韓国語の勉強を1年などそれなりの期間、継続しているのになかなか話せるようになっていない人が少なからずいるように思います。
特に、韓国語教室やオンラインレッスンで授業を受けているのに話せるようになっていないのはなぜなのかと疑問に感じないでしょうか?
今回は、韓国語を勉強しているのに話せるようになっていない理由と話せるようになる勉強法についてお伝えします。
勉強をしているのに話せるようになっていない理由
韓国語を始めて間もないのであれば、話せなくても不思議はありません。
なぜなら、韓国語に限らず外国語の習得にはそれなりの時間が掛かるので、始めてすぐに話せるようにはなりません。
ですが、韓国語学習者の中には1年を超えて数年かけて学んでいるのに話せるようになっていない人もいると思います。
それだけの時間を掛けて学んでいるのに話せるようになっていないのはなぜなのか?
まずは、その理由を挙げます。
1.初級の学習内容が自分でできない
ひとつめの理由として挙げられるのが、「初級の学習内容が自分でできない」ことです。
初級は全ての基礎になる部分なので、まずしっかりと理解できていることが大前提として必要です。
ですが、理解して「分かる」とか、勉強して「知っていること」と「自分でできる」ことは全く別のことです。
つまり、テキストなど教材を使ってポイントをノートにまとめるだけでは、「知っている」状態にはなっても「自分でできる」状態にはなっていません。
ひとつ身近な例を挙げてみます。
新しい仕事を始めると想像してみてください。
実際に仕事をする前に、仕事のやり方などについて説明を受けると思いますが、それだけで自分で実際にできるでしょうか?
大抵の場合、説明を受けた後に自分で実際にやってみて、時には失敗もしながら少しずつ実践を通して成長していくはずです。
韓国語の勉強もこれと全く同じです。
テキストの要点まとめだけをしても、仕事の例で例えれば説明を受けた段階のみで、実践していないことと同じですから、できるように一向にならないわけです。
もちろん、練習問題を解くことはすると思いますが、それだけでは不十分です。
もし、韓国語を長く勉強しているのに、なかなか話せるようになっていないと悩んでいるのであれば、ここを一度確認してみてください。
「分かったつもり」になっていないでしょうか?
学んだことを自分できちんとできるようになっているでしょうか?
2.学習方法が話せるようになる勉強方法ではない
韓国語の勉強とひと口に言っても、何を目的に韓国語を勉強しているのかによってすべき学習方法が変わって来ます。
言い換えると、目的は違うのに同じ学習方法で勉強していても、勉強している割に効果がないということになります。
例えば、韓国語を話せるようになることが目的の人であれば、学校で勉強していた時のような試験に合格するとか、良い成績を取るためにしていたような勉強方法では話せるようにはなりません。
韓国語の勉強を、学校英語で学んだやり方に倣ってしている人が割と多いように思います。
ですが、この勉強方法は話すようになることを目的にした勉強方法ではありません。
そのため、学校英語に倣った勉強方法をしていても話せるようになるわけでないということです。
また、話せるようになるための勉強法に限った話ではないですが、自分の勉強の目的に合った学習方法ではなく、自分のやりたいことで勉強することもできるようにならない理由のひとつです。
例えば、韓国ドラマが好きだからドラマを見て韓国語の会話を学ぶと言った方法です。
必ずしもドラマを使って勉強することが悪いと言う意味ではありません。
ですが、何事も学ぶ順番や難易度があります。
やりたいことをしたい気持ちは分かりますが、これを無視した勉強方法をしても効率が悪く効果もありません。
3.練習が足りない
話せるようになるためには、まずは知識習得が必要です。
なぜかと言うと、話そうと思っても何も知らなければ話すことはできないからです。
そのため、単語や文法をまずは勉強します。
ですが、そこで勉強を終わりにしてしまうと、話せるようにはなりません。
話せるようになるには練習が必要です。
ですが、日本人の学習者の多くは知識習得に多くの時間を掛けていますが、練習にはそれほどの時間を掛けていないと思います。
例えば、音読練習であれば、数回読んで終わり、では圧倒的に練習量が足りていません。
できないことをできるようにするには、知識習得よりも練習により多くの時間を掛けなければなりません。
これは、韓国語習得に限らず、仕事やスポーツなど何事にも共通していると思います。
ここで少し余談!下記記事では、韓国語の「5W1H」についてご紹介しています!文法を攻略して効率よく韓国語学習を進めていきましょう♪♪
韓国語を話せるようになる勉強法
ここまで、韓国語が話せるようにならない理由を挙げましたが、ここからは韓国語を話せるようになる勉強法について挙げます。
1.活用練習をする
まず、ひとつ質問ですが、「韓国語を話せるようになるために必要なことは何だと思いますか?」
もし、この質問に対し、「とにかく単語をたくさん暗記して文法の勉強をすること」という答えが頭に浮かんだのであればそれは少し違います。
先に触れた通り、韓国語を話せるようになるには、ある程度の知識習得は必要です。
ですが、何から何まで覚えることは現実的に不可能ですし、その必要もありません。
私たちは韓国人ではなく、外国語として韓国語を学ぶわけです。
そのため、韓国人であれば知っていなければならない単語や文法、表現なども必ずしも知っている必要はないです。
そして実際には、単語や文法をたくさん知っていさえすれば韓国語を話せるようになるというわけではありません。
韓国語は活用する言語です。
活用とは「自分の伝えたいことによって語の形を変えること」です。
日本語で例を出すと「食べる」は辞書に載っている原形です。
ですが、常にこの「食べる」で使われるわけではなく「食べました」「食べようか」「食べたいです」のように伝えたい内容により、活用させなければなりません。
韓国語もこれと全く同じです。
単語の数をいくら増やしても、活用ができなければ、その単語の意味が分かるだけで実際に使うことができないということになります。
「食べる」であれば、原形の「먹다」だけを一生懸命に覚えても、この形でしか自分が認識できないのであれば、全く使えないということです。
日本人は日本語であれば学ばずとも、活用は自然にできますが、韓国語など外国語の場合は活用を学ばなければできるようにはなりません。
そのため、韓国語を話すなど使いこなせるようになるために欠かすことができないのが「活用練習」です。
活用は文法を知らなければできません。
そのため、活用練習の元になる文法についてまずは学ぶ必要があります。
そして、この文法を学ぶことは多くの韓国語学習者が既にしっかりとしていると思います。
文法を勉強したあとに、それを実践で使えるようになるには活用練習が必要です。
自分が良く使う単語を中心としていろいろな単語を使い、教材で新しい文法を学ぶたびに活用をさせてみます。
すでに書いた通りですが、どんなに簡単なもの、見れば分かるものでも、自分で口に出して言うことができなければそれは「分かったつもり」であって「自分でできる」にはなっていません。
そのため、既に勉強した初級レベルでも復習して「分かったつもり」を「自分でできる」になるようにしましょう。
2.練習をしっかりとする
これも既に書いた通りですが、できるようになるためには、勉強して知識を得ることよりも実際に練習することにより多くの時間をかける必要があります。
テキストや教材に載っていることを勉強して、まずは理解し、それをできるようになるには思いの外時間を要します。
これも、スポーツで考えてみるとその感覚が分かりやすいと思います。
例えば、今泳げない人が、コーチに泳ぎ方を習って直ぐに100m泳げるようになるでしょうか?
よほどの体力と能力や素質がない限りは、すぐに泳げるようにはならず、基礎練習や体力作りなどをそれ相応の時間を掛けてやらなければならないはずです。
それと同じく、韓国語もまずは活用ができなければなりません。
活用ができるようになるにはそれ相応の練習量が必要になります。
会話を泳げるようになることだとするならば、活用練習は基礎練習や体力づくりに相当します。
100m泳ぐためには、まずは基礎体力がなければその距離を泳ぎ切ることができないのと同じで、活用がきちんとできないのに会話がスムーズにできることはまずありません。
前の項目で触れた通り、単語を覚え、文法の勉強をして、それを使えるようになる為には活用ができるようになる必要があります。
単に単語と文法だけテキストに載っている通りに覚えても、それは実際に使える知識にはなりません。
韓国語の勉強自体が目的、知識を増やすことが目的で韓国語を勉強しているのであれば覚えるだけでも問題はありません。
ですが、そうではなく、目的が韓国語を話せるようになることなのであれば、得た知識を元に使えるようになることに、より多くの時間を掛けて練習をすることが必ず必要です。
インプットとアウトプットの割合は3:7と良く言いますが、その通りです。
単語や文法の勉強をするのはインプットで、それらを元に自分で練習するのがアウトプットです。
ですが、多くの学習者はこの比率がむしろ逆になっている、もしくはアウトプットはほぼしていないのではないでしょうか?
ここでまた少し余談!下記記事では、韓国語のリスニング力を伸ばすコツについてご紹介しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
韓国語を継続的に勉強していれば恐らく初級レベルの単語力と文法知識は既にあるはずです。
韓国語は、初級レベルでもしっかりと使いこなせるようになっていれば話すことは十分に可能です。
今、話せなくて悩んでいるのでれば、新しいことを覚えることよりも既習のものを使えるようになることが、話せるようになる近道です。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。