「~したほうがいい」という表現は、日本語でも日常会話でよく用いるベーシックな表現ですよね。
しかし、「~した方がいい」という表現の中にも、その時の状況や話相手の立場、文脈によってニュアンスが変わってくるのをご存知ですか?
例えば誰かが自分にアドバイスを求めてきたとき、「○○したらいいんじゃない?」と提案の意味を含んでいる場合や、何かを避けたり回避するために「○○したほうがいいよ。」と、警告のニュアンスを含めた場合もありますね。そして、「~した方がいい」という表現は相手の立場によってもニュアンスが変わってきます。
そんな「~した方がいい」という表現、実は英語で表す際も全く同様です。「~した方がいい」といういみをもつ英語表現は複数存在しており、それぞれが異なったニュアンスを持っため、その場の状況や文脈、相手の立場をしっかりと考慮して使用する必要があります。
今回の記事では、ニュアンスの違いを含め、「~した方がいい」という意味を持つ複数の英語表現の例文を紹介していきます。英語習得の際に重要である、似た意味を持つ異なるフレーズを適切な文脈で使い分けができるようになりましょう。
- 「した方がいい」の英語表現1:Should
- 「した方がいい」の英語表現2:had better
- 「した方がいい」の英語表現3:Might as well
- 「した方がいい」の英語表現4:It might be a good idea
- 「した方がいい」の英語表現5:It would be better
- 同じような意味でもニュアンスに注意して伝えよう!
「した方がいい」の英語表現1:Should
一つ目に紹介する「~した方がいい」の英語表現は「Should」です。
「Should」は中学英語でも習うとてもベーシックな単語ですね。「Should」を用いて「~した方がいい」と表す場合、私たちが思っているほど強制力はありません。
むしろ、「~したらどう?」や「~してみてもいいんじゃない?」など軽い気持ちで提案をするニュアンスの方が強いです。また、その提案をすることによって相手が得をしたり、相手にポジティブなことが起るというニュアンスを含んでいます。
また、「Should」を用いた提案や意見はあくまで個人的なものであることが多いです。自分の個人的な意見を相手に伝えるときに使える便利な表現です。
例えば、以下の例文を観てみましょう。
You look stunning in that blue dress! You should ask Tim out and he will definitely say yes.
そのブルーのドレスすごくあなたに似合っているよ!あなたがティムを誘ったら絶対オッケーしてくれると思うんだけどな。
この例文をみると、ティムを誘うことを提案していますよね。
なぜなら、この話し手はきっとティムがお誘いに応じてくれると確信しているから。聞き手にポジティブなことが起こると思っているし、あくまで個人的な意見なので「Should」を用いています。
「した方がいい」の英語表現2:had better
二つ目の英語表現は「had better」です。
この「had better」は単純に訳すと「~した方がいい」となり、一つ目に紹介した「Should」と変わらないように思えます。
しかし、一つ目に紹介した「Should」との明確な違いがあるんです。それは、「Should」は単純に自分の意見や提案を相手にするときに使うのに対し、「had better」は何かを避けるべき時や何かから相手を避けさせるための提案をするときに用いることです。
また、緊急の時やすぐに○○した方がいいと強めのニュアンスが伴う場合も「had better」を用います。
「Should」と「had better」の明確な違いを簡単にまとめると以下のようになります。
●「Should」:提案したことを相手が実行することで、ポジティブなことにつながる。
●「had better」:提案したことを相手が行わないとネガティブなことが起こってしまう。
このように覚えておけば、ある状況で「Should」か「had better」どちらを用いるべきか判断ができるようになりますね。
それでは問題です!以下の日本語を英語でいうとき、「Should」と「had better」のどちらを用いるのが適切でしょうか。
Q1:「その課題は今日の夕方が提出期限だから、今すぐ先生に提出した方がいいよ。」
Q2:「君の作品は素晴らしいから、コンテストに応募してみなよ。」
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正解は...Q1の文には「had better」を、Q2の文には「Should」を用いる方が適切です。
なぜかというと、Q1の文は「今日の夕方が提出期限」や「今すぐ」などの急ぎを表すニュアンスが含まれていますよね。
もし提出をしなかった場合、単位を落とすか、成績が付かないなどのネガティブなことが起こる可能性があります。その場合、「had better」を用いるのが適切です。
反対に、Q2の文では「コンテストに応募する」ことを提案していて、応募をしたら賞がもらえる可能性が含まれていますよね。提案されたことを行うことによってポジティブなことが起こり得るかもしれない...というニュアンスを含むため、答えは「Should」です。
「した方がいい」の英語表現3:Might as well
三つ目に紹介する「~した方がいい」を表す英語表現は「Might as well」です。
高校英語で少しだけ耳にしたことのある方もいるのではないでしょうか。この「might as well」を用いる際に大切なポイントは、今置かれた状況を理解したうえで、良くない結果を避けるために「~した方がいい」と相手に提案することです。
例えば、このような状況に置かれたとしましょう。外に出たら大雨が降っているのに傘を家に忘れてしまったあなた。ふと目の前のコンビニを観ると傘が売っていますがなんとその傘の値段は5000円!こんなに高いのなら買わないで雨に打たれようと言いますが、友人は以下のようにあなたに言います。
You might as well buy that umbrella or you’ll catch a cold.
風邪をひくよりはあの傘を買った方がいいよ。
この状況から、「雨に濡れて風邪をひくこと」が良くない結果に当たりますね。これを避けるために友人があなたに「might as well」を使って提案をしているということになります。
「した方がいい」の英語表現4:It might be a good idea
四つ目に紹介する「~した方がいい」という英語表現は「It might be a good idea」です。
少々長めのフレーズですね。こちらは特に、目上の人や年上の人、上司や先生、あまり親しくない友人やお店の人がお客に対して控えめにアドバイスや提案をする際にもってこいの表現です。
It might be a good idea if you can use the app to get another discount.
もしアプリを使うことができるなら、割引をもらうことができるのでおすすめですよ。
It might be a good idea to ask your mum first whether you can go to the party or not.まずはあなたのお母さんに先にパーティーに行ってもいいか確認する方がいいね。
とてもやわらかいニュアンスになるので角が立たず和やかな提案やアドバイスができます。
目上の人や上司だけではなく、出会ったばかりであったり、まだあまり親しくない友人にも使うことができるのでぜひ覚えておきましょう。
また、同じようにやわらかいニュアンスで相手に提案やアドバイスを送る際に便利なのが「you may want to」という表現です。以下のように使うことができます。
Hey Melanie, you may want to read this book.
ねえメラニー、この本読んでみるといいよ。
友達が前から読みたがっていたから、もしくはその友達が好きそうなジャンルの本だからよんでみたら?と進めているという状況ですね。こんな風に軽い気持ちで、でも強制力はほとんどない提案ができる便利フレーズです。
「した方がいい」の英語表現5:It would be better
最後に紹介する「~したほうがいい」の英語表現は「It would be better」です。
こちらも四つ目の「It might be a good idea」と似ていて、相手にやわらかく何かを提案する際に使える便利な英語フレーズです。
ですが、どちらかというとこの「It would be better」の方が丁寧なニュアンスをふくんでいるため、フォーマルな場での提案や目上の人に対して提案をする際に最も適しています。相手に忠告をする際にもやわらかいニュアンスでつあてることができますよ。例文を観てみましょう。
例文1:The traffic in Los Angels on weekends is terrible. It would be better to catch a train.
週末のロサンゼルスの道路の込み具合は最悪ですよ。電車を使うことをお勧めします。
この例文から、話し手は聞き手に対してやわらかく忠告をしてあげていることがわかりますね。
同じような意味でもニュアンスに注意して伝えよう!
今回紹介した「~した方がいい」という英語表現には、さまざまなニュアンスの違いがあることがわかりましたね。
単に自分の個人的な池にゃ提案を相手にポジティブなことが起こるために伝えるときに使う「Should」や、反対に相手が提案をことわってしまうとネガティブな状況に陥る可能性のある時に使う「had better」、最悪の状況を避けるために仕方なく提案する際に使う「might as well」、そして丁寧で柔らかい印象を与える「It might be a good idea」や「It would be better 」でした。
これらの表現が使われる状況や場面をしっかりと結びつけて、実生活で使用できるようになりましょう。
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出身地は静岡県の下田市です。実家の目の前にはエメラルドグリーンのビーチがひろがっています。小さい頃からスキンダイビングやボディーボードをして育ちました! フェリス女学院大学の英文科在学中にニュージーランドへ留学。そこで国際教育の重要さに気づき、横浜国立大学大学院教育学研究科へ進学。小学生の外国語教育の研究に携わる傍ら、アメリカからの留学生のチューター業務も経験。 修士課程修了後は、都内のインターナショナルプリスクールで5歳児クラスの担任を経験。外国人と日本人バイリンガルの2人体制でこどもたちと英語で探究学習を行う。日本語の授業も担当し、母語の大切さも伝えた。 現在は前職を退職し、英語を教えるだけでなく、国際交流•異文化交流の大切さをそだてるニュータイプのオンライン英会話をネイティブ講師とともに小学生に教えている。 ④ 趣味は洋楽をギターやピアノでカバーすること、ビーチでヨガ、サイクリング、ピアノ耳コピ、ダンス、犬と散歩。 夢は、英語をツールにして音楽やダンスや絵、スポーツなどの自分の得意なことを使って自分自身について表現し、世界の人と交流することを楽しいと思ってくれる子供達が増えるような「先生」そして「表現者」になること。 そしてもう一度大好きなニュージーランドにステキな家族、友人達と長期ステイすること!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.