がいいよ。
彼は一人でいる方がよさそう。
あなたは独身のままの方がいいよ。
あなたは両親と一緒に暮らした方がいいよ。
彼女は彼が一緒にいない方がいいだろう。=別れた方がいいよ。
あなたは他の人と一緒の方が良いでしょう。=他の人と付き合った方がよさそう。
否定形 “be better off not”
知らない方がいいよ。
行かない方がいいよ。今日雪が降るよ。
彼らはまた大ゲンカしたよ。一緒に居ない方がいいんじゃないかな。
“had better”の意味と使い方
“had better”の日本語訳も「~した方がよい、~すべき」です。
同じ助言に聞こえますが、”had better”は”should”や”better off”を使う時とは違ったニュアンスになるので気を付けてください。
“had better”は「~しなければ困ったことになる」「~しなければ何か問題が起こる」「~したほうが身のためだ」と忠告するようなシチュエーションで使われます。他の表現に比べると強めの助言です。
“You had better”=”You’d better”や”I had better”=”I’d better”と省略されることが多いです。
※”better off”の“You’d be”=”You would be”と混同しないように注意。
渋滞がひどくなる前に行かなくちゃ。
今すぐにやった方がいいですよ。締め切りは今日です。
病院に行った方がいいです。3日間ずっと熱があるでしょ。
上着を着た方がいいよ。外は凍えそうに寒いです。
彼はすぐに来ないと、電車に乗り遅れるかもしれない。
否定形 ”had better not”
明日は遅れない方がいいですよ。
かばんから目を離さない方がいいよ。誰かが盗むかもよ。
“had better”の例文を見て、どうして過去の事を話していないのに”had”を使っているのか疑問に思った方がいるかもしれません。“have better”ではなく”had better”なのは「仮定法過去」という、頭の痛くなりそうな文法のためです。
現在起こっていない仮の話をしているので、現在形ではない時制の過去形を使うのが「仮定法過去」です。今日のテーマではないので、難しい文法の話はこれぐらいで止めておきます。ここでは“had better”はひとつの熟語として覚えておいてください。
“should”「~した方が良い」「~すべき」の使い方
学校では”shoud”の意味を「~すべきだ」「~しなくてはならない」と習いました。
日本語で「~すべきである」と言うと、義務的で強要されているようなイメージです。でもネイティブスピーカーは”should”を「~は良いのでおすすめ」といった感じのフレンドリーなアドバイスやカジュアルに意見を言う時に使います。
これ試してみて!すっごい良いよ。
休んだ方がいいですよ。疲れているみたいだから。
私達はいつか一緒に何かした方がいい。=今度遊ぼうよ。/今度一緒に何かしよう。
夜コーヒーを飲まない方がいいですよ。
パリにいるなら、絶対ルーブル美術館に行った方がいいですよ。
私はいま行った方がよい。=行かなくちゃ。
まとめ
“better”は「より良い」「より優れた」と言う表現以外にも様々なフレーズに使われています。なかでも助言する時の”had better”と”should”は学校で習った日本語訳のニュアンスとちょっと違うというのがポイントです。
どれも「この本を読んだ方がいいですよ。」という意味の文章ですが、上から順に強い言い方になります。
It’s better for you to read this book.:普通のアドバイス。
You’d be better off reading this book.:普通のアドバイス。
You should read this book.:カジュアルなアドバイス。
いかがでしたか?“better” はとても便利な単語です。”better”を含んだいろいろなフレーズも使ってみて下さいね。
大阪出身。人生の大半を、阪急沿線で過ごしたため大阪、京都、神戸好き。英語とは全く無縁の生活でしたが、社会人になって初めての海外旅行(ハワイ)で会話のできないもどかしさを感じ、英会話を勉強することに。旅行会話習得が目標だったはずが、次第に語学留学、ワーホリとエスカレートし、留学先のアメリカで国際結婚。現在アメリカ在住10数年です。趣味は旅行、料理、かわいい動物の動画を見ること。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.