「英単語がなかなか頭に入ってこない」
「単語の暗記が苦手」
「語彙が伸ばせず自分の英語力に悩んでいる」
「英単語の暗記、超得意。楽勝!」なんていう人のほうが稀で、英単語を覚えるのに苦労している人、きっと多いのではないでしょうか?
スッと覚えられるもの、辞書で何度調べ直しても頭に入ってこないもの、覚えられる単語はその長短ということではなかったりします。
単語を覚えなければ外国人とのコミュニケーションも難しくなるし、英語関連の試験にも大きな影響があります。
覚えなければいけない。しかし、辛い、、、ひたすらやっても、10歩進んで5歩下がる的な感覚。英語の学習をネガティブなイメージにしてしまうリスクさえあります。
そんな人に紹介したいのが、本記事で取り上げる「英単語の語源図鑑」です。
ネーミングのとおり、単語学習を語源で掘り下げる形の学習法です。「英単語の語源図鑑」の内容や英語学習者のレビューなど紹介します。
もし、文字という情報だけの勉強にストレスを抱えているなら、ぜひこの記事をお読みください。
- 「英単語の語源図鑑」の概要
- 英単語を構成する接頭辞・語根・接尾辞
- 「英単語の語源図鑑」の内容を紹介
- 「英単語の語源図鑑」のおすすめ使い方
- 「英単語の語源図鑑」のレビュー紹介
- 語源図鑑で楽しく深く英単語を覚える
「英単語の語源図鑑」の概要
まずは、「英単語の語源図鑑」の概要をさらっと紹介しましょう。書店やオンライン、単語学習のための教材は星の数ほどありますね。そのなかで「英単語の語源図鑑」の特徴はとても明確です。
その特徴ですが、ひとつの英単語を3つの”語源”に分解し、それぞれを段階的に丁寧に解説しているところ。
2018年5月に発売され比較的新しい書籍ではありますが、幅広い年齢層に支持されベストセラーになっています。「もっとも効率的な英単語の覚え方は語源学習である」と言い切るのは著者の清水建二氏です。
上智大学文学部英文学科を卒業、その後は進学校・埼玉県立浦和高校や東進ハイスクールで英語を教えています。また、ガイド通訳士でもあります。英語指導40年というキャリアを活かし、様々な英語教材を開発、80冊を超える著作があります。
「英単語の語源図鑑」出版元は、かんき出版です。ベストセラーの神様と呼ばれる神吉晴夫氏(元光文社社長)が設立し、40年以上もの間、英語学習を含む様々なジャンルの作品を世に送りだしてきました。
英単語の語源図鑑以外の商品には、「続 英単語の語源図鑑」と「英熟語図鑑」がシリーズとしてあります。
英単語を構成する接頭辞・語根・接尾辞
芋づる式に英単語が覚えられるという「英単語の語源図鑑」の内容をさっそくみていきたいのですが、その前にいくつかのキーワードの確認から始めたいと思います。以下の3つのキーワードは英単語を構成するパーツであり、この総称が語源ということになります。
英単語を構成する最小単位です。単語の根幹を意味することから重要なパーツになります。
例えば、exitをパーツに分けると、ex+itになり、語根はit。
importをパーツに分けると、im+portで語根はportといった具合です。
接頭語とも呼ばれる接頭辞は語根の前に位置されます。
上の例で、exitをex+itに分けた場合のexが接頭辞です。
接尾語とも呼ばれる接尾辞は語根の後ろに位置されます。
例えば、carefulをパーツに分けると、care+fulになりますが、接尾辞はfulです。
このように、英単語は「接頭辞/prefix」+「語根/root」+「接尾辞/postfix」というパターンで構成されているのです。
この語源に注目したのが、ベストセラー英単語の語源図鑑です。構成されるパーツごとの意味を通して、単語全体の意味を連結させながら記憶させる学習法なのです。
「英単語の語源図鑑」の内容を紹介
本書では以下のようなポイントを挙げています。- 重要単語は語源で分解し知識を得ることで1万語レベルの語彙が身につく。
- 語源学習なら連想的に語彙を増やし、一連の単語を楽しく身につけることができる。
単語を分解し、語源を理解することで、関連する英単語を一気に記憶するという作業。考えただけで面倒と思う人もいるかもしれませんね。
しかし、この方法が有効ということは語源研究によって実証されているということです。
語源の知識と語彙の説明にはたくさんの可愛いイラストが使われていて、苦手意識なしに使える印象です。
語源の知識と聞くと難しそうと思うかもしれませんが、「英単語の語源図鑑」の各ページは程よい文字量とたくさんのイラストで意外にも扱いやすいものとなっています。
この辺の工夫もベストセラーのひとつの理由でしょう。では実際にどのようなことか、例を挙げてみていきます。
act, ag = 動かす・行なうのページから「transact」
transactは、(業務・取引きを)行なう、処理するといった意味の動詞でビジネス英語に必須の単語です。ぜひ、この機会に覚えてしまいましょう。
英単語の語源図鑑では、transactのイメージができるよう、まずイラストがあります。
左の人がボールを持っていて、右の人の持つ入れ物にそのボールを入れようとするイラストです。そして、transactを以下のように分解し、単語の意味を理解します。
trans(越えて)+act(行なう)→ 動詞(業務・取引きを)行なう
transは向こう側へ越えてという語源で、トランシーバー(transceiver)なら、声を向こうへ移すものという理解になります。
このイメージを掴むことが重要であり、語彙を増やすことを可能にしていきます。
次に「語源メモ」という言葉の由来が紹介されます。
actは名詞で「行ない」、動詞なら「行なう、演じる」の意味に。形容詞のactiveは「活動的な、積極的な」。
actualなら「実際の」、名詞はactionなら「行動」、activityなら「活動」、actorなら「俳優」などの意味になる。これらのactは印欧祖語で「動かす」「駆り立てる」という意味のagに由来する。
※印欧祖語=インド・ヨーロッパ語族の諸言語に共通の祖先(祖語)として理論的に構築された仮説上の言語のこと。
そのまま見開き右のページに移動すると、actやagを使った以下のような他の単語がイラストとともに紹介されます。
ここでも単語を分解して説明するとともに、例文を紹介します。
react(反応する・反応)
re(再び)+act(行なう)→相手の行動に対して反応する
彼のコメントにどう反応しましたか?
exact(正確な・まさにその)
ex(外へ)+act(行なう)→余分なものを外へ出す
この単語の正確な意味は何ですか?
agent(代理店・代理人・スパイ)
ag(行なう)+ent(人)→行なう人
彼はかつては連邦捜査局員だった。
agenda(議題・問題・課題)
ag(行なう)+enda(~すること)→行なうべきこと
今日の議題は何ですか?
このように、可愛いイラストとともにひとつの語源から連想的に単語を増やしていくことができます。
語源図鑑と聞いて固かった印象も、なかなか面白いと思えてきませんか?
ここで少し余談!
下記記事では、学生にも社会人にもおすすめな英単語帳「ユメタン」の使い方をご紹介しています!ユメタン独自のアプローチは必見ですよ♪
「英単語の語源図鑑」のおすすめ使い方
「英単語の語源図鑑」は見やすいレイアウトや文字の大きさと量、そしてイラスト使いでストレス無しで読むことができます。本書を購入したら、まずはペラペラとページをめくってみてください。最初から覚える気持ちでやらなくても大丈夫。まずは語源図鑑の雰囲気を掴みます。
その後は、興味のある英単語のページを精読したり、音読して記憶の定着を図ります。
さらに、おすすめの使い方です。これは「英単語の語源図鑑」を辞書代わりにする方法です。
興味のある本や教材、または単語集などで英語学習する際に、「英単語の語源図鑑」を手元におきます。分からない単語が出てきたら、「英単語の語源図鑑」の後半にある索引を使って辞書のように単語を検索します。
分からない単語を語源を接頭辞、語根、接尾辞に分解し、それらを連結させる作業によって単語の本当の意味を理解します。
この作業に慣れ、繰り返しすることによって癖がつくでしょう。一瞬、まわりくどいと思える方法ですが、時間をかける分、脳裏に焼きついていくというわけです。
「英単語の語源図鑑」には、Kindle版の電子書籍やアプリもあります。好みに合うものを選択し、ぜひ活用ください。
「英単語の語源図鑑」のレビュー紹介
最後に、「英単語の語源図鑑」ウェブサイトから、読者の感想を紹介しましょう。引用元:「英単語の語源図鑑」ウェブサイト
https://kanki-pub.co.jp/pub/specialsites/englishwords/
ここでまた少し余談!
下記記事では、人気英単語学習アプリ「mikan」をご紹介しています!アプリなのでスマホで完結し、いつでもどこでも使用できますので、空いた時間を活用して英単語学習しましょう♪
語源図鑑で楽しく深く英単語を覚える
英単語を覚える作業はなかなか大変な作業であり、常に100%記憶しようとするとかえってストレスになってしまうことがあります。しかし、「英単語がなかなか頭に入ってこない」または「単語の暗記が苦手」、こんな人はもしかしたら英単語を眺めているだけの可能性もあります。
その点、「英単語の語源図鑑」は単語を分解し、意味を理解した上でリンクさせる作業の過程で考えることが求められます。この過程こそ記憶が定着していくことになります。
覚えた接頭辞や接尾辞を他の単語に応用していくとさらに語彙が増えていくでしょう。
こうなると、英単語の勉強も楽しくなっていくかもしれませんね。

◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。