基礎単語とは会話に必要かつ最初に学ぶ単語と定義できるかもしれません。日本語が母語の方なら幼稚園や小学校のとき、また家庭で学んできた単語とも言えるでしょう。
これは友達同士や家族で話される会話と密接な関連があるので、日常会話に必須の単語と言えるかもしれません。
日常会話に必要な言葉と文字数
日常会話ができるというのは、初めて外国語を勉強する人にとって羨ましいことではないでしょうか。
それでも日常会話レベルまでの道は遠くて難しい、と思われる方はたくさんおられます。
そこで、今回の記事では、中国語学習において「本当に日常会話が出来るレベルまで上達するには大変なのか?」という事をテーマにお話していきたいと思います。
日常会話では一体どのくらいの単語が使われていると思いますか。
日本でも、小学生にもなれば親とコミュニケーションを取ったり、親の言いつけを守って買い物にでかけたりします。
高学年にもなれば自分の考えをアウトプットできる子供もいるほどです。
こうしてみると日常会話は小学生でもできるレベルだと言えるでしょう。
小学生が使っている単語の量は、中国語では約1200語くらいだそうです。
極端に見ても、図書館で売られているような2000語や3000語には及びません。これくらいの単語量があれば、コミュニケーションが普通にできるのです。
問題はその頻繁に使われている単語をいかに駆使して会話の中で使うか、また聞き取れるかということです。
これからその基礎単語の学習方法を紹介したいと思います。
学習効果の高い効率的な基礎学習法
基礎単語を決してなめてかかってはなりません。基礎単語であるほど様々なシチュエーションで使われることが多いのです。
様々なシチュエーションで頻出するということは、ある単語によっては意味に幅があるという場合もあります。
例えば、日本語の「見る」は中国語で「看」という単語を使いますが、場合によっては「ーと思う」というときにも使われることがあります。
そのためよく使われる単語をしっかりと覚えるために感覚器官をよく使って覚えたほうがいいでしょう。
つまり目と耳と触覚やイメージそれらを総動員させて覚えることが出来れば、より深く単語を覚えることができます。
発音、漢字、意味をセットで覚える
中国語の単語はもちろん漢字です。漢字は字そのものに意味があるので、単語を覚えるときには漢字と意味をセットで覚えるのはもちろんのこと、発音も注意して聞くようにしましょう。
漢字そのものには発音記号はありません。それそのもので発音を表すアルファベットとは異なり、中国語の単語の発音には発音記号があります。
その記号をピンインと言います。中国の方は子供の時からピンインを学びます。
そのピンインを通して中国語の発音を正確に学ぶのです。
その為、中国語の単語を覚えるときはローマ字で表したピンインも一緒にチェックするようにしてください。
音声を聞きながら声調にも注意
日本語には音の高さによってニュアンスや意味が異なります。
よく言われているのは、「雨と飴」、「箸と橋」などの違いです。
中国語でも音の上げ下げで意味が異なります。そのため、単語を覚えるときには音声をよく聞くことが必要です。
中国語には四声があって、四種類の声の高さの違い(または音程の違い)があるので最初は聞き分けに苦労するかもしれません。
簡単に言うと
①一声は高く平らに
②二声は下から上げるように
③三声は低く抑えて
④四声は上から下に下ろす
というように発音の仕方を変えます。
この成長の違いを聞き分けることが直接リスニングの力にもつながるので、最初のうちは何度も何度も聞き直して体に刷り込ませるようにしましょう。
最初はゆっくりでも構いません。慣れることが大事なのです。
日常生活レベルの会話文や例文は丸覚えする
最初のうちは特に文法とはあまり関係ない挨拶がよく出てきます。
初級はこうした挨拶表現をたくさん目にすることでしょう。
こうした言葉はたいてい短文で構成されています。挨拶は理屈で覚えるものではありません。
最初の挨拶程度の会話は丸覚えしてしまいましょう。先ほど提案したようにゆっくりの音声でも構いません。
まずはお手本をまるまるコピーするように練習することです。
挨拶程度の短文を繰り返し発音することで個々の音の発音練習にもなります。
そして気になるのは文法を使った例文でしょう。
これは簡単な文法を勉強したときに教科書に何個か載っていることが多いはずです。この例文を口が覚えるまで繰り返し発音しましょう。
「例文を覚えること=文法を覚えること」になるからです。文法は理屈で理解することも必要ですが、それを使っている例文はもっと重要です。
例文を口に出して暗唱できるようになると、自ずと文の作り方も理解できます。
この理解を応用していくと、様々な文章を段々と作ることができるようになります。
そのため基礎単語を覚えるときには、例文と挨拶表現をセットで丸覚えしましょう。
ここで少し余談!
下記記事では、中国語で会話をするうえでとても重要な、子音を発音するコツにについてご紹介しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
目的や会話レベルに合わせた段階的勉強法
基礎的な単語の覚え方をこれまでご紹介してきましたが、ここからより深く勉強していくときにどうやって単語を覚えていったらいいのかを学習していきます。
まず、勉強する目的を考える必要があります。
例えば、テストのために勉強するとなると、普段の会話で使わないような単語も覚えていかないといけないので、頭に詰め込むような勉強の仕方になるかもしれません。
しかし、会話やビジネスへと勉強をステップアップしていきたいのであれば、頭に詰め込むだけでは使うまで苦労するはずです。
中級者の会話力に必要な言葉
中級者ということは、ある程度の短い文章を作ることができます。簡単な会話であれば聞いて理解できるレベルと言えるでしょう。
それでもネイティブとの日常会話では、まだそれほど流暢には話せないかもしれません。
ここで必要なのは基礎単語をどれだけ知っているかという問題です。
つまり、知っている単語でも、その単語をどれだけ深く知っているかという事が重要なのです。
ネイティブの小学生は、普段よく使う単語を使って実に様々な表現ができます。抽象的な表現さえできるほどなのです。
基礎単語を表面的にも勉強したのであれば、ネイティブの会話をよく聞くようにしましょう。
これは必ずしもネイティブと直接話さないといけないというわけではありません。少し子供っぽくても聞いて分かるのであれば、ビデオやアニメを聞くことも良い方法です。
最初は字幕を付けた方が分かりやすいかもしれません。文法のおさらいにもなりますし、目で見て、初級で出てくる頻出単語の使われ方を観察できます。
この方法で、基礎的な単語1,200語程度の単語の幅を広げ、言葉の応用力を養うことができます。
参考書を使って試験勉強をするとき
テストは会話練習とはちょっと違うかもしれません。
中国語でも初級程度の問題では会話文がよく出てきますが、上のレベルになるにつれ、新聞や小説などの文章が出るようになります。
こうした文章で読解力が試されるので、どれだけこうした文章に慣れているかが問われるのです。
試験のための学習手順と教材や問題集選び
試験勉強で多くの方がやっていることは過去問題集を何回も解くという方法でしょう。
私達日本人は漢字において欧米の人と比べ、かなり多くのことを知っています。ですから中国語試験でも過去問をしていればかなりの点数を獲得できるのです。
でもこれがうまくいくのは初級くらいの中国語のテストの場合です。
それが中級や上級レベルのテストとなると、扱われる単語の量も増え、過去問だけではカバーできなくなってきます。
過去問は説明の多いものを選んだとしても、分厚い問題集は避けるようにしましょう。
問題集は、同じものを繰り返し使うにしても、解いてみて間違ったものだけに絞り、回数を何回もこなすようにしましょう。
問題集に加え、中国の新聞や小説、記事などをチェックするようにしてください。
今はインターネットが普及しているので、そうした資料はあふれるほどにあります。
こうした資料に毎日触れるようにすれば、必要な単語がどんどん蓄積されていくことでしょう。
加えて中国語のニュースを必ず聞きましょう。
特に上級レベルの中国語の試験はゆっくりなら分かる内容でもネイティブレベルの速さで音声が流されるので注意深く聞かないとわからないこともあります。
インターネットでニュースサイトをチェックして、ゆっくりからだんだん音声のスピードを上げるのもヒアリングの練習になります。
もし可能ならアプリも活用してみて下さい。
中国語の試験で代表的なものはHSKという試験があります。
それに合わせた単語帳なども公表されている事が多いので、一日何個というように、単語を覚えるようにしてみるのもおすすめです。
新聞や小説、記事などから単語を抜き出す
新聞や小説などはテストで出題されることが多いので、高度な内容になると単語の量も増えてきます。
ここで試されるのが文法力です。基礎から身につけてきた文法があるなら、どんな文章が出題されても文の構成を見抜くことができます。
文章から文型を見抜き、単語が置かれている理屈を理解できるなら、おのずと文章中の単語動詞の区切りが分かってきます。
文法がなければただの漢字の羅列に思われがちなものでも、文法によって単語を抜き出すことができるのです。
こうして抜き出した単語をEXCELなどの表に入力しながら何度も何度もタイプしつつ覚える事もできます。
タイプしたものがEXCELにどんどん埋まっていきますから達成感も感じやすいでしょう。
その時忘れてはいけないことは声を出しながら頭でしっかり単語の意味をイメージしながら集中してタイプすることです。
感覚器官をフル活用して単語を覚えるようにしましょう。そうすればしばらくたっても忘れにくくなります。
ここでまた少し余談!
下記記事では、中国語学習に向いている人・向いていない人の特徴をご紹介しています!これから中国語を学ぼうとしている方はぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
外国語の基礎単語の量は決して多くありません。
問題はその単語をどれだけ深く理解できるかにかかっています。
できるだけネイティブの会話に触れるようにして基礎単語に習熟しましょう。
だんだんとその単語の意味の広さを理解できるようになれば、使いこなすのもそう遠くないはずです。
中国語講師として様々な方に基礎から指導してきました。 文法解説や発音指導、フレキシブルなレッスン時間の点で、よい評判もいただいております。 中国語能力を測る資格試験、HSKの最上位6級にも合格しています。(中国語の新聞、ドラマを見たり聞いて理解可能なレベル) もし中国語にご関心があればスカイプ及びLINEより中国語を教えることができます。(30分:500円から) ご連絡は下記のブログからお待ちしております。 https://chinesekun.hatenablog.com/